IDクライム Identity
(2009年 / England)
第5話 偽りの果てに Somewhere They Can’t Find Me
監督 / Andy Hay
脚本 / Ed Whitmore
■物語 STORY
・これまでの物語 Previously…
潜入捜査で長い間他人を装っていたブルームは、マフィアに接近
していた。アティーフから誰かがボスを警察に売ったという事を
聞かされ、刑務所のナザールからは裏切者はアティーフだと
聞かされる。そしてブルームはアティーフ殺害を命じられ、
後頭部に銃を突きつけ物乞いするような素振りを見せたアティーフ
に気を許した瞬間形成は逆転され殺されかける。
アディルが何とか射殺し助ける。遺体をトランクに入れるが
ボスの仲間に証拠を見せなければならない為に遺体を車のトランク
に詰め込んだまま特捜班の任務に就いていると、遺体が消えてなく
なる。
■銀行
母親と娘は書類に記入しようとする。
しかし母親は何処か上の空で書類に記入することが出来ずに
いた。娘が次の行動に移る様 催促する。名前と生年月日を
書いて。
銀行から出る時、娘は母に尋ねる。
「大学に行かせたくないのか?」(Vicky)
「違うわ、寂しいだけ」(Miriam)
そういうとハグする。
・STELLA HOTEL
母親はホテルに向かうが白いセダン型(オペル社製オメガ(イギリスでの販売名
がヴォクソール))に轢かれて倒れる。
運転手の女性は急いで外に出てくる。
母親は大丈夫なので触らないでくれと彼女をはねのけるが、
次の瞬間気を失って倒れる。
■ロンドン警視庁・特別捜査班
・捜査会議室
「これで最後よ、ブルーム。電話して」(tessa)
テッサがブルームに電話する。彼はスペースハウス(現CAA 民間航空局)
内にある喫茶店でコーヒーを購入するとマーサに渡す。
「昨夜は仕事仲間として誘っただけ。しかし断られた」
「いつもの秘密の仕事でしょ」(Martha)
指名手配犯が見つかったという。
銃を手にした女性が銀行を襲うカメラ映像をチームに見せると、
ブルームはナディアだとし、見つかったのかと問う。
「子供の頃は彼女が格好良く見えた」
「彼女には政治的主張が有った」(Bloom)
その彼女が捕まったのは交通事故で病院に運ばれたからだった。
彼女は異常な程 検査を嫌がり暴れたとのこと。
「彼女に会ってどうする?」
「弁護士が付く前に自白を引き出す」
「DNA鑑定は同意なし」
「人権侵害を主張される」
とにかく裁判前に証拠が必要だった。
テッサは病院内をモニタで映し出す。
■病院
マーサとアンソニーは急いで病院に向かう。
ミリアム・ブロリーン (Miriam Brolin)に面会しようとすると、
夫のジェイコブ・ブロリーン (Simon Chandler)が二人に話しかけ、
彼女は私の妻だという。
マーサはベッドに居るミリアムに対して、これから事情聴取を
行うと宣言して質問に入る。
「あなたはかつてテロ活動をしていましたね」
「いいえ」
「1981年8月3日 M&V銀行を襲撃した?」
「いいえ」
モニタリングしていたブルームは一枚の資料を持ち出し彼女の
同士だとしてマルコ・ロブソン (Clive Russell)の写真を見せる。
ブルームは良い手があるとしてホセを連れて捜査に出る。
ミリアムは当時“ナディア”と呼ばれていた。
マーサは彼女の当時の仲間が射殺した男の写真を見せる。
しかし彼女はまるで記憶が失われているのかのように、自分は
ナディアでもないことを主張する。
■刑務所 / HM PRISON WARRICK
マルコ・ロブソンが刑務官に連れられてゲートを出る。
裁判では “愚かな異常者”と判事に言われていた。
マルコの入口で軽くサインをすると刑務所の外に出てくる。
彼は刑務所外での作業が許されていた。しかし反省した様子は
まるでない。
・自動車修理会社
ブルームとホセは車で尾行するが彼は自動車修理工に出勤する。
女主人は出勤は10時半だとし、事務所に来るよう命じられる。
ブルームは修理工(Jimmy Roussounis)に対してタイヤがパンクした
事を告げ内部を調べようとする。
壁にかかっていた鍵をスタッフのジャケット内に入れてしまう。
その時女主人と事務所で性的関係になっていたのはマルコ。
・事務所
ブルームは女主人に対して警察手帳を見せると手配車両の捜査
をしていることを告げる。家にはない言う女主人。
昨日届いたとする車両(フォード社製モンテオGD)を見ようとする。
しかしトランクは鍵がないので開かない。
マルコのジャケットを調べると先ほど仕込んでおいた鍵が見つかる。
その瞬間マルコは逃走しホセが追いかけ捕まえる。
■病院
マルコを病院に連れていくブルームとホセ。
旧友と対面だとしてマルコをミリアムと対面させる。
■ロンドン警視庁・特別捜査班
・捜査会議室
マーサは無断でマルコとミリアムに会わせたことに激怒。
しかしブルームの主張は「感づかれたら作戦が台無し」だ
として必要だったことを語る。
「どうせ失敗だろう」(anthony)
「彼女の夫が弁護士を連れて来た」(tessa)
簡単に面会は出来なくなり次の手を考えなければならない状況に
なる。マーサはこんな馬鹿な真似は二度とするなとブルームに
くぎを刺すが、ブルームは反論する。
「これは芝居だ。マルコとナディアはずっと連絡を取り合っていた」
その発言に呆れてみんなブルームから離れていく。
■病院
突然病室でミリアムがせき込む。
看護師が誰もいない状況の中、出入り口を守っていた女性警察官が
中に入り体調の悪そうな彼女に声をかける。
「喘息です」
というミリアム。医者を呼ぼうとするが、バッグの中に薬が入って
いるという。中には拳銃が入っていて警察官を殴り飛ばす。
■ブルーム邸
体は疲れていて帰宅すると、冷蔵庫を早速開けてみる。
するとそこにはブルームの遺体が隠されていた。
それと同時にマーサからブルームに電話が鳴る。
マーサからはミリアムが誰にも目撃されずに逃走しているとの
報告を受ける。
流石はプロ・・しかし現役ではない。
そしてマルコも消えたこと。
・ヒューのオフィス
ヒューは二人に自白を促すはずが動揺させて逃がしたことに失望。
そしてマルコまで逃がしたこと。
殺人者とテロリストの再会の手助けをしたのか?
