特捜9 シーズン2
(2019年4月期・テレ朝・水曜21時枠)
脚本:徳永富彦(1)、岡崎由紀子(2)
監督:鈴木浩介(1)、新村良二(2)
ゼネラルプロデューサー:大川武宏
プロデューサー:神田エミイ亜希子、金丸哲也、森田大児
主題歌:V6「ある日願いが叶ったんだ」
音楽:吉川清之
https://www.tv-asahi.co.jp/tokusou9_02/
https://www.toei.co.jp/tv/tokusou9_02/index.html
第2話 正しい殺人
(正しい殺人!校閲の女は見た!! 房総最終列車…上書きされた真相)
【ストーリー】
・捜査一課主任定例報告会
直樹は先日警視庁複数警部補制になったことで運用要項
により5級職特別昇進した直樹が特捜班として出席する。
峰島真也は2年前に西世田谷署管内で発生した資産家
殺人事件の主犯は今回逮捕した被疑者だと判明し現在
共犯者4名のアジトを割り出して逮捕したことを語る。
刑事部長の三原はよくやったと褒める。特捜班の今月の
仕事を問われると直樹は今月は特にないと語る。惰眠を
貪っていたのかと問われ、臨場要請がなかったことを語る。
無能なことを責任転嫁するのかと問われる。
新藤は9係だった頃のことをオフィスで聞き回っていた。
9係時代に志保が主任だったということを受けて話を聞く
となんと村瀬や青柳も主任経験者だと知る。矢沢だけが
未経験。村瀬は係長として指揮したこともあるが9係を
裏切り14係の時だという。村瀬に対して凄い経歴なのに
後輩の下で働くのはどうか?という新藤にあまりに無神経
過ぎて思ったことをすぐに口にはするなと注意される。
・神保町・出版者”稜文社”のビル。
ここでは文化教室も行われていた。裁縫を学ぶ講演では
朔太郎も来ていた。高田堅太、牧田結は30万部を売り上
げたノンフィクション作家「正しい殺人」の蓮見洋司の
講演会・スペシャル読書会の淳吾に走り回る。そこで
参加するハズの稜文社の校閲部の村上光代が来ていない
ことも有り、牧田は急いで電話して村上へ連絡を取ろう
とする。その電話は警備員の福田守が見つけて拾って
出る。すると倉庫内で村上が殺されているのを見て
思わず悲鳴を上げる。
俄に騒がしくなったのを同じビルにいた朔太朗は察知し
すぐに特捜班の連絡を入れる。
・事件現場
被害者は村上光代(42歳)、稜文社・校閲部。
今夜は7階の読書会に参加予定だったとしどうしても参加
したいと言っていたという。始まる前に遅れるとメール
してきたこと。村瀬は首筋に何かで刺された跡が有るな
と語る。凶器も発見されていないという。この場所に
入れるのは社員だけで文化教室やレストランとは行き来
出来ない場所だという。村瀬らは検閲部、青柳たちはロビ
ーで検問するという。新藤は自分はどうしたら良いのかと
問うと、志保は今回だけ私に付きなさいと語り村瀬は一人
寂しがる。
■感想
「細かい所が気になるのは私の癖よ」とばかりの出版者
の”校閲部の鬼”村上光代が何者かによって殺害される。
稜文社のものしか行けない倉庫で殺されていたことを
知り容疑者は社員のものではないかとして目星を立てる。
死亡推定時刻は午後5時から8時。6時45分に読書会の事務局
にメールしていて警備員に発見されたのが7時38分。
この間の一時間に殺害されたものとして捜査をしていく
ことになる。動機のあるもの、そして被害者の人物像に
迫っていく。
最近携帯を利用したアリバイ作りがあるので、捜査官には
涙ものかもしれないな。
色々と細かいミスというものを調べていくことで真実に
導かれていくという流れがある。
社員に限定されていたウチは良かったものの、トイレ先
から誰でも社内にいけるようになっていた温い防犯シス
テムの事実を知り、更には携帯によるアリバイによって
工作されている可能性を考えると、なかなか容疑者を
絞るのは難しかった。
誰もが今回は細かい所が気になる性格にならないければ
真実に導くのは難しかったかも知れない。
小説の中での初版と第二版の間に何が変わっているのか。
「校閲の鬼」が目を付けたものが何ら関係しているのか。
ここに目を付ければゴールは近しとばかりの展開だけど
そこからも内容を見て居れば捜査は難しい。
・捜査ポイント
2時間サスペンスドラマである電車の時刻表が関係する
ものではないが、当日現場に足を運ばないと知り得ない
情報というのが役に立つ。
このドラマの「正しい殺人」にあるような描写とは違う
事実があったこと。「最終電車」としていたところが
「夜遅く」と変わっていた。
自分はこの最終電車を車に乗って追いかけた末に
その車で人身事故でも起こした人物が不都合だと
感じて内容を変えさせようとする圧力が有ったのでは
ないかということを想定していた。しかし実際には
作者本人がその後の流れで不都合な事実が有った様子。
作者に聴くと元々執筆のきっかけが一人の少女の死から
始まって居て、シングルマザー且つ少女の居る女性
ばかりを狙うエリート官僚が幼児虐待をしていたこと
を知る。
・作者は有罪か?
