第12話 Mの悲劇 M.
脚本/Robert Doherty
監督/John Polson
【ストーリー】
マンU vs アーセナルの試合を見ながら、”M”は装置を設置して
いた。イアン・ヴィッカーズの手足を縛ったまま放置。装置
が出来るとそこにイアンをつるし上げて殺害する。
ジョーンはホームズに対して蜂の巣箱が何故室内にあるのか
とし屋上ではなかったのかと問う。室温でも大丈夫かみて居る
というホームズ。6週間の付き添いは時機に終わるとし数日中に
君の部屋が空くのでミツバチの飼育に使うのだという。
付き添いの終了について話が有るというジョーン。終了前に
クライアントと儀式があるという。ただゆっくりと話す時間
を作るだけだというと、ホームズは君は会話を重視しすぎると
いう。人が互いに言うべき事の大半は言葉以外で伝わるんだ
という。君がここにいた数千の言葉も殆ど無駄だったという。
ジョーンは一緒に食事にいくだけだとし喋りたくなければ
それで良いという。あなたの近況を語り合うというと、報告書
も書くという。しかしホームズは父は報告書を書いても
俺に興味がないのだから見ないという。
そんな中グレッグソンからの電話が鳴る。
現場に行く中でグレッグソンから説明を受けるホームズ。
被害者は公認会計士で名前はイアン・ヴィッカーズ。家主だが
恐らく被害者だという。何せ死体がなく血だまりだけなんだ
という。ジョーンは一人分なのかというと、櫛に残っていた
毛髪でDNAを比較するという。イアンの秘書が書類を届けに
来て見つけたこと。生きて居る可能性は低いだろうと。それ以外
の痕跡がないんだというグレッグソン。
しかしホームズは突然犯人は背が高く力が強い人物。死体を
フックで吊してる。自ら作った三脚状の装置にフックがつけら
れるとし、半殺しにした被害者を逆さづりにして喉を引き裂く。
すると重力と心臓の鼓動で血は最後の一滴まで落ちるという。
ここに装置を置いた跡があるとし、血を抜いた死体と共に装置
を持ち去ったのだという。これは推理ではないとし、以前に
私が追っていたロンドン時代の異常人格者の仕業だと。Mという
モンスター。俺が追っていた中で最も邪悪な殺人犯。
最初の犯行は2002年1月。過去10年で37人の死体の山を築いた
こと。犯人の写真も映像もなく几帳面で手際が良く証拠を残さ
ないという。狙う相手にタイプはなく、誰をターゲットにする
かは予測不能。イギリスでの被害者は最年長が80代、最年少は
12歳だったこと。被害者の血を全て抜き遺体は海に遺棄する
という。これまで21名は海岸に打ち上げられたが他の16名は沖
に流されているという。今回のイアンも付近の浜辺に近日中に
打ち上げられるという。ベルはそれを聞いて沿岸警備隊に連絡
するという。遺体のDNAはどうだったのかというと、5リットル
半分の血はイアンのものだったという。Mの正体も謎で血への
執着も謎。警察への声明文の中に血について言及もあるが
稀なことで意味がないことをダラダラ書いているという。
Mは異常者を装っているが、実はそうではないの私はみて居る
というホームズ。Mは一度殺人を犯すと立て続けに行う傾向に
有るので死体が増えることを覚悟するよう告げる。自分が持って
いるMに関するファイルを提出するので読んでくれと署員たちに
告げる。
ジョーンはホームズが不自然に明るいことに違和感を覚える。
夕べも血だまりをみて居た時の様子が変だったこと。
それを話すとホームズは過去のことを語る。
10年前に最初の殺人の時、俺は捜査の主要メンバーだった。
36番目の命が奪われた時に俺は依存症でボロボロだったこと。
雪辱のチャンスを今掴んだのだとしヤツを裁きの場に引き出す
という。グレッグソンはホームズに対してロンドンでは犯人
はお前のことを知っていたのかと問う。お前がニューヨークに
来た直後に犯人が現れたというのは偶然にしても出来すぎでは
ないか。確かに妙だというホームズは自分が来た事で犯行が
行われたら申し訳ないことだという。
ジョーンは2時間くらい出かける事を告げる。
ホームズも最近君に頼りすぎていたので一人での捜査に慣れない
といけないと語る。
ジョーンはカウンセラーのキャンディスの元にいく。
前回から随分開いたけど忙しかったという。しかしもうすぐ
ホームズとの契約が終わるという。彼はそのことにどう受け
止めているのかと問うと、もう大丈夫みたいだという。あなた
には複雑でしょとし仕事を楽しんでいたみたいだったこと。
外科医から依存症カウンセラーになったので、また変わることは
出来るとし、事件捜査を続けることも可能だというキャンディス。
彼は薬の誘惑に負けなかったし、私の今の仕事はもうすぐ
終わる・・複雑な所ねと。
■感想
今回はなんとモリアーティに繋がる重要な犯人が登場する。
またジョーンがホームズとの契約が今回のエピソードで切れる
ことになる。ジョーンとしてはホームズのしていることに対し
て興味を持っているし、ホームズとしても前回は周りくどく
指導してやるみたいなことを口にしていたけど、本当はジョーン
と一緒に居たいんでしょ?みたいなところも有って、なかなか
一筋縄ではいかない。
何よりも今回は連続殺人鬼の”M”との因縁が描かれ、10年前
当時捜査に加わっていたホームズの過去が語られた。
その過程で犯人もホームズが邪魔になり先日ジョーンに
