相棒20 第3話 復活~最終決戦

相棒20
(2021年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1)(2)(3)
脚本:輿水泰弘(1)(2)(3)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第3話 復活~最終決戦

【ストーリー】

●特命係

右京らは青木がハッキングしてきたサーバーを通して、
仮想現実の世界で構築されている【加西周明の館】に入る。

「ここに来る人は誰も拒まない」

という死んだハズの加西(NPC)が現れる。
主人は大広間にいるとし、右京たちはワインセラーで
待つよう求める。

「自己顕示欲の塊の加西らしい場所だ」

冠城はそう感じる。
青木はこの世界では忍法が使えるとして右京の姿になる。
青木によるとアバター同様にデータサンプルがあればこの
くらいの事は出来るという。音声まで変えられるとは驚き
だと右京。
携帯通話が本人の声そのものを送っているのではなくサンプ
リングされたよく似た音声を合成して使用しているので
それを応用したのだという。

●取調室

捜一は栗橋内観情報官を取り調べする。
東京拘置所付近の救急病院に柾庸子が運び込まれた形跡が
ないことに対して、栗橋の手下である鷲見は近くのERに
移送されていたことを担当検事に話していることを語る。
鷲見は法務省職員を語っていたが、彼が単独で庸子を運び
出すことなど出来ないことを指摘する。
麗音もまた鷲見はあなたの指図で動いたのでしょと語る。

しかし一切語らず・・・

鶴田のウィークポイントであることは間違いない。
一連の件で栗橋には覚悟があったが鷲見にはそれが無かった
こと。口封じで鷲見も殺されるのか。
しかし右京はそうそう人殺しを手配出来るものではないとし
ほとぼりが冷めるまでは手元に置いて守るか、安全地帯に
避難させるものではないかと。高飛びするのであれば犯罪人
引き渡し条約を結んでいないアメリカや韓国以外の場所だろう。

●内閣官房長官

(過去)
鷲見は鶴田から人よりも少しでも良いから秀でているものが
何かを尋ねられる。パソコンでも料理でも自動車整備でも
良いという。すると彼はピアノで「エリーゼのために」を弾
く。子供の頃にスパルタで習い今でもキーボードで弾いている
事を告げると、鶴田は彼を”音楽系レクリエーションスタッフ”
として大使か稜治に採用させるという。

冠城と右京は杜と会う。
二人は”今回のこと”は驚いた事を告げる。
“そのこと”は内村、中園の間でも話題になっていた。
あり得ない人事・・ロシアのスパイと情を通じていた彼女は
「自ら身を挺してロシアのスパイから情報を得ていた愛国者」
という評価を得ているという。内閣でも反対派は居たが今の
鶴田が反対派を押さえることは訳がない。

なんと杜は「内調発の女性トップとして内閣府情報官」となる
ことが週刊誌に取り上げられていた。右京は記事になっている
以上打診があり、そして杜も承諾したのであろう事を告げると
杜もそれを認める。
デリケートな過去があるのにトップに据えるなんて本当の
力業だった。鶴田が権力の誇示の為にやった可能性が高いと
見ていた。

■感想

流石に三話を一つの流れとして見ると長いと感じる。
しかも更にそれ以前の過去についてもドラマでは言及して
いるので相棒ファンでないと分からない部分もあるのでは
ないか。これまで一話を2時間として描いてきたこともある
けれど、初回がこうも冗長に感じるようだと辛い。
まぁ勝負はレギュラーシーズンのエピソードだろうけど・・

これまでの過去の中で身分高き人たちは時代に沿って色んな
事を模索してきた。その中の一つに【証人保護プログラム】
があったし、【日本版NSAの設置】の話も出てきた。

【国民総監視社会】はタイムリーなネタでもあるし、
仮想現実が具現化出来るだけのパソコンの性能が高まった
こともあるのだろう。

本来仮想現実の中で答えを探すというアイデアは決して
悪くは無いのだけど、そもそもそういう世界の中で得た
証拠にその能力があるのか否かという問題にも繋がってくる。

更に厳しいことを言えば本物と偽者の区別が付かない
【ディープフェイク】での動画の流れを描いた後で、
果たして音声データはフェイクではないとする証明として
説得力が出るのかの問題もある。

