第11話 命の洗濯 Dirty Laundry
脚本/Liz Friedman
Christopher Silber
監督/ John David Coles
【ストーリー】
ジョーンはホームズに対してマグカップはないのか?と問う。
シンクを見ろというが、食器の墓場と化していた。ボールも
フォークも皿もない。ホームズはジョーンに片付けるよう
告げるが、あなたの家のキッチンだとし私は10日後には出て行く
のだという。この乱雑さは問題だというと、ホームズは
寧ろ活発な頭脳活動の証だという。偉人は混沌とした環境の
中からインスピレーションを得ていたこと。アンドリュー・
フレミングがシャーレを洗うのをサボったからこの世界にペニ
シリンが生まれたのだという。今からあなたが青カビを培養
する必要が有るのかという彼女。
その頃ホテルではメイド2人がヨーグルトを食べた食べない
で話有っていると洗濯機に異様な動きをしていることに気が
つき蓋をあけると中から女性の遺体が出てくる。
グレッグソンはホームズたちがやってくると、現状を知らせる。
被害者はテリ・パーセル。ホテルの総支配人で、最後に彼女が
目撃されているのは彼女のオフィス。いつも残業していたとい
う。死因は恐らく頭部の鈍器損傷だろうとし、物証を洗い流す
為に洗濯機に突っ込まれたのだろうと。ベルは洗濯されて
死亡推定時刻の特定が難しいが、夜9時半から12時だろうとの
こと。洗濯機の指紋は発見したメイドのものだけだったという。
また洗濯機の中には万年筆とシーツが入っていたが被害者のもの
かどうかは分からないと。真っ二つに折れた万年筆。しかし
服にもシーツにもインクの染みが付いていないとホームズは語る。
防犯カメラは廊下のも出口脇のも機能していないこと。何ヶ月
も使っていないという。直してもすぐに壊れるからだという。
犯人は見られることなくホテルに出入り出来ることを知ってい
たハズだと。ここに引きずった跡が有るとしエンジ色は被害者
の靴のヒールの色だという。その引きずった跡をたどっていくと
彼女のオフィスに続いていた。言い争いはオフィスに始まった
ようだというグレッグソン。強盗ではないとし引き出しを漁っ
ていないし部屋も荒らされていないこと。従業員によると被害者
は素晴らしい上司だったという。
ジョーンは慈善活動の表情状やお礼状が壁に飾られていること
を語る。パーセルは友好的人物だとひけらかしたかったのだと
し、人に誇示していること。家族仲の良さなんかも同様にと。
ベルは結婚指輪した女が殺された時は大抵犯人は夫だという。
犯行時刻に何処に居たかを話を聞こうと。
パーセルの自宅へと向かう。
郊外の住宅地。依存症の回復計画で郊外に引っ越せと言われ
ないのが不思議だとし秩序だらけだというホームズ。ジョーン
は整理整頓は秩序の一種で秩序は依存症の回復に良いのよと
語る。ホームズは夕べキッチンのことで文句を言われたので
確認表を作り自分を評価したが俺の回復は順調だという。
助手になりたいなら認めるようなことを告げる彼に、ジョーン
はあなたの仕事が面白いのは認める。すると彼は付き添い期間後
も指導機関を続けてやるとし、毎週来れば知識を授けるという。
変わりに家事をやるだけで良いというが・・
夫のオリヴァー・パーセルは妻のテリの死に関して、淡々と
誰からも好かれていたことを語り、娘のカーリーも凄いショック
を受けているという。奥さんと良好だったのかと問うと夫婦仲
は良かったという。でも最近ずっとソファーで寝ているだろ
としてソファーのくぼみ方を指摘する。私は不眠症なので妻に
迷惑をかけていなかったという。しかし客用のバスルームに
使ったタオルとあなたの洗面道具が置いて有るというと、夫婦
の寝室とバスルームから完全にあなたは閉め出されているでは
ないかと。あなたの失業のせいではないかという。すると
オリヴァーは何故それが分かったのかと問う。映画の半券が
置いて有るとし月曜の昼間のものだと。プリンターの用紙は
普段とは高級の紙がセットしてあるのは履歴書用だろうと。
娘のカーリーがやってくると大丈夫かと語る。
オリヴァーは財務コンサルタントの職を失い妻とはギクシャク
していたことを認め、他の失業者仲間と会って情報交換して
いたという。
ジョーンとカーリーは会話する。
ジョーンは彼女に2つの大学から入学許可を得たのかと問う。
お母さんも喜んでいたでしょうと。真剣にサッカーをしている
のねと写真を見ながら話しかける。ミシガン大でスタメンを
約束してくれたのだという。でもママはジョージタウン大の
