第14話 あるブローカーの死 Taking the Fall
脚本/
監督/
【ストーリー】
サンチェスは被害者の氏名はトム・パーカー、株式ブローカーだ
と語る。隣人が散歩中に車のトランクが開いているのを発見。
トムが倒れていたが鈍器襲われていたみたいだという。
ケンダルは胴体にも数カ所殴打されているが致命傷は後頭部を
殴られたことだという。プロベンザはブリーフケースにコーヒー
がある事から出勤する所だったのかと語る。ケンダルはそれに
しては早出勤だとすると、硬直の具合から見て死亡推定時刻は
朝4時半だという。バズはニューヨーク市場が開く数時間前に
出勤するものだという。年寄りには難しい仕事・・と言いかける
バズたちを止め、プロベンザは何故重犯課が担当するのかと。
サンチェスは2日前の月曜日にもパーマーさんと奥さんを自宅前
の指導で襲った人物が居るが捜査不十分だという。タオは月曜
にパーマーが帰宅すると車から男に引きずり下ろされ殴られた
こと。車の前に割り込んで駐めたのだろうと。夫人は止めようと
したが、その時突き飛ばされて手首を骨折しているという。
パーマー氏は鼻を殴られてアザになっていること。犯人はグレー
のピックアップトラックで逃走。背が高くがっしり型で髪は茶色。
車から盗まれたものはあるのか?。遺族と会社連中の聴取をして
いるという。プロベンザは本部でパーマー夫人を聴取するという。
しかしサイクスと家に居て出頭を拒んでいるとタオ。
サンチェスとバズに対してプロベンザは力を貸してくれという。
・パーマー邸へ
プロベンザはサイクスに対して夫人のリリー・パーマ
ー(Brooke Nevin)は料理を作っているのか?と。ショックが大きい
のでしょうとし家宅捜索にはサインしてくれているし暫く
ソッとしてあげているという。リリーに対してプロベンザは辛い
でしょうがロス市警本部に同行して欲しいという。感謝祭には
夫の上司と奥さん、私の姉と子供たちが明日くるのだという。
協力を・・というと、バズには家中を記録してくれとし、サンチ
ェスにはトムの遺体を解剖室に運んでくれと頼む。
プロベンザは室内の臭いに嫌な顔をする。作っていたのはカボチャ
のスープかとし理解出来ないものだと語る。プロベンザはシャロン
に電話すると、感謝祭の準備中だろうが解剖室に来てくれと連絡
する。
・解剖室
モラレスはケンダルの言う通り致命傷は後頭部の損傷。2.5mの深さ
の傷。頭皮には鉄くずのようなものが付着して居るという。脚も
ヒザの骨が折られているとのこと。凶器はバールやレンチみたい
なもの?とシャロン。後ろから襲われたのだとし防御創はないと
いう。数日前のものには有ったとのこと。ピックアップトラック
に渋滞が原因で襲われているとし、数日前のは拳の傷だろうと。
月曜日に殴られ水曜日に殺されたと。夫人も見ている可能性が
あるという。
・取り調べ室
2日前に襲われたことを教えてとリリーに聞くシャロン。
夫は時々ランチを抜くが、私はキッチンでグリルサンドを作って
いた3時頃に、突然私道で争う声が聞こえたこと。ハイウェイで
割り込んだトムに怒っていたのだとし、止めようとしたら倒され
て私は蹴られたという。トムが追い払ってくれたとし、警察に
通報しようと言ったがトムは先に病院に行ってからだとしたこと。
そこから通報したという。白人でトムよりも大きくて髪の毛は
茶色だったこと。サイクスは顔を見たら分かるか?と問うと”多分”
と語る。とにかく凄く怒っていたのだと。ご主人によればグレー
のトラックだと。夫はその人物を知らないと言っていたという。
何か心当たりはあるかと問うと、変な時間にクライアントから
怒って電話はよくかかってきたという。株で大損したのをブロー
カーのせいにする人が居ると。昇進するまでトムもストレスを
抱えていたが、彼はこんなに好かれていたという。トムの両親に
は何と伝えれば良いのか・・と涙するリリー。
タオは何とも言えないが現在個人アカウントへの脅迫メールを
探していると語る。職場の捜索令状も降りずメールも怪しいのは
ないというバズ。携帯アプリで調べていると。
そんな中プロベンザは放牧専門の精肉を取って置いてくれるとの
