第16話 光る女 The Last Ride
脚本/Gavin Harris
監督/Timothy Beavers
【ストーリー】
この場所に来ると体がほてる。セクシーか?この為に来たんでしょ。
一緒にドライブに行きましょう。女性は男を誘惑するようにして
ステージ上で踊る。
クロフォードとニックは現場へ。
登山口付近で何か光っているという通報が有ったのだという。
当初はアルミホイルかと思われたが別物だったという。
アルミ色の女・・・ブリキ男の親戚か?とクロフォード。
デビッドに対してIDはどうか?と問うとサイフがなく手がかりは
ドレスと後頭部への鈍器損傷だという。死亡推定時刻はどうかと
問うとジミーは、肝臓の温度によると午前24時から3時だと語る。
まるで「007」みたいだなというクロフォード。リッチな男の
パーティーにでも呼ばれたのかもというニック。目の保養として
全身ペイントの美女をパーティーに出張させるサービスがあると
いう。ベガスにはぴったりの死体だなと。
モーガンはモルグで遺体を撮影し証拠を採取。
デビッドは遺体の体に付着して居るシルバー色を洗い流す。
シルバーガールは中身もシルバーかというラッセル。
アルによると塗料が肺に浸潤していること。死因は窒息だとし
塗料に沈められたという。被害者はパーティー好きで鼻の穿孔
と気道からはドラッグの常習者だとするものが分かるという。
鈍器損傷以外には沈められる前に抵抗していること。線状の
打撲傷が僧帽弁に付いているという。平行な筋・・バーベキュー
グリルに押しつけられたかもと。奇妙な形状のアザも見られると
いう。また肘からは硝子の破片が見つかったと。
モーガンは指紋のデータベースから被害者がヒットしたとし
エヴァ・モントローズ。窃盗やドラッグで何度も捕まって居る
という。実家はサマーリンで母親が今向かっているのでサラが
両親に会うという。
サラの元にエヴァの両親のルースと恋人のダンカンがやってくる。
エヴァとは何ヶ月も遭っていないというルース。あんな場所で
あんな連中と居ることを何度も止めたという。それってどんな
場所なのかと問うとドラッグを買える場所だという。ダンカンは
一度見るからに怪しい売人が家に来たのだとし、私とは折り合い
が悪くて話にならなかったという。ルースは離婚していること。
ルースによるとエヴァは我を通す子だったという。母が娘を
見送るなんて間違っているという。犯人は必ず見つけるとサラ。
犯人に心当たりはないかと問うと、恋人は大勢いて軽い付き合い
ばかり。娘の生活や交友関係にはそこまで詳しくないのだという。
ホッジスが沢山の色の識別表を見て調べているのを見てフィンは
母の家のリフォームなのかと問う。苦笑いするホッジスは被害者
を覆っていた塗料を探していたのだという。これは硫酸クロムカ
リウムで、主に自動車の塗装に使われるもの。そして色の名前は
シルバーゼファーだと。腕に付着して居たガラス片も車関係で
ヘッドライトの素材はビスフェノール系ポリカーボネートだとい
う。レトロのタイプだが政府の指導で1939年に製造を中止して
いること。エヴァは車のすぐ傍で酷い目に遭ったのかもと。
バーベキューグリルのような痕も車の一部かもというホッジス。
39年製造以前のクラシックカーねとフィン。傷の形状から絞り
込めるかも知れないと。
フィンは被害者のアザの形状からパッカード社のロゴだと判明
する。ラッセルはパッカードの車は美しいと語る。
正確には38年型パッカード・ツーリングセダン。プッシュロッド
式直列、6気筒エンジン搭載。今はなき時代の象徴だという。
会社は倒産しているというフィン。背中のアザによると多分この
車だと。首の外傷は形状から考えてパッカード社の有名なオーナ
メント「スピードの女神」によるもの。ラスベガスにはその車
は多くないだろうというラッセル。陸運局の登録では2台。
一台はコレクターがガレージ保管し半年前の火事で焼失。
二台目は投資銀行家のカルロ・デローサが所有。電話しているが
