第5話 刻まれた名前 Shadow of a Doubt
監督/Felix Enriquez Alcala 脚本/Genevieve Sparling
【これまでのあらすじ】
ジェシカはキャメロンが見つけて来た映像の中に
エヴァ(Michelle Fairley)が外国政府に対して渡している姿
は明らかに贈賄の瞬間に見えるという。エヴァはだってそう
だからと否定せず。
キャメロンはトニー・ジアノプロス(Rob Stewart)が映像を
手に入れたことを語る。会社を乗っ取る気だとし、あなたが
リークしたんでしょとエヴァ。しかしハーヴィーはエヴァ
こそヘシントン石油だとするが、ジェシカはもう違うという。
私の命令だというジェシカに従えないと語るハーヴィー。
ダービー(Conleth Hill)はジェシカに対してエヴァを代表
から降ろしたのかと問うと、会社を買収させない為だという。
ダービーはエヴァの解任も許さないという。エヴァは
ハーヴィーに対してさっき代表を解任されたと語る。ジェシカ
やるべきことをしたまでだとハーヴィーに語る。それを聞いて
ダービーの51%を認めたのもジェシカであり、NO.2が耐えら
れないからだとハーヴィーは憤る。
【ストーリー】
ドナはランチに出た後戻ってこず、ハーヴィーから電話を
受ける。野暮用があると言ったでしょとするがもう1時45分
だぞと。まだ昼休みだとして歯の治療には一時間かかるのよ
というドナ。彼はすぐに終わらせてくれる・・そんなドナ
のベッドの隣にはスティーヴン(Max Beesley)の姿が有った。
ハーヴィーはアトキンス判事(Yanna McIntosh)から略式判決
を求めにいく・・申し立てに必要な書類が2部、10分以内に
必要なんだと。ドナは今から言う通りにしてと語る。
「私のPCで印刷をする。プリンターから印刷したものを取っ
たら角にあるゴミ箱に捨てて。書類はあなたの机の上にちゃ
んと置いて有るから」と。
スティーヴンはこれは野暮用なのか?ハーヴィーは何と言って
いるのかと問うとランチの時に仕事の話はしない約束でしょ
と。ランチの時はランチとも約束したというスティーヴン。
僕は情報を知ることが仕事だから・・という彼。昼休みは15
分。早いから大丈夫と。
ハーヴィーとキャメロンとマイクはアトキンス判事の元へ。
ハーヴィーは検事の訴えを棄却して下さいと語る。ある
検事はVTR以外の証拠を見つけていないこと。キャメロンは
反論してエヴァが賄賂を渡した役人が殺人を犯したのを見た
証人は5人居るという。マイクは彼らは証言を拒否している
こと。それは証拠としては認められないのと同じことだという。
判事も確かに証拠にはならないが存在は無視出来ないという。
ハーヴィーはそれなら『即決裁判』をして欲しいという。
磯がなければエヴァの世間の評判は落ちる一方だと。トニー
が情報をリークしてエヴァから会社を奪ったのだという。
キャメロンは前回もこういう道筋だったとし「デタラメ・
ハイウェイ」だという。裁判が長引けはエヴァが無実を証明
するのが遅くなるという。キャメロンは即決裁判では準備が
足りないという。想定済みなのではないか?というマイク。
それに対して「ミニ・ミーが君の変わりに喋って居るぞ」と
キャメロン。判事は裁判は再来週の月曜日から始めると語る。
レイチェルはドナがやってくると恋愛話をする。
彼のことをまだハーヴィーに話していないのか。話そうとし
たら機嫌が悪かったのだという。スティーヴンのコピーを
手伝ったらもっと怒っていたと。本当のことを話したら何を
されるのか。レイチェルはハーヴィーとあなたって恋愛関係
にあるのでは?と問うが、何もないというドナ。レイチェル
それならハーヴィーはあなたをこのオフィスの中で独占したい
だけでスティーヴンとのことは外でのことで関係無いと。
何でハーヴィーに話せというのか?あなたは中と外を分けられる
と伝える為よと。今まで最高のヨガ教室を見つけたってだけ。
