第18話 民主主義の危機 Democracy
脚本/Cheryl Heuton、Nicolas Falacci
監督/Steve Boyum
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58の郡、53の選曲、235万90の投票区、立候補者1人
チャーリーは生徒に流体力学の授業のことを話す中、チャーリー
とは学友だったレイチェル・ロートンが突然彼の前に現れる。
今はスタンフォードのジオスペースプロジェクトに参加してい
るのではないかと問うと、最近一緒に仕事をしていた人のリスト
を手渡され、その中で3人が死んだと語る。多分知ってはいけない
ことを知ったので殺されたのだろうとし、私は命を狙われている
のだという。警察に話したらどうかとするが信用出来ないこと
を告げ、あなたや貴方に兄は信じられることを告げる。明日の朝
ドンの元に行って事情を話そうというチャーリー。明日の朝まで
に証拠を持ってくるというレイチェル。それまでにリストを見て
置いてと語る。
帰宅したチャーリーはアランにそのことを話す。陰謀論か?
というアランにレイチェルは大学院の頃から突拍子もないこと
を言うことで優秀な科学者は人類を救うために送り込まれた
エイリアンだと言っていた人物だという。普段は楽しい人で
統計学者だという。それも人口統計を得意としている人だった。
アランは陰謀説も捨てたものではないとし、そのお陰で暴かれる
ことも有るとしながらも、大抵変人扱いされるから信用され
ないという。
翌日レイチェルは遺体として発見される。
検視官によると大量のアセトアミノフェンとヒトロコドンをアル
コールと共に流し込んでいること。処方箋のクスリを飲んで死に
至ったというのが検視官の見立てだという。チャーリーは取り乱し
はしていたけど自殺する気配はなかったという。しかしドンは
資料によるとレイチェルは二年前からカウンセリングを受けている
ことを告げ鬱だった事を語る。勤務査定を見ても普段から情緒不安
定気味でパニックを起こす事があったとされているという。
それじゃあ自殺で決まりなのか?というチャーリー。
チャーリーの研究室にはオズワルド・キットナーが彼に呼ばれて
やってくる。チャーリーは何度も彼に才能有る若者に対して大学
では特別なプログラムがあることを説得していたのである。
オズワルドは高校中退し、ファンタジーベースボールにハマっ
ている俺が出来る訳がないとし、理科大に通うなんて無理だと
いう。しかしチャーリーは才能を育てればどんな分野の仕事も
出来るのだという。
そんな中オズワルドはチャーリーがボードで確率の計算をして
いることに気が付く。1000万分の1という数字はナンなのかと
問うと、ある女性と同僚3人が2週間で死ぬ確率だという。その
女性は僕の友達だったというチャーリー。レイチェルから
受け取ったリストの中にいるロバート・レイノルズはまだ
死んでいないと知り電話してみる。バークレー校の政治学科に
務めるレイノルズだが、オズワルドはネットで検索し、彼は
最近交通事故で亡くなっている事を知る。電話したチャーリー
も大学の事務局からその事実を聞く。一気に確率は7億分の1に
なったと告げる。レイチェルの話は陰謀説でもなく本当の事だと
知る。
ドンはチームのみんなにそのことで相談する。
テレサ・キング・情報科学者、レベッカ・オルテガとサム・チェン
バースは統計学者、ロバート・レイノルズは政治学者。
何れも心臓発作・呼吸不全、交通事故、薬の過剰摂取で死んでいる
という。
メーガンはもう一度検死官のライデンアワーにたのんで解剖して
もらうという。
そんな中ドンは、メーガンに対して司法省に出向する話が出て
いるのか?と問う。メーガンはその話は断ったと語るが・・・
チャーリーはミリーに頼んでレイチェルの現在の研究が何をして
いるのか把握する為に学会誌を見せてもらう。しかし最近どんな
研究をしているのか解らなかった。ミリーはレイチェルのことを
知っており、私のセミナーを聞きにサンディアゴにまで来たと
語る。統計学者はウチの大学のものも脅されたことがあるとし、
その時は水の権利を争った裁判で証言したからだという。
そんな中チャーリーの元にオズワルドがやってくる。ミリーに
彼を紹介する中で、オズワルドもまた統計を使ったことで命を
狙われていた事を知る。ミリーは自信喪失している学生には
高度に課題を与えることで、それで夢中にさせればビビることも
忘れるとアドバイスする。
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チャーリーの友人のレイチェルが助けを求めてやってくる。
自分の知り合いの科学者が殺されているというものだった。
チャーリーはドンに明日相談しようという中、レイチェルまで
もが殺害されて発見される。当初は処方された薬を過剰に摂取
したことによる自殺ではないかとし、元々レイチェルは陰謀論者
で変わり者だったとされるが、レイチェルに渡された政治学者
までもが交通事故で亡くなったことを知り本格的に捜査を始める。
レイチェルの司法解剖の結果、死因は薬物による過剰摂取ではなく
鎮痛剤で眠らされた後に枕で窒息死させられたことが原因だろう
ことを聞かされる。殺されたものたちの共通点を探していくと
5人中3人はJ・エベレット・タトルというヘッジファンドの経営者
