第6話 10年前の約束 The Other Time
監督/John Scott 脚本/Rick Muirragui
【これまでのあらすじ】
エヴァの解任でオレの昇進も無しかというハーヴィーに対して
スティーヴンはエヴァを有罪にしなければ晴れてマネージン
グパートナーになれることを語る。ドナはスティーヴンと
寝ていることをハーヴィーに話すと怒ったか?と問う。しかし
ハーヴィーはそれを否定し仕事に支障がなければ・・プライ
ベートなことだと語る。レイチェルはスタンフォードの面接が
あることを告げどう言えば良いか分からなかったのだという。
マイクは5000kmも離れたロースクールに行くんだって言えば
良いジャンと。スティーヴンはハーヴィーに対して君が怒っ
ているのはジアノプロスのことじゃないとし僕がドナに手を
出したことだろうと。ハーヴィーはキャメロンの元にいくと
「保管記録の線で行く方法」ならあんたに習ったとし、恥を
かく前に訴訟を取り下げろと語る。しかしキャメロンは私は
リングに立っている限り勝負は捨てないという。ジェシカ
がハーヴィーに対して「ピアソン・ダービー・スペクター」
という対等の立場を与える。ハーヴィーは僕を味方にしようと
しているのかと思うが・・
【ストーリー】
ドナはルイスとエレベーターで会うと幸せそうねと彼に言う。
どうしてなのかと尋ねると、色々と有ったというルイスは
“ミカド”が私のベッドで寝てくれたので今朝は最高だった。
そして250g痩せてホワイトニングも順調、新しい髪の毛が
5本生えたという。オマケにエスターが足を三カ所も骨折した
というと、妹さんか?と問うドナ。父にえこひいきされていた
妹だとしいい気味だというルイス。エレベーターから降りる
二人の目に入るのは「ピアソン・ダービー・スペクター」の
看板。それを見てルイスは今日は休むという。
ドナはハーヴィーに対してドンペリが冷えているとし
ブロードウェイを封鎖してパレードでしょ?と。ついに夢が
かなったわねというと、夢ではなくゴールだという。
しかし次の夢を目指すというハーヴィー。いつ知ったのか?
と問うと昨日の夜だという。ドナは何故黙って居たのかと
問うと、寧ろハーヴィーは何故君が知らなかったのかと問う。
君はここの所仕事に集中していなかったなと。それって
スティーヴンにかまけていたって意味か?とすると、気にく
わないと認めたらどうかというドナ。何も認める気はないとし
それに別に気にもしてないという。今までの君ならこっち
からいう必要が無かったハズ・・・何でも知っていたと。
— 10年前 —
地方検事局時代のハーヴィー。
ドナはハーヴィーに声を掛けるとコーヒーの飲み過ぎよとい
う。何故分かるのかサインをしていて3杯でヘロヘロ、4杯で
殴り書き、これでは通らないという。今日は何杯飲んだのか?
