第4話 ワイヤカッター Wire Cutter
脚本/
監督/
【ストーリー】
●表向きガラクタ軍需企業 / トルコのアンカラ
“アインシュタインによると時間は幻想で有って測ることは出来
ない”。
パトリシアは何が有ったのかと問うと、ライリーは敵にバレた
という。マクガイバーはどうしたのかと問うと、ウイルス転送が
終わるまで一人で残るという。マクガイバーは時間は稼げるとし
重曹に酢を加えて混ぜると簡易的な煙幕のようなものが出来上が
る。部屋に入ってきた敵兵を散らす。
ジャックたちは先に車に逃げ込んでいた。マクガイバーを置いて
はいけないとするが、突然車の屋根にドスンと音がすると、
早く出発してくれと語る。みんな合流して逃走する。
●カリフォロニア州ロサンゼルス
マクガイバーが戻ってくると、フェニックス財団の面々も含めて
集まっていた。何だか空気が重いねというマクガイバー。ボーザー
はオレたちは愛して居るがみんな心配していると語る。この中に
はペニー・パーカー(Bianca Malinowski)の姿も有った。
マクガイバーの元彼女で別れた後にも友達でいる人物。オレは
何か悪い事をしたか?というマクガイバーに対して、元はオレの
パソコンのせいだというボーザー。お前のを借りようとしてパソ
コンを開いたらニッキを探して稼働しているパソコンがそこには
有った。ニッキは死んだ・・・事故死しただろうとし、辛いのは
分かるという。ジャックはマクガイバーのことをにらみ付けると
探すのは辞めたと嘘をついたなと。悲しみの乗り越え方は人に
よって違うが死んだ彼女をサイバーストーキングしているのは
完全に病んでいるものだと。支えるから前に進もうという。
ライリーは話せばどうか・・ニッキは生きて居てヤバイ女に
なりはてて国の安全を脅かしていると。そうはいかないとし知ら
れたら、パトリシアがボーザーを国外に追い払ってしまうぞと。
ジャックはマクガイバーに隠れて捜索するなんて・・と失望。
ライリーは辞めた方が良いとし身体に毒だという。パトリシアは
仕手かが鈍っているとし仕事に支障を来すこともあるという。
隠し事はよくないとし、ペニーは専門知識で助けるよと語る。
専門は演劇だろうというと、心理学も専攻していたのだという。
パトリシアは15分後に会議があるとして行こうと語る。
ボーザーは出会い系に登録しておいてやったぞと。
●フェニックス財団、ロサンゼルス某所
アンディ(Aina Dumlao)の報告によると18分前バニスター捜査官
(Selena Anduze)から救援要請が有ったという。シフチェンコ
(Yorgo Constantine)が居たのか?失脚したロシアの大佐のことだ
というパトリシア。ソ連時代に有力者一族だったがソ連崩壊に
よって全てを失い冷戦再開を目論んでいるのだという。そいつの
望みは「Back in the U.S.S.R」なのかというジャックは歌を
歌いそうになるが止められる。シフチェンコは民兵組織を作って
いて、あの男の打倒ロシア政権はハッタリではないこと。
バニスターが男を追ってモスクワの倉庫に入ったという。
バニスターとテレビチャットが繋がれるとパトリシアと会話する。
シフチェンコの武器倉庫に潜り込んだら検知器が高い放射線量を
放っていること。扉を破る許可が欲しいという。君はそこを出る
んだとし現場の班に任せろという。劣化ウランが非道なものたち
の手にあるんだというバニスター。古びているけどそれは軍事用
で開けるのは無理だという。しかしマクガイバーは錠を見せて
