第8話 チェックメイト Endgame
監督/Michael Smith 脚本/Justin Peacock
【これまでのあらすじ】
ダービーはエヴァが放免になればマネージングパートナーに
推してやるとハーヴィーは言われたことをジェシカに語り
一度は受けたが辞めたと報告。するとジェシカはここから出て
いってと語る。マリガ大佐に賄賂を持ちかけたのか?と
スティーヴンに問い詰めるハーヴィー。スティーヴンは心配ない
ハッタリだったとすると、今は本当のことだと。スティーヴン
はヤツに盗聴されていたのか・・と告げる。ナイジェルは
ルイスに猫”ミカド”の親権を求めて訴えたので、ナイジェル
は私の猫だと主張。模擬裁判が行われることになり、被告側
証人としてハロルドはルイスの性格証言を行う。
「君より動物虐待者に預けた方がマシだった」と言われた事。
自分は猫アレルギーだったのに・・と。ナイジェルはルイスに
和解案としてアソシエイトを返すのでミカドを返してくれと
頼む。クリストファー・デイナーは12年前にオレが有罪に
した人物だとハーヴィ。冤罪だがキャメロンが証拠を隠蔽した
のだという。マイクは20年前マリガ大佐はケープタウン大で
ラグビーをやっていたが、そこでスティーヴンとチームメイト
だったことを語る。殺人を依頼したのは彼だとマイク。
それを聞いたドナはショックと共にハーヴィーに対してゴメン
なさいと謝罪する。ハーヴィーは予告していた通り、この
問題に口を挟んだスティーヴンはトイレで殴り飛ばして争いに
なる。
【ストーリー】
ドナはハーヴィーがスティーヴンから受けた傷の手当てをする。
ぶちのめした?私の為じゃないわよねとドナ。ただのケンカ
だよとハーヴィー。スティーヴンは俺たちみんなを裏切ったんだ
のだというハーヴィー。そんな風に私は割り切れないという
ドナは付き合っていたのだからと。予想出来たハズなのに・・
ハーヴィーは良いんだよと慰めると、アイツは懲らしめてと
彼に告げる。任せろとハーヴィー。
マイクはハーヴィーにどうするかと声を掛ける。
マリガ大佐の証言を覆す材料を集めろと。スティーヴンの方まだ
良いとして証拠がないからだと。2日後に裁判があるのに
エヴァに言わなきゃとマイク。証拠が無いから言わないんだ
とハーヴィー。それともエヴァには”実はウチの弁護士が犯人
でそいつあなたに罪を着せてたが今はまだ打つ手がないと
いうのか?とハーヴィー。今日は寝ようとし明日詳しく聞く
という。スティーブは罪を認めていないとマイク。他のヤツ
に聞くよと。
イギリスの合併したパートナー弁護士のエドワード
(Conleth Hill)はエヴァが起訴されることが分かって居て
合併したのかとジェシカたちは追求する。そうだがこうなった
のは残念だという。でも起きたことはしょうがないとエドワ
ード。スティーヴンが殺したと気がついた時も話をたのか?
貴方が命令したら隠蔽させる為スティーヴを送り込んだことに
なるとハーヴィー。エヴァを助ける為だとし最初は環境影響
調査の結果の問題に対応させた。殺害のことを知ってから何
とか努力しようとしてたというエドワード。法廷で証言して
ステイーヴンの単独行動と言おうドジェシカ。しかし無理だとし
本人から聞いていないとエドワード。それは知るのが怖かっ
たので問いたださなかったのでしょうとエドに問う。
それでよくエヴァが大事と言えるなとハーヴィー。
ホントに助けたい一心だったこと。今のあなたに出来ることは
あるという。
ドナはスティーヴンンのオフィスへ。
回線は切ったとして私を意識させる為だという。あなたは
自分が嫌にならないのか?あなたを見るだけで吐き気がすると
ドナ。私は人殺しと寝た女だと。死んだ連中はテロリスト
だったのだというスティーヴ。彼らも人間だというドナ。
連中こそ銃を持った人殺し。君も人の事は言えないとしハー
ヴィーのクライアントが人殺しではないのか?「化学品メー
カー」「自動車メーカー」「支払い拒否の保険業者」も人を
殺しているんだと。彼も同類なんだよと。ドナはそんなスティ
ーヴにあなたは首だとし一時間前解雇通知にサインしたとい
う。
ルイスはアソシエイトの元へ。
2ヶ月と5日、ナイジェルの元でやった仕事はこんなものなのか
として一人ずつだめ出しして回る。サイモン(Neemish Parekh)
は20件以上申請したとするが、クズだとし法廷ミステリーの
読み過ぎだという。君のはウチの母でも却下する。君は首だ
から良いが・・私が居ない間君らの仕事を見たが酷いものだ
ったとしそんなんでよくウチの事務所に働いていると語る。
全員跪けというと神と私に感謝するが良いというルイス。
レイチェルはそんなところにやってくるとどうしたのか?
