第3話(16) ホームランボールの謎 Mr.MONK GOES to the BALLGAME
脚本/Hy Conrad 監督/Michael Spiller
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投資家・ハモンドプラザから出てくるハモンド夫妻に対して
マスコミは多く詰めかけていた。証券取引委員会はハモンドが
投資家を惑わせたと思っているとし、起訴することも考えている
ことに対してどう思っているのかをローレンスから聞きだそう
とするが、彼は今から取締役会があるので話は明日にして欲しい
と告げ妻と共に車に乗って出て行く。
ローレンスは妻・エリンに私と居ると飽きないだろうことを
告げるが、ホントに大丈夫なのかと問う。
ローレンスはSafe Voyage社開発のソフトを使いGPSでスカイラ
インヒルズリゾートホテルへと向かう。
エリンは野球好きで車の中でも結果が気になりラジオをつける。
そんな中、目的地とは違うところは走っているのではないかと
問うが、ローレンスはGPSは最短距離を教えてくれるものだと
して信じて疑わなかった。しかし到着した駐車場はホテルとは
ほど遠い人気の無い場所。そこに待っていた男は、ハモンド
夫婦に対して外から銃で発砲・射殺する。
この日、シャローナはモンクと共に少年野球に行く。
息子のベンジーはチームサイクロンに属していた。対戦してい
るリーランド警部の息子・ジャレッドはチームデュークスの選手。
シャローナはジャレッドは13歳のハズなのに、投手をしている
として反則だと訴えるが、モンクはスコアボードの得点が
ズレていることが気になり試合処ではなかった。
ベンジーの最後の打席に投手のジャレッドが完投・三振に取った
為に、リーランドは大喜びするが、シャローナはリーランドに
クレームを入れる。あなたの息子は3年生をダブって13歳でしょ
とし、ここは12歳までではないのかとするが、出場は正式に
認められているという。
シャローナはモンクに対してベンジーのことを慰めてあげて
欲しいとし、ベンジーは貴方のことを尊敬しているのだという。
元気づけると思ってアドバイスしてあげてと言われる。
そんな中、シャローナの元に事件の知らせが入り、モンクと
共に現場に応援要請にいく。
現場に行くとリーランドはディッシャーに対して、殺された
のがローレンスならば相当凄い騒ぎになるだろうと語る。
ディッシャーはリーランドに息子の試合はどうだったのかと
尋ねると、3対1で勝利し、息子は完投し被安打2、三振8だと
自慢する。ディッシャーに対して警部はモンクたちに状況を
教えて上げてくれと語る。
モンクは犯人はこの位置で撃ったであろう事を告げると、
ディッシャーはその通りだとしてそこに薬莢が落ちていたという。
妻に4発撃ち、ローレンスには1発撃ったという。しかしローレ
ンスは致命傷ではなく、犯人は逃げ出したローレンスのこと
を車で轢いたという。それでもまだ生きていて、息を引き取った
のは4km先の所で朝方だという。トラックの運転手がローレンス
を見つけたと。しかし何故奥さんを先に撃つのかと疑問に感じる。
ローレンスの死を確認もせずに立ち去ろうとしていること。犯人は
彼らをおびき出し、彼女を殺す為だったのではないという。
しかしリーランドは妻はただの人だが夫は10億ドルの価値が有り、
敵は100人以上いるのだという。
トラック運転手のモーズリーから話を聞くと、見つけた時には
虫の息で、救急車を呼んだこと。彼は死ぬ直前まで「具はチリ、
エビ、15枚のピザだ」と言っていたとし、5回も繰り返し言っていた
ので覚えて居るという。
モンクはシャローナと共にハモンド邸にいく。
トゥルーディと共にここを買おうとしていたことを告げるモンク
だがシャローナはモンクがジョークを言ったことに驚き機嫌が
良い事を指摘する。対応に出たのは家政婦のロビン・ジェンキン
スだった。3年間働いていたこと。家の中をみせてほしいと頼む
と、書類やパソコンなどは全て警察が押収していったという。
夫婦の寝室は別だったと聞き別棟で寝ていたという。シャローナ
は私も寝室を別にしていたら今でも関係が続いているかもしれ
ないと語る。妻は野球の全試合をチェックしていたという。
新聞はウソばかり書いているとロビンは語り、新聞ではローレンス
は自己中で金の亡者だとしているが、それは全然違うのだという。
優しい人で、私の子供の名前や誕生日まで覚えて居てくれたの
だという。妻の方はいつも多趣味で忙しかったとし、乗馬や
絵画などに行っていたとのことだった。部屋には絵が描かれていた。
モンクはエリンが浮気していたことを指摘。
寝室にはホテルのシャンプーが3つも有ったこと。家から3kmに
有るホテルのものだという。月2、3回は行っていたということを
確認すると、リーランドはディッシャーに対して似顔絵師を連れ
て行ってくるよう告げる。モンクは雑誌を見ると誰なのかと問う。
スコット・グレゴリオというMLB選手でシーズン最多本塁打数
に迫っている人とのこと。彼のインタビュー記事の背後に書かれた
絵には、エリンの絵と同じ背景が描かれている事を知る。
この窓とカーテン、そして教会は同じだというと、二人に関係が
有ったことは間違い無いだろうと語る。
案の上二人は同じ階が教室に通っていたことを教室のフランク・
ヘンリーから確認する。
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投資家ハモンド夫妻は、夫ローレンスのせいで何百もの人が
損害を受けていることで、証券取引委員会からも目を付けられて