傘下の会社に雇われていた経歴があるとのことだった。
地方検事補のミークスに話をすると、タトルは過去にもきな臭いこと
をしているが何れも起訴に至らず、起訴には動機が必要で生きた
証言者も必要だと言われる。
今回の容疑者がしていることはそのまんま「スキャンダル」の
ホリス・ドイルがしていることをなぞっている感じのエピソード。
しかも地方検事補・ミークスを「スキャンダル」同様に
Joshua Malinaが演じていることも有るので、追求していく過程
とか興味深いものが有った。
S3-8に登場した野球賭博での統計学を担当していたオズワルド
もまた再度登場し、チャーリーが大学の特別プログラムに参加
させようとして今回の事件解決の流れに組み込もうとする。
正直あんまり活躍らしい活躍もなかったのだけど、最後の段階
で関係者捜しの際にチャーリーのように解説っぽい
説明をしているシーンを通して、チャーリー2号化させることで
科学者になることの楽しさなり学問の楽しさというものを知らしめ
た格好だった。
一番ドラマとして気になるのはなんと言ってもメーガンが司法省
から異動の打診が来ていること。メーガン本人はいかないことを
口にしていたけど、ラストで局長から命令みたいな形で言い渡さ
れていたことを考えるとちょっぴり不安になる。ただこのシーズン
では彼女がグレジットから外れないことも知っているので、取りあえ
ずは安心しているけどね。
ドラマでは次々と証人・関係者たちが殺されていくけれど、
途中からは犯行自体を隠すことなくあからさまに殺害に及んで
いたということで、かなり大雑把な流れになってしまった。
コルビーとデビッドが証人と接した後、車が爆破するシーン
など違和感は有ったけど、一応関係者を殺害するという犯人の
中にも連邦捜査局を相手にはしたくない意図は存在するのか。
レイチェルが残したデータが何を示すものなのか。
意味不明な数字の集合を分析するメタデータと言って数字を
デートとして捉えてそれがナンなのかということを調べるアプリ
があることを語っていたけど、どう見ても選挙データじゃない
のかと思わせるものも有るし、チャーリーならばパッと見て
解らなかったのかな。
ミリーはデータをパッと見たたけで、7と3が多いのでランダム
ではない事を告げ、「適当な数字をでっち上げる時には3と7が
多くなり1と2が少なくなるという」心理的傾向を語っていた。
一方メーガンは最初の段階でタトルが自分が雇ったものたちの
死を気にもかけていないとした際に、自分の事だけを考えている
と知り、「典型的A型行動様式」であり人格障害だとしていた
けど、性格を血液型で割り振るという科学的根拠がないと常々
言われているのに心理学ではそういう分類を信じているのかな。
チャーリーがどんな犯罪も数学で証明出来るといっていたことも
印象的で、JFKの事件を例にあげて数学的に証明出来ることを
語っていた。FBIや捜査機関の多さから考えれば、JFKの事件が
内部の陰謀説とするには無理が有り、デカイ環境だと秘密を守る
のが難しいことを語る。
しかし結果的に「カリフォルニアがアメリカを変える」と言われ
ていることを考慮すると国を牛耳るつもりだろうとして、疑って
かかっていた。
最終的にはマスコミに事件の真相をリークしたことで、捜査当局
では解明出来ない流れを世論の後押しで壊滅させようとする。
民主主義的流れを事件真相解明の流れに注入することで、票を操作
しようとしていたものは、結局民衆の力には勝てないことを示唆
していたけど、思った以上に歯切れの悪い形のラストになった感じ。
チャーリーはどんな人物も科学者の研究を妨害することは出来ない
としていたけど、妨害できないのは科学者の研究なのか、それとも
民意なのかマスコミのペンの力なのかは、曖昧な感じに見えるね。
■使用された曲
・Not a Through Street by Anya Marina
■その他
・
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
メーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
Dr.ミルドレッド・フィンチ (Kathy Najimy) “ミリー”学部長
オズワルド・キットナー (Jay Baruchel) 統計学が得意
ハワード・ミークス (Joshua Malina) 地方検事補
J.エバレット・タトル (William Sadler) ヘッジファンドの経営者
オースティン・パーカー (Alexander Chaplin) ブラッシャーのリサーチ主任
ジェイソン・ブラッシャー (Scott Waara) 郡行政執行官
M.E.ライデンアワー (Leslie Silva) 検視官
ジェーン・アリアーノ (Jama Williamson) タトルの会社のセキュリティ担当官
ステイシー・アリアーノ (Alison Walla) ジェーンの妹
レイチェル・ロートン (Kelli O’Hara) 統計学者
クリフ・ドーキンス (Tim Monsion) ソフト開発
— (Dihlon McManne) 弁護士
— (Ronobir Lahiri) Coroner
— (Terry Woodberry) 救命士
— (Barbara Evans) Agent
— (Caleb Campbell) Congressman Body Guard