と問う。ボスだと知らしめたのだというルイス。
アイツら模擬裁判で私が侮辱されても助けようともせずに
黙って見ていたこと。勝ったのもあなたが選ばれたからでしょ
と。私からミカドを奪ったとするが、レイチェルは八つ当たり
だとして彼らのせいではないと語る。
ダービーのヤツ、飼い犬に粗相させて片付けは俺たちにさせる
のか?。法廷ではマリガを責めようとすると、検事との取引
で殺人は認められているというマイク。偽証したと分かれば
取引は無効だという。ハーヴイーはでも僕らはそれを証明で
きないというマイク。法廷ではそうだがキャメロンにさえ分か
らせれば良いのだという。キャメロンと話すというハーヴィー。
マイクはマリガの所にいってくれと。ハーヴィーはそんな服で
行くなよとし、弁護士が来たと思えば門前払いされるだけだ
と。
トーマス(Peter Michael Dillon)がマリガ大佐のボディガード
をしていた。マイクは入れてくれとし、マリガの従兄弟だと
(母方のだよと)語りマリガとスティーヴンの写真の大学時代の
写真を見せる。
■感想
ようやくシーズン3の半分。
前半のイギリスの弁護士事務所との合併を通して、それぞれ
事務所内の人間関係に歪みを生じ、方向性の違いに信頼関係
を揺るがす行動へと発展していくが、それぞれのメンバーは
自分のしていることは結局相手のしている事と何が違うのか
ということを通して、その違いの中から自分の姿勢を正し、
自分にとって大切なものが何かということ見つけていく展開
だった。それ故に下手をすればその間違いに気がつかずに
突っ走るものが居てもおかしくはないし、戦いが長引けば
取り返しの付かないところまで関係がこじれることも考えら
れた。
しかし一連の事件を通して、アメリカの外で発生した
イギリス企業とアフリカの軍人の問題をアメリカの法律
事務所で裁かせるというところに少々不思議な感じがしたな。
合併の背景にはエヴァの件が絡んでいてダービーがそこまで
先読みして合併の話を進めていたというのは少々驚きだけど
ね。
弁護士ドラマの難しい所は、事実よりも心証が大事になって
しまうこと。それが陪審員制度の怖さで常々日本でも警鐘が
鳴らされているけれど、最終的には法曹界の原点に立ち返り、
本当の悪人以外は金ではなく、悪人を捕まえたい気持ちを
持ち合わせていたので、その辺はまさに人間が裁くことへの
怖さと人を信じる信じないとする為の人を極める為の観察眼
などが求められる。
最初はハーヴィーとマイクから始まり、ハーヴィーとジェシカ
のケンカに発展したけれど、取りあえずは和解することが
出来た。そしてハーヴィーとドナの関係もまた微妙な所で
揺れ動いている。
■弁護士としての案件
・エヴァの殺人示唆
一体どれだけ長いことこのネタを引っ張るのかなって感じ
だった。
陪審員へのアピールではなく全てはキャメロンへのアピール
の為に動いていた感じだね。
キャメロンはかなりきな臭さで溢れていたけれど、最後は
ハーヴィーの言葉が物語るようにして、
「キャメロンの拘りは勝ちに拘るだけでなく本当の悪党を
裁くことだ」。
としていた。今まではキャメロンは勝ち負けに拘っている
としていたけどね。(特にハーヴィーに対する拘り)
色々とスティーヴンが殺人をマリガに依頼したという繋がり
は見つかった。しかしそれが決定的な証拠ではないのが
もどかしい。
心証というのは難しいもので、崖っぷちに立って初めて本当の
ことを話すと考える場合も有れば、弁護士のような職種の
場合は寧ろ都合の良いタイミングと取られて戦略的駆け引きと
見られる事もある。
スティーヴンが法廷に敵対証人として呼ばれたのも、重要な
所は全て黙秘権の行使をして語ろうとはしない。変わりに
エヴァがマリガの件以外でも金で解決しようとしたことに
ついてだけは雄弁に語る光景が有る。
ハーヴィーはキャメロンに訴えたが、やはり物的な証拠が
ないとなかなか引き下がらない。
マイクを使ってキャメロンにもハーヴィーにも心の傷のよう
にして残っているクリフォードの所に頼みに行った。
・クリフォード
S1-11、S1-12に登場した人物。
S1-11