というと5杯だというハーヴィー。凄いなというと、観察して
分析してフォローするのが私の仕事だという。バスケをして
いて捻挫していたと言っていたがまだまだ治っていないこと。
ハデなネクタイが少し左に曲がっているからネクタイが
ハデなのはポーカーで勝ったので寝不足の原因なのだろうと。
しかしそれはポーカーのせいではないとしメラニーと別れた
せいだという。するとドナはシャーロットやナディアもでしょ
という。首にしたくなってきたという。
キャメロンはハーヴィーにマッケンジーが来ていることを
告げ今日こそ取引を飲ませるという。ハーヴィーはそれにつ
いて考えてあるとし「ナイト・アラルの虐殺」を使おうと。
「L.Aコンフィデンシャル」を参考にする気はないという
キャメロン。そっちこそ「アンタッチャブル」でショーン・
コネリーが死体を撃って見せるシーンが大好きでしょと。
「何処までやる覚悟がある?」とキャメロンはコネリーの真似
をする。「この薄汚いイタリア野郎」とハーヴィー。
するとドナはそこまでだとしてボンドさんと。白状する気に
なった?としずっとオレを観察していたのは気が有るからでは
ないかと。そんなのではないという彼女は「私はドナ」。
バーサ(Quancetia Hamilton)のことも観察しているって
意味よと。彼女にも気が有るのかとし3Pも良いというハーヴ
ィー。一度も私と寝たが最後一人占めしたくなるというドナ。
マイクはルームメイトのトレヴァー(Tom Lipinski)に対して
一人占めかと語る。メシ代として残りの葉は売ったのだとい
う。売人をしたのか?というと友達に売っただけだという。
「AT&Tかよ」(マイク談)「そっちは何FCCか」(トリヴァー談)
意味も知らない癖に言ってみろ、当たれば500ドルを渡すと
いうマイク。微積分のテストで100点だったというマイク。
天下のハーバートに行ってしまうのだろうとトレヴァー。
編入出来るのか?手紙が来ていることを語る。勝手に中を
見たのかと。
— 現在 —
マイクはハーヴィーに対してキャメロンがエヴァの件で諦め
ていない理由が分かったという。裁判所に送ったFAXの中に
“ウォルドルフ・アストリア・ホテル”からのものが有った事。
マンハッタン中に部屋を取りまくっている。一昨日連邦検事
局にも協力を要請してたこと。身柄保護かとハーヴィー。
護衛に20人だとマイク。まだ終わっていなかった・・別の証人
を連れてきたんだとハーヴィー。
レイチェルに休みなよというマイク。しかし遅れたら困る
でしょと。搭乗手続きまでは2時間前。空港までは1時間は
かかるのだという。黙って空港まで見送りに来てというと、
大事な案件で時間がないのだという。やっぱり私がスタンフ
ォード行きが嫌なのねとレイチェル。前もって話して欲しか
っただけだよとマイク。認めたらどうか?気をつけて行って
らっしゃいと言って欲しいだけなのよとレイチェル。
— 10年前 —
マイクはリサ(Emma Pedersen)に君の生年月日を言い当てたら
キスしてくれると云われる。今は19歳と6ヶ月と10日
だとする中、トレヴァーが邪魔するように話に入ってくる。
向こうの部屋で酔ったバスズポーカーをしているんだとし
お前はポーカーが得意だろうと。オレは酒を飲んで女を口説
きに来たんだというマイク。薄暗い部屋でポーカーなんて
お断りだという。するとジョー(Jacob Blair)がマイクにぶつか
ってくる。ガリ勉はスッ込んでいろと挑発。入学時に突き飛
ばしたヤツだとし、”文句があるならやるか?”って言われて
やらなかったという。今日は許さないと語るマイク。
キャメロンはハーヴィーの元にいく。マッケンジー兄弟の件、
二人共25年だという。それはオレのアイデアのお陰だとして
「ナイト・アラルの虐殺」を引き合いに出すハーヴィー。
ハイタッチしようとするがキャメロンはそれを嫌う。
しかしお手柄だとし、しかし用件はそれではないという。
ハーヴィーは凄い・大したヤツだとしてそろそろ褒美をやら
ないといけないという。昇進か?というとジェシカの所に
戻る約束は知っている・・だが10年後に私になれるぞとし
考えておけと語る。
マイクはジョーたちの元にいく。
クリスマネーメーカーみたいなのは趣味じゃないとしここでは
スコットポーカーだという。
■感想
今回は10年前の出来事を主として現在進行形の流れと共に
描かれた。
前にドナとハーヴィーは一度だけ関係をもったことがある
ようなことをガールドトーク内で言及されていたけれど、
今回はその時のことを描いたようだ。
二人の間(特にドナ)にはルールが有り同じ職場にいるウチ
には恋人関係にはなれないことが語られた。
そして何よりもハーヴィーが検察官時代のこと。
キャメロンの下で働いていたことが描かれていて、とても
興味深い流れが有る。
ハーヴィーが今回過去の中でドナに会っていたけど、
このエピが初めての検事局での任務ではあるまいし
何でドナの存在を知らなかったのか?
