第9話 不誠実な交渉 Bad Faith
監督/Christopher Misiano 脚本/Ethan Drogin
【これまでのあらすじ】
僕は君(レイチェル)のお父さん・ロバートの味方だという
マイク。君は俺にとって大事な人、俺にとって君の存在は
大きいというハーヴィー。スコットは何か知りたいのか?
エヴァ・ヘシントンについて。僕はやつに負けないという。
しかしエヴァはあなたのせいだとしそもそもあなたがあの
男の恨みをかっていなければ狙い撃ちされることはなかった
としてハーヴィーとキャメロンの関係を責める。エドワード
は私のまいた種だとして責任はとるという。
ドナはスティーヴンに対してキャメロンとは取引したこと。
あなたは終わりだという。ダービーはアメリカでの業務が
出来なくなり家の一員ではいられないというハーヴィー。
エドワードは私をハメたなというとアイデアはジェシカだと
いう。ジェシカはエドワードに対して私たちは離婚するけど
家の所有権は譲らないと語る。
【ストーリー】
マイクは仕事に行くため朝早くに起きるとレイチェルが
一緒に起きてコーヒーを入れてくれる。つきあわなくても
よかったのにというマイクに対して、よく言われることだと
して「一緒に起きるカップルは長続きする」とレイチェル。
そのレイチェルは服を脱いで彼を挑発する。僕に仕事に行か
せないつもりなのか?「昔ナンタケットにいけない娘がおり
ました」と彼女。マイクは愛していると語る。
ハーヴィーはドナのマンションの前で待っていた。
昨日よりハッピーな顔をしているわねというドナは何しにきた
のかと問う。送っていくというハーヴィーに対して毎日15時間
も顔をつきあわせているのに一緒に出勤なのか?というと
出勤ではなく一緒に朝飯を食べてそれからエルメスに新作バッグ
のチェックに行こうと誘う。どういう魂胆なのか?という
ドナに対してあんなにいろいろとあったのだから祝っても
罰は当たらないというハーヴィー。
ルイスはジェシカのオフィスへ。
合併解消を担当したいというルイス。エヴァも望み通り解任
されどんなことでもやる覚悟があると知れば・・そして
ダービー側の資産のことも私は知り尽くしているという。
スティーヴンとエドワードもあれだけのことをされて1ポンド
の肉でもとらないと気が済まないのではないか?と。今のあなた
は怒りで目が曇っていること。奴らの思うつぼだとし私は
違うというルイス。ハーヴィーもまたジェシカの元にやって
くる。エドワードから資産分割案が届いたこと。それを見た
ハーヴィーははあの男・・条件を出せる立場ではないと思い
知らせるべきだと語る。ルイスが分割交渉したいと言っているというジェシカ。アナグマをウチのマスコットにしようと言った
男だとハーヴィーは反対する。私なら勝てるというルイス。
ジェネラルズもグローブトロッターズに勝てると信じて連戦
連敗だと語る。父はジェネラルズの選手だったというルイス。
君なら勝てるのか?というとハーヴィは君とオレとでは闘って
いるスポーツが違うという。しかしジェシカは一理あるという
と、ハーヴィはルイスを馬鹿にするのは人生の楽しみなのに・・
と語る。今の貴方は代表であり部下への敬意を払うべきだと
いう。敬意を持っているからこそ馬鹿にしているのだという。
ジェシカはそんなハーヴィーに覚えているか?として
コペルマンの名前を引き合いに出す。あのバーコード頭の弁護
士かというと、私がここに来た時毎日ケンカしていたが彼は
ある時やり過ぎたのだという。私は怒ってやり込めてズタズタ
にした。ハードマンと二人で乗っ取った翌日コペルマンに
言った。「心から頼りにしている」と。それ以来投票では
ずっとあなたの味方でしたねと。ルイスも正しいとすると
ハーヴィーはオレが補佐になるのか?と。彼をクウォーター
バックにしてあなたにパスするのだという。
マイクはハーヴィー。
エドワード側のクライアントを奪いあっちの収入を減らせ
というのか?とマイク。稼ぎの多い側が合併解消にある資産
分割の決定権を持つからだという。ルイスは表で僕らは裏工作
をするのかと。離婚でこっちが誠実になる訳ないという。
ジェシカの発案なんでしょ?とマイクは尋ねるが、ハーヴィー
は答えなかった。収入を奪いたいなら大口クライアントで
最近損を出したばかりの大手だというマイク。しかしそれを
否定するハーヴィー。「ミス・アメリカ」で一番泣くのは
だれか?。マイクは二番手だとするが、ハーヴィーは優勝者で