語ったアイリーン・アドラーが殺害されている事を知る。
7ヶ月付き合った彼女で、女性のことをもの凄く侮蔑している
ホームズだけどそういうのを抜きにして、彼女はホームズを
満たすのに十分な存在だった様子。その彼女を失ったことで
彼はボロボロになったし、そして立ち直った今、彼は彼女を
殺した相手に復讐の為に動くことになる。
失敗は成功の母とも言うべきものが有り、一度の挫折を味わ
ったホームズはパワーアップしたという所だろうか。
ホームズは当然自宅にセキュリティを全く施していない訳
ではなく、隠しカメラで録画していた。
そんなものが室内にあったことにジョーンは怒っていたが、
ホームズとしてもここは聖域と同じで警備システム無しなど
あり得ないことを口にする。
■事件
イギリスのロンドンで始まった猟奇的事件。
最初の事件は2002年1月に起きていて、過去10年間37人の被害者
がいることを語っていた。
問題なのは拷問のような殺し方。
吊して殺すなんていうと、日本人から見るとまるで魚のアンコウ
を吊してさばいているみたい。
あんな面倒なことをして血を抜いてどういう意図が有るのか。
しかし正直、”M”に関しては、頭の良い人物に見えない。
証拠も残さないとしていたけど、三脚の跡はくっきり残って
いるし、声明文には香りまでつけていた。
2人のイギリス人ということで、なかなか英語に精通していない
と、イギリス訛りのある人物だということは分からないな。
しかしこのモラン役を演じたVinnie Jonesは、元プレミアリーグ
で活躍した本物のサッカー選手だ。
彼アーセナルファンだとしていたけど、現役時代にはチェルシー
で活躍している。
■事件解決へのポイント
・仕掛けられた監視カメラ
彼は今まで撮影されたことのない犯人の姿をあっさりと撮影
したけど、モリアーティが犯人なので、結局のところ使いっぱ
を捕まえたというだけか。
ただその画像の中の情報からMG社のドライブ用グローブ、
ジョン・バルベイトスの高級靴など身につけていて金持ちで
あること。ニューヨークに来たのが最近ならば持ち家では
なくホテルにいると推測。
更に声明文の臭いから二種類のシャンプーの匂いをかぎ分けて
いた。その結果ベタンクールホテル系列に泊まっていることを
突き止めていく。
・ホームズの相棒?
テディという黒人の男性。
見張りが付いているホームズの家にやってきた際に、ジョーン
が対応に出てホームズには友達は居ないだろうと言った途端に
なんとなく彼を信用しているところが笑える。ワシントンスク
エア公園でレヴォンと共にスリをしているところを見つかって
以降、仕事を頼まれることになったという。
セオドアと言っていたけど、セオドアの愛称ってテディだっけ?
・ジョーンのスキル
あのMが撮影されていることを知り隠しカメラが設置してある
ことを見破っていた。角度からして何処に有るか分かったのは
良いとしても他の場所にあるカメラも見つけていたぞ(笑)
ジョーンのヤバイところが写っていたらヤバイのではないかと。
また現場にチョークのような粉が落ちていたというカレンの
証言によって改築中の物件だということを見抜く。
■結末
復讐する為にホームズはMを捕まえて拷問して殺害しようとし
た。しかしMと名乗るモランは自分は指示に従って人を殺して
いただけで、更にアイリーンに至っては自分が殺した訳ではない
と語る。彼女が殺されたその時には自分はブリクストンの
刑務所にいたことを語る。
結局殺さずにモリアーティを探すことになった。
ジョーンはホームズパパにメールして契約延長を申し出るが
「伝言拝受、延長は無用です。最終のお支払いは近日」と
返信が来た。
ホームズはジョーンに嘘をついたことを謝罪したが、今度は
ジョーンがホームズに嘘をついて一緒に居ることになった。
そういうところホームズは気がついていると思うけどね。
また今回はホームズは自分の決断について疑問に感じていた。
演繹的思考の利点だとし、全てのことを科学的に解決出来るが
これは別だと語っていた。そんなホームズにジョーンが手を
さしのべていたね。
■使用された曲
・Elementary Main Theme
Written by Sean Callery
・Elementary End Theme
Written by Sean Callery
・Me and the Devil by Gil Scott Heron
■出演者
シャーロック・ホームズ (Jonny Lee Miller) 鋭い洞察力、
Dr.ジョーン・ワトソン (Lucy Liu) ホームズを薬物依存からサポート
トーマス・グレッグソン (Aidan Quinn) ニューヨーク市警警部
マーカス・ベル (Jon Michael Hill) 捜査官、クイーンズ116分署
セバスチャン・モラン (Vinnie Jones) “M”、殺人鬼
テディ (Bobb’e J. Thompson) ホームズの相棒
メラニー・カレン (Marsha Stephanie Blake) モランに殺されかける
Dr.キャンディス・リード (Linda Emond) ジョーンのカウンセラー
— (Mark Morettini) 制服警官
— (Gabrielle Senn) Escort
イアン・ヴィッカーズ (Robert Lee Harvey) 被害者、会計士