February 3, 2011
第15話 善と悪の境界 The Killer in the Crosshairs
脚本/Michael Peterson
監督/Milan Cheylov
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ジェイコブ・ブロードスキーはホテルのルームサービスで朝食
を取る。
一方ブレナンとブースは休暇の為に一緒に朝から公園でランニ
ングする姿が有った。二人共負けず嫌いの性格故に競争する
中、ブースが先に目的地に到着するが、ブレナンは難癖をつけ
て私が勝ちだと語る。ブースは勝者として君にコーヒーを施して
やると上から目線で語る中、今日のブレナンの予定を聞く。
ブレナンはこれからペロペネソス戦争の講演会がある事を知って
俺も聞きに行くというブース。
一方ジェイコブの元にはポーラから電話が鳴り、金曜日の夜
に山小屋で逢おうと約束する。
ジェイコブはライフルを持って出かける中、クーリッジと工場
で待ち合わせしていた。クーリッジはジェイコブに対して早く
来てブツを渡せと指示する中、ジェイコブを狙いを定めて
彼を射殺する。
遺体現場には現金が散乱し、ネズミが遺体を食べていた。
ブースとブレナンは現場へと駆けつける中、骨の状態を見て
骨盤上口がハート型をしているので男性の遺体だという。
ブースはスーツを着ているのだからそんなの見れば分かると
語る。講演がパーになったなというブースに対して、イオニア
の反乱をスパルタが支援した話をブースは聞きたがっていた
事を指摘する。
現場には連邦検事のキャロリンまでやってくる。
なんであなたまで来るのかと問うと15万ドル以上の現金が散乱
しているからだとし、連邦検事としての血が騒ぐという。
ブースは壁に落ち込まれた一発の銃弾が銅製であることを知り、
目的は殺しだという。この銃弾は手製の銃で、発砲したのは
ジェイコブだと語る。キャロリンは例のスナイパーなのかと
問うと墓堀人殺しの容疑者で、元ブースの仲間なのかと問う。
ブレナンは第5頸椎が折れている事を指摘する中、脳と脊髄を
切るのはスナイパーの特徴だという。我々はそれを「回線を
切る」と言っているとし、現場の状況から見て沢山の配管を
すり抜けて一発でターゲットを仕留めているのだという。
IDから被害者はウォルター・クレーンという建設業者だとされ
るが、顔がネズミによって喰いちぎられているので正確か
どうかは分からなかった。
これ以上ジェイコブの殺人は見過ごせないとしてブースは憤る。
ラボではビンセントが今日の当番だった。
ブレナンはビンセントが静かにしていることに違和感を唱える。
いつもならば銃と暗殺に関するトリビアで私のゲンナリさせる
のにどうしたのかと問うと、リハビリの助言者から、トリビア
を利用して人との距離を置くのは抑えるべきで普通の会話で
楽しむべきことを言われたのだという。
死因は脊髄を銃弾で分断させられたものだった。
被害者のクレーンはIDによるとバージニア出身。しかし骨にハイ
ドロキシアパタイトの同位対比を見ると中西部で育ったこと
が分かるという。顔をネズミに食べられているので本人では
ないのかもしれないとし、アンジェラに顔を復元してもらうのだと
いう。
アンジェラのラボには父・ビリーがやってくる。
ビリーはアンジェラのことを美しいと褒め称えると、初めての
孫のだとして逢いに来た事を語る。赤ん坊の名前に関して
突然啓示が有ったのだとし、極上のブルースをプレーしている
最中に浮かんだのだという。アンジェラはかつて私にもそれで
名前を付けたが結局改名した事を告げると、ビリーは物事の
本質は法的かどうかは関係無いのだという。しかしアンジェラ
は通常赤ちゃんの名前を決める権利はその父親にあるものだという。
一応ジャックには伝えるというが・・・
ホッジンズはブースに対して現場に落ちていた100ドル札に
付着していた物質は次亜塩素酸ナトリウムだという。塩なのか?
