第1話 果たせぬ約束 Actus Reus
監督/Kate Dennis
脚本/Stephen M. Irwin
【Story】
ファスナーを締めて遺体を海中に沈める・・
古い西部劇を見るDr.ダニエル・ハロウ (Ioan Gruffudd)
は上司のマキシン・パヴィッチ (Robyn Malcolm)から
何故サボっているのか問われる。
「ピエロが嫌いだから・・」
彼の解剖を5時までに終わらせるのがあなたの仕事だとい
うパヴィッチだが、ライル・フェアリー
(Darren Gilshenan)にやらせれば良いとし俺は断るとい
う。警察が待っているし、そもそも担当はあなただという
が、この遺体の主の過去は真っ黒だとし子供への性的暴行
で・・。しかも一度も罪は確定していないんだという。
警察は成長して被害者の一人がヨガをしていたコイツを
襲ったと見ているという。
「何故解剖を渋るのか?」
死因は脳のくも膜下出血で第2と第3の頸椎を過度にひねっ
た事による右椎骨動脈の外傷性内部破裂だって事を見つけ
てしまうからだというダニエル。コイツはヨガ中に自分で
首を捻り死んだ。ピエロの格好をしているのは暴行して
居た頃の思い出に浸れるからだという。
検視ならばフェアリーにいかせろという。アイツは死因
をドン的外傷と見なして警察が捜査する。このクズの
児童虐待の過去が明らかにされるかも知れないと。
●クイーンズランド法医学研究所(QIFM)
ダニエルはフェアリーの元へいく。
彼はダニエルに解剖を押しつけられたせいで「香道」
に遅刻すると怒っていた。サイモン・ヴァン・レイク
(Remy Hii)によると香道は香りを楽しむ日本の芸道
だという。
そんな中ダニエルに電話が鳴り病院にいく。
医療従事者のメガネの女性(Danxia Yang)から話を聞く。
娘・ファーン(Ella Newton)は前からドラッグをして
いたのか?MDMAのような向精神薬を飲んでいたとし、結果
は良好だという。誰かに連れてこられて病院の前で一人
で居たという。
病室に行くが既にファーンは抜け出していた。
ダニエルは元妻のステファニー・トルソン
(Anna Lise Phillips)に電話し、一緒に居るのかと問う。
連絡は有ったのか?と。先週一度「元気にしている」と
いうメールをもらっただけだというと、心配する元妻に
ファーンは緊急入院したこと。原因はパーティードラッグ
で、自分が到着した時には病院から居なくなっていたこと
を語る。連絡があったら知らせてくれと語る。
●船着き場 / ベティ号
ダニエルは自分の船に行くとそこにはブルース・
ライマーズ (Gary Sweet)の姿があった。
「どうしてここに居るのか?」
あんたの上司から今月末までに娘・オリヴィア
(Arnijka Larcombe-Weate)の遺体を引き取らないと火葬
になると言われていること。あなたの娘は殺されたの
ではないというが、ブルースは娘は自殺じゃないという。
出来損ないのフェアリーが検視を間違えたんだというと
ダニエルは彼は仕事をちゃんとしているという。それなら
見落としているとし、彼は銃をダニエルに向ける。
俺が死んだら二度と検視は出来ないという。
「気の毒だが社会には従えべき体制がある。全てを管理
するのは体制側。そいつらが確定した・・他殺では無い
と。結果が気に入らなくても特別扱いは出来ないんだ。」
ブルースはダニエルにあんたにも娘が居るんだろうとし
俺はもう会えないんだ・・二度と。そんな中、ダニエル
は船の中にあるはずの【ある道具】が無くなっている
ことに気がつく。
●質屋
ファーンは道具を売りに来ていた。店のディーター
(Steven Lunavich)はホームセンターにいけば10ドル程度
で蛙ものだろうと。しかしファーンはそれを否定し、
これは19世紀のパリで使われていた手術道具だという。
店の客には売れないかも知れないがネットオークション
なら3千ドルで売れるという。
そんな金銭交渉をしている中、ダニエルが娘の元にやって
来て声をかける。すれ違うようにして娘には逃げられ
そうになる。
■感想
Dlifeで放送していたドラマ。
先日まで「FOREVER Dr.モーガンのNY事件簿」で主役を
演じていたIoan Gruffuddの作品が連続して放送ですね。
オーストラリアの作品で、アメリカではストリーミング
で放送した様子。撮影もオーストラリアで行われたもの
でロケーションはBrisbaneになっている。
オーストラリアは現在山火事が凄く東海岸から始まった
ものだったけど全土が凄いことになっているみたいです
ね。
さて検視官/法医学者の作品ってかなり出尽くした感も
大きいですよね。このドラマも「ボディ・オブ・プルー
フ/死体の証言」とは当たらずとも遠からずかな。
・主人公には子供・家庭の問題が発生している。
・法医学者だけど刑事さながらの捜査を行う
・訳ありの遺体を沈めた映像
■今回の事件
今回は2つ有った。
・冒頭での遺体
どうやら死亡している遺体は脳にダメージを受けて死亡
したもの。既にストーリーには書いているけど死因は
ダニエルが言うとおりなのかな(まだ解剖していない)。
この被害者は加害者でもあるようで、児童虐待を疑われ
つつも今まで捕まったり罪に問われたことがない。
なんとか警察に捜査させる為にダニエルは解剖せず
フェアリーに丸投げした。
・オリヴィア・ライマース
一度は自殺だとして報告書が捜査機関に渡り捜査が
終了している。父親のブルースが自殺ではないとして
ダニエルの元に飛び込んでくる。何故彼はダニエルの
元に来たのだろうか?このダニエルという法医学者が
元々の担当検視官だったのか。