折り返しの電話が来ないという。忙しいのか隠しているのか。
サラとフィンはデローサの元にいく。
しかし忙しそうでまるで話を聞こうともしないために、サラは
彼の車の警報音を意図的に鳴らして話を聞き出す。
38年型のパッカードの車を持っているかと問うと持っていると
いう。エヴァと面識はあるかと問うと、元交際相手だという。
1年前に別れてから遭っていないという。その車は何処に有る
のかと問うとダウンタウンにある保管庫だという。
父はクラシックカーのコレクターだったこと。車の保管の為に
ここを建てたのだという。
そこに案内されると中には生産中止の車ばかりが有った。
フィンは57年型のシボレー・V8エンジン・キャブレターねと。
パッカードの車は?と問うと手入れのために修理スペースにある
という。するとそこにデローサの弟のアーロンが現れ、車を
売るつもりはないという。私たちは警察だとしエヴァの死を
調べているのだという。アーロンは兄が取っ替えひっかえした
女の一人かち問う。
修理スペースに有る車には争った形跡が有った。クロムの液体
に沈められたであろうことも判明。ドアに向かっていった雫
が落ちていた。しかしその中の一台がスペースから不自然に
無くなっていることに気がつく。ここにあった車は何なのかと
問うと76年型キャデラックで、この倉庫内で一番高価な車だという。
アーロンに対して出入り口をこじ開けた形跡はないので二人の他に
この場所に入れた人は誰かと問うと、整備士のルビオだという。
20年間尽くしてくれているので信用出来る人。2日前からイタリア
に行っているという。あなたのアリバイはと問うとアトリエで
絵を描いていたという。カルロのアリバイを尋ねるとオフィスに
いたという。部下は10時に帰して一人だったこと。エヴァとは
一年半付き合い別れようとしたがなかなか別れてくれなかった
という。何故彼女は夕べここに来たと思うかと問うと、何度も
ここに来たので自分の入力したパスワードを覚えていたのでは
ないかという。古いキャデラックが好きだったという。エヴァ
は薬物依存で当時は無茶をしたという。キャデラックはどんな
価値が有るのかと問うと、父が車内で殺されたのだという。
死の車に大枚を出すコレクターが存在するとのこと。
ジェームズ・ディーンのポルシェとかジェーン・マンスフィールド
のビュイック・エレクトラがその例だという。父はアルフォン
ス・デローサで、ラスベガスのマフィアだという。1989年10月3日
に愛人といる所を射殺されたこと。相手はシカゴの高利貸しの
ピート・バモンテのヒットマン。キャデラックの値打ちは
100万ドル近いもので、その倉庫内の車の総額は500万ドルき
くだらないだろうと。遺言では折半するように言われたというが。
■感想
シーズンとしてのテーマとは別に、このドラマをよく見ていると
隣り合ったエピソードは意外とそのネタ・要素を引き継いでいる
所が有るなと感じる。
先日のヒーローネタと似たような親子関係の構図が有り、
やはりここでも継父の存在が絡んでいたり、親子関係、兄弟の
関係として難しい問題が絡んでくる。
笑えたのは先日コミックオタクのラッセル主任の件で、サラは
ラッセルの靴を見るシーンが有ったけど、今回の展開では
モーガンがサラの靴を見るシーンが有る。
またここの所それぞれの捜査官たちの意外な過去とかスキル
みたいなものが描かれるけれど、今回はフィンがやたらと
クラシックカーに詳しい理由なんかも語られていた。
ラッセルはフィンが詳しいことを指摘すると、昔兄がボロボロの
57年型のシボレーを持っていて大学に行くとガレージにしまいっ
ぱなしだったので、通学用に使う為に車の内部の部品を全て
バラバラにして組み立てたという。何の知識も無い人がそこまで
出来るのは凄いな。昔の車が今ほど複雑ではないにしろ銃の
組み立てとは違うぞ(笑)
また今回はマフィアの死の絡みなので、マフィア本を出すほどに
詳しいグレッグの知識の見せ所だったのではないかな。
■事件
