ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ Downton Abby ーズン5 第4話 不協和音 Episode #5.4

リンク広告 テスト




第4話 不協和音 Episode #5.4

監督/Minkie Spiro 脚本/Julian Fellowes

【これまでのストーリー】

メアリーはギリンガム卿との旅行をするがヴァイオレットの執事
に目撃される。結婚の予定があるとヴァイオレットには説明す
るが心は揺れていた。頻繁に娘に会いに行くイーディスだが、
ドリュー夫人はマリーゴールドは渡せないとし、ドリュー自身
も暫くは来ないで欲しいと言われる。
コーラと美術史家・グリッカーとの仲に嫉妬する伯爵は夫婦
の間に亀裂が・・。グリーンの死を巡りベイツは事情聴取を
受けることに。重苦しい雰囲気の中、ダウントンではロシアの
難民を招いてお茶会をする。ヴァイオレットはクラーギン公爵
と思わぬ再会を果たす。

【ストーリー】

昼食をとる中、トーマスがダウントンに戻る。トーマスは父親
が病気だとして戻っていた。これを気遣うカーソンやヒューズ
たち。バクスターは父の容体はどうかと問うとすっかりよくな
ったと語るとアンナは良かったよねと声を掛ける。

トムは3時にウェイベルさんとの商談があるとしてロバートに
忘れずにと声を掛ける。しかしそのピップ地区の開発には同意
しかねるというロバート。メアリーは話くらい聞いてあげてと
いう。ヴァイオレットはローズに対してお父様から手紙をもら
ったとし近々ロンドンに来るみたいねと語る。コーラはシュリ
ンピーが来るのか?というとローズはここに泊まりたいみたいだ
が良いかと伯爵の許可を求める。スーザンも来るのか?と問うと
いいえ母は来ないというローズ。どうせ一年もしないウチに
帰国だという。ボスベイの次の赴任地は?と問うロバートに
メアリーはロバートに首を振るジェスチャーを見せる。

イザベルはローズにロシアの皆さんはどうしているかと尋ねる
と彼女は気の毒だという。昔を懐かしみ舞踏会やピクニック
の思い出話をしているが、新しい靴や食べ物も買えない状況だ
という。ロバートはトムなら自業自得と言うんだろうというと
勿論ロシアの帝政には反対だが全てを失い国を追われた難民には
心から同情すると語る。父はいつもトムに食ってかかるが
トムの方がよっぽど大人ねとメアリー。イザベルはヴァイオレ
ットに昔の恋人はと尋ねるとあの人はそんな人ではないと語る。
イーディスはこれでも哀れな老人だとし会ったらどうかと語る。
何も知らない癖に・・とヴァイオレット。

住宅建築計画書を持ってトムとロバートとメアリーは開発地区
を見に行く。どうして集合住宅にしないのかと問うと戸建て
の方が早く売れるし入る金も増えるという。金と引き替えに
村の景観が破壊されるのかというロバート。ウェイベルは獲物
を探し求める侵略者だと告げる。

ヴァイオレットとイザベルは二人でロシア難民が寄り添って
過ごしている場所へ。駅からタクシーで来なかったことを後悔
するヴァイオレット。イザベルはどうしてみんなに黙って
くるのかとしどうせすぐにバレることだというと、昼食の席で
からかわれるのが嫌だったという。少し気になることがある
のだというヴァイオレット。この建物の地下だという。
中に入るとまさかこんな所なんて・・と驚く。
ローズはそこでは配給の仕事を手伝っていた。ヴァイオレット
は彼女にサプライズ訪問だという。クラーギンもやってくる
と来ると思っていたという。彼に親戚のイザベルを紹介、
彼もロストフ伯爵を紹介する。ダウントンで再会した時に
すっかり動揺していたというヴァイオレット。彼は私と違い
あなたは変わらないという。若き日のグランサム伯爵夫人
は美しく舞踏会ホールでも外でも男達の目を釘付けにしていた
こと。今ここにいるレディは堂々として風格がある。でもどち
らも同じあなただと。この半世紀、あなたの生活は変わらなか
ったその一方で男前のクラーギン公爵はかつて広い領地と立派
な屋敷を持つ地元の君主だったが、今やすっかり見る影もない
と語る。