情報を吹き込んだ作者は「未必の故意」に該当するか
どうかだよね。
正直作者は不倫相手を殺すように誘導していたのか
どうか。
警察は事件が起きてからしか動かないだろうし、官僚
男が未成年に手を出している証拠を掴むことは重要だっ
た。そうなると必然的に別荘にはいかねばならず、
その中からパソコンの中身を見つけなければならない
のだけど、その辺は別荘に自分が有罪の証拠を隠して
置くのかは謎だ。
そもそも目の前で殺害に発展し人がナイフを持って襲って
いる時にあなたは止めることは出来ますか?ってところが
あるかな。
・犯罪の足跡
色々と証拠も固まる。
写真やカメラの映像は雄弁に語るとばかりに、出版社に
クレームを入れていた男を防犯カメラ映像と照らし合わ
せてカフェで待ち伏せして捕まえたり、Nシステムは
当時の車の映像をきっちり残して居る。
赤い左ハンドルの車の男は編集部の梶浦だったし、
密告の葉書を出したのは笹谷愛理だった。
したし細かい事を言うのはあれだが、殺害した凶器は千枚
通しだったが、何故血は拭いていたのに指紋は拭き取ら
なかったのだろうか。
・事件その後で・・
宗方朔太郎が完全に捜査に加わらず仕事してない状態に
なっているのだけど彼が語る視点を変える必要性は
上手いアクセントとなった。
もちろん彼が”偶然に”裁縫なんて習っているものだから
事件を見つけ出していた。
ただ恐らく推察するに孫の為のバッグでも作っていた
のだろうか。
今回は志保と新藤、そして青柳、矢沢、村瀬の流れ
で組むシーンが有り、村瀬が青柳を無視していた所が
ちょっと笑えた。
■出演者
警視庁捜査一課特別捜査班
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (特捜9・主任、元渋谷中央署刑事課主任)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (特捜9、元二子玉川署生活安全課係長)
青柳靖 …… 吹越満 (特捜9、元警視庁資材課)
矢沢英明 …… 田口浩正 (特捜9、杉並南署総務課主任)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (特捜9、元東中野署刑事課係長)
早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (監察医)
新藤亮 …… 山田裕貴 (特捜9、元新宿中央署)
宗方朔太郎 …… 寺尾聰 (特捜9・班長、元警視庁人事課)
浅輪倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
神田川宗次朗 …… 里見浩太朗 (警視総監)
佐久間朗 …… 宮近海斗 (鑑識)
広岡巧 …… 新貝文規 (監察医)
三原達朗 …… 飯田基祐 (刑事部長、元警察長長官監房人事課長)
峰島真也 …… 福井博章 (4係、捜査班)
村上光代 …… 真瀬樹里 (42歳、稜文社・校閲部、”校閲の鬼”)
牧田結 …… 小野真弓 (稜文社・営業企画部・文化教室担当)
村上サチ …… 白川和子 (光代の母)
蓮見洋司 …… 草野とおる (43歳、ノンフィクション作家 “正しい殺人”)
笹谷裕子 …… 原久美子 (シングルマザー・現在勾留中)
斎藤隆史 …… 鈴木一功 (稜文社・校閲部)
梶浦裕哉 …… 平野貴大 (45歳、稜文社・文芸編集部)
根本司 …… 村上剛基 (35歳、2年前からクレーム)
高田堅太 …… 後藤祐介 (文化教室の受付)
福田守 …… 阿部遼哉 (警備員)
笹谷愛理 …… 植村友結 (裕子の娘)
寺田俊則 …… 渡辺コウジ (エリート官僚、裕子の交際相手、児童猥褻)
十倉龍三 …… (“海を渡る侍”著者)
磯崎 …… 短論 (いずみ鉄道”大多喜駅”・駅員)
駅員 …… 田嶋高志 (いずみ鉄道”大原駅”・駅員)
裁縫教室講師 …… 小夏いっこ
鳥塚千恵