シャーロック / SHERLOCK : UNTOLD STORIES
(2019年10月期・フジテレビ・月曜21時枠)
原作 – アーサー・コナン・ドイル 『シャーロック・ホームズシリーズ』
プロデュース – 太田大
脚本 – 井上由美子
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – DEAN FUJIOKA「Shelly」
演出 – 西谷弘、野田悠介、永山耕三
https://www.fujitv.co.jp/sherlock/
第4話 ボクシング世界王者の失踪・・・空白の1分に何が?
【ストーリー】
■後楽園ホール
「優子は携帯カメラで動画撮影する彼氏に恥ずかしいから
辞めてと告げ傘を取ってくる・・あの傘をさしたいからと
告げる」。そんな動画を見ているのは、今夜ボクシングの
世界タイトル戦が行われる梶山裕太だった。
楽屋裏に榎並アナが取材に行く。
既に前座の試合として佐賀と吉野の試合が行われていた。
メインの試合は二階級制覇の梶山とタイの英雄ディーラ
シン・パチャラの正規の一戦。
ボクシングジムの会長・石橋卓也は梶山に対して
「今のお前が負けることはない。自信を持っていけ!」と
語る。
いざ試合の時間になり選手入場のアナウンスがされるが
梶山は一向に出てくる様子が無かった。獅子雄と若宮は
会場で観戦していたが獅子雄は一人熱くなる。
獅子雄は試合が中止になったということを聞いて激怒し
そのまま楽屋裏へ。
鏑木マネージャーは梶山は病院に行っているというが、
獅子雄は嘘を付くなと反論する。その根拠として
鏑木マネージャーは居るし、スギモトトレーナー、
清田医師、そして石橋会長も全て病院に付き添うことなく
ここに居る事が証拠だった。
そこに江藤刑事も楽屋にやってくる。
江藤は一時間前に男坂の階段で死亡して間もない男の遺体
が見つかり現場付近で梶山を見たという証言が有るという。
試合直前までここに居たと反論するが、現場までは車で
10分・・十分に間に合う距離だと。
■殺害現場
被害者は村川正輝(28歳)、前科有り。
平成23年10月1日、彼が明京大学2年生の頃、千都公園の
アスレチックの遊具のロープを面白半分に切って知らずに
ぶらさがった客が怪我をしたというものだった。
殺意は立証出来ずに傷害と器物破損で懲役3年・執行猶予
付きだったという。
村川の死因は転落による頭蓋内損傷。しかし顔には殴られ
た跡が有り皮下出血を起こしている。殴られた後に落とさ
れたのだろうという見立てだった。
目撃証言も梶山が水道橋駅から男坂の方に走って行った
とする確かな証言があるという。それを聞いた獅子雄は
何故殺害現場から逃げる時ではなく駅に向かう時に目撃
されているのか疑問に感じる。
【感想】
ドラマ的には殺害事件に於ける被害者と加害者の「接点」
を探る動きがメインとなり、「動機」と「機会」があるか
どうかという核心的な部分へと追求していくものだった。
「着眼点」については最初のアプローチがもの凄く大事で、
今後の捜査を左右していくものなのに、全く事情も分か
って居ない光景を目に焼き付けて覚えていなければなら
ないのだから非常に難しい作業だと思う。
「傘」もそうだし最初に獅子雄が会長に遭った際に「右手
が腫れていた」という事実に目をつけて居る。
「接点」については被害者か加害者の過去を洗っていくか、
交友関係を調べるしかない。大抵過去が絡んでいて且つ
被害者に前科が有れば、当時の被害者が復讐に走るパターン
であり、最近では携帯電話の通話記録とかネットの履歴を
調べれば大抵答えが出てくる。
自分も梶山は犯人ではないと思って見て居た。
彼が犯人だと分かり易すぎるし、何よりも身を隠そうと
していないという獅子雄の言葉が的を射ている。
石橋と会話していくウチに、この人が15年前の被害者だ
った優子と繋がりがあるのを知ってすぐにピンと来る
ところが有った。
そんな彼自身が「ボクシングを取るか母を取るのか」
というカードを書いたのだけど、どちらも石橋は梶山という
人物によって奪われてしまったと感じている。
殺害の動機として嫉妬心も復讐としては強い要素であり、
母親を殺害された復讐以上に自分には何一つ叶えられなか
った相手に嫉妬してその相手を壊そうとするところなど
二つの殺意ある流れが重なり面白く出来ていたと思う。
傘の流れとか追求していくのは難しい捜索だよな。
そして殺人事件の「機会」に関してアリバイがその証明
になるのだけど、テレビに写っていた当時の映像が色々と
役に立っていく。
最初に楽屋にインタビューにカメラが入った18時15分には
傘が映っていなかった。そして梶山が居なくなったのは
18時30分である。その15分の間にしか殺害の時間がない。
これは会長も同様で急いで現場に行って誰も見られずに
殺害することなど出来るものなのかと思わせた。車が
通るには狭い道だしね。
息子の父親が誰なのか分かっていく流れなども興味深かった
が問題はどうやって息子自身がそれを見つけ出していく
のかということだった。視聴者も早い段階で父親が誰なのか
は分かったからね。
【出演者】
誉獅子雄 …… ディーン・フジオカ (犯罪コンサルタント)
若宮潤一 …… 岩田剛典 (元精神科医)
江藤礼二 …… 佐々木蔵之介 (警視庁刑事部捜査一課・係長)
小暮クミコ …… 山田真歩 (警視庁刑事部捜査一課)
レオ …… ゆうたろう (情報屋)
石橋卓也 …… 金子ノブアキ (石橋本郷スポーツジム会長)
梶山裕太 …… 矢野聖人 (プロボクサー、二階級制覇)
細谷優子 …… 小島藤子 (当時30歳塾講師。元富坂高校の英語教師)
細谷潤 …… 小林喜日 (14歳、優子の息子、ジム所属)
細谷郁恵 …… 朝加真由美 (優子の母)
村川正輝 …… コーシロー (28歳、被害者)
鏑木 …… 森渉 (マネージャー)
スギモト …… (石橋本郷スポーツジム・トレーナー)
清田 …… 安藤広郎 (スポーツドクター)
実況 …… 安東弘樹 (ボクシングを中継)
リポーター …… 榎並大二郎 (楽屋まで・・)
ヨシノ・シュウイチロウ …… 吉野修一郎 (プロボクサー)
カワシマ …… 川島郭志 (解説)
サガワ …… 佐川遼 (プロボクサー)
ディーラシン・パチャラ …… (プロボクサー)
秋野清彦
中野
梶山文恵
鈴本 …… 三宅克治 (トレーナー)
冨樫光明、岡庭健、小島彩乃
石田桃香、黒田浩史、三嶋健太、山崎将史、オザワミツグ、相田雄一郎
佐藤侑梨、鈴木悠貴、吉田幸生、米田大輔、ウィラサクレック ウォンパサー、
ゲーオ ウィラサクレック、ラーシーシン ウィラサクレック、
ダウサコン モータッサナイ、チャロエンプット ダムロン