第4話 危険な関係 Conflict of Interest
監督/Michael Smith 脚本/Daniel Arkin
【これまでのあらすじ】
エヴァは殺人共謀罪で逮捕するというキャメロン。マイクは
パートナーに取り入りたいなら他を当たってくれとカトリーナ
に告げる。ロンドンのシニアパートナーのスティーヴン・
ハントリーがやってくる。ジェシカは何を企んでいるのか
調べてとハーヴィーに告げる。スティーヴンはダービーに
言われて来たというと、この案件に子守は要らないと語る。
キャメロンはトニー・ジアノプロスが映像を手に入れたと
するとハーヴィーは会社を乗っ取る気だろうと語る。エヴァ
はあなたが取引しろと言ったからしたのにこのザマなのか
とハーヴィーに告げる。殺人のことは知らなかったというと
私もだというエヴァ。カトリーナはこれでマイクは笑いもの
だとしてもう引き返せないとルイスに語る。ハーヴィーは
カトリーナに対してこの事務所での昇進はないと思えと語る。
ルイスにトニーの資料を持っていくとカトリーナとチームの
結成をする。人殺しを弁護することになったのだから祝って
いる場合じゃないとルイス。しかしハーヴィーはそれを否定
するとこの酒はジェシカから事務所を奪う為のダービーと
取引したのだという。
【ストーリー】
ハーヴィーとルイスは互いに朝はジョギングしていた。音楽
プレイヤーに耳にしてスポーツウェアを着て走る。
ルイスは完全に女性にもてようとする意図が見えていたが
ハーヴィーは淡々と走る。その光景を女性ランナー
(Michelle Beilhartz)(Lisa Chandler)は思わず振り返る。
新聞には「石油会社買収か?」と書かれているのを観たハー
ヴィーはルイスと逢うと2日後に投票だとルイスは語る。
エヴァを勝たせろよとして会議室に5分後だと語る。
会議室に行くとカトリーナが何故居るのかと問う。ルイスは
私と組んだからだと。あの動画で取り入ったのかとし、
彼女から仲良くしたいと言われたのかと。問題はあるか?
というとマイクは無いと語る。言い争いになるところを
ハーヴィーはみんな大人なのだからカッカするなという。
エヴァから声明を出した後どう動くか話合おうというルイス。
しかしハーヴィーは声明なんて駄目だとし、キャメロンに
突かれるという。カトリーナはキャメロンとどうでも良い
としCEOに相応しいかどうかアピールすべきだという。
エヴァは殺人事件の訴訟中だというと彼女をパンを盗んだ
ジャンバルジャン、有罪だと思っているという。
誰が会社を支配するかが決まること。投票は2日後に迫っている
というルイス。声明なんて必死に見えるというマイク。何も
言わないのは罪を認めるのも同じだというカトリーナ。
疚しいことはないと彼女に言わせてウォール街を安心させたい
というルイス。殺人事件の訴訟で不利にならないようにしつつ
エヴァの会社を守らないといけないというハーヴィー。
彼女は事業を反対する人を平気で殺せるからマスコミにも
平気で嘘がつける・・もちろんやったと思っているんでしょ
とカトリーナ。彼女はもう取材に向かっているというルイス
は新聞に出ればトニー・ジアノプロスの買収計画はお流れに
なるという。
マイクは新聞記者のコネリー(James Madge)に電話すると、
取材場所の変更をしたいという。僕は彼女の人生の支えをして
いるというマイク。ウチの発言の機会をやるんだというコネ
リーに対して、こっちは独占取材をさせるのだというマイク。
好意で受けるのだと。
ハーヴィーはエヴァに対してコネリーは来ないですよと語る。
取材なんて・・わざと黙って居たでしょと塔。言いたい事を
言わせてもらえないのは嫌だというエヴァ。一生刑務所
で過ごすよりは良いのではないかというハーヴィー。現在
訴訟中。そんな状態から会社が株式公開買い付けを仕掛けら
れたのだと。それなのに自分を弁護する声明を何も出さずに
いるなんて変だというエヴァ。僕が信じるかは関係ない。
あなたが無実だと訴えても世間は信じない。容疑者はみんな
言う”無実だ”と。私が黙る間株価は下落する。そして私の立場
は弱くなるというエヴァ。殺人に関与していないと主張する
のは会社を支配し続けたいからですね?と、キャメロンは
そういう方向に持っていく。人生がかかっている。
「金儲けの為には殺人も厭わず会社にしがみつく女」と思われる
という。エヴァはそれなら両方解決出来る方法を考えてとし、
トニーには絶対に渡さないというエヴァ。
レイチェルはドナと化粧室でガールズトーク。
ドナの真っ青は服を観てそれ買ったのかと問う。似合うでしょ?
