[終] 相棒18 第20話 情報はマジックの様・・

相棒18
(2019年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1、2)(5)(6)(11)、権野元(3)(4)(8)(9)(16)(17)(20)
片山修(7)(10)(18)(19)、杉山泰一(13)、内片輝(14)(15)
脚本:輿水泰弘(1、2)(20)、神森万里江(3)(8)(9)(11)
児玉頼子(4)(5)(12)(18)、斎藤陽子(7)、根本ノンジ(6)(10)(16)
山崎太基(13)、徳永富彦(14)(15)、山本むつみ(17)、太田愛(19)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou18/

第20話 ディープフェイク・エクスペリメント

【ストーリー】

●特命係

青木が右京とチェスを打ちにやってくる。
青木は右京に対して、冠城が陰口を叩いているとし、彼は
腹黒だと語る。「右京の推理力がめっきり落ちた」という事
だった。

・角田と冠城
食事をしながら右京のことについて話し合う。
冠城は昨年天礼島で右京が薬を盛られて幻想し、竜宮城に
連れて行かれたと語ったこと。目をやられた時もそうで、
高級メロンの箱が置かれていれば真っ先に怪しむべきなのに
あっさり罠にかかったこと。そして極めつけは皆藤教授の
事件(ドローン爆弾)。准教授からは重大なヒントを得ていた
が気づかなかった。その際、右京は、

「僕としたことが、大きな勘違いをしていたようです。」

と語っていた。本調子の右京ならばあり得ない失態だと。

●事件現場 / 品川三丁目

伊丹と芹沢たちは事件が有ったマンションの一室にやって
くる。そこで第一発見者の水戸弓子から話を聞く。
被害者は桂川宗佐(45歳)、桂川コーポレーション社長他
色んな肩書きを持っている人物。そして弓子は彼の秘書をして
いた。掛川さんが昼になっても事務所に現れず連絡も付かな
かったので心配になって部屋まで来たという。すると部屋の中
で刺されておりそこで110番したとのこと。伊丹は彼女が

・マンション入り口の暗証番号を知っていた
・部屋の合い鍵を持っていた

ことからも特別な関係なのかを問うが、男女の関係は否定し
それでも時々片付けをしに来たり料理に来たりしていたので
秘書以上の関係ではあることを語る。

・鑑識

益子は伊丹たちがやってくるとこれを見てくれと語る。
デスクの上に置かれたパソコンが立ち上がっており、動画も
再生の準備がされている状況だった。女性とベッドを共にして
いる盗撮映像。

●特命係

冠城は右京に掛川が殺害されたことを語る。

●定例会見

内閣官房長官・鶴田翁助は定例会見の場で官邸では事態は
把握していないことを語る。女性記者は掛川は元東亜ダイナ
ミクスの社長であり、我が国の武器輸出の強力な旗振り役だ
ったことで無関心では居られないのではないかと問う。
社会部で知っていたら教えてくれと告げる鶴田。

●特命係

ドローン爆弾の事件で捜査の手が伸びたものの結局立件されず
マスコミも深掘りしなかったこと。掛川は会社を潰しはしたが
新たな会社を起こして難なく社会復帰を果たしていた。
掛川コーポレーションという名のコンサルタント会社。
主に国防技術アドバイザーをしていたという。
現場は屋外では亡いので犯人は早く挙がるかも知れないとし
自宅訪問してくる人は限られるという。
防犯カメラがあるので不審者を特定しやすいことが要因だっ
た。右京は

「どういう殺され方をしたのかが気になる」

と語る。

■感想

いよいよシーズン18の最終話。
相棒は輿水泰弘さんに始まり輿水泰弘さんに終わるというのが
毎度恒例のことになっているのかな。

シーズン18の初回で起きた事件の流れが一部関わってくるの
で流石に忘れていることも多かったが、あの時の事件は
未解決で終わったのだっけか。
冒頭で冠城が右京の陰口を吹聴していると青木が右京の耳に
入れるも正直うさんくさい。しかし次のカットでは実際に
冠城は角田に吹聴していたし、心配している事実も有り。
そんな中で色んな形で広まっているところが興味深い。
まぁ冠城という男は意外と秘密にするのは難しいタイプなの
かも。