方が絶対に良いと言うので・・・カーリーは、「苦難はいつか
終わる。立ち向かおう。今を堪え忍べ」と言い聞かせている
ことを告げると、その続きは「今日一日乗り切ろう」よと
語るジョーン。回復期の人たちの人をよく知っているからと。
何年か前にヒザを痛めた時に痛み止めを飲み始めて毎日飲むよう
になってしまったことが有ったというカーリー。ジョーンは
そんな彼女にいつでも電話してと番号を渡す。
■感想
気がつくともう11話か。
全部感想を書くつもりで見始めたドラマだったけど、日曜日
の23時の放送って「ダウントン・アビー」と被っているし、
仕事のことを考えるとリアルタイムではまず見られない。
感想を書かずにシナリオだけ何時ものように書き綴っている
状態だけど、年末だけ有って「ダウントン・アビー」の放送
がなく、それ以外にも海外ドラマが放送していなかったので
久しぶりに中途だけど感想を書いてみる。
タイトルからすると「洗濯」と「選択」を掛けたものか。
座布団一枚で済めば良かったんだけど・・
このエピの時点でのジョーンとの関係はもう残すところ10日
余りでホームズの父親との契約が切れて付き添い人という立場
が終了しようとしている。ジョーンはホームズとの関係で付き
添いつつも事件捜査をしていくことで楽しみを感じているし、
ホームズもまたジョーンを煙たい感じに語りつつも、実際には
もの凄く感謝していることが伺える。
何とかしてホームズもジョーンが残るようにしようとしている
ところが有って、その行動は遠巻きな表現でもどかしさを伴う。
まさに男の子が好きな女の子に好きだと言えずに周りくどい
ことをしてなんとか関わろうとしている感じ。
当初はジョーンの存在感はあまり無かったけれど、徐々に
外科医だったというスキルや心理士的要素も発揮し始めて
ホームズをも凌ぐ鋭い視線を持つシーンも出て来た。
■事件
ホテルの女性総支配人のテリ・パーセルがホテルのランドリー
ルームで洗濯された状態で発見される。
誰から聞いてもテリは良い上司であり、慈善活動家としても
郊外での家庭的な姿を見ても理想を絵に描いた人物像。
殺されたのは彼女のオフィスで何者かが引きずって洗濯機の中
に入れていたことが分かる。
ここでの問題としては、洗濯機の中に入っていた折れた万年筆
の謎だ。証拠を洗い流すために洗濯機に入れたのだろうけど、
採れない染みというのは何処かに有るはず。それが何処にも無
い。
■君犯人じゃないよね? (c)要潤
パーセル家にいくとテリの夫のオリヴァーを演じているのが
なんとMark Moses。憎めない役をすることも有るけど、
この人のドラマでの役所のきな臭さと言ったら至るところで
見られるのではないか。海外ドラマファンならMark Mosesさん
を見て瞬間に思わず要潤さんばりのセリフが出て来そうだ。
冒頭ではホームズも見抜けない程に郊外に住む理想の父親
みたいに感じていた。
■事件解決へのポイント
・隣人の証言
テリがイケメンの男性と遭っているという隣人の目撃証言。
“聖女テリ”も男性の訪問を受けると言っても友人のシーラが
信用しないので写真を撮影したという。
郊外に住む隣人が何かをみて居るというところを見るとやはり
Mark Mosesさんの絡みも有ってか「デスパレートな妻たち」を
彷彿させる。
・慈善団体の男性
イケメンと遭っているとされたのはジェフリー・シルヴァーと
いう慈善団体の男。演じているのはJake Weber。
「ミディアム」の旦那さんジョーがそんな悪い事している訳
無いだろうって感じで見つめている訳だけど・・
ホームズはテリとシルヴァーは性的関係が遭ったのではないか
と揺さぶりをかけるがそれはないと否定する。
・売春婦とのトラブル
テリのホテル警備責任者によると最近ホテルで売春婦の
出入りが問題になっていて、テリが追いだしたら匿名の脅迫
を受けるようになったという。脅迫はポン引きの仕業ではない
かということでベルは風紀課に・・そしてジョーンとホームズ
はホテルに行って人間ウォッチング。
「ネコが消えればネズミが遊ぶ」。
テリが居なくなったことでまた売春婦がホテルのロビーを
ウロウロしているのではないかとしてホームズたちは観察に
いく。どういう人物が売春婦なのかということを見抜くホームズ
の鋭さは光った。ただ話によると寧ろテリは裏口の従業員用の
エレベーターを使わせて客に遭わせてくれていたということで
娼婦が恨むことはないとされる。しかも娼婦たちからは一切
テリは金銭の授受・見返りを求めていなかった。
・売春婦がホテルの格付けをあげる??