登山口で発見された奇妙な女性の遺体。
なんと女性は銀色に光った状態で亡くなっていた。
検視していく内に彼女はジャンキーだったこと。
また体に付着する傷跡から色々と殺害現場を特定していく流れ
を演出していく。
窃盗やドラッグで逮捕暦があることから被害者はエヴァ・モント
ローズだということを突き止める。
しかし今回の事件、滅茶苦茶過去と現在が複雑に絡んで分かり
づらい因果関係だった。捜査官たちはみんなが口々に語っていた
けど、「ベガスだから・・」ってことで色々と済まされることが
多いな。
■捜査
・体に付着して居るもの
銀色の塗料 = 硫酸クロムカリウム。自動車の塗装に使われるもの。
ガラス片 = クラシックカーのヘッドライト(39年製造中止)
アザのような形状 = 自動車メーカーのパッカード社製(既に倒産)
・車の所有者
38年型パッカード・ツーリング・セダンはベガスに現存するのが
なんと一台しかない。オーナメイトの”スピードの女神”で有名
な自動車メーカーだった。
簡単に持ち主の特定はできたし、その車を見つけることで
エヴァが殺害された場所の特定も出来た。
問題は誰が殺害したのか。
・兄弟の葛藤
父親がギャングのアルフォンスで財を築いて居る。
突然恨んでいる人は居るだろうけど・・
そんな中兄弟は対象的な姿を見せている。
兄はバリバリの投資銀行家で弟は芸術家としてのんびり暮らして
いる。そして亡き父親のコレクションを巡り車を売るかどうかで
対立している姿も有った。
・車の保管スペース
そこに有ったのは38年型パッカード・ツーリング・セダンだけで
なく、76年型のキャデラックも置かれていたハズだった。
マフィアの父親が車内で殺害され、人々から”死の車”と称して
価値を見出すものがいる。
14話の「殺人鬼人気No.1」の中でも殺人鬼のコレクターの話
だったけど、ここでも死んだ人のものが価値を上げるなんて
変な感じ。死んだからこそ価値が出るっていうのは分かるんだ
けど、生々しい殺害現場だったものを求める気持ちは分からない
な。
・保管庫から見つかったもの
折れたハイヒール、靴跡の一部は男性物のローファー。
またシエンゾというピザ店の販促用のマグネット。
また保管庫のセキュリティパットのタッチDNAを採取して照合
したらエヴァのものだった。
マグネットを調べていたのはホッジスとヘンリー。
クリスピータイプ・・お口の中がニューヨーク。従業員には犯罪歴
のあるものは居なかったし車のコレクターも居ない。しかし
一週間のクレジットカードの使用履歴を店から受け取り調べる。
ピザを食べてばかり居るホッジスにラッセルは
「今日クビにしろというアピールなのか」
と問われていた。
マグネットはフェンダーの片方にだけ付着するものだった。
車の査定士はフェンダーを修理しているかを調査する為にマグネ
ットを使うことがあるらしい。そんな中でピザ店の常連で
この保管庫に入れる人はビクスラーだった。
しかもこの販促用のマグネットは現在セール中のもの。
ラージサイズ・トッピング付きで7ドル99セント。
日本でラージサイズなんて注文したら3300円とか3500円くらい
するよ。しかも小さ過ぎ(笑)
・折れたヒール
靴に付着して居たのはコンクリート。酸化チタン。特殊な道路
の舗装材。環境に良いというもの。パーダゴロードの一部に
使われて居るものでエヴァがそこに倉庫を借りていた。
中には無くなったキャデラックも発見され、そこにはアーロンの
姿も有る。
アーロンはキャデラックを売りたくない理由の中に、父親との
思い出を語っていた。絵を描いている時に深夜に父親がこっそり
とドライブに連れて行ってくれたこと。
それが実は最後のドライブとなっていた。
父親としては愛人と遭うために利用していたんだろうけどね。
ダイナーにアーロンを残して行ったという。
この次のエピの17話でレクシーがカーラを置いていったシーンと
似てるか。
・キャデラックから発見された物証
繊維と塗料が落ちていた。ただ例のクロムと同じものかと思わ