連日マスコミから追い回されているが、そんな夫婦は突然人気の
無い駐車場で銃殺されて発見される。しかし妻が車中で殺害され
たのに比べて、夫ローレンスの死は杜撰で、車内で一発の弾丸
を受けて居るが亡くならず、車から降りて逃走した後、車に
轢かれて4km先の道で発見された事を知る。しかも車に轢かれても
即死ではなく、トラック運転手の話では、彼は死ぬ直前まで
「具はチリ・エビ、15枚のピザ」だと語っていたとのこと。
誰もが投資家によって損失を受けた顧客によって狙われたであろう
犯行だろうとするが、それを聞いたモンクは狙いは夫ではなく
妻側だとして主張し始めるのだった。
モンク的にはちょっとレベルの低い雑なシナリオだった感じ。
題材としては刑事ドラマとして一度は取り上げたいスポーツ選手
絡みの事件だったけど、モンクが殺意の流れが妻側に有ると設定した
初動捜査的着眼点は上手いなと思ったけど、容疑者の動機に関しては
まるでリアリティの感じ無い流れとなってしまった。
色んな所でこのドラマは事件の流れを暗喩的にも示唆している
ところが多い。その中でも特に夫がしているであろう
証券会社の株価の暴落の如く、レコードフォルダーのサインボール
ならば価値は高いとして、それが抜かされることで、その価値は
暴落するということが殺害・犯行の動機となる訳だけど、そういう
流れで妻と夫の件をクロスリンクするような流れは上手いとは思う
のだけど、記録を作らせないためにMLBの愛人を殺すという流れ自体
は流石にないなと思わせるところが有り突拍子のなさも感じる。
またサインボールが示唆する一面の流れの中に、モンクが
エージェントの元を尋ねた際、1988年のオールスターでの
マイケル・ジョーダンのサインボールを汚れかと思って拭いてしまう
流れとは面白いと思かったけど、今回はやたらとジョークとか冗談の
流れがエピソードに加味され、その辺はマイケル・ジョーダンに
引っかけたのかなと思う所もある。
MLBのイチ選手がベンジーの草野球に応援に来るというのも変だし
そうなれば記録を抜かそうとしている彼の前には人が相当集まる
ハズなので、まるで一般人の中に紛れ込んでいるところが違和感
がある。
しかし調味料に於ける「さしすせそ」の如く、スコットから
ベンジーに伝えた「はひふへほ」の法則を耳にして、モンクが
被害者の人物像から数字を覚える為に記憶術として利用していた
言葉が、ダイイングメッセージのような形で残して居たという
辺りの流れも面白い要素ではあるけど、ちょっと強引かなと
思う。
「具はチリ・エビ・15枚のピザ」=「GCE15P」。
流石にこれはロジック的に法則を見つけても、数字を算出するのは
無理だよな(笑)
またモンクは今回少しずつ潔癖症からも解かれている部分があるの
かと感じさせる流れも有ったかな。
絶対に見た顔だけど思い出せないという辺りは、意外とそういう
ことを示唆しているのかとも思わせる。
またMLBのスコットが愛人を亡くしたことで妻を失ったモンクと
妙に心情的にリンクするところが有った。
「生きて行くにはどうすれば良いのか?」
「妻が私を好きになった時、私は警察官だった。いつも街に出て
事件解決をしていた。だからそれを続けること。妻が愛した男で
居続ける為。それしかない」とのこと。
エイドリアン・モンク (Tony Shalhoub) コンサルタント
シャローナ・フレミング (Bitty Schram) モンクのアシスタント
ランドール・ディッシャー (Jason Gray-Stanford) 警部補
リーランド・ストットルマイヤー (Ted Levine) 警部
ベンジー・フレミング (Kane Ritchotte) シャローナの息子
トルーディ・モンク (Stellina Rusich) 4年前駐車場で爆死
スコット・グレゴリオ (Christopher Wiehl) MLBの選手
ウォーカー・ブロウニング (Rainn Wilson) ホームランボールを取る
ライル・ターロウ (Michael B. Silver) エージェント
ロビン・ジェンキンス (Jane Carr) ハモンド家の家政婦
ローレンス・ハモンド (John Sanderford) 投資家
Dr.チャールズ・クロガー (Stanley Kamel) カウンセラー
Sgt.チットウッド (Skip O’Brien) 刑事、ディッシャーと野球を・・
フランク・ヘンリー (Robert Pierce) 絵画教室モデル
エリン・ハモンド (Darby Stanchfield) ローレンスの妻、多趣味
— (Tom Virtue) Other Coach
ウォルター (Gary Imhoff) 審判
モーズリー (Vince Melocchi) トラック運転手
ダリル・グラント (D.J. Lockhart-Johnson) 元MLB選手、記録ホルダー
— (Danny Romero) Sports Reporter
— (Timothy Davis-Reed) Commentator
— (Jacobi Wynne) Commentator
— (Lisa Dinkins) First Reporter
— (Gina St. John) Second Repoter
— (Roy Abramsohn) Third Reporter
— (April Pressel) Assistant
— (Tom Riordan) Ballplayer / Flasher
ジャレッド・ストットルマイヤー (Cameron Kush) 息子、13歳