第14話 姉妹 All That Remains
脚本/
監督/
【ストーリー】
パーティー用のドレスに身に包むセラ(Sophi Bairley)は母親の
ジュディ(Donna Rusch)からパールのネックレスをドレスに合わ
せて身につけるよう告げる。パールはないよというが、ブルー
ス(Ken Olin)は撮影しながらセラを見て見違えるようにキレイ
になった娘を褒める。妹のケイティ(Delilah Napier)もまた
セラお姉ちゃんはキレイだという。ママにそっくりだなという
ブルースは誰かが指一本触れたら殺すという。ジュディは
親ばかも程ほどにしてと語る。ケイティもパーティーに行きたいと
告げる。
●2年後
911に電話が鳴る。ブルースはオペレーターに対して
「女の子たちが消えた助けて」という。娘さんか?というと住所は
ヒルクレスト・ドライブ1721、名前はブルース・モリソン。
娘たちは13歳と17歳ですと語る。寝たのが9時半で・・いや月曜
だからセラは勉強会にいって10時くらいに・・と語るブルース
に対してオペレーターは今日は水曜日ですよと語る。ブルース
は嘘だ、そんな筈はないとしてちょっぴり不審な発言をする。
●ブリーフィング
BAUのメンバーにこの通報の録音を聞かせる。
ホッチは一時間前の電話の内容だという。JJは年頃の娘がいなく
なって36時間も気がつかないものか?というとロッシは考えづらい
と。ブレイクは「浚われた」のではなく「消えた」と言っていた
こと。モーガンは「失踪」「誘拐」「家出」という言葉を使って
いないことを指摘。単なる家出ってこともあるのでは?とガルシア。
しかしロッシはその兆候はないという。知らない人間に浚われた
可能性は低いというリード。その理由は自宅は大通りから7回曲が
らないとたどり着けない場所に家が有るからだという。
母親は?と問うと1年前にこの通報が有った事を告げ録音データを
聞かせると、「妻が消えました」と全く似た様な形でブルースが
911に電話していることが分かる。失踪から2日後の通報でまだ
見つかってないこと。彼は連続犯の被害者か犯人なのか。
ソールズベリー警察が自宅に詰めているという。
●移動中の飛行機
JJは夫妻は近所の評判もよく平穏な生活だったこと。
夫は作家で大学教授、妻は不動産会社勤務だなとモーガン。
バブル崩壊前の2002年からだとロッシ。10年後ジュディの同僚の
ジェフ・ゴッドウィン(Larry Poindexter)と不倫関係にあること
が分かったという。
ブレイクは当時の捜査で不倫のことは掴んでいたけど報道はされ
ていないという。夫に妻殺しに容疑がかかったが証拠はなく
動機も不十分だったというホッチ。今は大学の方も休んでいると
のこと。JJは長年作家活動していて85年から教壇に立っていたが
事件のショックで何もできなくなったという。ロッシはこんな
ことは同じ日、同じ家で起きる確率は10億分の1くらいかと
リードを見ながら告げるとそれくらいだという。ジュディは実家
からの遺産を相続していること。JJは財産目当ての妻殺しなのか?
今日者としての副収入は激減しているが預金に手をつけていない
という。両方を狙ったのかも・・復讐と金とロッシ。
しかしモーガンは浮気の報復で妻を殺しても子供に手を出すか?
という。セラは高校の成績はオールAで東部の大学を希望せず
スタンフォードの進学を決めたというリード。カリフォルニア
行きを父は裏切りに感じたのかも。一年で2度の裏切り。まずは
27年連れ去った妻に浮気され、結婚生活に飽き、一年後に娘が
出て行くというロッシ。捨てられたという共通項か?とブレイク。
モーガンはまだブルース犯人と決めつけるのは早いと語る。
考えられるのはジェフだというロッシ。JJはアリバイがあるとし
ジュディが姿を消した夜には妻と食事に出かけているという。
答えは自宅にありそうだなとホッチ
●現場のモリソン家へ。
ソールズベリー警察のフリードマン(Keith Szarabajka)が彼ら
の到着を待っていた。周辺の森と川に捜索隊に探させているとし
隣州のバージニアまで捜査を広げるという。通報が遅くなった
理由は?覚えていないと言っているという。PCにずっと向かった
ままだと。
■事件
メリーランド州・ソールズベリー。
ヒルクレスト・ドライブに住む幸せ一家を襲った大事件。
2年前に妻のジュディが消えたとして通報してきたブルースは
その2年後に今度は娘・姉妹の長女・セラと次女・ケイティが
消えたとして通報してくる。同一の犯人が一家に恨みを抱いて
狙ったものなのか。夫のブルースは地元の警察ソールズベルー署
のフリードマン捜査官や周辺の住民からは2年前の妻が浮気し
1年前には失踪の件で事件に関わっているのではないかと考えて
ずっと捜査をしていたが見つからない中で起きた事件だった。
■感想
遊びが一切無いエピソードで、スタート直後からいきなり私生活
を描く事もなくブリーフィングから始まる内容でした。
25年の刑事の勘と27年の結婚生活。どちらを信用しますか?ってこと
で・・。
ホッチ役のThomas Gibsonは2017年7月現在までに「クリミナル・
マインド」内では6エピソードの監督を務めているけど、今回は
初めての監督業も兼任した格好だった。
リード役のMatthew Gray Gublerは既に4エピソードくらい監督
しているし、その後は次のシーズンではロッシ役のJoe Mantegna
も監督を勤めるエピソードがあるけど、それだけドラマに思い入れ
が強い人が多いのね。
シーズン8くらいまで描かれるとかなりマンネリ化は避けられない。