https://itawind.web.fc2.com/kaigai/s/suits111.htm
S1-12
https://itawind.web.fc2.com/kaigai/s/suits112.htm
・ハロルド vs ルイス
レイチェルによるとルイスのクライアントのフェアフィール
ド社が訴えられた。相手側の代理人はハロルド。
先日の模擬裁判の件が今でも二人の間で蟠りとして残ってい
る。
結局この戦いの争点が何を意味するのか全く分からなかった
けど(笑)
最初はルイスが余裕だと見ていて応接間ではなく直接オフィス
を尋ねた。ハロルドが有利な立場の時にはルイスのオフィス
に直接尋ねて来た。
「清書しろ。そのキャロット・トップもどきの青白い面を
二度と見せるな」
またかつてハロルドが首になった件で、その決断がマイクが
選択したことだということをルイスに聞かされることになる。
■結論
スティーヴンから突きつけられた事は、「君たちの事務所も
同じことをしている」。「仕事を達成させる為なら殺人も
厭わない」ということ。それをどう否定し証明していくのか
というところが今回の課題でも有ったのだろう。
終始ドナが自分のミスでスティーヴンという人間性を見抜けな
かったことに悔やんでいたので辞めてしまわないか不安だっ
た。
エドワードが自分が犠牲になりスティーヴンの行動を把握して
いたようなことを告げ、執行猶予5年とアメリカでの経営権
を失効するということで話をつけた。
「離婚はするけど家の所有権は譲らないわよ。」
■その他
・ルイスの指南書・戦術
戦術36を使ってハロルドに警告したことを語る。
更に戦術7というものがあるらしく、何がその戦術なのか
よく分からなかった。
まるでNCISのギブスルールみたいだ。
・ブレックファスト・クラブ
「お前への復讐を始める」としてハロルドはこの映画の
言葉を引用してルイスに宣戦布告。
https://itawind.web.fc2.com/movie/breakfast.htm
・サウンド・オブ・ミュージック
ルイスの好きな映画をハロルドが扱きまくっていた。
ジュリー・アンドリュースは国の宝だ。
ルイスがこの時立場が悪いかなと思ったけど、ルイスとしては
この案件を部下にやらせてハロルドは一人でかかりっきりに
なり他の案件に手を回させないようにすると脅していた。
・ハロルドへのパワハラ
レイチェルから指摘されていたがルイスは確かにハロルドには
厳しかった。かつてルイスは子供の頃の体育の時間のロープ
昇りの際、必死に登ろうとしていたのに笑われたという。
アソシエイトの育成に絶対の自信が有ったルイスとしては
ハロルドは出来損ないであり、彼を見る度に自分が笑われた
時の声を思い出すという。レイチェルから解かれていたけど
意外とルイスはレイチェルと相性が合ったりしないか?
■使用された曲
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Greenback Boogie by Ima Robot
・Shutters by Hayden Calnin
・Stompa by Serena Ryder
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
エドワード・ダービー (Conleth Hill) 弁護士パートナー
スティーヴン・ハントリー (Max Beesley) シニアパートナー
キャメロン・デニス (Gary Cole) 地方検事
エヴァ・ヘシントン (Michelle Fairley) ヘシントン石油
クリフォード・デイナー (Neil Brown Jr.) ダイナー、冤罪
カール・マクタガート (Peter Michael Dillon) “トーマス”ボディガード
マリガ大佐 (Kevin Hanchard) パイプライン建設で殺害実行
パール・アトキンス (Yanna McIntosh) 判事
サイモン・バンダル (Neemish Parekh) アソシエイト
ハロルド・ガンダーソン (Max Topplin) ブラットン事務所アソシエイト