そんなハーヴィーとの対面に於いて「私はドナ」。
これだけでまさに彼女に取っては名刺代わりな程のインパクト
が有り、身なりを見ただけで色んなことを当てられる。
10年前はハーヴィーのことを言い当てており、弁護士として
復帰した際にはルイス相手に色々と言い当てていた。
そんなドナに対して現在のハーヴィーは、。君なら言わなく
ても気がついていたハズ。それが気づかないのはやはり
公私混同で盲目になってしまったところがあるのではないか
と指摘される。何よりもハーヴィーとの関係を断ったのは
ドナが求めたルール故のことだし、そのドナがスティーヴン
という微妙な立場の人物との恋愛に興じるところは少々
ハーヴィーとしては面白くないのも当たり前のように感じる。
ルイスだけは今も昔も変わってないな。
こういう人が居ると人って落ち着く。
久しぶりにマイクとその悪友のトレヴァーなんかも出て来た
けれど、ドラッグのことだったり、何故マイクがトレヴァー
のことを最後の最後まで見限ることが出来なかったのかが
分かるような作りだった。
ただ正直色々と入り交じってしまっていて何が悪いのかその
根源が分からないような流れになってしまっているのも
事実で、色んな人生の枝葉が有ったのではないか。
これを思い出す為には前のエピソードを見返す必要が有り
録画していない私としては難しいところがあるけれど、
シーズン2はマイクとトレヴァーの腐れ縁を切っていく流れ
の方向が有ったのでそれ以前のエピソードが描かれたのは
興味深かった。
■弁護士としての案件
・10年前/マッケンジー兄弟の起訴案件
検事局時代のエピ。
ハーヴィーとキャメロンが担当していたけれど、メインは
キャメロンの案件。2人共に女性の殺害に関与している為に
25年の罪を求刑したいと思っている。
しかしこの事件に於いて証拠開示すべきものがマカリスター
の箱の中に有って、それを記載するのを忘れていたことが
有った。
もしもこれを正式に訂正すれば無実となってしまう。
ハーヴィーはドナに頼んで証人の検査報告書をタイプし
彼女がファイリングすればそれで開示したと誤魔化すことが
出来る。ハーヴィーはキャメロンに言われたように検事局の
戦略の一つ。ただし不正であり見つかれば刑務所行きは
免れないというもの。
ドナからは一度きりだというハーヴィーに一度で終わる
訳がないと思っていて、そもそもキャメロンは同様の手を
使って何度も同様のことを繰り返している過去がある。
結局ハーヴィーは正しいことをする為に訂正し、検事局から
事務所に戻ることにした。
・現在/エヴァの殺人教唆案件
キャメロンは依然としてこの案件を追求しようとしている。
マリガ大佐を法廷に出廷させて証言させようとしているという
情報だった。大佐はエヴァから金を受け取って実質的に反対派
を殺した人物。その金によって殺害を頼まれたとする曖昧な
ことでエヴァは司法取引の場に引き出そうとしていた。
しかしマリガ大佐が来ていたというのは全くのウソ・ハッタリ。
そしてスティーヴンが色々とキャメロンに情報を流している
事を知る。
■その他
・過去のマイクとトレヴァー
昔からトレヴァーがドラッグでどうしようもない人物だという
ことは分かって居たけれど、トレヴァーがムカツク人物だと
いうだけでなく、マイクもまた頭の良さを自慢して敵を
作っていたところがあるようだ。その人物はジョーという
人物で入学したときから突き飛ばされていたという。
人の自尊心を傷つけることで恨みを買うというのは明らかな
ものがあるな。
・10年後に私になれるぞ、考えて置け!
