February 17, 2013
第17話 死因審問 Invitation to an Inquest
脚本/Julia Wolfe
監督/Kevin Hooks
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ロジャー・ラドウィグの車が走行中にガードレールを破って
車道から飛び出し亡くなる。ロジャーは判事をしていて、
アリシアたちとも顔なじみだった。
その頃世間では知事選・民主党候補の指名者争いが行われてい
た。投票が始まり、選挙速報ではピーターは51%、マディは46%
の票が投じられていた。
ニーサとザックはフロリック家で将来のことを考えていた。
ニーサはザックに対して私とのことを真剣に考えているか
どうかを尋ねる。ザックが大学に行くようになると一年後輩
であるニーサとは遠距離になるのである。ニーサは大学に行く
と人は変わってしまうとするが、ザックは自分だけでなく
二人共変わるものだと告げる。
グレースはアリシアが帰宅すると、現在選挙選の放送が行われ
ている事を告げる。アリシアは自宅にニーサが来ていることを
知って驚く。ザックはアリシアに対してクレスティーバが
共和党の選挙で勝利したので父さんの相手は決まりだと語る。
ニーサはアリシアに対して、明日家の両親がザックを
ディナーに招待したいことを語っていることを告げると、
アリシアはそれならば両親からの連絡を待っていると語る。
そんな中グレースはアリシアに対してジェニー・ラドウィグから
電話だという。
ジェニーと会話するアリシアは生命保険の弁護士と話したら
こちらが不利な状況だと言われたという。
アリシアはウォルフブランド保険会社の企業弁護士であるウォル
ク・ホブソンと話をすると、ロジャーの死が事故死かどうかは
疑問に思っていることを聞かされる。判事は運転中に携帯電話
を使っていた形跡が有るのだと。イリノイ州ではハンズフリー
が義務ではない事を語るが、これは【重大な過失】であると
見ているとし、【死因審問会】では有利に働くだろうと語る。
今ならば10%の支払いで手をうつというホブソン。200万ドルの
死亡保険金に対して20万ドルを払うとするが、あり得ない額だと
してアリシアは拒む。
検視局のクレイプールは、イリノイ州最高判事・ロジャーの死
について死因審問会を行うことを宣言する。事件番号591-R。
陪審員は6名で通常の裁判とは違い、事実を見極める手続きだ
という。死亡に至る原因はなんだったのかを明らかにすること
が目的だった。
遺体を見たソニア・パデル医師から死因について証言がある。
内臓損傷による失血死。ロジャーの体内からはアルコールと
サイトロフィナルが検出されたとし、アルコールは血中濃度
0.06%だったという。アリシアは質問をしたいとして、クレイプー
ルの許可をもらう。0.06%は飲酒運転に於ける法律の基準値より
も下であること。87kgの体重からすると、事故の1時間前に
ワインを2杯飲んだ程度の飲酒量であることを確認する。更に
サイトロフィナルは不眠症の治療薬だが、前の晩に飲んだものが
残っていた可能性について尋ねると、その可能性は十分にある
ものだと聞かされる。更に質問をしようとするが、クレイプール
からは弁護士が質問を出来るのは3つまでだと言われる。
じゃあ早口で言いますよというアリシア。
保険会社のホブソンからもソニアに質問をする。
それらのアルコールや薬は判断を鈍らせるものではないか?と
問うとアリシアは異議を唱えるが、クレイプールはこれは
普通の裁判とは違い異議は認めないのだと言われる。
ジェニーはアリシアの対応を見て心配になり、すぐにウィルに
電話し、アリシアを援護して欲しいと頼む。
ロックハートガードナー事務所。
ウィルはジェニーからの電話を受ける中、ダイアンはセント・パト
リックデーのシカゴ市のディナーパーティー券を買って欲しい
と言われたのだという。初めての誘いであり、改めて自分たち
の事務所の大きさが周知されたものだとして喜ぶ。しかし
ピーターとマディはまだ接戦なので、今の所出席するかどうかは
様子見にしようと語る。
そこにケイリーがやってくると、エモンズ製薬をクライアント
として取り込んだことをダイアンから称賛される。ケニングの
事務所でも息をかけていたが、先方はケイリーがいるからこの
事務所と契約したいと言って来たこと。年500万ドルの大口の顧客
でありダイアンはケイリーに対してパートナーになる日も近い
と語る。
そんな中ケイリーの元に父・ジェフリーがやってくる。
ジェフリーはケイリーに対してパートナー弁護士と同じフロア
で働いていることを素直に称賛する。ケイリーは報道官の件
は残念だった事を告げる(S4-7)が、現在ジェフリーはエモンズ
製薬のロビイストをしている事を語る。エモンズ製薬は州議会
に出す医療用マリファナ合法化の議案を用意していることを
告げ、ケイリーにその議案を書くよう頼む。今の法案に対して
我々は対案の提出兼があるのだという。ケイリーはそれを聞いて
今の法案のままだと利益が減って困るだけでしょと語るが、
我々はより妥当な案を出したいのだという、議案の草案を書く
よう語り、代理人として立法化に努めて欲しいと言われる。
ケイリーは父に対して僕とは縁を切ったのかと思っていたと
いうが、一人息子にそんなことをするはずはないと語る。
テレビではピーターの当選確実を報道すると、選挙事務所でも