■事件の捜査
シナリオのメインはオリヴィアの死の真相を突き止める
事。一度は法医学研究所を止めて組織の論理から抜けて
捜査しようとする。元々仕事を辞めることになるきっかけ
は娘・ファーンとボラボラ島でしばらく過ごすためかと
思ったけど、この事件を担当しているウチにやはり
忘れられなくなったというところなのか。それとも元々
辞める気は無かったのか。
オリヴィアが死亡して見つかった現場のアパートを確保
する為に14ヶ月の家賃を払い続けている。そして仕事も
辞めてしまっている父親。
現場から見えてくるもの・・「KU」という文字。
ダイイングメッセージだと思われ、それが婚約者の
Kurt Calannaを意味しているのか。
・自殺か他殺か
・オリヴィアの検死の結果では血中アルコール0.12、
【アミトリプチリン(三環系の抗うつ薬)】の過剰摂取。
薬を飲んでアルコールを摂取すれば不整脈になる。
ただし死因は【脳実質内血腫】。滑って頭を打ち付けた
のではないかとされた。
・父親の話によると、薬も酒も断っていた。
・父親は婚約者のカート・カラナを疑うがアリバイが有り
警察からは嫌疑をかけられる事もなかった。
(町の反対側の母親の家に居たとのこと。バラの世話を
していたらしい)
・下あごにアザが出来ていて親指を強く押し当てたと推察。
・自殺を臭わす遺書がある。
(そこには父親が原因だと誘導しているかのような文面
・着眼点、調書
ダニエルは死因ではなく理由を探ろうとする。
薬や酒を止めたのは事実だろうがウォッカ2杯、そして
抗うつ剤を大量に飲んだ原因は何か。
現場100回ということで再度見に行った際に、ダニエル
は指紋の跡から天井の空気ダクトが気になる。
その中からスマホが出てきて写真には不動産の契約書
が書かれていた。全く価値の無い不動産。
ブルースは仕事人間だった。
遺書で誘導された元ネタは彼は娘を仕事名目でほったら
かしにしていた事への罪悪感だった。
■クローズド
中切歯が欠けているが現場からは見つからない。
また胃から薬は出たが消化はほとんどしていない。
喉にはひっかき傷・・内視鏡を調べると指で喉を
引っ掻いたような跡がある。爪を調べたが唾液のような
ものは検出されていない。
基節骨を折ったけが人がいる。
カラナのレントゲンの中にオリヴィアの中切歯の欠片
が見つかる。それはまだ彼の皮膚の中にあることを
意味していた。
■その他
・気になること
・親子の関係
今回ドラマとして共通しているのは親子関係だった。
被害者のオリヴィアの死の真相を執念でたぐり寄せた父
のブルース。冒頭の検死体が児童暴行を繰り返していた
男という設定だったので、娘の抗うつ剤の原因がブルース
にあるのではないかとされ、しかもそれが暴行だったの
ではないかと疑う。
そしてこの手のドラマ設定によく有る主人公と娘の関係。
ただ娘のファーンは父親との関係修復を求めているのだ
ろうか?母親のステファニーとはなかなか関係修復には
至らない。
娘と不和になったのはどうやら両親の離婚にあるみたい
だけど、仕事人間故に離婚することになったのだろうか?
・人物関係/捜査官ソロヤとの関係
・主人公のダニエルはソロヤと今回出会いがある。
あの警備員のイヴォンヌにダニエルを裸にするよう誘導した?
・ニコルズ捜査官とは既に周知の仲なのかな。
・ダニエルは同じ職場のフェアリーと対立関係にある。
面倒なものをフェアリーに押しつけようとしていたり
また利用したりする。
今回はダニエルが辞表を出したことで彼はダニエルの
オフィスだったところを自分のオフィスにしようとして
いた。
「クソッタレのフェアリー」とか「フェアリーのちっ
ちゃなペニス」と書かれている。
・サイモンはゲイである。
・意味深な遺体が発見
頭部の無い成人男性の遺体で指が切断されている。
切断面から道具を使ったことは確かなようだ。
そしてその道具はファーンが質屋に売ろうとしていた
道具で、ダニエルがそれを切断に使ったものであること
が映像として流れた。
■使用された曲
・
■出演者
Dr.ダニエル・ハロウ (Ioan Gruffudd) 法医学者 QIFM
ソロヤ・ダス (Mirrah Foulkes) 犯罪現場調査官・巡査部長
サイモン・ヴァン・レイク (Remy Hii) 検視官
ステファニー・トルソン (Anna Lise Phillips) ダニエルの元妻
Dr.ライル・フェアリー (Darren Gilshenan) 法医学者
ブライアン・ニコルズ (Damien Garvey) 警察署員
ファーン・ハロウ (Ella Newton) ダニエルとステフの娘
マキシン・パヴィッチ (Robyn Malcolm) QIFM所長
ブルース・ライマーズ (Gary Sweet) オリヴィアの父
オリヴィア・ライマーズ (Arnijka Larcombe-Weate) 28歳、被害者
カート・カラナ (Luke Pegler) 35歳、不動産業者
ソフィア・カラナ (Mercia Deane-Johns) 母親
スリーズ・ウォレン (Ashlee Lollback) カートの婚約者
イヴォンヌ (Tracie Filmer) ガード
ディーター・スチュー (Steven Lunavich) 質屋
子供の頃のファーン (Elouise Rushmore)
Mr.キングスバリー (Robert Newman) 冒頭の遺体??
(Danxia Yang) 医局員
(Neil Stoddart) 警察署員・ダイバー
(Carla McGuane) 警察署員・ダイバー
(Johnathan Sharp) クイーンズランド法医学研究所(QIFM)