理念・大義の為に反対派を殺害する人物というのはこれまで
のドラマの中では確かに居たし、その手の葛藤は元々右京と
小野田が対立していた根本的な大義論のネタでもある。

ドラマで一番必要だったのは、既に分かっている答えに
対して、どのように証明するのかという現実的な物証に
有ったのでデジタル化されたものに頼るというのは少々
辛い。昔はそのデータこそ大事なものだったのに、今では
本物かどうかを精査する必要性があるところが面倒な世の中
になった。デジタル署名は今でも行われていることだし、
これまでデジタル社会に頼ってきたけどね。

興味深い流れの比較として、デジタルによって偽装された
ものとアナログ的に偽装されたものが有ったということ。
デジタルは勿論ディープフェイクの事であり、仮想現実の
世界でもあるが、アナログの世界ではいわゆる整形技術に
よるところが大きいことだ。
ただこれをやってしまうとアメリカのドラマ同様に、

「死んだものがまたいつでも戻れる可能性」
「お前は魁!!男塾のワンターレンの如く死を認定して実は
生きているのだろう」

という疑惑だらけのドラマになってしまう事も有る(笑)

私はすぐに分かったけど、追い詰められたもの(鷲見)を脅し
て追い詰めて判断力を奪うやり方。あたかも殺し屋によって
狙われている感を偽装するところは面白くは出来ていたと思う。

更に今回は一度シナリオを整理して誰がどのような経由で
殺害したり、助かったりしたのかの詳細が描かれたので
なんとなく何がどうなっていたのかという事を知るにも
もう一度目にしたという感じがする。

■テーマ

「自分の居場所」だったのだろうか。
みんなが居場所を見つけて動き回る。
仮想現実の世界であろうとも犯罪者であろうとも、居場所を
見つけて戦う光景。
見つけられたものは幸せで有り、見つけられないものは
一線を越えてしまう可能性があるから怖いのだ。

■その他

ラストに小野田公顕を登場させた。
幻覚かどうかは分からないが、数日前に見た
「アンという名の少女」で頭痛で苦しむマリラが幻覚を見る
という姿を思い出したが、いよいよ右京さんも老眼鏡の度が
合わなくなったとか。

出世という名の元で社さんは出演を減らす意図があるのでは
ないかと疑うところがあるな。
鑓鞍兵衛の後ろ盾もあり「国家の為には身体を張る女性」
して評価される。

プロの殺し屋という割りに見せかけだった名も無き殺し屋。
容姿の変化は庸子の流れに移行しやすくしていたのかな。

甲斐を攻撃していた際には衣笠の影。そして特命係を攻撃して
来た今回の内閣官房長官。右京と対峙するにはやはり小野田
しかいないことを強調した。

減らない機密費は、繰り返される悲劇の連鎖を現している。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (警視庁組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (警視庁サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁長官官房付)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警視庁警務部首席監察官)

小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)

鶴田翁助 …… 相島一之 (内閣官房長官)
栗橋東一郎 …… 陰山泰 (内閣情報官)
三門安吾 …… 山田明郷 (「エンパイヤ・ロー・ガーデン」所長)
加西周明 …… 石丸幹二 (IT長者仮想国家「ネオ・ジパング」)
鷲見三乗 …… 味方良介 (調査会社、元目白北署刑事)
階真 …… 辻本祐樹 (東京地検検事)
柾庸子 …… 遠山景織子 (元内閣情報調査室職員、服役中)
藤原久美子 …… 松本享子 (殺し屋)
中郷都々子 …… 織田梨沙 (「エンパイヤ・ロー・ガーデン」弁護士)
森安伸治 …… 佐古井隆之 (「エンパイヤ・ロー・ガーデン」弁護士)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁長官官房室長、警視監)
鑓鞍兵衛 …… 柄本明 (国家公安委員長・衆議院議員)

加賀美茂樹、細貝光司、赤石ノブ、橋本恵子、
岡村まきすけ、淺田みなみ、斉藤祐一

スポンサーリンク
レンダグル大336
レンダグル大336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レンダグル大336