格付けがあがったのかどうかは相対的なことでしか言えない
けど、娼婦が居ることで人気が出て、金持ちのビジネスマン
とか国連の外交官が出入りするようになったという。
しかしキャリアを危険にしてまで「非営利売春組織」を認めて
いることに違和感を覚える。
再度調べることで、隠し収納から化粧品のコンパクトを発見。
そのUSBを使ってネットにアクセスし秘密のネットワークに
繋ぐと、隠しカメラ9台で部屋を録音し隠ししていた。
セックスを録画して脅していたのか。
・ホームズのスキル
テレビを複数台見る事が出来るというホームズのスキル。
数話前にも披露されていたことがあったな。
ただ性的なVTRそのものよりも寧ろパソコンの中にある画像が
気になるというホームズ。退屈な家族写真の画像がどれも
1ギガ以上のファイルになっていてステファノグラフィとして
秘密のデータを画像の中に隠していた。
送受信していたのはシルヴァー。
■結末
オリヴァーもテリもロシアから送られて来たスパイだった。
全てはロシア情報庁からの指令で長い間アメリカに潜伏し、
指令で子供のカーリーを持ったという。夫婦間に愛情はないが
娘は愛しているというオリヴァー。
オリヴァーは全てを告白して取引に応じることになる。
また娘のカーリーも母親がスパイだということを知っていた。
ジョージタウン大に母親が勧めたのはアメリカの中枢に入り
込む為に有利になる為であり、元々娘のことをスパイの子として
育てることしか考えていなかった。しかしオリヴァーはアメリカ
ナイズドしていって、そんなスパイ的活動は辞めようと考え
ていて、特に娘を巻き込むことには反対だった様子。
娘は母親と言い争い、突き飛ばしたことでテリは机に頭をぶつ
けて亡くなったかに思われた。しかしジョーンが検視報告書を
見て、第4中手骨の骨折・・ボクサー骨折が有り、カーリー
が母親を殺したかと思っていた事件の顛末だが、最後にスパイ
の相棒/ハンドラーだとされるシルヴァーを問い詰める流れに
繋がっていった。
■使用された曲
・Elementary Main Theme
Written by Sean Callery
・Elementary End Theme
Written by Sean Callery
・Arise, Awake by Paul Banks
■出演者
シャーロック・ホームズ (Jonny Lee Miller) 鋭い洞察力、
Dr.ジョーン・ワトソン (Lucy Liu) ホームズを薬物依存からサポート
トーマス・グレッグソン (Aidan Quinn) ニューヨーク市警警部
マーカス・ベル (Jon Michael Hill) 捜査官、クイーンズ116分署
ジェフリー・シルヴァー (Jake Weber) 慈善団体、
オリヴァー・パーセル (Mark Moses) 夫、財務コンサルタント首
カーリー・パーセル (Melissa Farman) 娘
テリ・パーセル (Tracey Ruggiero) 被害者、ホテル支配人
ハーモニー (Leigh Ann Larkin) 高級娼婦、話を聞く
Mrs.ディーン (Cynthia Darlow) パーセル家の隣人
— (Sam Freed) オリバーの弁護士
— (Simon Jutras) フランス人ビジネスマン
— (Arash Mokhtar) Middle Eastern Diplomat
— (Al Nazemian) Middle Eastern Diplomat
クラウディア・カムデン (Jennifer Regan) 捜査官
エステル (Shirley Roeca)
マリソル (Natalie Toro)
— (Beau Allen) ビジネスマン
— (Nicole J. Casseri-Healy) High End Escort