という彼女に何かあるのかと問う。オシャレに理由が有るのか
というドナ。
そこにスティーヴンがやってくる。ウチの事務所の決まり
で女性同士の恋愛も応援するよと。私たちの決まりでは男に
甘くしないというドナ。僕は朝に甘いものが欲しくなる
という彼に、52丁目のベイカリーをお勧めするというレイチ
ェル。私は結構よと。ドナは通訳すると”お呼びじゃない”と
語る。レイチェルはあの人は要注意人物ねと。彼の狙いは私
なのよと。「美人を得るには2番手を攻めよ」って聞いた事
無い?とドナ。レイチェルは私が2番手ということなのかと
憤怒しそうになるが、スティーヴンにとっては・・ってことよ
とドナ。レイチェルはだからその服なのねとすると、ドナは
デートに誘われた・・先週だと。私は仕事と恋愛は分けたいと
答えたという。彼は6週間しかいないとし、別会社で国だって
違うのよと。付き合うのか?いいえとドナ。
ジェシカはエヴァの件でハーヴィーの元へ。
二人はルイスのオフィスに居た。取材は辞めさせたという
ハーヴィー。「普通は机に自分の写真を飾らないことも分か
っいない」「死んだネコを今も置いている」・・
ジェシカとハーヴィーは二人ハモるようにして”馬っ鹿じゃない”
と語る。するとそこにルイスが現れよくも邪魔したなと語る。
君こそギリギリまで取材の件を隠していただろうとハーヴィー。
何か有ったらこの案件を取り返すだろうというルイス。
買収の防衛より殺人の訴訟の方が重要だというハーヴィー。
投票で勝てないですよとルイスは語り、腕を切らないと会社毎
奪われるという。しかしハーヴィーは私のクライアントだと。
ルイス私のクライアントはヘシントン石油だという。毎年
1400万ドルも事務所がもらっているのだという。エヴァこそ
ヘシントン石油だというが、ジェシカはルイスの言う通りだ
と語る。エヴァが退けば投票で勝てるしウチとの関係も続く
という。誰がエヴァを説得するのか?とハーヴィー。取締役会
で解任されるだろうというルイス。他に手はない・・これは
私の命令よとジェシカ。ハーヴィーは従えないとし、この
案件を僕に担当させたのはジェシカではなく、あなたが合併
相手に選んだこの事務所への投資比率が51%の男。彼が
トップである限りはあなたは従うしかないというハーヴィー。
■感想
2017年11月27日付けの新聞で
「ヘンリー王子とメーガン・マークルの婚約」が発表された。
前からもちろん付き合っていることは公表されていたし、
とっくに婚約しているのかと思っていたけど。
このドラマでも後述するが、今のシーズンはイギリスvs
アメリカの内容が混在していることも有って、なんとも
不思議な感じ。イギリス王室ではそんなところで競わなければ
良いけどね。
「ダウントンアビー」に於けるグランサム伯爵とその夫人も
まさにこの構図だった。
凄い脚本だなと思わず関心せずには居られない感じのエピソ
ード。少なくとも今の日本ではこのレベルの脚本は作れない
気がするけどそれぞれ状況への組み立て方があまりに計算高く、
それでいてナチュラルな流れを作っていくのだから凄い。
複雑な状況に於いて、かねてから色んな所で語られている
ように「物事はシンプルに考える」のがベストな訳で
今回のエピソードも結果として見ると一番最初に提案した
ルイス案が一番正解に近いものが有った。その流れを複雑な
感じで当人たちが考えすぎてしまい収拾が付かず、
事態を難しくさせてしまったというところだろう。
それは恋愛関係に於いても言えること。
ドナが彼との間で駆け引きしているところが有るけれど、
やはりこういう職場で働いている以上は、すんなりとは
関係が結ばれることは難しい。特に彼女の場合、
ハーヴィーに対して義理立てしているところが有るし、
二人の関係はなかなか難しい。
これだけのハードワークをこなしつつ恋愛的駆け引きする程の
パワーがあるのは凄いのだけど、ドナ様はハーヴィー以外の
