Aug. 16, 2002
第7話(8) 妻の面影 Mr.MONK and the Other Woman
脚本/David M. Stern 監督/Adam Arkin
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弁護士事務所の弁護士プラットは遅くまでオフィスで働く中、
秘書のレジーナは先に仕事を終えて帰ろうとする。
ロビーにいるレジーナ。覆面の男はプラットのオフィスに入る
と彼のことを真正面からナイフで刺す。プラットは刺されて
尚抵抗するが、電話のコードで首を巻き付けられて殺害される。
レジーナは忘れ物をしたことに気が付きオフィスに戻ると
オフィスが荒らされていることに気が付く。するとレジーナも
また犯人に襲われてしまう。犯人は書類の保管室のドアを
壊すと中から書類を抜き出しゴミ箱で燃やして逃げる。
モンクは精神科医のクロガーとの面談を受けて居た。
奥さんが亡くなってから4年が経過するが、そろそろ嘆き悲しむ
のには十分な期間が経過したのではないかとし、トルーディ
以外の人とデートしようと考えたことはないのかと問う。誰が
殺したのか突き止めるまでは何も考えられないというモンク。
トルーディはかけがえのない妻で、変わりなどいないという。
精神科医はモンクが履き物の中に紛れ込んでいる石を気にして
いることに気が付くが、あまりに小さい石を気にしていることを
見てまだまだ完治への道は遠いと感じる。
モンクとシャローナは現場へと向かう。
被害者は市長の友達の弁護士プラット。しかし犯行は月曜の夜
に起きたもので、既に2日が経過しすぐに呼んでくれないと
無理だと語る。警察が現場を散々荒らし回っているとすると
シャローナは市長の頼みなのだとして、モンクならば解決出来る
と励ます。
モンクは見立てを行う。
被害者はここで殺害されたであろうこと。殺害方法はナイフで
刺されて電話のコードで首を絞められたのだろうというモンク
に対してランドールは何故分かるのかと問う。この部屋の広さ
で銃を使えば火薬の臭いは4日残るし、電話のコードが伸びきっ
ているからだと語る。ランドールは秘書も刺されて病院に運ば
れる途中に亡くなった事を語る。ランドールによると誰が殺害
したのか見当はついているとし、ローレンス・グレイソンだと
いう。昨年の春に被害者に弁護を依頼し訴訟に負けているのだ
という。しかし一年半も前のことだとして、それならば余程
怨みに感じて居たのだろうと語る。ランドールはゴミ箱で彼の
ファイルが燃やされていたことで発覚したのだという。
しかしモンクは何故外で燃やさずわざわざ現場で燃やしたのか
気になっていた。グレイソンとは話せるのか?と問うと、ランド
ールはこれから彼の邸宅をリーランド警部らと共に家宅捜索する
のだと語る。
ローレンス・グレイソン邸の周りは警察車両で溢れていた。
警部は現場で新人警察官・ステューベンに対して、プラット
の名の書かれたファイルなど全てこの邸宅内から押収しろと
指示する。
グレイソンは銃を集めるのが趣味で多数室内にあることを目撃。
ハンクはグレイソンに対して外にあるトラックは貴方のモノ
なのかと問うと、警備会社を経営しているのかと問う。
私が何故プラットを殺すのかとして、訴訟で負けたと言っても
隣人トラブルで400ドルの訴訟費用を失っただけだと語る。
しかし弁護士事務所に4千もあるファイルからグレイソンのファイル
だけが燃やされていたことを指摘する。
ハンクは警部に対して、警備会社の人間ならば鍵を開けるのが
得意なハズなのにわざわざドアを壊して入るだろうかと問う。
しかし警部は作為的に自分だと見せかけない為の工作だと
語る。
そんな中、グレイソンは飼い犬を散歩に連れ出したことを告げ
警部に許可をもらう。
外に出るとグレイソンは訴訟にもなった隣人のモニカ・ウォータ
ースがガーデニングをしている姿を見て、ガレージの件で彼女に
文句を言う。いつも逢う度にそのことで文句をいうとしてモニカ
は貴方の飼っている犬の方こそこの町にとっては脅威になっている
と指摘。グレイソンは反論するようにこの犬はドッグショーに
も出る犬だとするが、モンクはモニカが金髪美女でトルーディの
面影を感じさせる人物だと知ると、途端に愛の手を入れる。
ドッグショーには純血種しか参加出来ないがこの犬は雑種犬だ
という。それを聞くとグレイソンは後で血統書をみせてやるとして
散歩に出ていく。
モニカはモンクが助けてくれたことに感謝すると、モンクは
ガレージを見せてもらっても良いかと尋ねる。シャローナは
モニカがトルーディに似ていてモンクが気になっていることを
敏感に察知する。
モンクはガレージ内には工具用品が用途別に入って居ることに
感動する。これを建てたのは2年前でご主人(デリック)が出て
行った頃に建てたものであることを聞く。