事件に於ける隠蔽体質の官僚・官邸。
特に政治家と繋がりのある人物が被害者、または加害者とも
なれば当然その関わり合いを絶とうと躍起になる。
一連の事件の流れの中に警視庁の内調の人物が紛れていた
としたならば、組織の論理だけにとどまらず、警察組織の
信用問題が相当議論されていくことだろう。

過去ダークウェブがドラマで取り上げられたこともあれば
今回はダークフェイクの問題があげられる。
犯罪とそれを暴く為の技術のいたちごっこ。日本は映像表現
こそ良い物があるが、セキュリティに関しては正直良いとは
言えないところがある。

元々この手のものは動画よりも画像に於けるアイコラ(アイ
ドルコラージュ)などから始まり、現在ではダークフェイク
技術を使ってあの手この手でアダルトサイトで磨かれている
ものだ。

携帯電話がアリバイを証明する絶対的なものではなくなった
為に、防犯カメラ映像こそ人のアリバイを決める決定的証拠
に使われるものだがちょっと嘘くさい流れも存在していた。

また技術の誇示と言えばサイバーセキュリティ部の青木と
土師の争いも興味深いものとして存在していた。

ただ全体的に事件に関する謎に関してはまるで興味が沸かない
題材だったこともあり、2時間の流れは相当冗長さが含まれて
いた。
「無駄に長いだけ」という印象は否定できなかった。

今回のエピソードはコロナウルイスに於ける正確な情報が
関係各所から出てこないようなもどかしさのようでも有ったし、
また右京の不調については「NCIS」でいう所のジヴァさんが
NCISオフィスから居なくなったS11に於けるトニーの異変にも
似ていたような印象もある。

右京が何故不調なのか、何処まで本調子が戻っているのか。
そもそも右京は本当に不調なのかどうかの考察。

・テーマ

テーマとしては「嫉妬心」と共に「技術の誇示」に見えるが、
「情報伝達の正確性」というのが本来あるテーマだったの
だろう。
人からの伝聞だけでは誰も信用しない。
テレビで報道される情報でさえも最近は当てにならない時代
だ。

今までは電話やクレジットカードなどがアリバイに使えたが、
本人が使っているとは限らない。そこで一番信頼の於ける
情報とは防犯カメラではないかとされる。昔に比べて鮮明さ
というものが有るし、何よりも各所至る所に設置されている
ので行動が把握しやすい。しかしそれまでもが改変可能だと
されると、事件捜査に於いてはかなり厄介な事になり得る。

ただでさえ信頼されなくなった情報を政治家が関わっていて
都合良く利用しているとなれば相当な問題になることは
言わずもがな・・警察にも顔が利きすぎることもあって
相当な情報統制などが行われる。

また上述した前者の件では、犯人の動機となるものだった。
天才が故に自分よりも出来ないものへのいらだち感のような
ものが有ったのだろうか。
何よりも技術は日進月歩ではあるのだろうが、犯罪者優位の
時点で現実的には逮捕することが出来ずに居るというもどか
しさばかりが募る。

・人を操る

今回は人を操る頭脳犯の流れも随所に存在している。
人は「情報操作」によって映像だけで無く、不都合なこと
は意外と信頼性のない情報でも何処かで信頼してしまう
ものなのか。上述したことに矛盾しているようにも思えるが
見えないものを信頼したり信頼しなかったりするのが
人間の難しいところのようだ。
本人の意思と関係なく薬によって右京もまた操られたことが
あったし機械のような正確性を持つ右京でさえも心因性の
要因が捜査に与える影響というのは否定できないのかも知れ
ない。

そういう意味で犯人は策に溺れ過ぎた感じがして、
天才がよくやる念には念を入れすぎた証拠品の提示の流れ
が有った。
右京としてはかつての失敗・失策のリベンジした格好だった。