あることを告げる。二度と勝てないと分かって居るから。
勝てばまた勝ちたくなるのに・・と。ターゲットに勝ち続ける
のを望むトップ企業と言えば・・・サムスンだと。
立ち去ろうとするマイクはハーヴィーに対して「ミス・アメ
リカ」を見ているのかと問う。優勝者と祝ったことがあると
いうハーヴィーに、テキサス?フロリダ?ニューヨーク?と
尋ねるとカリフォルニアだと語る。
ジェシカはルイスを呼ぶ。
あなたをこれまで補佐ばかり任せすぎたとし交渉を任せると
語る。ルイスは意気込んで滅茶苦茶にしようとするが、
ジェシカは一つ頼みとして「フェアにやって」と語る。油断
している間にクライアントを奪う。ルイスはそれでは二人の
裏工作に協力しろというのか?それではまるで大脱走だとし
私は敵陣に飛び込まされる役のマックイーンだという。
ブロンソンは祖母の家の近所で育ったというルイス。それなら
分かるでしょうとしマッククイーンと言えば「クーラーキン
グ」だという。私のクーラーキングになってとジェシカ。
代理でサインして良い人ですねとマイク。ただしクライアント
の割り振りだけは絶対に確定させては駄目だというジェシカ。
■感想
エヴァの裁判、キャメロンとの対決は終わったかに思われた
けど、別の形でまだまだ続いていくのね。
イギリスの弁護士事務所との合併解消に伴う資産分割の交渉
が行われる。稼ぎが多い方が合併解消による分割の決定権を
持つということで何とかして一時的にでも稼ぎを増やすため
に画策していく。
冒頭からレイチェルとマイクが仲むつまじそうな姿。
レイチェルが挑発してマイクに関係を迫っていたけど、
レイチェルは細見で胸が小さいので視覚的挑発には少々弱い。
その点はドナさんですよ。
ハーヴィーはドナ様をお迎えして新作バッグでも好きに
買ってくれって感じ。自分のせいで戦いに巻き込んだ彼女に
罪悪感があるのか。その罪悪感をルイスに対しても上に立つ
ものとしての風格めいたものをジェシカに求められていた。
ハーヴィーは「ルイスを馬鹿にするのは人生の楽しみ。敬意
を持っているから馬鹿に出来る」としている。
■弁護士に誠実さを求められるのか?
ドラマとしては口で言うのは簡単だけど現実には難しいこと
を起こそうとしている。そもそも離婚するに当たって円満に
物事が運ぶハズもない。
「誠実」「不誠実」が引き合いに出されたが双方を満足さ
せるような結論を導き出せるとは到底思えない。
ただジェシカもハーヴィーもどちらも復讐合戦のようなこと
には懲りている感じで誠実に対処しようとしていたところも
有る。遺恨を残すようなやり方をすればいつかまた復讐の
連鎖へと発展するからだ。その為に相手もこちらも多少は
妥協する必要はあるのだろうね。
今回は資産分割交渉はルイスに任せるとしていたけれど、
彼が表でそのようなやりとりをしている間にハーヴィーたち
はサムスン社やフォルサム食品から早期支払い割引を持ち
かけて資金を回収してそれを売り上げとして計上しようとして
いた。
フォルサム食品はハードマンの事務所が扱っているところ。
ジェシカはハードマンとこれ以上闘うくらいならば負けた
方が良いと思っているくらいにウンザリしているよう。
ただクライアントはハードマンの事務所でも担当しているの
はロバート・ゼイン。つまりレイチェルの父親だった。
■仕事とプライベート
例えば結婚に関して・・
同じ業界の人間と結婚するのは難しいとか、逆に仕事の勝手
が分かって居るので理解されやすいとか様々な意見がある
とは思うけど、同じ業界にいる限り、利害関係が何処かで
衝突することは避けられない。例えそう見えなかったとして
も、端から見ればそう見えてしまうところがある。
私生活を知られることは相手に弱みを見せることになること
も有ってハーヴィーなどはあんまり自分の生活を見せない
ような暮らしをしているのではないのか。
今回プライベートの問題で引っかかったのはルイスとマイク
だった。
ルイスのウィークポイントはナイジェルが飼うネコの“ミカ
ド”。そのミカドが使ってナイジェルは行動を起こしては
ルイスが逆上してサインするのを見越していたようだ。
そしてマイクはレイチェルの父親と駆け引きする際には必ず
娘のレイチェルの存在は欠かせない。
優位に運ぶ為にはレイチェルのことを引き合いに出せば父親
は必ず折れると分かって居る。
勿論そういうつもりが無いものでもレイチェルに言わずに