カーソンはモールズリーに銀食器を磨いておいてくれと頼まれ
る。バローは居ないので君が適任だというカーソンは第一下僕
だからなと。

ヴァイオレットは今日来たのは先日聞いたことが気になったから
だという。奥様のことだというと、クラーギンは何処に居るか
分からないという。一緒に拘束されたが私が解放される一年前
に妻は国外追放されたのだという。イザベルは当局に聞いたら
どうかというと、それは誰か?ソビエト大使か?と問うと、彼ら
が国外追放の夫人が何処に居ようと興味はないという。外務省は
どうなのかと問うと、亡命貴族の力になるとは思えないという。
「希望」を捨ててはダメだというイザベル。クラーギンは革命
の争乱を経験すれば希望は早々に失われるという。
ヴァイオレットもまた希望は気休めねとし現実から目を反らす
為の・・と語る。

トムは鍛冶職人の所に寄ってから帰るという。
メアリーとロバートはパットナムが居るのを見かけて声を掛け
る。なんだか様子が変だなと。メアリーに対してロバートは
昼食の時の目配せは何だったのかと問うと、恐らくローズの父
は離婚の報告に来るのだという。日頃の手紙から感じていたと
し関係修復は不可能だという。離婚すれば地位を失うのでは
ないかというと、マールバラ家は離婚しても金持ちだから
平気だろうとし、シュリンピーは破産しているし周りから見捨
てられるというロバート。メアリーは父はスーザンの味方なのか
と問う。従姉妹だし・・と。私はどちらの肩も持たないという
が・・。

アンナはベイツにメアリーが出発する為の準備を手伝ってもら
う。8時の汽車でいくとしメアリーは午後からファッションシ
ョーを見に行く予定だという。寂しいなというベイツに警察が
来て不安になったりしていないかと問う。グリーンのことは
もう忘れたいというアンナ。

■感想

個人的にかつて程のトキメキを感じなくなったのがこのドラマ。
やはり嫌なキャラクターであるトーマスとかオブライエンの
ようなものが居なくなってしまったことが原因かも知れない。

変革の時期にあって意固地な価値観を持つ貴族と、庶民ら貴族
制度の特権階級を疎ましく思うものたちの対立の構図。徐々に
貴族が現代に適応出来ず勢力を失いかける中でも、結局のとこ
ろ最近嫌な役割をしているロバートが最後に言ったのが全て
だろうな。

「変化は必要よ」(Mary)
「その通りだ。しかしそれでも守るべきものが有る。
美しい土地を破壊せずに出来るものがハズだ。」(Robert)
「利益も追求するがみんなが愛するこの美しい村は守る。」(Robert)
「間違っているか?」(Robert)

それとロバートが悪者のような描かれ方をしているシーンが
有るけど、今回はもの凄く彼に同情すべきシーンが多かった。
ロバートがコーラをぞんざいに扱っている事は否定しないけど、
ブリッカーという男は確実にデラ・フランチェスカの作品を
利用してコーラという既婚の女性を横取りしようとしている
意図が有ることが見え隠れしているので、その件で盲目的に
浮かれているコーラの方がちょっと肩入れしづらい。

しかしロバートとコーラの流れを見ると、ローズの両親の件
と同様に貴族でも離婚に至ることが描かれているし、不穏な
感じにも写る。

また今回は庶民の意思の先鋒のような役割を果たしている
サラがディナーの席で失礼な振る舞いを繰り返しケンカを
吹っかけているのを見て、もの凄い不快になった。サラって
いつまで出るんでしょうか。貴族にプレッシャーをかける役割
としては良いとは思うけど、毎度この調子で不毛な争いをして
いるところを見るとどうも受け入れがたい。
トムはサラを見てシビルと似た思想を持っているとしている
けど、教師の割りに下品だよな。トムがあくまでサラに拘る
ようならば、正直アメリカにでも何処にでも行って欲しい。
でもサラは行かないんだよな(笑)サラが居なくなって欲しい
んだが・・