せたが助手席の塗料は別のもの。
ただトランクには血痕のついた防水シートがあることからエヴァ
を運んだのは事実。
・複雑に絡む犯人像
ビクスラーは内緒でカルロから査定を頼まれたのだという。
アーロンが売るのを阻止していたのでその関係なのか。
車はファリンジャーというオークションサイトに出されていた。
査定書からタッチDNAと指紋を採取。AFISで謎のバイヤーの正体
を探ろうとする。
タッチDNAの検査結果、エヴァとは血縁関係に有る女性のもの。
母親のルースが関わっていることが明らかだった。
・意外な過去
塗装片がはげ落ちていた件で、ヘッドレストのクロムメッキが
剥がれていたことが判明。
当時ヒットマンだとされたのは受刑者のタレコミが決め手だった。
しかし実際には別人だった。
ヘッドレストには当時の証拠が残っている。
なんと犯人はビクスラーだった。
査定事務所のゴミ箱からは指紋、弾丸も見つかり、1980年製造の
ベレッタも見つかる。
デローサ殺害に使用された銃弾。
デローサを殺そうとしたのではなく狙いはヴェラ・スカネルの
方だった。彼女は当時婚約者だったがデローサと浮気したこと。
■捜査官たち
・マフィアのことはグレッグに聞け!!
ベガスのマフィア本を出版しているくらいだからね。
しかもアルフォンス・デローサの章も有るとのこと。
1989年10月3日・シカゴの高利貸しで縄張り争いをしていた
ピート・バモンテのヒットマンによって射殺された。
デローサは当時やり手のビジネスマンで人殺し。タンジールズで
所得隠しに荷担していたという。ヴァイスというあだ名がある
とのこと。ヴァイスとは「木材を挟む工具」だが「人のヒザを
挟んで粉砕した」のだという。89年にデローサは愛人とマウント
チャールストンの傍のデートコースに行った時に殺され、それが
最後のドライブとなったという。
ヒットマンについては受刑者が減刑と引き替えにたれ込んだ
みたいだ。そのヒットマンは獄中死している。
■使用された曲
・Who Are You by The Who
・Night and Day by Steve Lawrence
・With Plenty Of Money And You by Tony Bennett
■出演者
D.B.ラッセル (Ted Danson) CSI主任・S12より
ジュリー・フィンレイ (Elisabeth Shue) CSI・S12 #14より
ニック・ストークス (George Eads) CSI ・ S12・昆虫学
サラ・サイドル (Jorja Fox) s10で復帰
グレッグ・サンダース (Eric Szmanda) CSI研究員
アル・ロビンス (Robert David Hall) CSI検死官
デビッド・ホッジス (Wallace Langham) CSI
デビッド・フィリップス (David Berman) CSI (眼鏡の方) 検死
モーガン・ブロディ (Elisabeth Harnois) L.A市警、SID、エクリー娘
ヘンリー・アンドリュース (Jon Wellner) DNA
ケヴィン・クロフォード (Alimi Ballard) 捜査官
カルロ・デローサ (Wil Traval) 銀行家、長男
アーロン・デローサ (Travis Schuldt) コピー屋、次男、絵を描く
アルフォンス・デローサ (Vito D’Ambrosio) マフィア、1989年死
ケン・ビクスラー (Matthew Glave) 車の鑑定士
エヴァ・モントローズ (Blair Bomar) 娘、薬物中毒
ルース・モントローズ (Karen Sillas) 母親、借金
ダンカン・ライデル (Tracy Fraim) ルースの恋人
ジミー (James Aldridge) Coroner Asst.
ヴェラ・スカネル (Tara Macken) アルフォンスの愛人
若い頃のデローサ (Benjamin Plessala)
ルビオ () 整備士
ピート・バモンテ