相棒17 第11話 密着特命係24時

相棒17
(2018年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第11話 密着特命係24時

脚本/根本ノンジ 監督/杉山泰一

【ストーリー】

密着捜査一課24時としてテレビ局のスタッフの川島と
野田啓一は捜査一課の車に同乗して事件を追う姿を
映していく。芹沢に対して今どういう事件が発生したの
か尋ねると男性がビルから転落死したが何故だか顔が
真っ赤に塗られているようだと語る。

・現場 / 墨田区両国の法律事務所

鑑識班が実況見分を行う。
身元は弁護士の男性。ベランダには並べられた革靴が有った。
テレビ局は”アシスタントM”から話を聞く。
すると法律事務所の経営者の清田義久は資金繰りに困って
いると言っていたという。私の給料も遅れていたと。飛び
降りの可能性が高いという伊丹。

そこに右京と冠城がやってくる。フォーマルな革靴に遺体が
着ていた服はカジュアルな服装だったと指摘する冠城と右京。
更に4階から飛び降りた割には飛沫痕が少ないという。益子も
また同意しペンキは塗ったというよりもかかったみたいだ
という。
そんな推理を働かせている冠城のことをテレビ局では
「ワイルド刑事」とし、橋の落書きを思い出して駆けつける
右京の事を「オールバック刑事」と名付ける。
右京はこれを自殺ではなく殺人であると語る。

内村と中園は完成前のVTRを川島から見せてもらう。
二人は不味いなと告げると、川島は仮編集したものなので
モザイクとかテロップの修正は出来るという。野田啓一に
対して何故この二人を撮ったのかと問うと、キャラが立って
いるからだという。彼らのことは撮らないで欲しいという。
野田はそもそも放送前に映像を見せないのは決まりではないか
と川島に文句を言うが、彼は普通は捜査一課の密着なんて
出来ないものだという。内村さんが大学の先輩で5年掛かって
必死にお願いしたのだという。プロデューサーのオレの気持ち
も考えてくれという野田。
するとそこに青木が二人の会話を聞いて密着の方なのかと
興味深げに近づく。お蔵入りになったのか?と。

・捜査本部
中園は現状報告を求める。
被害者は清田義久(38歳)、弁護士。死因は脳挫傷。死亡推定
時刻は平成31年1月20日午後4時から6時の間。遺体は清田氏
の法律事務所の下だが、ベランダから落ちた形跡はない。
犯人が別の場所で殺して遺体を運んだのだろうと。ペンキは
遺体遺棄の後に何者かがかけたもの。付近の路地で同じ塗料の
落書きが有った。被害者の経済状況は口座を調べた所、かなり
の額の借金があり闇金に手を出して居るという。
引き続き「身辺調査」と「殺害場所の特定」をしろと命じられ
る捜査員たち。

■感想

ドラマは人の死が及ぼす他人への影響力を描いたもの。
例えどんな人物でアレ、人を殺めてしまったことで人生の
レールが崩れてしまうことがある。その一つの事象が波及
していったものだったが、それは感情的なものとして波及
したよりも、彼の死により人の欲望の方を浮かび上がらせて
しまった格好で、何とも言い難いものを感じる。
人の死を悲しむ以上に金の在処を巡って波及していく。
この父親は本当に息子の死を悲しんでいたのだろうか。

今回は責任感を持つものがハズレを引いてしまった感じで、
警察官、法律家、不動産業者、会計士を目指すキャバ嬢、
そして遊び人が主要人物だ。

それぞれに持つ責任感は有っても、その人となりの
性格や私生活上での問題は各々に違うものを抱えている。

お遊びのようにして「密着」の形でテレビ局のカメラを
入れたけど、そのカメラ映像が至る所で役に立った。
そしてそのカメラは真実だけを映し出すが、カメラだけでは
真相は分からずジャーナリストとしての視線が求められてい
く。

どちらかというと悪人としての役の多いイケメンの袴田吉彦
さんが警察官としての覚悟に於いて、怖さと苦悩によって
自滅してしまった感じの役柄。
同期の芹沢と現在の彼の間には比較すべき社会的立場の違い
が物語っているけど、人生の選択の違いが今の状況に追い
込んだようでちょっぴり寂しいものが有る。人には仕事に
於いても特性みたいなものがあるんだろうね。

「乱数表」「字母表」など謎の文字列の書かれた資料が有った
けど、その資料を持っていたのは三年前に豊島区北池袋で
殺害された美沙だった。彼女は会計士になる為にキャバ嬢で
働いていたけど、その彼女は出逢った相手が悪かった。

ドラマでは遺体を動かすもので、遺体を動かす事は相当
難しい筈なのに、どうもこのドラマではその辺の追求が甘い。
服のバランスの違いでそれを見出していたけど、そもそも
血の量は決まっている訳だからすぐにそこで死んだハズは
ないと分かるのではないか。

珍しく芹沢さんが花の里に来て相談していったところは
斬新に写ったし、青木がまた意地悪な顔を取り戻
した所は良かったかな。やっぱり青木君は冠城にヘッドロック
されて圧力をかけられている姿が様になる。

最後に責任感を感じて自供という形で立花は犯人を庇って
いたけど庇う価値のない人間だったことなので責任感が
時に暴走してしまうことがあるんだな。立花は何の罪も無か
ったのに結局整合性を合わせるようにして遺体を動かした
ことで新たな罪を償わねばならなくなった。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (特命係・サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識)

野田啓一 …… やべきょうすけ (ディレクター)
立花和樹 …… 袴田吉彦 (元警察官、左沢建設)
高田美咲 …… 夢野いずみ (清田のアシスタント)
清田義久 …… 吉澤蓮 (38歳、法律事務所弁護士)
佐々木茂雄 …… 井上純一 (元不動産業・社長)
村田美沙 …… 寺田浩子 (キャバ嬢、勇也に刺される)
佐々木勇也 …… 高橋良平 (社長の息子)
ナレーション …… 武虎
川島 …… 荒木誠 (テレビ局)
落書き魔 …… コーシロー(青服)、大塚航二朗(赤服・ヒゲ)
美沙の母 …… 瀬尾智美
闇金業者”TKローン” …… 内田恵司

スポンサーリンク
レンダグル大336
レンダグル大336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レンダグル大336