レイチェルは顔に出まくりだからすぐにバレるわと言うが
ドナは男は鈍いから気がつかないという。
そこにルイスがやってくると、ドナに対して「何かが違うな」
と語る。ドナはヨガをしているからよと。ルースは違う
とし、キラキラしている・・その秘訣は何か?試してみたい
と問われる。「それでキラキラ出来るなら朝昼晩やれ、1日5回
でも良い」と言われるとベストを尽くすと語る。
ハーヴィーはこれがベストだという。
マイクは最初から棄却されると思っていたのかと。キャメ
ロンには不利な裁判だとし証拠は無いし準備は2週間もない。
キャメロンが失脚して別の検事が担当になったら?とマイクは
尋ねると新しい検事は訴えは取り下げるという。キャメロン
の悪事を証明すれば失脚させられる。
トニーへのリークをしたこと、結託の証明をすれば裁判は
無くなるというハーヴィー。
サイモン(Neemish Parekh)はルイスに呼び出される。
ページナンバーが左に書かれていること。タイムズニユー
ローマンのニョロっとしたフォント、表現が(ものとする?)。
我々は指示命令してるのだから(ねばならない)とか力強い言葉
を使えという。相手をつけあがらすな。書き換えてこいとする
が無理だという。ネズビット(Adam Godley)がそうしろと
言ったのか?メモで指示されたという。私が命令したら私の
指示に従えというルイスだが・・
スティーヴンはハーヴィーに話が有ってオフィスに来るとドナ
が止める。まだ彼に話していないのか?ダービーの考えを
伝えに来たのだという。エヴァが解任されたからオレの昇進は
確かだと。ジェシカが介入したせいで裁判で勝てば取引は続行
するという。エヴァを有罪にしなければ昇進が出来る。
晴れてマネージングパートナーだと。トニーと結託を証明すれ
ば失脚出来るというマイクはその為にトニーを訴えるという。
僕のはもっと良い案だというスティーヴン。5千ドルをかける
よと。ハーヴィーは君の失敗に1万ドル賭けるとすると、
どんな案なのかと問う。まず君と一緒にトニーに会いに行く。
賭けしているのに一緒に行かせないわけにはいかないとし
マイクにこの件は降りろと語る。
レイチェルはマイクに降りたのか?彼(スティーヴン)は
“色んな所”に手を出しているわねという。マイクはそれって
どういう意味なのかと問う。答えるのを渋るが、レイチェルは
ドナとスティーヴンが出来ていることを語る。あなたからは
絶対に言わないでと語る。
マイクはステントンの案件をやるからと。ウチのクライアント
から3千万ドル横領した会計士か?穏便に金を取り返すという。
君と僕とでだというマイク。彼の同僚と面会するからレイチェ
ルは助手になってと語る。それってハーヴィーにとっての
マイクになれと私に言っているのか?と。
■感想
前回チグハグな関係になっていたものたちが、人の振り見て
我が振り直せとばかりに、他人に対して要求していることが
実際には自分に当てはまるということに気がついた人が多か
った感じ。
どんなにエリートな弁護士団であっても常に「不安」と
は背合わせのところで動いており、その辺は一般人と何ら
変わりがない。
自分のものが奪われるのではないかという不安。
愛するものが奪われるのではないかという不安。
自分が話すことで関係が崩れてしまわないかという不安。
その不安を見せればこの業界では簡単につけ込まれる。
だからこそ人間関係を通して見る絶対的な信頼が必要なんだな。
全てを奪われるくらいならば妥当なところで提携してでも
今の地位を守ろうとしているジェシカ。エヴァはジェシカと
同様に経営者として自分の会社が奪われるくらいならば
刑務所に行く方がマシだと覚悟していたものの、ジェシカに
説得されて結局収まるべきところに収まる。
不安はそれぞれに存在していて、今回の横領事件に関しては
相当不自然な案件だったけど、これがまたレイチェルとマイク
