相棒20 第4話 贈る言葉

相棒20
(2021年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1)(2)(3)(4)
脚本:輿水泰弘(1)(2)(3)、神森万里江(4)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第4話 贈る言葉

【ストーリー】

●ゲーム新作発表準備

・8年前

チネルコーポレーションのゲーム「デッドウォーリアー」の
新作の発表会の場でゲームクリエイターの鴫野大輔はマスコミ
やファンの前で挨拶の言葉を語ることになっていた。
宮森由佳はスピーチライターとしてそんな彼の事をプロデュー
スする。会場での反響やら照明の当て方をスタッフに調整させ、
鴫野本人には衣装などのコーディネートまでする。
「ビジネスマンではなくクリエイターなので遊び心が必要。」

スピーチの練習も視線の置き方なども重要だという。
彼は「デッドウォーアーの展開と結末は今までに無いもの」
であり、テーマは「未来は予測するものではなく作り出すもの」
と語る。

●花の里

陣川公平は特命2人の前で結婚生活には【3本の薔薇】が必要
だと語る。

1) バランスの取れた生活 (仕事と家庭の両立)
2) バラエティに富んだ生活 (毎日の繰り返しでなく旅行・外食)
3) バラバラの生活 (それぞれの時間を持つ)

これらの薔薇を探し続けるのが秘訣であるという。

右京は「独創的で印象的だ」と告げ、冠城は「祝いの席で
バラバラはね」
と語る。
女将の小出は陣川に張り切りすぎだと指摘すると、鴫野にも
同じ事を言われたという。俺の世話になっているスピーチ
ライターを紹介すると言われたこと。
「大事なのはハートなのに・・」
カリスマゲームクリエイターともなるとそうしたブレーンが
付いているのかという右京。なんでも門倉首相の選挙演説も彼女
が書いたもの。野党が政権を取った時のか・・と右京。
ところで鴫野は自慢の友人ですという陣川。
何のゲームを作っているのか?という冠城。

●特命係

冠城は鴫野の作ったグッドウォーリアーシリーズで遊んで見る。
角田がやってくる。
「暇か」と問うが、ゲームをしている冠城を見て暇そうだと
語る。角田もこのゲームを見てあれだけ売れたのだから自分も
知っているという。プレイヤーの選択の度にどんどん展開が
変わるもの。

「未来は予測するものではなく作り出すもの」
と銘打っているくらいのものだから・・と角田。
しかしデッドウォーリアーの新作PART4は発売延期が続いて
居た。三度目だぞとし、息子が予約しているのにまたなのかと
言っているという。鴫野は変わり者であると。

●宮森由佳のオフィスへ

陣川は右京と共にオフィスを尋ねる。
陣川は彼女からレッスンを受ける。まずは色々と歩かされる。

スピーチのコツとは・・。

今のルートは10m。陣川は12秒間で往復している。
披露宴の席はココでスタンドマイクまで7.2秒。
スピーチはマイク前に立ってから始まるのでは無い。
一番注目されるのは席を立ってからの3から5秒間であること。
その間に聴衆を味方につけて期待を抱かせる空気感を作らない
といけないこと。呼ばれると焦って出てしまうのでゆっくりと
周囲のテーブルに会釈しながら最後は新郎・新婦に一礼して。

そうアドバイスする彼女に興味深いと語る。
相手にどういう印象を与え、どのように心を動かすのか。
その為の脚本・演出・演技を考えるのが私の仕事であるという
彼女。影で働くのがスピーチライターの基本。
右京は彼女に原稿を見せて欲しいと頼む。
先日デッド・ウォーリアー4の意気込みを語っていた時の鴫野
の原稿だった。

陣川に原稿をもう一度考え直してくれという。
私は何も無いところから言葉を作っているのではなく、その人
胸の真にあるものを言葉にしているのだという。あなたの思いを
先ずは知らせて欲しいという。

そこに陣川に電話が鳴ると、なんと結婚のスピーチをする相手
鴫野から殺人容疑がかかったというものだった。

■事件

相島潤平が他殺体で発見される。
亡くなる前に鴫野にメールした内容は、
「お前を絶対に許さない。全てを公にして謝罪しろ」。
そのメールを受けた直後に相島の携帯に折り返し電話が鳴って
おり、番号は会社からだった。相島をチームから追い出したの
が鴫野でこの会社を辞めさせたことが原因なのではないかと
される。
鴫野に当日のアリバイを尋ねると、ジッとしていると閃かない
ので歩きに出るとし6、7時間は歩きながら考えて居たとのこと。

死亡時刻は昨夜10時から12時。
鉄パイプで頭を殴打されたことが致命傷だった。
遺体のソバにはワイヤレスのイヤフォンが落ちていて、後に
鴫野の指紋が付着していることが判明する。