というブースに対して漂白剤だという。通常100ドル札の透かし
はフランクリンだが、ここに見えるのはリンカーンだという。
つまり偽札だとし、5ドル札を漂白して100ドルに図柄を印刷
し直したものだという。それでジェイコブが狙ったのかと納得
するブース。
そんな中キャロリンは被害者は証人保護プログラムのリストの
人物で本名はクーリッジだという。彼の証言によって捕まった
のはオルティスであり、現在刑務所から取り調べ室に移動させ
てきたとキャロリンは告げる。
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偽札を作っていた男性・クーリッジが何者かによって殺害され
て発見される。現場に落ちていた15万ドル以上の100万ドル
紙幣は全て5ドル札を漂白剤を使って印刷を洗い落として、100ドル
札に刷り直していたことが判明する。
金目当ての犯行ではないことや、難しいシチュエーションの中、
カスタムメイドの銃弾を使っていること、そして証人保護プログラ
ムが適用されている人物が殺害されていることから見て、ブースは
墓堀人を殺害したブースのかつての仲間であるスナイパーのジェイ
コブの仕業であることを告げる。
どうも自分はブースが優秀なスナイパーだったというネタがあまり
好きではないようで、もういい加減スナイパーネタを言い張り
それをメインに扱わなくても良いと思ってしまうところが有る。
優秀だったということを主張しすぎて、他のインターンの研究員
同様、キャラ付けの濃さが気になるところ。
勿論これは自分のことを優秀だと思っているブレナンの有り余る
自信感も同様に辟易するところなんだけど、ブレナンの場合は特異
な理論と現代社会とかけ離れた人類学者の立場からの意見によって
論理的に語り続けるのが仕事みたいになっているので許容出来る。
特にブレナンの場合親から受けることの無かった”常識”を少しずつ
身につけていく部分が成長の痕跡として感じるところが良さにも
繋がって居るしね。
さて今回はまたしてもアンジェラパパ・ビリーの登場。
勝手気ままに登場してきては、孫の名前を決めていくという所は
ロッ”ケ”ンロール(c)内田裕也って感じなのかも知れないけど、
ビリーは例え偏屈でもホッジンズのことをファミリーとして受け入
れている姿は有るし、憎めないところは有る。
ただ左腕にアンジェラのタトゥーを掘られた過去に続いて、
今回はまたしても自分の存在感を示すかのようにして、ホッジンズ
の右腕に自分の顔のタトゥーを刻んで行ってしまった。
ビリーがつけた孫の名前は、スタッカート・マンバ。確かに
センスはない。アンジェラは自分も父親に変な名前を付けられて
改名したことを語っていたけど、どんな名前を付けられたの
だろうか? 「CSI:NY」のマック・テイラーのミドルネームが
デュエリン(Llewellyn)だったことが有ったけど、そもそも
アンジェラパパってどこの民族の血が流れているのだろうね。
ホッジンズが想定している赤ちゃんの名前は、男子ならば
マイケル・ジョセフ、女子ならばキャサリン・テンペランスにする
と宣言していた。以前にブレナンの前で女の子だったらテンピーの
名前をつけると語っているシーンが有ったけど、男性に関しては
ブースの名前をつけるとしたのは初めてなのかも。
さて事件は、ブースのスナイパー仲間で先輩でも有るジェイコブ
ブロードスキーによる犯行だった。
ただこのジェイコブは、無差別に人を殺しているのではなく、
明らかに罪を犯しているのに罰を受けることのない人物を世直し
殺人と称して行っていることが判明する。先週放送した
「CSI:科学捜査班」S12-8では、ラスベガス署の刑事がこれと同様
のことを繰り返し行っていたということでネタ的には被るところ
は有るけど、問題はスナイパーが人を殺害するのに、その相手は
スナイパー本人による主観が入っているのではないかというもの
だった。
ブレナンが憎たらしいまでに核心をついてブースにその件に
ついて指摘していたけど、「殺害する相手の善悪の区別は主観的
なものであり、何故自分が正しいと確信出来るのか」と問う
姿が有った。広義の意味で捉えれば、戦争によって殺し合う
人たちを暗に批判しているようにも思えるけど、こういう聞きづらい
ことをブレナンはブースにズバズバっと聞いてしまうところも
また彼女らしかったな。
スイーツに相談にいくブース。
当初はブースはスイーツに逢う度にバカにしていたのに、少しずつ
彼の能力を認め始めたことと、ブース自身、自らの弱さというもの
を認められるからこその行動なのだろう。
スイーツは人の死を目の前にして、それに対処する方法論の違い
がこのような行動の違いとして現れていることを説いていた。
ジェイコブの行動に対して「正義の実践が自分の正義だと考えて
正当化する人もいる。定めを遂行する立場だと言い聞かせて罪悪感
を凌ぐもの」だとしていた。そしてブースのことに関しては
「自分の行為を受け止められる人で、辛い現実と向き合える強い人」
だと語っていた。
キャロリンも墓堀人ネタの時ばかりに登場するキャラになってる。
アパートにジェイコブが居たのであれば何でやっつけないのかと
して、「空手でも柔道でもカンフーでも良い」のでやっつけなかっ
た事を非難。「殺人犯には捕まりたい衝動が有るのではないか?」
とするありがちなプロファイルを語る姿があったけど、ジェイコブ
が一線を超えたとする中に、殺人を犯したからではなくブースの家
に銃を持って忍び込んだからだとしていたところは、良かったね。
スナイパー相手なのでちょっぴり恐いものが有ったけど、良い人
は決して殺害しないのであればそう恐れることも無かったのかな。
■使用された曲
・Take Your Memory With You by Vince Gill
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) 骨
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) 博士、”カム”
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) 心理学博士
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 地方検事
ビンセント・ナイジェル=マリー (Ryan Cartwright) インターン
ビリー (Billy Gibbons) Angela’s Dad
ラウル・オーティス (Jos Viramontes) 囚人
ポーラ・アシュウォルト (Marisa Ramirez) 元伍長、連邦保安官
ベニー・ウィンクラー (Andrew Patrick Ralston) 武器商人
ジェイコブ・ブロードスキー (Arnold Vosloo) スナイパー
— (Michael Papajohn) Man
— (Cole Schaefer) FBI Informant