相棒21 第2話 ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀

相棒21
(2022年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋本一(1)(2)
脚本:輿水泰弘(1)(2)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第2話 ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀

【ストーリー】

前回の相棒

民衆の手で腐敗していた政権を倒されたサルウィン共和国が
君主制に移行しサルウィン王国となる。
それに合わせてサルウィンに教育の必要性を説いて渡っていた
亀山薫と美和子は国賓待遇で日本に凱旋帰国。
しかし6人の人物に対して正体不明の人物からの脅迫メッセージ
が送られてくる。それはブラフだろうことを右京は口にするが
亀山にとっては他人事にしか見ていないとして激怒する。
その内容から相手はアイシャの存在を煙たがる人物。
それを知ったアイシャは自殺して彼らの家族を守る。
「彼女の自殺だけど事件性のあるもの」と呟く。

■警視庁

刑事部長の内村と警視正・参事官の中園に呼び出される右京は
脅迫事件に関して発生を認知した際に上司への報告を怠った
デュープロセス違反であることを指摘される。隠密裏に勝手
に捜査する事は言語道断。そして尊い命が失われる結果となった。
これは右京の責任であり、報告を怠らなければ結果は違って
いた筈。

内村はそこで右京に無期限の禁足を命じ食事と排泄以外特命係
から出るなと憤怒する。

・衣笠と甲斐

何処で見張っているか分からない犯人からのメッセージについて
両人で語り合う。警告が起きたにも関わらず報告しなかったこと。
捜査当局を巻き込んで犯人を刺激して最悪の事態も有った可能性。
結局航空機に爆発物は見付からなかった。しかしそれは結果論で
あることも事実である。

・特命係

角田は甲斐に対して亀山のこと紹介する。
この男が特命で右京の下について初めて長続きした男であること。
甲斐は特命係・右京の直属の上司であり、ある程度は亀山の事は
知っていたので一度お目にかかりたかったことを語る。

・右京がやってくる。

場違いな方々が来ているという右京に対して、亀山の入庁の許可
を出したのは角田であることを語る。甲斐は君のことでコッテり
しぼられた事を告げると右京も叱られて来たことを語る。
事件発生の通報義務は有っただろうが、あの状況では迂闊に
出来なかったという亀山。
あの中の6人の中に、狡猾な犯人が巧妙にアイシャを死に追い込ん
だこと。脅迫された人は囮でアイシャに自ら死に追い込む事が
犯人の目的だった。

亀山は今の自分には権限や立場が亡いができる限り捜査に協力した
い事を告げる。しかし今の亀山には被害者としての協力だけ。
亀山はそんな角田の主張に元特命の俺にそんな常識が通じると思い
ますか?と告げる。右京は禁足を喰らったばかりである事を語る。
亀山は甲斐に対して何とかして欲しい事を告げるが、甲斐もまた
私は右京の暴走と止める立場である事を告げる。
亀山は一人でも何とかするとして特命係を飛び出していく。
社からもらったリポートに亀山は直情型だとされていたがその通り
の人物だと語る。

甲斐は右京の行動に対して矛盾点を指摘する。
するべき報告を怠った一方で社だけでなく鑓鞍議員まで動かして
いること。上層部の耳にも入っていて怒り心頭。右京の責任の論調
もある。

『右京への怨念がここまで渦巻いている』

そんな右京はスーツに身を包むと、亀山の暴走を止めに行くという。

・捜査一課

益子は新トリオザ捜一の元に携帯電話を持っている。
アイシャ宛ての犯人からのメッセージだった。
要約すると「お前が生きているとみんなが苦しむ」と書かれている
のだという。

芹沢は刑事部長の内村、そして参事官・中園に今回の事件の概要を
説明する。脅迫を受けていたのは6人。

・ミラ・ガルシア
・クリス・ガルシア
この姉弟はアイシャと反政府運動で共闘した仲間で、彼女と親善
使節団メンバーとして来日。

日本勢は
・厩谷琢 (外務省アジア太平州局次長)
・尾栗江威子 (人道支援NGOの幹部スタッフ)
・里村壱太郎 (IT関連企業オーナー、現地法人も有り)
・亀山薫 (マヌケ一匹 by イタミン)

みんなサルウィンと深く関わり合いが有った。

■感想

多少の誤差があれど、どの流れもほぼ想定の範囲内だった。
先週の感想以上のことが有ったのかなという感じがするが
人間関係の機微な一面を考えていくとまた違った面白さと
いうものが浮かび上がる。

ドラマとしては脅した犯人はまだ見付かっていないし、
その目的も不明のままなので何も解決したとは言えない。
そして今回アイシャだけでなく別の人物が殺されることに
よって、より二つの流れに共通・精通した人物が犯人という
ことになる。

他人を欺こうとしていた流れが有ったので、個人的にはアイ
シャは何処かで死の偽装を思いつき、犯人の計画の裏の裏を
突いて行く流れも有るのではないかという期待も有った。