人の使い方を熟知しているよね。
そんなドナ様の一回り先を行くところで彼女を転がしている
スティーヴンの手腕が光る所が有るが個人的にはスティー
ヴン役のMax Beesleyは格好良いのか?という疑問も有って
なかなかこの恋愛に肩入れするのが難しい。
ダニエル・デイ=ルイスなどが引き合いに出されるも、
このシーズンではアメリカ対イギリス的要素も潜在的には
含まれている様だ。
レイチェルとドナの語り合いも毎回楽しいものがあるし、
このドラマのこのシーズンに於いては特に関係することだけど
こんな業界に於いては”信頼関係”を築くのが容易ではなく、
みんなして心に壁を持っている。その壁を如何にして破れる
のか。みんな意固地になって忠実・忠誠を誓うところも
そんなところに起因していて、一度信頼すれば最後まで付いて
いく。一度壊れた関係を元通りにすることは容易ではない。
・今回の案件/テーマ
今回のドラマを観ると「個人を取るか組織を取るか」
で分かれるところだった。仕事に個人的感情を入れたら駄目
だと言われるも、このドラマは個人的感情を取り除いたら
面白くない(笑)
エヴァにしても最初から殺人は犯していないことをハッキリ
と雇い主であるハーヴィーたちに語るべきだった。
至る所で本音を語るべきだったと後悔しても後の祭りみたいな
状況に陥っており、如何にも頭の良さそうなものたちが
1+1=2という単純な答えに対して、複雑な公式を当てはめすぎ
て、自ら墓穴を掘ってしまったとしか言いようがない。
ジェシカ自身がその罠にハマッていて、ハーヴィーは最後の
段階に彼女に忠告していたけど
「あなたがダービーの名前を出すまでは不満はなかった」(Je)
「腹が立っていたというのは当たっていたのか」(Ha)
「でも相手が違う。僕にじゃない。理由された、あなた自身に
だ。早まったことをするからだ。ダービーの51%を認めたのは
あなただ・・と。」(Ha)
一見すると向かう方向は同じだとしてもなかなか足並みが揃わ
ないところが有ってもどかしいところ。
誰もが一番になりたいと思うのは自然的な業界だ。
「二番じゃダメなんですか?」とは蓮舫議員の言葉だけど
この業界だと鼻で笑われそうだ。
この”二番手”というキーワードは幾つかの場面で語られている。
スティーヴンにとってレイチェルはドナに続いて二番手。
仕事に人生を捧げるエヴァはこの会社のトップの座を固執して
いる。そしてジェシカもまたNO2になるのが許せずにいる。
それはハーヴィーやルイスにも言える事なんだろうけどね。
■弁護士としての案件
・ヘシントン石油の案件
ヘシントン石油はCEOのエヴァが外国政府への賄賂事件に
絡んで、その賄賂は実質的にパイプライン建設反対派に
対する殺人に使われたもので、それをエヴァ自身が周知して
の取引だとされている。
トニー・ジアノプロス率いるジアノプロスホールディングス
は、株価が下がっている今、ヘシントン石油を敵対的買収で
攻勢を強める。
証言録取の練習をかねて、その時の録音データが今回の案件
に於いてもかなり重要なターニングポイントだった。
録音データによって不利な状況に陥る状況がこれまで続いて
いたよね。
結局エヴァが賄賂を渡した中には殺人を意味するものでは
なく、パイプライン建設で移動を余儀なくされたものに対して
住居や仕事の為の支援金としてどこの企業よりも多い1億ドル
を払っていたこと。現地の人たちの意見をより聞いていたから
その為に現地では通例とされている「殺人」を防ぐ為にも
大金を払っていた事を知る。
「私は金よりも人の命だ」
ジェシカやルイスにも聞かせてあげたい言葉だね。
いや録音データは聞いているハズだ。
しかしジェシカの意見に揺らぎはなく、ルイスと共に
「事務所を守る為にエヴァを切り捨てる」という行動に出た。
■マイクとカトリーヌ
今回は二人が組むことになり最初は嫌な感じだったけど、