・容疑者:鴫野大輔
ゲームのカリスマクリエイターでデッドウォーリアーシリーズ
は世界中で称賛されている。チネルコーポレーション所属

・被害者:相島潤平
ゲームクリエイターで元チネルコーポレーション所属。
鴫野大輔に憧れを抱く。

■感想

前半は退屈かなと思って居たけど、後半はかなりの重厚感のあ
るシナリオでした。

このドラマのテーマを考えた場合、単純にプライドの問題なの
かと思わせるのだけど、結果的に新しいものを生み出すクリ
エイターという仕事の特性と、状況を分析して最善の策を練る
スピーチライターとしての性格は相反するものがあるんだなと
思わせることに尽きる。

興味深かったものは、どの流れ・どの人物に於いても守秘義務
のようなものが存在し、情報漏洩は許されない状況に
於いて、個人情報がちょっとした状況によって漏れてしまい
それを見た人物に正常な心境を失わせる程の疑心暗鬼のような
状況が生まれている。
自分がコントロールしていると思って居たものたちが、別の
意図を探って動いていたとするならば、当然不安感は生まれて
くるのだろう。過信している自分のスキルや相手への蔑む気持
ちから状況は最悪な方向に向かっていく。

見なければ良かったのに、知らなかったら良かったのに、
知的好奇心から見られずには居られない。
それによって不安感が生まれ、踏み込むべきではない相手の
領域に足を踏み入れたことによって、先手を打とうとして失敗
を犯す。

今回のドラマの肝として存在するのは、「人と人とを結ぶ
繋がり」で有って、二つの流れはどういう意図・どういう状況
で結ばれていたのかそのロジックを探る流れが楽しく出来ている。

例えば「鴫野と相島と宮森の繋がり」
例えば「現場の遺留品であるイヤフォンの存在」
例えば「相島が知っていた鴫野の独立話」

二人以上の人物が存在する場合、なかなか対等な関係を結ぶ
ことは難しい。利害関係の元で動いていて、それをエゴと呼ぶ
か、信念と呼ぶかは人によって違うけれど、金による繋がり、
キャリアを守る為の繋がり、共通する利益による繋がり、
カリスマ・憧れに近づくが為の繋がりなどなど、人それぞれ
意図していることは違う。
そしてそれを超越した本当の友達や愛情としての繋がりが有って、
無償の関係の中にこそ信頼関係が生まれている
本来相手のことを信用していれば不法に知り得た情報に於いて
も動じることはなかったハズだ。

先日のエピソードでもネットや携帯が犯行・犯罪に於いて
色々と重要な役割を果たしてきたが、ここでも重要なポイントで
利用されている。ただし携帯電話のメールによる送受信が
その人本人によって送られたものではない
ことによって
相手のことを操ることも出来るのが怖いところだ。
見えない相手のことを誘導する無責任な言葉の力によって相手
に害を及ぼす卑怯なやり口が存在するのは、「オレオレ詐欺」
などに見る特殊詐欺事件が流行る現代の日本人は実感していて
耳の痛いところだろう。

正直私は鴫野は記憶自体に問題が有り、クリエイターとしての
資質が奪われた状況の中、ゴーストクリエイターの存在が有り
それが脅しのネタに繋がっているのかと思ったりもした。
これだと橋部敦子さんの「ゴーストライター」みたいなネタに
なってしまうけどね。

また全体的にコントロールしているのは鴫野の妻の亜里沙なの
かも知れないとも思った。これは流れが逆行して次々と暴かれ
ていく裏の意図の連鎖が私の思考をぶち壊したものだけど・・
亜里沙には本当に結婚したい相手とか居て鴫野との関係を
ぶち壊そうとしているのかなと考えたからだった。

少しここの所疲れていることもあって思考回路がショート寸前
です(+_+;

■その他

・何故新作は発売延期が繰り返されるのか。

・相島は何を公にするとして鴫野を脅していたのか。

・鴫野のオフィスにある大量の「靴」と「イヤフォン」

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (警視庁組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (警視庁サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁長官官房付)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警視庁警務部首席監察官)

小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)

陣川公平 …… 原田龍二 (警視庁刑事部捜査一課・経理担当)
鴫野大輔 …… 黒田大輔 (ゲームクリエイター、陣川の高校時代からの友人)
宮森由佳 …… 瀬戸カトリーヌ (スピーチライター)
江口稔…… 安藤彰則 (チネルコーポレーション社長)
中村亜里沙…… 長谷川葉生 (鴫野の婚約者)
相島潤平…… 金子鈴幸 (元チネルコーポレーション社員)
高井戸…… 中山研 (チネルコーポレーション顧問弁護士)
清掃員…… 畑山歌奈子

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