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モンクたちは市長の知り合いだという弁護士とその秘書が
殺害された事件を捜索することになる。既に事件からは
2日経過していることも有り、ハンクとしては現場の証拠が
汚染されているので何処まで正確な確証が得られるのか
分からなかった。そんな中捜査していく内に、4年前に亡くな
った妻・トルーディの面影を持つモニカという人物と知り合う。
彼女は容疑者だとされるグレイソン家の隣人で、グレイソン
とはトラブル状態にあるとのことだが・・
モンクがいよいよトルーディとの関係を断ち切り、前に進む
ことが出来るのか。そしてモンクが気になる女性・モニカ
に殺人の嫌疑がかかった際に、モンクが彼女へ感情を持つことで
捜査に支障を来すものがあるのではないかとする不確定要素満載
のエピソードだった。
トルーディ役のStellina Rusichもキレイな方だけど、
モニカ役のMaria del Marも綺麗な金髪女性だった。
名前から見てもスペイン系、ラテン系の名前だけど、生まれは
マドリッドで育ちはカナダのオンタリオ州のようで、
Filmographyなどを見るとカナダ制作のドラマに出ていること
も多い。「24」シーズン3のレイチェル役として抜擢、
カナダ制作の「マードック・ミステリー」などにも出演している。
数日前の遺体現場で血痕が凝固していない状況だったりする辺り
は滑稽なものが有るし、犯人もまた偶然とはいえ上手く自分の
犯罪性をカモフラージュした感じがするけど、流石のモンク
も今回は目の前の女性への魅力に惹かれて、真相にまでは最後の
最後までたどり着いていなかった様子。せめて彼女が殺人犯では
ないということくらいは見破っていても良いと思うんだけどね。
モンクが彼女に好意を寄せていること。彼女が一人の家にいるのが
不安だとした際に彼女の家に泊まるとした際のシャローナの
リアクション(深夜に電話してきても迎えには行かないわよ!!と語る)
を見ても嫉妬する姿が有ったのだろうか。
最後の僅かな時間で捜査が振り出しに戻った時には、どのように
まとめていくのか興味が有ったけど、ファイルを燃やした意図の
中には、ファイルを排除するのが目的ではなく、寧ろ偽装する
一枚の書類を紛れ込ますためのカモフラージュだったという辺り
は上手く出来ていたと思う。
潔癖症繋がりだからこそあっさりと見破れたものが有ったけど、
最初に弁護士事務所でファイルを見た時にはとてもキレイに整頓
されていたので、そこにヒントがあるとは感じる流れが有った。
モニカ家のガレージに於ける整理整頓された工具なり、ガレージで
起きた殺人事件を見ると、弁護士事務所に於ける犯罪の傾向と
それを示唆するものが含まれていて、上手く出来ているなと思う。
モンクが強迫神経症だということを知っても嫌悪感を示さない辺り
の流れの中に夫が統合失調症だったという辺りの事情も含まれて
いてその辺は上手く出来ているとは思うけど、夫が2年前から
チューリッヒの病院に入院しているというのにガレージを作って
いたり、夫が居なくなった後に作ったハズのガレージなのに、
工具がキレイに並んでいるという辺りの矛盾点は感じるところが有っ
たのかも。
最終的には犬がキーマン(ワン?)として利用されている辺りも
面白いね。
エイドリアン・モンク (Tony Shalhoub) コンサルタント
シャローナ・フレミング (Bitty Schram) モンクのアシスタント
ランドール・ディッシャー (Jason Gray-Stanford) 警部補
リーランド・ストットルマイヤー (Ted Levine) 警部
ベンジー・フレミング (Kane Ritchotte) シャローナの息子
トルーディ・モンク (Stellina Rusich) 4年前駐車場で爆死
ローレンス・グレイソン (Nicholas Campbell) 警備会社・隣人トラブル
モニカ・ウォーターズ (Maria del Mar) ウェストブルックで旅行会社
Dr.チャールズ・クロガー (Stanley Kamel) 精神科医
トーマス(トッド)・カタスキュー (Patrick Garrow) 遺産相続から排除され
プラット (Dave Nichols) 弁護士
— (David Gardner) Minister
— (Don Ritchie) Attorney
レジーナ (Elle Downs) 秘書
ステューベン (Jennifer Fawcett) Rookie Cop
ディッキー (Jane Cooke) Waitress
— (Jim Feather) Old Man in Wheelchair
— (Wally Michaels) Brother
ルー・プラット (David Clement)