二人は映画の趣味が逢いそうだね。
ジアノプロスの件で弱点を探していた際に、ヤバいことを
見つけた際、二人で
「ヤバイ」語っていた。
「ザ・ワイヤー」の真似か?として二人で盛り上がる。
更に今回の案はマイクが出したものなのでカトリーヌは
ルイスにあなたを連れて行くことを頼んだという。
「シルヴィオならこういう。「脚を洗ったと思ったのに
また逆戻りだ」by「ザ・ソプラノズ」」
そして二人して「ヤッバ~」と息の合う言葉を吐露していた。
■ルイスとカトリーヌ
カトリーヌに対してルイスは
「マイクが嫌いなのに一緒にやれるか?」
「フェスティバルで人を殺せと言ったらどう返事するか?」
「銃とナイフどちらでという」
その言葉で完全にルイスは彼女をアシスタントを雇うこと
にしたようだ。
またハーヴィーに反論して
「殺人訴訟そっちのけで買収対策をすると言える訳ないだろう」
と語ったルイスはカトリーヌに今の行動を対して評価をもらう
と
「リットされてた」としていた。
■その他
・投資銀行家にとって弁護士なんてただの書類作成係
トニーの秘書の元に言った際にルイスが言われた言葉。
「ハーバート卒のやることなんてウォートン出身の我々は全部
お見通しだ」「因みにトニーはモナコにいる」
こんなこと言われたのだからみんなで協力して欲しいよね。
・ドナとスティーヴン
備品室でコピーを取るスティーヴンが操作の仕方が分からない
中、ドナが手伝った。お尻でドーンとするとそれだけで
コピーが稼働。
アメリカに居る間に手伝ってくれる人が欲しいと言われ、
ディナー、そしてドナの好きな芝居「マクベス」のチケットを
再びプレゼント。芝居後にはダニエル・デイ=ルイスとディナー
だと言われて、お芝居せずにセックスしたみたいだ。
次のカットではあのドレス姿が、別の色の服に替わっていた。
・レイチェル
レイチェルは備品室でのドナとスティーヴンの会話を影で
聞いていた。その中でドナが彼とHしたことを聞いて、
ガールズトークが一気に猥談へ(笑)
しかしバーヴィーの許可が必要となるのか。
タイミングが悪すぎて言えなかったけどね。
・ジェシカのやり方に疑問?
ハーヴィーとしては勝つこともそうだけどやはり勝利の方程式
には彼なりの美学があるのだろう。クライアントの要求を
答えつつ希望に添った勝利を得なければならない。
それを無視した行動。
エドワードもまたジェシカとやりあっていた。
互いに不利な状況の時には直接会いに来る。
有利な立場にいる方は「電話で済む話でしょ」で一蹴出来る。
ますますエドワードとハーヴィーの結びつきが強くなりそう。
そしてルイスもまたジェシカのしたことを理解しつつも
ハーヴィーの反発心を煽ったとして心配していた。
■使用された曲
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Greenback Boogie by Ima Robot
・Would That Not Be Nice by Divine Fits
・Medicine Man (feat. Ella Thompson) by The Bamboos
・Hard To Find by The National
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
カトリーナ・ベネット (Amanda Schull) 事務所のアソシエイト
エドワード・ダービー (Conleth Hill) ピアソン・ダービー社
スティーヴン・ハントリー (Max Beesley) シニアパートナー
…… ジョギングの女性
…… ジョギングの女性
エヴァ・ヘシントン …… ヘシントン石油
ジョナサン・シドウェル …… トニーの秘書
Mr.コネリー …… 新聞記者
トニー・ジアノプロス …… ヘシントン石油の大株主
ノーマ …… ルイスの??