コード・ブルー3 第7話 死者の声を伝える緋山

コード・ブルー3
(フジTV 2017年・7月期・月21)

第7話 失敗の代償

【ストーリー】

管制室で連絡を待つ間、フェローやドクター、看護師そして
オペレーターの町田も含めて会話していた。
横峯は「救命病棟24時」を見てから医者を目指したという。
実際になれるのが凄いと雪村も苦笑い。頭が良いのか悪いのか
と藤川。灰谷は何故医者を目指したのか?小さい頃にDr.ヘリ
に助けてもらったことがある。人助けが出来る医者になりたいと
思ったという。藤川は喘息持ちだったことがきっかけだった。

藍沢は西条の元に行くとトロント大は辞退することを告げる。
奏の手術の件なのかと問うが特に理由はないとクールな藍沢。
エレベーターでは白石と出会う藍沢。
白石は8月7日の夜に何が有ったのかと尋ねる。
奏とICUの杉原の手術があった日、藍沢は奏の手術をしていた
最中に杉原が急変していたのである。手術が重なったのでしょ
と知り白石。

緋山は灰谷と共に緒方のリハビリ/計測を行う。
この日を境にしてリハビリ科に移ることになっており、緋山
としては寂しい思いがしていた。緋山が厳しく緒方に対して
トレーニングサボッてないか?とした為に、これも数日の辛抱だ、
向こうの先生は優しいハズだと緋山にいやみったらしく語る。
名取はそんな二人のやりとりを動画で撮影していた。

そんな中、Dr.ヘリ出動要請が入る。
踏切の人身事故で3名の負傷者。高齢の女性が踏みきりで立ち往生
している所を救助した2人が巻き込まれたのだという。
80歳女性はショック状態、20代女性は意識あり、30代男性は
頸動脈が触知出来ないという。ランデブーポイントを探す
早川たち。この時ヘリに乗っていたのは指導医の白石、フェロー
の灰谷、看護師の雪村だった。話を聞いていた灰谷は早川に
急いで着陸して欲しいと頼む。しかし白石は医者からパイロット
への指示は許されていないのよとして指導する。
なんとか急いでポイントに着陸するがヘリが着陸に失敗。
無線を聞いていた翔北病院のものたちは緊迫感が走るが、木に
ヘリの羽根が接触して着陸に失敗しただけで軽傷で済んだだけだ
とし、すぐに救助に向かうがヘリでの搬送は無理だと語る。

■感想

人間は所詮は身内が可愛いし大切にしたい。
他人を犠牲にしても身内だけは助けたいと考えるエゴは誰にでも
存在する。

医者を目指す理由は人それぞれだけど、今回語られた医者の多く
が自分の為に目指していた医療従事者という仕事に対して、
他人の為に目指す唯一の医者のタマゴが気持ちだけが前面に押し
出されてミスを犯してしまうというものだった。

正直灰谷のキャラクターは作りすぎていて好きじゃない。
髪型からしてなんとなくこのダササは計算によるものだという
ことが分かるし、その歩き方はまるで「DEATH NOTE」のエル・
ローライトみたいだし。

彼の様な寄り添える医師の需要ならば色んな所にあるハズなんだ
けど、そんな医師になる為にはこういう厳しい現場を経験して
スキルを得た上で自信を持ってからでないとなかなか成立しない。

そのように自信を持つまでには必ず挫折感やら罪悪感、焦燥感に
襲われる。あのクールな藍沢でさえもそれを抱えて生きて居る
のだ。しかしその気持ちが少なからず医療の現場ではミスを無くす
為の抑止として働いていることも忘れてはならないもの。

今回はいくつかのミスを犯した灰谷。
でもその灰谷のミスをみんなでカバーするところは何て出来た
医療現場なんでしょうか。こんな医療現場に入れたとしたら、
医師を目指すものとして手放そうとするなんてまさにバカだ。
そしてフォローしてくれた人たちの為にも期待に応えて欲しい
と思う。