会いに行ったとなれば不誠実に取られるのが普通なのかも
知れない。
■ハーヴィーとスコット
スコットはハーヴィーにエヴァの件で協力している。
その際ハーヴィーは彼女に対して
「君の存在はずっと大きい。昔もこれからも・・」
フォルサム食品の件では取らないことを約束したけど
結局スコットとの間に信頼関係はなく、彼女側に有利に働いた
と見るや真っ先にハーヴィーはスコットを疑った。
■ハルクとティンカーベル
ナイジェルに挑発されたルイス。予めルイスはカトリーナに
対し手頼んでいた。
そんなルイスとカトリーナのやりとりが何気に笑えた。
「君の役目は私の内なる戦士が外に出て暴れ出さないように
すること」(Louis)
「簡単じゃないわ。あなたはハルクよ」(Katrina)
ナイジェルからコケにされるルイス。
「ティンカーベルをつけてきたか」(Nigel)
「大丈夫、緑に変身しない」(Louis)
「フェアなんて幼稚園の頃から頃から縁がない」(Katrina)
結局感情を抑えきれず割り振りにサインしてしまう。
後に鶴の折り紙を折っていじけるルイスに対し手カトリーナ
は逆に励まして「リットされたぞ!」(You just got Litt Up!)
の商標登録をしたことを聞かされる。
・ルイスの試行錯誤
ジョナサンに接触して彼の節税、個人の持ち株に対する運用
報酬、子供6人までの白紙委任信託、一生税金を払わなくても
良い対策資料を見せて、元妻に取られたとするフェラーリも
取り返した。会社に証人して欲しいとしてジアノプロスに
接触したいとするが、結局ジョナサンからは軽く見られる。
・打開策
最後に色々と打開策を見出してハーヴィーに告げた時に
ハーヴィーからは嬉しい言葉をもらっていた。
「君を尊敬している。素晴らしい弁護士で事務所の貴重な
一員だよ」(Harvey)
「友達だな」(Louis)
「望みすぎだ」(Harvey)
■レイチェルとマイク
今回立場的にマイクが彼女の父親との一件で立場を悪くした
ように見えたけど実際にはレイチェル側に問題が有った様だ。
先日ルイスから手渡されたように彼女はスタンフォードの
ロースクールへの入学が決まっている。
マイクは同棲したいとして今まで向き合ってこれなかった祖母
の家に案内して、ここで一緒に暮らす道を示唆する。
ただレイチェルは洗面台の事とかペットボトルの事とか
色々と文句を言っていたけれど、
■その他
・ジョナサンに提案に行った際
彼に色々と有利になる提案をしたルイスに対してジョナサンが
語ったセリフ。
「西ゴート族をタオしたからってローマ帝国を支配させろという
のか?」
・まるで大脱走だ
ルイスが囮にされるとジェシカから聞いた時の反応。
私は敵陣に飛び込まされる役、マックイーンだ。
ブロンソンは祖母の家の近所に住んでいた。
マックイーンと言えば「クーラー・キング」よ。
とジェシカに宥められる。
・リットする所かカットされた気分
カトリーナってルイスを励まして力を出させるのが上手いね。
まぁ彼女の事だから色んな算段はありそうだけど。
・ハットフィールドとマッコイ見たいに続く
スコットを信頼しないでいるとこのように戦いが続くことを
ハーヴィーは示唆された。しかしその後ドナからは悪い
知らせとしてヘシントンから切られたという連絡。
ハーヴィーはスコットにしてやられたとするが、現実には
エヴァ自身が事務所を切っていたことが判明。
ハーヴィーが敵対してきた為にスコットは闘うことを告げる。
失う物がないスコットは強力な刃となってくるのか。
■使用された曲
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Greenback Boogie by Ima Robot
・The Walker by Fitz and The Tantrums
・Oh My Sky by Isidore
・Worthy by Jacob Banks
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
ロバート・ゼイン …… レイチェルの父・弁護士
カトリーナ・ベネット …… アソシエイト
ナイジェル・ネズビット …… イギリス弁護士
ローラ・ゼイン …… レイチェルの母
トニー・ジアノプロス …… 投資会社CEO
デイナ・スコット …… イギリスの事務所の火消し役
ジョナサン・シドウェル …… トニーの助手
…… Bike Courier