相棒17 第4話 バクハン

相棒17
(2018年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本／真野勝成 監督／橋本一

【ストーリー】

札束を持つメガネをかけた男が裏カジノへ。右京はカード
ゲームに興じていたが大きく負け越す。そんな彼はカードに
くぼみがあるとして、これはカードゲームの古典的な不正
だと語り、他のカードも見せる様要求する。そもそも認可
のないカジノ経営自体ルール違反。せめてここで行われる
ゲームくらいルールを守るという美学が有っても良いのでは
ないか?と。冠城の合図で組対四課の課長・源馬寛率いる
捜査官がやってくる。裏口から一人逃げるのを右京は見逃さ
なかったが、冠城が先回りしてナイフで襲う逃走犯を逮捕する。
彼は裏カジノの帳簿を持っていた
裏カジノの一斉摘発としては過去最大。角田率いる組対五課
や特命係まで呼び出されたのだから当然だという。
しかし隣のカジノ店”galassia”は休みであることを指摘する
小松。摘発の日に休みなんて運が良かったのか?
右京は違和感を感じる。

一斉摘発は成功。
角田から一言捜査官に対してこれにより広域指定暴力団の
武輝会の主力資金源を断つことが出来たという。源馬の
手柄だとするとお前の情報が無ければ無理だったと語る。
青木は組対の人はヤクザみたいな人ばかりだという。組織に
顔が割れていない我々は潜入にはうってつけだったと。
源馬は冠城に対してウチにこないかと語る。
右京は休業の店舗が有った事を告げ、週末にもかかわらず
に休業はおかしいという。リスク管理だろうとし目星はついて
いるという。ネタ元がいるんだという源馬は賭博は俺のシマ
なので手を出すなと語る。

源馬は和氣健也と逢う。
シャツを新調している和氣はオヤジのお陰だと語る。
帽子のプレゼントを源馬にプレゼントするが、源馬は喜び
つつ貯金しておけと語る。

角田は特命係にやってくるとコーヒーメーカーが壊れて
いることを知る。あとはコッチでやるから余計なことはする
なよと右京に告げる。

■感想

まずは今回から残念ながら大木長十郎役の志水正義さんの
クレジットが無くなっていました。本当に残念です。

このドラマの根幹に存在している正義感についてのそれぞれ
の思惑の違いを描いたもの。

これまでにも右京は散々「必要悪などない」立場を取っており
組織の論理などクソ喰らえとして一蹴している。

その考えには色んな人が立ち向かっていた。
かつては今は無き小野田官房長官役の岸部一徳さんと戦い、
時に亀山薫も噛みついたことが有った。最近では辞めて
しまった六角さんも右京に噛みついていたけど、右京の正論
は一貫しているだけに崩すのが難しい。「感情はないのか!!」
なんて右京に非難が何度集まったでしょうか。

組織として巨悪と対峙していてそれを検挙する為には小さな
犯罪は見過ごされても仕方が無いのではないかということは
色んな場面である。このシーズンの開始時に語られた
「司法取引」も刑期を軽減したり無効にしたりする変わりに
それと同等以上の情報の提示を出すシステムであり、それは
右京の考えとは逆行している。

今回の犯罪のロジックも何となく想像に難くはない所は
有った。
何と言っても突然組対の角田六郎が右京に圧力を掛けていた
くらいだから・・。

それでもやはり見過ごせないものは見過ごせない。
情報屋に金を渡して情報を得る行為も違法なのだろうけど、
誰でも身内には甘くなる。
それは警察内部でも同じ事で、それを組織の問題として
すり替えてはいけない。

バクハンという良いキャラが出たなと思ったけど残念ながら
一話っきりか。更にその先に有った事件は百田にも及んだ。

源馬は和氣の親代わりだった。その親が子供を復讐に巻き込み
そして秘密を守るために自殺させてしまったことへの罪。

一番啖呵を切って右京と対峙した角田との関係がどうなるか
と思ったけど、結果として2人を救ったのは右京の正義感だ
ったのかも知れないということでやっぱり身内には甘いので
有った。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (特命係・サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二(警察庁・長官官房付)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視副総監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警務部 首席監察官・警視正)

源馬寛 …… 中野英雄 (組対四課・課長”バクハン”)
百田努 …… 長谷川公彦 (生活安全部保安課)
和氣健也 …… 水石亜飛夢 (26歳 カジノのコンサルタント)
久我雄作 …… 崎本大海 (生活安全部保安課・キャリア出向)
柏崎恵一 …… 池原猛 (ゲーセン”ジョイフロンティア”他)
西田信子 …… 江藤あや(43歳、薬物中毒)
和氣の父 …… 中松俊哉

星野卓誠、柳川公輔、片山謳歌、野上幸造
徳秀樹、坂口さおり、下園愛弓
奥村アキラ、金森規郎、古谷朋弘、所博昭
齋藤真矢、垣内健吾、山下徳久、比佐仁