第6話 ホラータウン Master of Horror
監督/Terrence O’Hara 脚本/Scott Shapiro
【ストーリー】
・コマンダー・パレス・レストラン
ハロウィンで仮装ネコの女性(Brooke Hurring)とガイコツの
仮装をした男性(Brett Zimmerman)がじゃれ合い、一年で
一番ゾクゾクする時期でありニューオーリンズの倒錯した
所に行かないかと男性が誘う。二人は墓場に行きキスしてい
ると、墓場の祭壇で女性が倒れていた。酔っているだけかと
思われたが声を掛けると「デヴィルにやられた」として
意識を失う。
ハロウィンにはピッタリの魔女の飲み物を持って来たとして
クリスはメリーに渡す。パンプキン・スパイス・ラテ。
この時期は最高だとクリス。今日はこれも持って来たとして
巨大ベーコンの衣装。仮装に使うものだとするとベーコネー
ター(ベーコン + ターミネーター)をするのだとして彼は
“I’ll be Back”と語る。そこまで馬鹿げた仮装は初めてだと
いうメリーは笑う。ニューオーリンズのハロウィンは1週間も
続くという。動物園のイベント、幽霊ツアー、明日の夜には
ブゥードーフェスだと。
そんなクリスの元に海軍判事の遺体が墓地で発見されたとの
連絡が入る。
・現場の墓地
キングはロレッタにオハヨーと声を掛ける。
まさか墓地の遺体を調べることになるとはねと彼女。幽霊の
季節だからなとキング。被害者は海軍主任法務官・メラニー
ハーマン(Jessica “Ameelah” McDaniel)。キングは顔見知り
で彼女は沢山の事件を担当してもらったという。信頼で来る
判事だったこと。確かブロンドだったハズだというキングに
対して首に染料が付いているので赤毛に染めているという。
午前3時にカップルが証人。手足を見た所、死斑は全く見あた
らないのでかなり出血をしているということ。しかしクリス
は遺体やその周辺には血痕が全く無いという。放置前に
拭き取ったのだろうと。
ロレッタは小さな穴が二つ、頸動脈付近にあるという。
ヴィクトリア調のドレスを着た女性が大量に出血し、2つの
噛まれた跡が首にある・・とキング。流石はハロウィンだと
ロレッタ。
・オフィス
キングはメラニーは海軍に入ってすぐに法務部に配属された。
15年前から判事を務めている。結婚し離婚し息子は一人、
テキサス大学に居るという。発見したカップルは酔っ払い
かと声を掛けたが最後の言葉は「デヴィルにやられた」として
いたこと。まず通り魔的犯行の線を消すところから始めようと。
そして彼女の裁判記録を調べて有罪にした理由とトラブルが
ないかを調べろというキング。ヴァンパイアの線は?とクリス。
判事が過去鏡に姿が写らないヤツを裁いていたら一番に疑う
が違うならこのモンスターは人間だという。
そこにキングの妻・リンダ(Paige Turco)がやってくる。
リンダは屋根裏に有ったハロウィンの飾りを持って来たという。
メリーにリンダを紹介、クリスとリンダは既に周知の関係だ
った。Mrs.プライドと呼ぶメリーに対してリンダと呼んでと
いう。Mrs.プライドは夫の母のことになるかにと。
クリスとメリーは気を使って急いで判事のオフィスで扱った
案件を調べてくるとして出て行く。
キングとリンダ。
彼女は明日のハロウィンは来られないから持って来たという。
今は伝統とか言っている時期ではないでしょと彼女。
お陰の仮装した子を見てチョコでも食べてたら楽しいと思った
というキング。このままなし崩しじゃ駄目だというリンダは
だから他に予定を入れたことを語りきちんと整理したいと語る
彼女。あなたは仕事でしょとしてチョコを楽しんでと。
・海軍航空基地
メラニーが勤めていたオフィスでジェイク・ダーン兵曹
(Aubrey Deeker)から話を聞く。ジェイクは10年間毎日逢って
いたのに急に居なくなるなんて・・とショックを受ける。
犯人に見当は?と問われて現在調査中だという。脅迫は有った
のかを逆にジェイクに尋ねると勿論あるとし人を有罪と言った
のだから・・でも本気と思えるものではなかったという。
メラニーが扱った事件とファイルをまとめるというジェイク。
夕べの判事の行動は?と尋ねるとスケジュールを見るとして
パソコンを調べる。するとガラトワーズでのライリー市会議員
の引退パーティーに出世区しているという。夫妻の出席か
分かるかと問うとパーティーの主宰者に聞いて見てはどうか
という。
セバスチャンはキングに対してドラキュラに詳しいかと尋ねる。
ガーデンディストリラトのブルースドラキュラのことか?