と語ると、錠前は八万ロックと呼ばれる60年代は主流だったもの。
自転車の盗難防止用になる前、ピッキングにボーペンが使われた
という。支給の銃は9mmのグロックか?と問うとマクガイバーは
銃弾から弾丸を抜いて発射薬を捨ててくれという。それはボール
ペンと同じ太さで予備の弾倉に逆向きで入れろという。レンチだ
とし、薬莢を鍵穴にされて軽く力を加えてくれという。捻りながら
解除させるのだという。するとあっさりと扉の鍵は開く。中には
劣化ウランレベルではなく旧ソ連時代の核弾頭だと。そこに
シフチェンコたちがやってくるとバニスターは殺害されてしまう。
余計な真似をするんじゃなかったなと。
■事件
トルコのアンカラで潜入捜査をしていたバニスター捜査官からの
報告で、シフチェンコの倉庫を発見し潜入した所、そこには
劣化ウランの所蔵施設かと思いきや、なんと旧ソ連時代の核弾頭
が隠されていた。これを解除するには設計者であるアリレクサ
ンドル・オルロフ(Elya Baskin)やヴィクトル・レフキン (Olek Krupa)
■感想
今回はジョー・ダンテ監督がメガホンを取ったもの。
任務としてはまた大がかりなことに、旧ソ連の残党が復権のため
の為にアメリカとの関係を悪くし、冷戦を起こしてはロシア政権
自体を率いようとしている男の暴走を止めるもの。
一見すると旧ソ連時代の仲間の再開。
そして亡命する段階になって意見の違いからそれ以降連絡が
取れずにいる旧友であり同じ科学者仲間のオルロフとヴィクトル
が長い蟠りから溶けて関係を修復した途端に一方が亡くなって
しまうというものだった。
この手の諜報員の物語だとたまにあることだけど、60年代のパソ
コンとは規格も違えば言語も違う。またロシアとアメリカでは
それこそ規格の違いは顕著にあるはずだし、当時のことを知る
生き字引のような男の存在に協力してもらい、解決していくという
もの。
皮肉だけど亡命すれば自分たちが生活の拠点にしていた故郷の
土地には二度と踏み入れることは出来ないけれど、それでも今回
二人の天才研究者の別れた場所で和解する流れを演出したり、
またそんな彼らに母国の地を踏ませることへのある種の冥土の
土産とばかりの展開がちょっぴり涙を誘う。
二人が秘密にしていたことで、結果として良い未来や関係を
築くことは出来なかった。そんな事情は今のマクガイバーとジャ
ックとの間にも該当するところが有り、ニッキのことを探し続け
ているマクガイバーとジャックとの蟠りについての言及にも触れて
いった。今は良いけど徐々にその僅かな綻びが二人の間に大きな
溝を生んでしまうところがあるんだろう。
パトリシアも今回は大義の為とはいえ、失ってしまった部下への
罪悪感に包まれる流れが有った。現場では一つの決断が人の
生死を左右することはよくあること。バニスター捜査官に対して
あの場面で撤退させていれば、今頃生きて居たのではないかと
する悲しみの結末を演出。両親にその死を伝えることが如何に
辛いことなのか。
■ミッション
・パソコンにウイルスを仕込め!
トルコのアンカラでの軍需企業のパソコンにウイルスに感染
させる為のミッションが冒頭に有った。
かなり危険な状況だったけど、マクガイバーたちにとっては
そう難しく無い案件だったのか。
・シフチェンコの計画を阻止せよ!!
彼は復権を狙ってアメリカ軍施設を狙っている。本土ではない
けど、彼らはソ連時代の核弾頭を所持していて、それをコソボの
アメリカ軍基地、キャンプボントスティールを標的としている
ことが分かる。
■難題を解決するには!?