の関係に当てはまっていくのだから上手く出来ているね。
少しずつ方向性が定まり、今回はクライアントの利益を守る
という以上に、このシーズンに於ける問題点とされている
イギリス人対アメリカ人の構図になったけれど、ジェシカが
自分がしていたことは、ダービーが事務所に対してしてきた
ことと同じであると気がつき、ハーヴィーとジェシカ、
ジェシカとダービーの構図の中でそれぞれに原点に立ち返ら
せるという流れが有った。
しかしハーヴィーは高給取りだけ有って、同じ事務所の
イギリス人弁護士との腹の探り合いがあり、検事で自分の
師匠だったキャメロンとの腹の探り合いが有ったりして
本当に神経をすり減らすような仕事だなと思わせる。
・テーマ
「言いたいことが言えない辛さ」というシーンが目立った。
・その最たるはドナがスティーヴンと関係を持っていること。
(3日前からの関係・・ハーヴィーは仕事に支障がないなら
騒ぐことはないとしていたけど、ドナとしてはもって別の
反応をみたい感じがしていたみたいだったね。)
・レイチェルかスタンフォードのロースクールへの入学を
模索していること。更にレイチェルはマイクが学歴詐称して
いる件でも両親からの追求に嘘はつけないという感じで
いたようだ。
■弁護士としての案件
・ヘシントン石油の案件
今回はジアノプロスがヘシントン石油を買収する為の工作
がついに本格化してきた感じ。
それと同時にエヴァに対する殺人教唆をキャロメンから突き
つけられ、ハーヴィーとしては略式で済まそうと画策。
殺人教唆に関しては防犯カメラ映像だけで、実際に殺害した
映像自体がない。しかし賄賂を受け取った人物が反対派を
殺害したという証人は多数居るという。しかしその証人は
証言を拒否している状況なので証拠としては無いも同じで
いることを主張した。
マイク案とスティーヴン案を闘わせていく中で、スティーヴン
は自信ありげに作戦があるという。ハーヴィーは信じていなか
ったが、5千ドル賭けると言われて勝負師のハーヴィーとして
は受けて立たない訳もなく、更に倍!(by クイズダービー)って
感じでハーヴィーは1万ドルを負けるに賭けた。
トニーを訴えるというと、トニーはウチの弁護団も喜んで相手
するだろうと語っていた。ただし訴えるのはロンドンでのこと。
「立証責任」は原告ではなく被告側になる為に、無実の証明
をするのは検事側になる。
しかしトニーも負けん気が強くて、ピアソン・ダービー社が
クライアントにしている企業を買収してクライアント契約を
辞めさせるという強硬手段。そんな強固な手段に出たのも
スティーヴンが彼の娘を召還したから。
ハーヴィーにもボーダーラインがあり、攻撃するのはアイツの
仕事で有って家族ではない事を語る。
しかしスティーヴンによるとこれはクライアントの件でハー
ヴィーが怒っているのではなく、ドナを奪ったからだとして
いた。
「オレの案件で勝っては許さない」として排除した。
その後ジェシカに協力を求めに行くハーヴィー。
トニーはヘシントン石油を所有したいだけでエヴァは運用し
たいハズ。それを取引材料に使い、トニーが検事からVTRを
見せられたということを証明して、検事を引きずり下ろそう
とする。
・クランアントからの横領事件
これはマイクが担当することになったけど、助手として
レイチェルについて欲しいと頼む。訴えるのは弁護士事務所
がクライアントにしている会社からの金を横領したグラハ
ム・ステントン (Drew Nelson)という相手。
ベス(Lesley Faulkner)という同僚から話を聞くと、
「バーヴィーとマイク」ではなく、「悪い刑事・良い刑事」
作戦によって相手の心理を揺さぶった。
レイチェルは彼女の表情を見破って、いつから彼の数字の操作
に気がついたのかを尋ねる。
グラハムは良い人でそんなことをするハズはない。
「詐欺師マドフの友人もそう言っていたよ」とマイク談。
一つだけ聞かせてとしグラハムとは何時から寝ているのか?