と問い返す。すると今聞いているのはドラキュラ伯爵の方だ
としホラーマニアだというセバスチャン。ただしトワイライト
系ではなく本格派志向。スティーブン・キング、地元で言えば
アン・ライス。遡るならラヴクラフトやブラックウッドだとい
う。ロレッタに解剖結果はまだなのかと尋ねるがまだだという。
そんな中セバスチャンは、首筋の穴が2つ、手製のヴィクト
リア調のドレス、赤く染められた髪の毛と来たら、
ルーシー・ウェステンラを描いた挿絵、ブラム・ストーカー
のドラキュラの最初の犠牲者の絵だとしてそれを見せる。
すると確かに似ているという。生き写し・・いや死んでいる
かとセバスチャン。ロレッタは仮装は本人じゃないとし、
首の噛み跡は深さ2mmで表面的なもので傷ではなく静脈に達す
るものではないこと。失血死の原因は本人以外の有機物が
無いか調べたが何も出ないという。噛みつかれていないという
ことで、失血はナイフでついたものだという。
失血の本当の理由は脇腹の切り傷で一度も手術経験のない人
の仕業。血中からはクロロホルムが検出し切られた時には
意識はなかったという。切開した跡傷が縫い合わされている
こと。絹の糸はドレスの糸が使われて居ること。
キズを縫いドレスを着せてドラキュラのルーシーの姿にした
のか?とキング。切開の狙いは?と問うと、腎臓が盗まれている
と語る。
■事件
ハロウィンが近づくニューオーリンズの墓場で「ドラキュラ」
を模したような事件が発生する。被害者は海軍主任法務官
のメラニー・ハーマン判事。殺され方は不気味で、ナイフで
脇腹を刺されて腎臓を抜き取られた後に、縫い合わされて
ヴィクトリア調の服を着せて捨てられるというものだった。
目撃者によると死ぬ直前に彼女は”デヴィル”という言葉を
残していた。
■感想
もう少し前に放送されればまさに実際のハロウィンとタイア
ップする流れが出来たのにな。
ニューオーリンズのハロウィンは一週間もあるそうで、みんな
そんなネタにも触れていた。
驚くべきこととしては事務所にいよいよ初登場のキングの
妻・リンダが登場。パイロット版での出演はともかく、
このドラマに於いてはいよいよ先日の娘の登場に続いて
キングの家庭の事情が語られることになる。
夫婦生活の維持を難しくしていることは何なのか。
何と言ってもキングが自宅に帰らないということは一話の段階
から現れていたので家庭が上手く行っていないことは想像に
堅くない。
今回は事件の関係者、法の執行官が殺害されたりしている
現状からしても、職業柄家族が命を狙われる危険性を危惧して
いるところがあるということが分かる。キングとしては妻子が
狙われないように自宅に戻らないようにしているのだろうか?
なかなか二人が話し合う機会はなかった。
キングは先日一緒にカウンセラーに通うと連絡していたこと
も有ったし、今回はリンダの流れからすると離婚を前提として
何処かこれまでの伝統を崩そうとしている感じがする。
この家庭はどう傾いていくのだろうね。
■事件
メラニー判事が殺害され、死体の状態を観るとまるで
「ドラキュラ」に於ける最初の被害者ルーシー・ウェステンウ
を描いたもの。
メラニーの体内から臓器が盗まれていたことから臓器泥棒か
とされるも、当然ならばそんな犯行ならば、ヴィクトリア調
に服を着させる必要も無い。
更に殺され方を観て二人目の遺体が発見されると腎臓が盗まれ
てその腎臓が殺された陪審員の体内に移されていたことから
「フランケンシュタイン」を意識しているとされる。
アメリカのクーラーボックス中ってやっぱり死体が入って
いる(笑)
・ミスリード
ドラマではS1-1で殺人に関わっているんじゃね?と思わず
疑われてしまった市会議員ハミルトンが再度疑われるところ
も有る。彼が主催したパーティーの中に被害者と犯人がいる
のではないかと疑われた為だが、キングもまた強引になって
捜査妨害で逮捕するぞとして有権者の前で逮捕されるのは
体面も悪いのではないかとして脅しているところも有る。
■犯人の可能性は?