またカーソンも最近意固地な固定観念を持っていることで
ちょっぴり疎ましい存在になっている。
彼が屋敷に於ける裁判官のような役割を果たしているけれど、
モールズリーに対するそれはちょっとイジメのような感じに
思わせる。

そんなモールズリーの件も含めて、称号とか階級に於ける
拘りを何処まで持つべきかの選択に迫られるシーンも多く、
貴族が拘るそれも、ロシアのかつての貴族を見ると、遅かれ
早かれその未来はないことも示唆するところが有るな。

さて今回のテーマはそれぞれに対する「希望」として描かれた。
果たして各キャラクターは、その希望をどのように生きる糧
として利用しているのか。

■それぞれのキャラクター

・イーディス

イーディスには二重苦のような状況が現在訪れている。
夫のマイケルの情報が新たに入り始めた。
ミュンヘンで過激集団を率いていたリーダーが昨年クーデター
を起こし、現在裁判が開かれようとしているが、その件で
マイケルが被害を受けたのではないかということ。

戦後我々はドイツを追いつめすぎたとロバートは語っていた
けどね。

ロバートは例え辛いことでも彼の死の真意を明らかにして
前に進むべきことを語っていた。しかしイーディスは死を
突きつけられるまで信じていられるとし、「信じていたい」
事を語る。

相変わらずメアリーとは姉妹で仲が悪いのでそんな事実を
メアリーには話さないで欲しいと語っていた。
みんな辛い過去や現実をからかわれることを快しとしない。
これはヴァイオレットもランチの後にイザベルに話していたね。

更にイーディスの場合、自分の子供なのにマリゴールドに
会えない辛さ。もう正直に話しても良いんじゃないだろうか?
マリゴールドがイーディスに懐くと混乱するとしていたけれど
寧ろあんまりドリュー家に懐くと取り返しが付かない。

・メアリー

再びロンドンに行く事になる。
目的はギリンガム卿に婚約の解消を話に行く事。
更についでにファッションショーを見に行くこと。
ロザムンドと共にショーを見に行っていたけど、叔母さんは
イーディスの事やその娘のことを心配しているのにメアリー
は衣装に目を輝かせている。しかしその現場にはチャールズ
ブレイクが来ていた。同席していたのはメイベル。
婚約解消したとしていたけど、一応友達関係は続けていたのか。

メアリーはアンナに頼んでブレイク家にメアリーからの伝言
を届けに行く。ケンジントン公園のピーターパン像の前で
会うという手紙。
グリーンが殺されたとされるピカテリーにも行ったけど、その
際大男が彼女の後をつけていたので怪しいと思ったら警察が
ブレイク邸辺りを監視していたのね。この人が犯人なら良いのに
なと思ったけど、やっぱりベイツなのか・・

メアリーは帰る日にギリンガム卿に別れを告げたが、彼は認め
ない様子。メアリーは確かに人の生活をかき乱している所が
あるな。
子供の後見人には理想的だが、彼と私には共通の話題がない
というのがメアリーには不安に写っている様だ。

・ブランソン

相変わらず土地開発の為に奔走する。ウェイベルという人が
グランサム伯爵所有の土地/ピップ地区の開発。トムって養豚業
とか農業で力を発揮するかと思っていたのにな。

またサラのことをディナーに連れて来ることになる。
コーラがサラをディナーに連れて来れば良いとしているのは
密かにロバートへの復讐なんだろうか(笑)
100%争いになるのは明らかだしね。

トムはこの開発の件が一段落したらアメリカに渡るのかな。
アンナはトムは良い人だけど使用人時代には熱烈に労働党
支持者なので、表には出さないだけで根本的にはサラと
似たような思想を持っているのかもと語っていた。