とレイチェル。顔色からだけでなく、グラハムのことは名前
で読んだのに、同僚のオックナードやディピトロに関しては
“さん付け”で呼んでいた。アメリカで敬称をつける場合って
どうなるんだっけ?
二人のことは「Mr.」としているが、彼の名前には何もつけな
かったということなのか。
グラハムの執った策はベス結婚したことで夫婦間の秘匿特権
を利用して証言させない作戦。アメリカの法の悪いところが
また出てしまったけど、結婚前のことなので、証言させる
ことは可能じゃないのかな。ベスを訴えると脅し、その場所も
コネチカット州。
もしも詐欺罪が認められたら55年の懲役。ベス自身も数年間
は収監される。その間に彼が待つハズも無い。
「この先一生彼が逮捕されるんじゃないかとビクビクしなが
ら生きて行くのか?」と問いかけたことで、ベスもグラハムに
金を返させるように告げる。しかしこんな男と結婚したいと
思う??
■その他
・ルイスとネズビット
かつては気が有っていたけど、対立関係になり、そしてまた
二人の関係を結びつけるという流れが有る。
冒頭から牽制し合っていた二人。
・アソシエイトへの扱い。
・ルイスが通っている会員制のスパ
アソシエイトの扱いに関してはルイスがガラス細工の件で
熱弁していたけれど、ネズビットはそれを逆手に取って
「膨らませて(Blew Me) by ルイス作」というものをアソシ
エイトに見せたりする。まるでルイスに取り入った際に
マイクの動画を悪用したカトリーナのような幼稚なイタズラ
だ。
しかし気がつくと二人には共通点が多い事に気がつく。
ネコは仲を二人の距離を一気に縮めて取り持つ役割を果たし
た。
ルイスとしてはチームリットを作りたくて模索しているけれ
ど、なかなか出来ないね。しかしネズビットがネコ好きだった
こと。そしてその名前もルイスの好きなミカド(オペレッタの
曲でつけた)。
ネズビットのネコは神経質なのにルイスにはあっさりと懐いた。
出張中もルイスが面倒をみる。
その名の通り面倒なんだけど、ルイスはもの凄く嬉しそうな
笑顔をしているところが印象的。対象的にドナをオーラが
消えていた。
・レイチェルの両親に合うマイク
いよいよマイクがチャールズとカミラに紹介することに・・
って違う(笑)
ゼイン家の両親は父がロバート、母がローラ。
自分はレイチェルが黒人に見えないんですが、ロバートは
黒人で弁護士でしたね。
ゼイン家のみんなと食事した時にはポテトを巡って面白い
やりとりが有ったね。元々は「レイチェルはお母さんは似て
いる」みたいに事を口にした為に発展したことだけど・・
そこでレイチェルがスタンフォードのロースクールに行こう
としている事を知ってしまう。
■使用された曲
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Greenback Boogie by Ima Robot
・Coffee by Misun
・Feels so Good by The Record Company
・Piano Mantra by Mikal Cronin
・A Gentle Awakening by JD McPherson
・Ain’t Love Warm by The Record Company
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
カトリーナ・ベネット …… 事務所のアソシエイト
エドワード・ダービー …… ピアソン・ダービー社
スティーヴン・ハントリー …… シニアパートナー
エヴァ・ヘシントン …… ヘシントン石油
ナイジェル・ネスビット …… イギリス弁護士
ローラ・ゼイン …… レイチェルの母
ロバート・ゼイン …… レイチェルの父
トニー・ジアノプロス …… 投資会社
パール・アトキンス …… 判事、略式判決を求める
グラハム・ステントン …… 3千万ドル横領
ベス・クラーク …… グラハムの同僚/婚約者
サイモン・バンダル …… アソシエイト