連絡が入る。取りに行かなきゃならないとし、科学捜査課には
サイクスにメールさせているという。サイクスは報告書には被害者
の車の内側にも外にも前歴者の指紋は無いという。トムも前歴は
ないと。サンチェスは彼が勤めるハミルトン・ロックウッドの人事
部によるとトムの勤務態度には苦情が二件有ったという。一件は
性的な不適当なジョークだったとのこと。プロベンザはそのジョー
クを書き留めておいたか?と尋ねる。二件目の苦情は一ヶ月前に
FINRA(フィンラ/金融取引業規制機構)からのもの。サイクスが
詳しかったが自分はストリート・ジャーナルを読んでいるという。
トムは他のブローカーの客を横取りしたそうだと。2件とも訴えは
ジョーダン・ガルシア(Tamara Mello)。しかしその手の件でブロ
ーカーの客を取るのは日常ではないかというサイクス。
タオは有力な手がかりだとし、先週金曜日にトム宛のメールが
来ていること。「仕事を奪ってただで済まされると思ってるなら
大間違い。」jg114@mailchain.net、11月11日だという。JG=
ジョーダン・ガルシアかと語る。サイクスとサンチェスでジョー
ダンを聴取してとシャロン。
ラスティはスライダーのインタビュー動画をフリンに見せていた。
彼は金もなく金が入ると覚醒剤につぎ込んでいたという。
フリンは自分が依存症とは分かって居たようだなと。ラスティは
死刑にしても良いのかなというと、グローブ判事には見せても良い
という所だけ見せているという。その辺は俺たちの分野ではない
からなとフリン。
そんな中フリンは歯を磨いてくるとして洗面所にいくが、倒れた
音を耳にする。ラスティが近寄るとフリンは頭から血を流して
倒れていた。急いで救急車を呼ぶが・・・
■事件
株式ブローカーで最近昇進したトム・パーマーが自宅近くの私道
で頭部を後ろから殴打されて死亡する。バールのようなもので
殴られたもの。夫人はショックを受ける中、2日前にも同様に
襲われた事件が有り、グレーのピックアップに乗った該当者を
探す。すると同じハミルトン・ロックウッド社でブローカーとして
働いていたジョーダンは相当彼に敵意を持っていたことを知る。
ジョーダンから話を聞こうとして呼び出すと、みんな男性かと
思っていたがフレンチネイルの女性だとしてサイクスは語る。
■感想
感謝祭の日にまさかフリンが倒れるとは思わなかったのでビック
リしたし、血栓は移動して随分と脳に近づいている。
まさに死へのカウントダウンが迫っている訳で、ブロベンザが
手術に際して色々と同意書などの記入する項目に、プロベンザの
意思を反映して、蘇生措置のことなどを勝手にズガズカっと決め
ていくところは笑える一面もあるし、現状を考えると笑えない
ところも有る。
その微妙さ加減は今回の事件の中でも活かされていた。
みんな感謝祭ということも有って、どこか急ぎ足で解決したいと
いう思いが強いのか。簡略化させようとする意図も見え隠れする。
ただホッブスだけはこの件は決して許せないと考えて、
「正当防衛」で処理出来る時に適切な対処をせずに「計画的殺人」
に発展するところまで我慢した被害者に対して憎しみの視線を
送っている。
今回の事件は関係者の全ての人物が全て洗い出されたことで、
結局の所、証言の矛盾点を元にして、それぞれに聞き回ること
で真実を突き止めることが全てだった。
事件としては全く難しいものではなかったけれど、言葉だけでなく
裏付けする為には物証が見つけられるかどうかが鍵となる。
弁護士をつける権利や放棄させる件で、アメリカは令状の問題と
同様にかなり神経質に鳴りざるを得なく、簡単そうな事件だけど
それに至るまでが面倒臭そうな感じだったな。
■事件捜査
人の証言は当てにならない。
その容疑者を見たかどうかなんて証言自体も幾らでも記憶は
誤って記憶されるし、確信があるのかなんて強くいわれる(偽証罪
になりますよとか)と違うかも知れないと言ってしまうのが人間
の記憶だ。
この件では、トムが襲われた際にリリーが助けに行ったのか
どうかが問題とされたし、リリーが容疑者として浮かび上がら
なかった頃には、ジョーダンと恋人のカーティスの間では
ちょっとしたところで嘘やら駆け引きが存在している。