今回の灰谷は自殺とは思わないけど、マイスリーとハルシオン
というスーパー眠剤を勝手に処方していた。
ただでさえ委員会に目をつけられた存在なのに更に処方箋を
偽装したとなればそれだけで問題は大きいものとなる。
パニック障害を経験していると一度はこれらの薬の名前は耳に
いると思うけど、ベンゾジアゼピン系っていうのは依存性やら
離脱症状が出るのでまさに処方を誤ると大変なことになって
しまう。

名取もまたクールな役所。
ただ丸山智己さんの身長差が気になってしまうところだな。
緋山とそんな緒方は互いに漫才のような関係で元気を補完し
合っていたところが有った。肩書きが無くなってからの緒方に
付きそう相手が居なくなっていたからね。
そんな二人のを見た名取が「オレエリートなのになんで・・」
みたいな感じで語る。緋山のSっぷりに名取もやられた輩か(笑)

医療ドラマをよく見るのだけど救命の現場で一番辛いのは、
患者同士が隣り合っているところだなぁ。
一昨日見た海外ドラマ「コード・ブラック」では、ストーカー
の患者と被害者が隣り合ってベッドを横にされていたし、
今回のケースでは助けようとした相手、婚約者の二人が見える
位置に配置されていた。

藍沢のエピも相変わらず辛い。
やっぱり反則にも海外ドラマ「コード・ブラック」を例に挙げて
しまうのだけど(笑)、救命にやってくるものは仕方なくやって
くる。しかし外科医のオレ様の元にはオレに治療してもらいたく
てやってくるのだと憎らしい医師の姿が有った。
奏は藍沢に手術してもらいたかったが、残念ながらその約束が
守られていなかったことが判明する。

冴島もまた藤川に対して同じようなケースが起きたら助けに行か
ないでと主張し始めた。赤ちゃんを失って現在辛い状況なのだ
ろうけど、救命が人を助けに行かなくてどうするって感じか。

■出演者

藍沢耕作 …… 山下智久 (フライトドクター、脳外科医)
白石恵 …… 新垣結衣 (フライトドクター、チームリーダー)
緋山美帆子 …… 戸田恵梨香 (フライトドクター、周産期医療途中)
冴島はるか …… 比嘉愛未 (フライトナース、妊婦)
藤川一男 …… 浅利陽介 (フライトドクター、整形外科専門)

名取颯馬 …… 有岡大貴 (フェロー、名取総合病院の一人息子)
灰谷俊平 …… 成田凌 (フェロー、要領が悪い。コンプレックス)
横峯あかり …… 新木優子 (フェロー、若干夢見がち)
雪村双葉 …… 馬場ふみか (新人看護師)
町田響子 …… 伊藤ゆみ (管制官、コミュニケーションSP)
鳥居誠 …… 岩井拳士朗 (Dr.ヘリ、整備士)
早川正豊 …… 伊藤祐輝 (Dr.ヘリ、パイロット)
広田扶美 …… 下垣真香 (看護師)
橘優輔 …… 歸山竜成 (啓輔と三井の息子、拡張型心筋症、11歳)

梶寿志 …… 寺島進 (ベテランパイロット)
西条章 …… 杉本哲太 (脳外科部長)
三井環奈 …… りょう (フライトドクター)
新海広起 …… 安藤政信 (脳外科医)
橘啓輔 …… 椎名桔平 (救命救急部部長)

緒方博嗣 …… 丸山智己 (元一流シェフ、中心性頸髄損傷)
天野奏 …… 田鍋梨々花 (14歳、天才ピアニスト、小脳血管芽腫)
大島美央 …… 逢沢りな (26歳、将の妻、骨盤骨折)
相馬 …… 隈部洋平 (翔北病院・法務)
岡崎 …… 三谷悦代 (翔北病院・理事)
折笠トミ …… 和泉今日子 (82歳、腸間膜損傷)
大島将 …… 菊地啓介 (32歳、大動脈断裂で死亡)

木川淳一