歓声が上がる。イーライの元にやってくるジョーダンはおめで
とうと功績をたたえ合う中、次はクリスティーバだと語る。
イーライはピーターにも祝福の電話を入れる中、ジョーダンは
これ以上要らないのではないかと語る。方向制がバラバラになる
と。
ジョーダンはイーライを呼ぶと、ザックの恋人のニーサ・ダルマー
の件で話をする。ニーサがSNSにアップした写真を見ると、
予言者ムハンマド聖誕祭のディナーの写真が掲載されており、
そこにはザックも一緒に掲載されていること。ニーサの父は
イスラム原理主義のチャリティ団体「ムハリブムサリム」に
寄付していて、その団体は2008年にテロ支援組織とされ
ブラックリスト入りしているところだという。今すぐに何とか
しないとダメだと語る。
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■メインは死因審問会
ウィルとかアリシアは死因審問会についてあまり知らなかった
みたいだけど、元々彼らがターゲットにしているのが企業の
大型の顧問弁護なので知らなかったのだろうか?
ロジャー判事が交通事故に遭うが、その死因を巡り色んな
憶測が飛び交う。保険会社としては200万ドルも払い
たくないとして、被害者側の重大な過失が有ることを唱えて
何とか支払いを回避しようとする。
何よりも死因審問会がどういうものなのかということを
描いて見せた。癖のある法廷が多いけど、法廷のようで
法廷ではないちょっと癖のある審問会だったね。
真実を追究する場なのに質問は3回までとかいう条件付き
というのもなんか変だ。
ロックハートガードナーのウィルとアリシアが担当。
亡くなったのが判事なので、普通に民事法廷に出廷すれば、
判事の死をぞんざいに扱えない為に判事寄りの展開になることは
明らかだったよな。
事件の究明に関しては難しいものが有った。
素因となるべきものとして、
1) 運転中の携帯電話の使用
2) アルコールと不眠症治療薬の微量の検出
3) 急カーブによるスピード違反
4) 賄賂の受け取り疑惑浮上による自殺説
5) 黒いSUVに乗る愛人の執拗な追跡・殺人説
調査に関してはカリンダが関係してくるのでドラマが楽しいもの
になるということは想像が出来た。法廷での争いよりもカリンダ
が見つける刑事ドラマ的展開が面白い部分もある。
調査員として「バッドマン(カリンダ)&ロビン」(c)ケイリーの新しい
コンビが誕生した訳だけど、カリンダがレザーのジャケットが
大好きなところを見ると、キャットウーマンみたいな感じに
見えるよな(笑)
判事の不正ネタが思わぬ所でウィルの不正事件の件が掘り起こされ
たりしたけど、皮肉にも疑惑は疑惑のままだった。結局判事は
なんでそんなに借金をしていたのだろうか?ギャングル好き??
結果として、クック郡とレイク郡を股にかけての飲酒運転を起こ
した一人の男・ランドン・ボイスの存在が浮上。
イベントデータレコーダーが確たる証拠として決定的役割りを
果たした。S4-7の中で車が横転するドラマをアリシアとケイリーが
見ていたという流れはこの辺に繋がっていたのか。
■その他のエピ
今回のエピは上述したもの以外はイマイチだった。
★ケイリーと父の確執
S4-7でケイリーにすり寄ってきた父親のジェフリー。
ケイリーのことを息子とも思って居らず、自分のことばかりを
考えている父親であることが描かれている。出世の為に息子を
利用すること。父親のことを今一度信用しようと考えたケイリー
を裏切ったエピソードがS4-7で描かれた。
今回ジェフリーがすり寄ってきた流れも、ピーターが州知事
として近い立場であることと、ケイリーがパートナー弁護士に
限りなく近い立場だということを何処かから聞いてきた為なの
かな。それともケイリーに仕返しするために、意図的に契約する
ようなことを臭わせ、ぬか喜びさせたところで裏切るというもの
が有ったのだろうか。
ケイリーも二度と騙されないと考えて、CEOに直談判するという
ことで上手いこと、回避していた。
・・「根に持つ程ヒマじゃないよ」ケイリー談。
★ピーターの選挙選を取り巻く家庭の事情
ジョーダンとイーライの対立。
そしてピーターの息子のザックがニーサという女性と付き合って
いる事実。
確かにニーサの家族の写真を見る限りでは、今のアメリカでは
相当不利に働きそうな写真には見える。
ザックは父親思いなので、選挙に不利に働けば彼女と別れること
は自明の理だ。アゴス家とは対象的な存在としてフロリック家の
事情が描かれたけど、イーライがアリシアを利用してジョーダン
を追い出したという流れ自体はアリシア本人も分かっていた様で
私を利用しているならば辞めてねと釘を刺していた。
・・「僕は純粋に手伝いたかった。あんた(イーライ)とは違う。
政治の争いで忙しくて権力争いをする程ヒマじゃないよ」ジョーダン談。
■気になったネタ
・カリンダの魅力
2号線を走行していたタンクローリーの運転手は何かを見ていた
が、見返りを求める嫌らしい男にカリンダは何らかの言葉を
耳打ちしてあっさりと証言を引き出していた。
その直前のシーンでは、モーテルの男性に対して顧客情報を
あっさりと口を割らせるシーンを描いている。
・ウィルとアリシア
思わずキスして以降ギクシャクした関係になり、なるべく近づかない
ようにしようとしていた二人。アリシアはピーターとの関係に
於いて元サヤに戻りそうな雰囲気も有ったのに、またウィルのこと
が気になってしまったのだろうか?