判事が関係しているので過去に裁いた人物ではないかとして
疑っていく。一度は同僚のジェーク・ダーン兵曹が判事の
後ろを尾行していたので疑われたが、恋心を持っていた彼は
誰が男が居ないかどうかを探っていた感じ。
二人目の遺体が出たことで共通性が出てくる。
デニース・マードックが性的暴行を受けた事件に於いて、
被告はジョン・ネヴィルだった。チャールストン海軍刑務所で
懲役7年。ジョンは一貫して無罪を主張していたとされるが、
刑期が終わり3ヶ月前には出所している。
そこで初めて判事が最後に語った言葉は「デヴィル」ではなく
「ネヴィル」だったのではないかとされた。
更に緊急を要することにデニースが再び居なくなっている。
ジョンが恨んで殺害したのではないかとされるも、
結果からするとジョンの後ろで子分のように従っていた息子
のジェシーが犯人だった。
ジェシーは父親から虐待を受けて育ち、父親への復讐を遠回り
の形で行っている。
デニースはエドガー・アランポーの「アモンティラードの樽」
の方法論で殺されているのではないかとされる。主人公が他の
男から屈辱を受けたと感じて地下の酒造へ入れて鎖で縛り
食べ物を与えずに壁を築いて男を閉じ込めるものだった。
■その他
・Dr.サミュエル・ウィルキンス
とてもさわやかでイケメン顔の人物で今回の事件でも手伝って
くれた。性格証人としてネヴィルの心理的状況を探るという
役割を担っていた。メリーとは特に関係が発展しそうな雰囲気
も有ったけど、残念ながら何も無かった。
彼から「ジキルとハイド」を例に出され、犯人のジェシーは
虐待を受けた為に人格を解離させて成長させたのだろうという。
別人格を出させる為に、ジキルが危険だと思わせてハイド側
の人格と話をしなければならないというものだった。
・不幸すぎるだろうデニース
2003年には性的暴行を受けていて、2014年の今回のエピソード
では誘拐されて地下室に閉じ込められてしまった。
この人の精神状態は大丈夫なのか?
・みんな仮装する?
クリスは冒頭からターミネーターならぬベーコネーターに
扮することを語っていた。
クリスはメリーに対して顔を緑に塗って防弾ベストを着て
「ウィキッドの闘う魔女」になったらどうかとしていた。
結局クリスは何に扮したのか。
■使用された曲
・Boom Boom by BIG HEAD TODD & THE MONSTERS
■出演者
ドウェイン・プライド (Scott Bakula) “キング”、NCIS特別捜査官、主任
クリストファー・ラサール (Lucas Black) “クリス”、NCIS、女性に積極
メレディス・ブロディ (Zoe McLellan) “メリー”、NCIS、尋問
ロレッタ・ウェイド (CCH Pounder) 検視官
セバスチャン・ランド (Rob Kerkovich) ロレッタのAS、科学捜査分析官
リンダ・プライド …… ドウェインの妻
ジョン・ネヴィル …… 兵曹長、被告、懲役7年
ジェシー・ネヴィル …… ジョンの息子、虐待
ダグラス・サミュエル・ウィルキンス …… 精神分析医
ジェイク・ダーン …… 兵曹、メラニーの部下
キンバリー・マードック …… デニースの母
デニース・マードック …… 2003年性的暴行被害、誘拐
ダグラス・ハミルトン …… 市会議員
ラキュール …… ネコの仮装
エリック …… ガイコツの仮装
スロース …… 捜査官、デニースの車を発見
メラニー・ハーマン …… 海軍主任法務官
ジョエル・エイブラム少佐 …… 被害者、当時の陪審員