あれだけ多くのことを女性活動家として成し遂げたのに、
その偉業からこうもあっさり自死への決断に結びつけるだろう
か。
それを考えるとそこが少々シナリオの結末にすり合わせた感じ
がするが、アイシャの失望感が予想以上に大きかったのだろう。

ついに亀山くんが戻ってきた。
もちろん今回は国賓としてやってきた彼の肩書きからの捜査
だった。
それが効力を失うことは目に見えており、どのようにして
関わっていくのか。

「特命係とは何か」

禁足を喰らった右京が捜査に関われない縛りが有り、甲斐も
何処か消極的。

“直情型”と分析されている亀山にとって特命とは、上司の命令
など無視した行動を取れる部署であることだ。

■事件

前回6人の元に脅迫状が届いていたが、実は7人目であるアイシャ
にも違う形で脅迫メールが届いていた。
こうなってくると完全にアイシャを知るものとしか言えず
日本勢の中でも限られてくる。
しかしこう言ってはなんだけど、アイシャは犯人が誰かに
気がついていた筈で、父親によって殺されかけたことによって
生きる希望を失ってしまったのだろうか。

更に今回は一番疑われていきそうなクリスが上千住の川で亡
くなって発見されたことによって事態は面倒なことになる。
発生現場の特定と凶器の特定が必要とされ、所持品から無くな
っている携帯スマホも探す必要がある。それが一つのキーアイ
テムとなるものなのか。

● 親子、姉弟、師弟、上下、友達、同僚、男女の関係

人も国もなかなか変わらないね。
そして人間としての本性や欲望も・・

日本側の外務省の男はサルウィンに女性を作り、大人の関係に
なって子供を授かっていた。ただ子供の存在に関しては父親の
認知なくして生まれたことで複雑な状況に陥る。
本来ならば親子の再会であり、両国の関係がより深いものと
なり得るが、認知していない一方通行の関係は煙たさだけが
身に染みる事に。

友達の関係も複雑だ。
ライバル関係に有ったアイシャとミウ。
アイシャという絶対的な存在の前にミウは後塵を拝する人生
となる。
国・権力を巡った争いに勝った筈が、ミウにとってはあまり
面白くない。弟の死を利用した流れで我こそが統治していく
といった感じの流れに繋がる。

右京はサルウィンのレナンジャウンの学校の教室に亀山の
肖像画が描かれているのを知り、「権威主義的で鼻につく」
ことを口にするが、現地に行かねば分からないこともある。

マスコミを利用した右京叩きの流れは少々滑った印象もある。
鑓鞍や片山は必要ですかね。
その混乱に乗じて上手いこと色んなことが帳消しになったし
今回は目に見えない心理的圧力がテーマっぽい所が有った
のでそれも致し方ない。

● 治外法権的な・・

サブタイトルにあるペルソナ・ノン・グラータに該当する
人物が日本から見たサルウィンの人たちではなく、相手国から
見た日本人だったというところに寂しさを覚える。

サルウィンをよくする為に人生の進路変更をした一組の家庭
の努力は無意味なものだったのかを問う流れが有り、
それを否定する右京の言動やアイシャが描いてくれた肖像画
が歴史を刻み彩ったようでちょっぴり嬉しい余韻になった。

● 亀山復活の事実よりも面白い流れが・・

刑事部長の内村の性格ががらりと一変したこと。
それを周りのものも気がついていて、彼は「大人の事情にも
刃向かおうとする」危険・・とまではいかないものの注意人物
とされている。

伊丹が亀山との関係に於いて立場の優位性を誇示しつつも
まるで彼が亀山の上司とばかりに上手いこと盾にも矛にも
なったところは良かった。
この二人の関係の中に有る”プライド”は、アイシャとミウの
関係と対比されて興味深さがある。男女の性格の違いなのか、
単なる個人の問題なのかは分からないが・・

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長・警視監 警察庁のキャリア官僚)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (フリージャーナリスト)

鑓鞍兵衛 …… 柄本明 (衆議院議員で国家公安委員会では委員長)
片山雛子 …… 木村佳乃 (元国会議員)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (内閣情報調査室・内閣情報官)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官)

アイシャ・ラ・プラント …… サヘル・ローズ (27歳、サルウィン親善使節団・女性活動家)
厩谷琢 …… 勝村政信 (外務省・アジア太洋州局次長)
ミウ・ガルシア …… 宮澤エマ (サルウィン親善使節団メンバー・アイシャの親友)
クリス・ガルシア …… トラウデン都仁 (26歳、サルウィン親善使節団メンバー・ミウの弟)
里村壱太郎 …… 浜田学 (パーティの招待客)
尾栗江威子 …… 菊池麻衣子 (パーティの招待客)

竹田茂生、黒川昌伸、古賀理紗子、Percy、Sreffahey Villarante
Akira Toyoda、Sally K、Victor Isurugi、Saugi Husain

スポンサーリンク
レンダグル大336
レンダグル大336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レンダグル大336