今回の判事たちも不倫ネタ一色だったけど、弁護士というストレス
のある立場の人間は不倫やギャンブル、依存症になってしまうの
だろうか。
夜のオフィスに二人っきりでいるシーンはなんとも切なさは有った。
エレベーターホールにいたアリシアは何かを期待していたのだろうか。
・医療用マリファナ
あんまり興味のないネタだったけど、そのウチこのネタが使われる
かもしれないので検索用に書いておこう(笑)
ピーターは医療用マリファナの販売には反対側の立場なのかな。
ライセンス料を高くとることと、学校から500m離れた地域に設置
すること。この提案自体悪いことではない気がするのは気のせい?
日本も風営法なんかで、学校から離れた場所でないとエロマッサージ
店が設置出来ない事情があるのに、アジア系マッサージ店が
それを知ってか知らずか設置して、取締に合うという事例が
多いよなぁ。
・出演者
ジェニー役のJessalyn Gilsigは、「glee」でくるくるパーマ役
のウィル・シュースター先生の元妻・テリ役、「HEROES」では
メレディス・ゴードン役、「ボストン・パブリック」ではローレ
ン・デイヴィス役を演じていた。
■使用された曲
・David BuckleyのThe Good Wife Theme
・Andrew BirdのFake Palindromes
・Andreya TrianaのDraw the Stars
アリシア・フロリック (Julianna Margulies) 弁護士
ケイリー・アゴス (Matt Czuchry) 検事
カリンダ・シャルマ (Archie Panjabi) 調査スタッフ
ウィル・ガードナー(Josh Charles) 法律事務所の共同経営者
ダイアン・ロックハート (Christine Baranski) 法律事務所の共同経営者
ピーター・フロリック (Chris Noth) アリシアの夫。元州知事
イーライ・ゴールド (Alan Cumming) ピーターに雇われ調査員
マディ・ヘイワード (Maura Tierney) 半導体の女王、ビルのオーナー
ニック・サベリース (Marc Warren) レッカー業者、カリンダの夫
クラーク・ヘイデン (Nathan Lane) 管財人、”毛沢東”
ジャッキー・フロリック (Mary Beth Peil) ピーターの母・虫が・・
ザック・フロリック (Graham Phillips) アリシアの息子
グレース・フロリック (Makenzie Vega) アリシアの娘
ジョーダン・カラハリオス (T.R. Knight) ピーターに雇われ調査員
ウィルク・ホブソン (Frederick Weller) ウォルフ・ブランド保険会社顧問弁護士
ジェフリー・アゴス (John Shea) ケイリーの父、エモンズ製薬・ロビイスト
ロビン・バーディン (Jess Weixler) 調査員、元財務省
ジェニー・ラドウィグ (Jessalyn Gilsig) 判事の夫が事故死
ニーサ・ダルマー (Rachel Hilson) ザックの彼女、親はムハリブムサリムに寄付
ベサニー・ビゲロー (Dana Eskelson) ジャレッドの妻、浮気
ジャレッド・ビゲロー (Lucas Caleb Rooney) 判事
シャーリー・マン (Kathleen McNenny) レイク郡検事補
タッド・ワーナー (Adam Chanler-Berat) モーテルの受付
クリスティ・ヤーギン (Kelly Coffield Park) イリノイ州検事局調査官
リベラ (Alfredo Narciso) 捜査官
クレイプール (Rene Auberjonois) 検視官
デール・ダッゾ (Sam Freed) エモンズ製薬CEO
アーロン・シュルツ (Tracy Howe) トレーラー運転手
ソニア・パテル (Purva Bedi) 医師、ロジャーの死因を語る証人
ノラ (Nicole Roderick) ピーターの事務所選挙スタッフ
— (Liam Ferguson) Inquest Gallery Man