キャメロンが優秀なハーヴィーにこのまま弁護士事務所
(当時はゴードン・シュミット・ヴァン・ダイク法律事務所)
に戻らず検事局にいれば、自分の立場になれることを告げて
いた。今回の案件はその10年後ということで、二人の性格
とか二人が持つ「正義」「主義」がどれだけ変わっている
のかを見比べる役割が有ったのだろう。
人は変わる。しかし本質的な部分で変わることはない。
今でもキャメロンが変わっていないとすれば、当時ハーヴィー
に対して法曹界の正義の下で法を無視するという矛盾する
行動を取っていた。今でもそんな小狡いことをして犯罪者を
捕まえてきていたのか。それともその正義は法律ではさばけ
なくところを上手くカバーしたものとして写るのか。
冤罪事件を起こしていなければ決して悪いものではないん
だろうけど・・
・マイクの仕返しは失敗
相手の方が上手というか、力を持っているものがイカサマを
通して無理矢理勝利を確定してしまう。マイクの持つ強点を
熟知していてそれを利用した格好だった。相手の情報は
出来るだけ知れという教訓みたいな所だな。イカサマだと
訴えたところで、既に違法なことに手を染めているものは何
もすることが出来ない。寧ろこんな危ないヤツと勝負を挑む
というのがちょっとマヌケだったな。
・マイクの失敗2
トレヴァーに頼まれて麻薬の金を返す為に答案用紙の解答
を売って金を儲けようとする。トレヴァーは売ったけれど、
オマール(Adam Rose)との約束では一日遅かった。
しかしオマールの件ではなんとかやり過ごすことが出来た。
問題は答案用紙を売ったこと。
マイク祖母は「LAW & ORDER」を見ているから馬鹿じゃない
としてマイクがやったけど言えずにいることを理解して
いた。マイクの祖母からはエヴァンス家にマイクを引き取って
欲しいと食い下がったのがトレヴァーだったことを聞く。
翌日ロパタ学部長に話しに行く。
マイクは例えこの授業が落第であっても問題はないハズだった。
しかしその答案用紙を売った相手が学部長の娘。
学部長は辞職させられることになり、最後の仕事として
マイクはハーバードに編入させないようにすると言われた。
どれも計画通りには行かないってヤツですね。
・ジェシカに正直に話すハーヴィー
エヴァを無罪放免にすればマネージングパートナーに押して
やるとダービーに言われていたこと。
かつてゴードン・シュミット・ヴァン・ダイク法律事務所を
乗っ取る時にジェシカが話してくれたことを実践したとし、
油断させて不意打ちさせて寝首を掻くつもりだと。
ただしそれをハーヴィーはそれを辞めると言ったことを告げ
る。信用は完全に失ってしまったか。
・昔から変わっていない
ハイタッチを巡る攻防とか、歯の矯正、ネコのこと、
「ザ・ワイヤー」のファン。
今の世界でもネタとして利用されている。
他にもネタ敵には「パルプ・フィクション」のセリフを正確に
言ってオマールに気に入られる流れが有ったり、
「ウルフ」のセリフをマイクとトレヴァーが言い合って、
仲の良さを改めて描いた。
■使用された曲
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Greenback Boogie by Ima Robot
・Retrograde by James Blake
・The Fall by Rhye
・Intro by The XX
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
スティーヴン・ハントリー …… シニアパートナー
キャメロン・デニス …… 地方検事
トレヴァー・エヴァンス …… 10年前、マイクの幼なじみ
ゴードン …… ハーヴィーの父
オマール …… 麻薬のディーラー
イーディス・ロス …… マイクの祖母
Bigバーサ …… 10年前、検事局秘書
ディーン・ロパタ …… マイクの通う大学学部長
ジョー …… 10年前、マイクの同級生、挑発
リサ …… 10年前、バーでハーヴィーが出会う
…… 警察署員
…… マリガ大佐
…… メラニー
…… シャーロット
…… ナディア
…… エスター
…… リリー