■その他の問題・気になること

・バローは何をしているのか

ロンドン・マガジンが廊下に落ちていた。
バクスターはバローの部屋で苦しむ彼の声を聞いて室内を
見ると薬が沢山置かれていた。
前回の流れからして、転職を考えているだけかと思ったけど、
薬を見ると彼は病気なのかそれともドラッグなのかが分から
ない。またバローはゲイなので下手するとHIVの可能性だって
否定は出来ない。まぁイギリスと言えばアヘン戦争の国って
イメージがあるので何かありそう。ダウントンアビーの時代
とは多少違うけどインドとか香港などの名称が今回出て来た
からね。

・マートン卿のプロポーズ

プロポーズするものも居れば別れを決意するものも居る。
マートン卿が打算ではなく心から愛していると聞いたイザベル
は絶対に結婚しないと全否定していた鉄の心の壁を砕いた
様だ。

ローズの両親のシュリンピーとスーザンは離婚するみたい。
ヴァイオレットもロバートもどちらも味方しないとはしていた
けど、中立になんかなれる訳がないとしていた。

・ロシア難民問題

ローズはボランティアしていて偉いね。
やっぱり「戦争と平和」でロシアにいた事が原因か・・・って
違う(笑)

ヴァイオレットとクラーギン公爵の恋ネタは彼女の弱みを
握ったようでネタには出来るけど、ちょっとその事情をかみ
砕いていくと不幸が有りそう。特に国外追放されたという
クラーギンの妻は何処に居るのか、香港で娼婦になっている
可能性が高いとも言っていたけど、どうなのかな。

・グリーン殺人事件

ウィリス刑事はアンナを疑い始めたみたいだ。

・グリーンが死んだ日に彼女はダウントンに居たのか。
・アンナは彼に好意的だったかどうか。

・それぞれの人生

デイジーが少しずつ知恵をつけ始めた。
パットナムの甥が敵前逃亡したことで慰霊碑に名前を刻まれ
ない件で助言する姿が有った。陸軍省に手紙を書いたらどうか
と。

サラにデイジーが勉強を教わっていることで確かに厨房は忙
しいな。

■使用された曲

・Downton Abbey – The Suite by The Chamber Orchestra of London

■出演者

ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母

チャールズ・カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
アンナ・スミス・ベイツ (Joanne Froggatt) メイド長
デイジー・メイソン (Sophie McShera) 料理人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 副執事
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) メイド長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長
ジョセフ・モールズリー (Kevin Doyle) 無職->下僕
トム・ブランソン (Allen Leech) シビルの元夫
バクスター (Raquel Cassidy) コーラの侍女
ジョージ・クロウリー (Oliver Zac Barker) メアリーの息子
シービー・ブランソン (Fifi Hart) トムの娘

アンソニー・ギリンガム卿 (Tom Cullen) “トニー”、メアリーの幼馴染
LADYローズ・マクレア (Lily James) 18歳、スーザンの娘
LADYロザムンド・ペインズウィック (Samantha Bond)
Mrs.マギー・ドリュー (Emma Lowndes) ティムの妻、浮気を疑う?
ティム・ドリュー (Andrew Scarborough) 代々伯爵家の土地を借地
サラ・バンティング (Daisy Lewis) 学校の教師
マートン卿 (Douglas Reith) イザベルに好意
— (James Edgington) ギリンガム卿のアパートのポーター
チャールズ・ブレイク (Julian Ovenden) 役所
メイベル・レーン・フォックス (Catherine Steadman) チャールズの元婚約者
ヒュー・マクレア (Peter Egan) “シュリンピー”、フリントシャー
ウィリス (Howard Ward) 巡査部長
サイモン・ブリッカー (Richard E. Grant) 美術史家
ロストフ伯爵 (Christopher Rozycki) ロシアからの難民
クラーギン公爵 (Rade Serbedzija) ロシアからの難民
— (James Francis Andrews) Fashion Show Spectator
ベラ・デーヴィス (Lauren Beacham)
— (Julie Eagleton) Smart Villager
— (Adam Lannon) Plainclothesman
— (Robert Roman Ratajczak) Footman
ライル・カー () メイベルの恋人
ウィリアム () 戦没者
アーチー () 戦没者、パットナムの甥
マイケル () イーディスの夫
スーザン () シュリンピーの妻

スポンサーリンク
レンタグル大336

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
レンタグル大336