人を操るといえば青木は毎回色々と利用される立場だが今回
は「特命派」として扱われていた。
伊丹や芹沢は、官房長官が関わっている案件故に右京たちに
捜査させて美味しいところだけを掴もうとしていたのではな
いか。その為に中園をつかうところなど面白い使い方をして
いたことは確か。

・面白いキャラの違い

冒頭での現場検証に於いて捜一の面々は
「今回は難しい事件だ」
と語っていた。
右京たちは室内で起きた事件故に色んな所に証拠が残っている
であろうことを踏んで
「今回は早く挙げられるかも知れない」
と語っている。

・次回はちゃんとしたラボの設置を・・

益子さんが鑑識作業/押収物を調べているところが、あまりに
も普通の部屋過ぎる。せめて押収物を分析できるような
施設でも用意してあげてほしいという毎回の希望。

・細かいところが気になる右京さんの観察眼

・冒頭右京さんは「どういう殺され方をしたのか」を気に
している。それはダイイングメッセージのような音声認識
のソフトが立ち上がっていて「99」の文字があった。
これで被害者は救急車を呼ぼうとしていたのではないかと
考えるが、何故警察ではなく救急車だったのかは疑問として
冒頭から提示されている。

・室内に入れる人物
これは伊丹さんが語っていたことだ。元々このマンションは
防犯カメラがあるし、出入り口には暗証番号が必要とされて
いる。そして鍵。

・色んな人を登場させたが・・

ドラマではミスディレクションを多様した格好で、その為に
社美彌子を登場させたり、フォトスの記者の風間楓子を登場
させた。また話だけではあるが、神部くんの名前が出たり、
亀山くんがサルウィンに行ったことも語られている。
そして片山雛子の名前もあったね。この辺は何かの前振り
なのかな。

それと前振りと言えば「花の里」に変わる「こてまり」と
いう店が出来た。女将は芸者でもある小出茉梨を略した
こてまり(小手鞠)。果たして右京さんの心の安らぐ場になる
のかな。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)

大河内春樹 …… 神保悟志 (警視庁警務部首席監察官)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (警視庁総務部広報課課長)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁長官官房付)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティー対策本部)
風間楓子 …… 芦名星 (葉林社「週刊フォトス」編集部・記者)
八津崎奨 …… 橋本拓也 (葉林社「週刊フォトス」編集長)

鬼石美奈代 …… 坂井真紀 (42歳、城和工科大学特任准教授”AIラボ”)
鶴田翁助 …… 相島一之 (内閣官房長官)
柾庸子 …… 遠山景織子 (40歳、内閣情報調査室カウンターインテリジェンスセンター職員)
桂川宗佐 …… 村上新悟 (45歳、桂川コーポレーション社長)
栗橋東一郎 …… 陰山泰 (内閣情報官)
マダナイの声 …… 難波圭一
水戸弓子 …… 佐々木春香 (26歳、桂川宗佐の秘書)
牧原芳宣 …… 関口晴雄 (サイバーセキュリティ対策本部・係長)
萩原新三郎 …… 磯田龍生 (城和工科大学学生・フォトス動画)
飯島露 …… 花影香音 (城和工科大学学生・フォトス動画)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (赤坂の芸者”小手鞠”)
江波和江 …… 山本道子(回想、6話、花畑管理サービスの従業員)
橘禾怜 …… 加弥乃 (回想、1話”信頼と友好の館”メンバー)
成田藤一郎 …… 足立理 (回想、1話”信頼と友好の館”メンバー)
番記者 …… 谷更紗
マンションの管理人 …… 友松栄

朱雀武比呂 …… (元内閣官房長官)
高田奈津 …… (31歳、マンション住民)
高橋歩美 …… (31歳、友人、保険会社社員)
栗原果歩 …… (29歳、秘書)
長谷川知美 …… (42歳、マンション住民)
大和久沙良 …… (41歳、友人)
平瀬紀花 …… (26歳)
美保 …… (24歳)
戸塚 …… (秘書)
古川真子 …… (52歳)

森ケン、森山翔悟、幸野紘子、江守沙矢
南詩乃、横山沙英、大塚かよ、所博昭、西沢智治、安東大宙

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