カーティスはトムの家の住所は知らず、彼のことは見た事が
ないとしていたが、話を聞いているウチに徐々にボロが出始める。
2014年型のグレーのシボレーシルバラード・エクステンドキャブ
を所持していたサム。
そしてトムのことを知っていたことや、後に彼を月曜日に殴った
のが自分であることも語っていた。
■中盤
金の問題なのか、仕事の問題なのか。
ブローカーがクライアントを奪った件で、昇進が決まり、
200万ドルを左右するボーナスがトムに渡るかジョーダンに渡るか
という事情も有った。
またネタばれになるけど、トムに虐待されていたリリーにとって
はその昇進をした後に彼を殺そうとして画策していたところが
有る。
金融商品を扱うような人はやはり気難しいところが有るのだろう
か。出来れば虐待者の職業別の統計なんてものも知りたいものだ。
ブローカーなら大金を動かすので成功と失敗は天と地の差が有り
やはり神経をすり減らす分だけ、そのストレスのはけ口はどこ
かでガス抜きする必要があるのだろう。
■結末
結果としては妻がトムに暴行を受けていたので、タイミングを
見て殺そうと考えて居たようだ。
しかし朝4時半に死んだとなればその時点で犯人は限られていな
いだろうか?
クレジットカードで病院に支払いしていたのは彼からの暴力を
隠す為の措置だった。しかしそれが足取りのようになってしまう。
結局最後は告白して事件は解決するが、裁判員裁判に於いては
どの辺が重要視されるかだね。
計画的な殺人課、長いこと暴行を受けていたことか。
■その他
・ラスティの流れ
今回はフリンが倒れたことで殆どこの流れは進まなかった。
何故スライダーが覚醒剤に手を染めていたのか。
金がない人に限ってそういう薬に手を出すところが有ったりする
よね。
・フリンの主治医
フリンには主治医のDr.リューがいる。これってタオに紹介された
のか?やたらと声が高いし、イチイチ五月蠅すぎる(笑)
タオの血圧がより上がるようなキャラクターなんだけど・・
・告白のタイミング
最後にタイミングのことを口にしていた。
「仕方が無い。真実を隠さずに言うチャンスは幾らでも有った
ハズなのに言わなかったのだから。」
この言葉はホッブスにとっては被疑者のことだろうけど、シャロン
とフリンにとっては別の意味が有りそうだ。
・フリンとプロベンザ
冒頭からプロベンザはハムハム言っていたけど、オーガニックの
ものでプロベンザ用だったのかな。
二人が仲良しなのは言うまでもなく、手術の同意書に関しての
やりとりも面白かったけど、もしものことがあれば愛して居る
とプロベンザから話して欲しいと頼んでいた。
「告白して欲しいことを全部書面にしろ」
「弁護士を呼べというのか?」
「お前はついさっき生きる権利を放棄しただろう」
なんか面白いけど、何か有ってから愛して居るといっても意味が
あるのか?余計に相手を悲しませそうな気がするが・・
■使用されている曲
・Major Crimes End Credits Theme
Written by James S. Levine
■出演者
シャロン・レイダー …… FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ …… ベテラン
アンディ・フリン …… プロペンザの相棒
マイク・タオ …… 分析力
フリオ・サンチェス …… ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン …… カメラ
エイミー・サイクス …… 特捜班から異動
ラスティ・ベック …… 母親が失踪中
Dr.フェルナンド・モラレス …… 鑑識
ラッセル・テイラー …… 副本部長
ケンダル …… 検視官
アンドレア・ホッブス …… 地方検事
リリー・パルマー …… トムの妻
ジョーダン・ガルシア …… ハミルトン・ロックウッド社
サム・カーティス …… ジョーダンの婚約者、元造園設計
Dr.リュー …… フリンの主治医
ジェームズ・コーベット …… サムの弁護士
グレッグ・スライダー・ラゼニック …… マリアナ殺害犯
ニコル …… フリンの娘
…… グローブ判事
トム・パーマー …… 株式ブローカー、ジョーダンの同僚