今回の難問は何と言ってもパソコンが古い。
50年前の機械であり、しかも機械もプログラムも独自に作ったもの。
「相互確証破壊」と呼ばれるアメリカが攻撃すれば自動的に報復
システムが作動するようになっている装置だった。
ただ核弾頭だけしかなかったけどね(笑)
「ジャール・プチーツァ」・・・「ファイヤー・バート」のロシア
語でこれはコードネームだとしていた。CIAの報告書ではこれを
開発した研究者は71年にアメリカに亡命している。
アレクサンドル・オルロフ。開発者である彼が唯一爆発を止められ
る人物だが、今も生きて居るのか。
オルロフは高齢者居住システムでボブ・バーカー司会の
「The Price is Right」を見ていた。
逃げる彼を見つけて「お爺ちゃん車を盗んでいる」としてライリー
が憎め無さみたいなものを感じていた。
解決する為にはパスワードが必要。50年前の機械で開発したもの
なので解析は難しい。ヴィクトルだけが取り扱えたということで、
その彼もアメリカに亡命していた為に二人に久しぶりに引き合わ
せる。91年から話していないとしていたけれど、アメリカに渡った
後にも一応は会話はしているんだね。
二人が再会した際には、ジャックが思わずMother Russiaを歌って
いた。”Mother Russia how are you sleeping middle winter
cold winds blow”と。
当時のパソコンのチャゲト”が必要。当時は全て壊したとされたが
実際には一つだけ残されていた。27人も殺して存在を隠したのに
今ではネットで世界中で見られると嘆くが、まぁ今時のシステム
じゃないしね。
■ロシア・ジューコフカに侵入
モスクワから30kmにあるKGBの隠れ家。
チェゲトは絵の裏に隠されていたが、240ボルトの電圧じゃないと
動かすことは出来ない。外でも使えるように改造するとして
ノート型にするところは流石だ。
しかしその隠れ家の”ウサギの巣穴”は見つかってしまう。
なんとかマクガイバーの機転で逃げることは出来た。
■コソボ施設飛行場
機械を手にして暗号を解除すると標的がコソボたど判明。
セルビアに渡ることになる。
そこに衛星画像から見てアメリカ軍基地の3km圏内に廃工場が有り
そこで作業しているだろうことを突き止める。
ウラジミールの仲間に襲われていたけど、みんな倒していた。
ライリーに至っては階段の上から樽を落として敵2人を倒す。
まさに「任天堂のドンキーコング」状態。クレイジーコングという
コピー基盤も存在するが・・
キーボードも壊れている。
まぁキーボードなんて難しい構造ではないけど、即席に直せるか
は別問題だ。
■マクガイバーの活躍
・重曹と酢を混ぜて簡易爆弾
トルコ任務の際にマクガイバーが使った手口
・古い金庫を開ける
錠前は八万ロックと呼ばれる60年代主流のもの。
ピッキングする為にボールペンがあれば出来るが当然持ち合わせて
いない。支給品のグロッグの銃弾から爆薬を抜いてボールペン
代わりにする。予備の弾倉に逆向きに入れてレンチ代わりにした。
・敵を攪乱させる
ロシアの隠れ家”ウサギの巣穴”に於いて、敵からの逃走する際に
ジャックに小麦粉の袋を2つ背負ってもらい、走る際に小麦粉を
振り回して穴を粉で充満させる。そして時計を使いショートさせて
粉じん爆発させた。
・2000年問題
昔のパソコンは解読されづらいが逆にそれを動かすと時間がかかる。
起爆装置が止められないと知ると、古い機械故に2000年問題を
引き合いに出して、現在の時間を狂わせた。
■その後
計画実行に際してヴィクトルだけは命が奪われてしまった。
残されたのはオルロフ。和解した後だけに惜しい気もするが
逆にすっきりした形で蟠りが解けたのではないか。
最後にオルロフはライリーと高齢者施設で一緒にテレビ番組
を見る。こういうクイズ番組だけは祖父と孫の世代でも一緒に
楽しむことは出来るんだな。
マクガイバーとジャックの間でもニッキを巡り秘密はなしだ
とする約束をした。でもジャックってそこまで気にするタイプ
のように見えないけどね。
ジャックとパトリシアはバニスター家の両親にその死を知らせる
為にカリフォルニア州スタジオシティーを尋ねる。
「その判断で何百万人も救ったんだ。自分を責めるな」と。
■使用された曲
・Mother Russia (feat. George Eads) by ジャック / Iron Maiden
・Push It (feat. George Eads) by ジャック / Salt-N-Pepa
■出演者
アンガス・マクガイバー …… 表向きはシンクタンク
ジャック・ダルトン …… マクガイバーの相棒、元特殊部隊
パトリシア・ソーントン …… フェニックス財団局長
ライリー・デイヴィス …… 天才ハッカー
ウィルト・ボーザー …… マクガイバーの幼なじみ
アンディ・リー …… フェニックス財団
アレクザンダー・オルロフ …… ロシア研究者、亡命
ヴィクトル・レフキン …… ロシア研究者、亡命
ウラジミール・シフチェンコ …… 旧ソ連・大佐
バニスター …… 捜査官、トルコで潜入
ペニー・パーカー …… マクガイバーの元彼女
…… 特殊任務部隊 / スマホとUSBを奪う
ドリュー・ケリー ……