このシーズンはどうも最後に加害者が自殺しようとしたり、また
捜査官に銃を突きつけて死を選ぶかどうかの選択に迫られると
いうシーンが多いけれど、説得する役割や、殺害/発砲する
メインキャラは誰なのかということは常に気になるかな。
驚くべきことは今回初めてJJの姉の件が語られて、JJが11歳の時に
17歳の姉(Rosaline Jareau)を失っていることを、JJの様子を
見て悟ったブレイクに語る。
「姉妹を失うのは母を失うよりも辛い」
とのことだけど、本当にそうなのかな。
正直こんな所でJJの過去の不幸を持ち出して欲しくはなか
った。あまりにあっさりとした流れの中で語られてしまった感じ。
そんなJJが活躍したのは解離性同一性障害を持つ父親の別人格を
呼び出して話を聞き出すための工作をした際に主導した格好で、
最後に一癖あるなと思っていたセラにボロを出させる為の流れ
に使われた。
しかしあのシーンで現場に一人だけしか居ないJJというのは
不自然過ぎ。相手に警戒心を与えない為の工作とはいえ、普通
家の近くに張り込んでいるでしょう。
地下室でケイティのキルトの箱を見に行く際には、完全に
ホラー映画状態だった。アメリカの屋敷に地下室を作っては
アカンですよ(笑)
■プロファイルの発表
今回プロファイルを発表するまでもなく、普通の刑事ドラマの
ようにして口座記録やら通話記録、人との関わり合いを通して
捜査をしていくことになった。
■それぞれの捜査
今回は特に誰がどれを調べよとのホッチの指示はなく自然と
組み分けされた格好だった。日本版なのでその辺の流れが
カットされたのかも知れないけど、その辺はどうかは分からない。
最初のとっかかりのシーンでは
・ホッチとブルースがブルースから話を聞いていた。
・リードとJJが次女・ケイティの部屋を調べていた。ケイティは
インドア派で料理の勉強をしている。携帯が無くなっていた。
・ブレイクとモーガンが長女・セラの部屋を調べる。
母が消え以降の日記が空白。しかし学校では創作の授業では色々と
書いていることが指摘。更にベッドメイキングが高校生にしては
綺麗すぎるということ。
■捜査
容疑者は実に多かった。
・父親のブルース
ジュディはジェフと浮気していたみたいだけど、その辺の事情が
イマイチ分からなかった。結局ジュディって誰が殺して何処に
遺体が有ったんでしょうか??
ブルースにはアルコール中毒と、虐待、そして解離性同一障害の
可能性にまで言及されていく。
・警察官フリードマン
2年前の妻失踪の時からずっとブルースのことを容疑者としての
視線でしか見ていない。嫌な口を叩くのでブルースを激怒させて
本音を引き出すにはいいのかも知れないけど、BAUの話の腰を
折りまくるので邪魔くさい。
・ジェフ・ゴッドウィン
ジュディと浮気して、更にセラともメールで会話していた事が
判明。ジュディが好みならばセラも成長するに従い似てくること
は必死。ただ自分は二人の子のウチ、セラはジェフとジュディの
子だから気にかけていたのではないかと思って見て居た。
■人は記憶がないのに人を殺せるのか
記憶がないからこそ人を殺せるのか?
記憶自体は別人格を作って殺している自覚させることは出来そう
だけど。作家で教授という立場を見ると小説の世界を作ること
だって可能だし、彼にはそういう素質も有った。
人に取って精神的にも現実的にも逃げ場というのは必要なんだな。
■セラの蛮行
この子はいつの頃から計画を実行に移そうと考えていたのか。
そもそもジュディは殺したのか?
ケイティの遺体は意外とあっさりと見つかった。
■薬物の怖さ
メンタルの病気を患っていると少なからず常識意外のことをして
しまう。大抵のことは人を傷つけたりはしないのだろうけど、
それでも先天性の疾患ならばともかく後天的に病気を患っている
としたら、何処から原因が有るハズだ。
夫が発症する要因は妻の失踪やら妻の浮気に有ったかと思ったけど
それはあくまでアルコール依存の流れで、解離性同一性障害の
流れは父親が元々アル中で暴力を振るっていたので連鎖的にそう
なってしまったみたいだ。
しかしアルコールに関してはブルースは辞めていた。
内臓を調べたが確かにアルコール中毒による副産物がある訳
ではない。薬の処方は妻名義でジスルフィラムというが出て
夫の代わりに受け取って居た。世間体を気にする家族だった
様だ。そしてその処方を止めていた人物を突き止めるとセラだと
いうことが判明していく。
■自分が主役でないと気が済まない?
今回のエピソード、確かにサイコパス傾向ではあるけど、寧ろ
過度に姉妹の愛情やら感受性の違いによって、姉は妹が生まれて
から相手にされなくなったと思い込んでいただけって感じも
する。ただそれで家族・姉妹を殺せるということはまさにサイコ
パスでしかないんでしょうが。
■使用された曲
・
■出演者
デビッド・ロッシ …… BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー …… リーダー
デレク・モーガン …… 爆弾処理が得意
スペンサー・リード …… ドクター
ペネロープ・ガルシア …… 解析
ジェニファー・ジャロウ …… 元国防総省
アレックス・ブレイク …… S8新加入、大学教授
ブルース・モリソン …… 父親、大学教授、小説家
セラ・モリソン …… 長女・17歳
ケイティ・モリソン …… 次女・13歳
ジュディ・モリソン …… 妻、不動産屋
ハーディ・フリードマン …… 地元捜査官
チップ・ゴードン …… モリソン家の隣人
ジェフ・ゴッドウィン …… ジュディと不倫
Dr.フランシー・ケンダル …… 検死官