ヒューは二人を皮肉り、今後捜査から外れてもらうという。
殴られた巡査から情報を得たと報告するマーサ。
黒髪のカツラと銃を持っている。
また銀行を襲うのか?
「凄腕のテロリストで普通の捜査では追いきれない」
ヒューは助っ人としてこの事件を追い続けているサッカー警視正
(Tom Mannion)の事だった。
・回想 & 過去のVTR
過去に事件の一部犯罪人を捕まえたサッカー刑事(Steven Cree)
の映像を見る特捜班。
「まだ終わっていない。
ロブソン、ミルズ、ヒーリーを捕らえて市民の安全は保たれた。
しかし今も逃亡を続けている者がいる。私は必ずナディアを逮捕
する」
・事件を整理
「ミルズとヒーリーの現在の状況は?」
ミルズは服役中の暴動で死亡。
ヒーリー(Jamie Langlands)は早期出所して今は医師をしている。
「ナディアとロブソンが逃亡した理由は?」
“闘争は多くの局面を持つ・さらなる強化の為には沈黙も必要だ”
これはロブソンが発言したもの。
“我々の辞書に敗北の文字はない”
“沈黙を誤解するな”
“資本主義者が油断した時こそ我々は復活し火を放つのだ”
警告などではない。これはただの自己満足だというブルーム。
■感想
・イントロ部を見た時の感想
今回のエピソードは冒頭から美形なブロンドの親子が登場。
母と娘。娘は大学進学の為の書類/奨学金申請?を母に書くよう
求めるが、彼女は何故かそれを書こうとしない。
母親・ミリアムは何かの病気に冒されているのか。
実はミリアムの事が分かってみれば
『1981年8月3日 M&V銀行が強盗事件』が起きた際の犯人グループ
4人の内の一人ではないかとされている。
ゆえに銀行を目にした際に、過去に冒した強盗事件に思い馳せる
姿があるのか。
彼女が向かった先には『 STELLA HOTEL 』とある。
一方で刑務所に収監され、ム所外での作業を許されているマルコ
は車のメカニックのスキルを持つ為、定期的に自動車整備工として
派遣されるが、目的は女主人との性交渉に有るみたいだ。
ブルームはマルコを別件で再逮捕した後、病院に一時入院して
いるミリアムと突然会わせて、そのリアクションを観察して
見ようとするが、現在の夫のジェイコブがそれを阻止した為に
大失敗。
しかしマルコの中にも頭の中には『 STELLA HOTEL 』と書かれた
映像が目の前に映る。
二人の間には何か関係が有り、そしてどのようにして連絡を
取りあって来たのか。
そして連絡していたので有れば、これからまた何かを起こそうと
しているのか?
そしてミリアムの娘・ビッキーは何処までその事実を知って
いるのか?
イントロ部だけでは事実以上の事を予想するのが難しい展開だ。
1981年に起こした犯罪を今になって実行しようとしているので
あればそれは愚の骨頂だ
1981年というと遠い昔という印象もあるが、このドラマが放映
されたのが2009年だと勘案するとドラマの中の時計では銀行強盗
は28年前に起こした事。それは四半世紀は経過している。
それでも彼らを犯罪に駆り立てるものが何なのか。
過去の犯罪者が再犯に走る事は統計的にも多いが、このような
大事件に発展した事件の場合はどうなのだろうか。
年齢や月日が流れたことによるブランクを彼らはどれだけ理解
しているのか。
取り合えず1981年に彼らが望んでいたものは何かだよね。
・ドラマを見終わってからの感想
このドラマの難儀な点は彼らの信念が何処にあるのかが分からない。
当時のテロリストの目的は資本主義を否定し、議員や政治家宅を
爆破した。しかしその主張に誰からも相手にされない為に銀行を
襲って注目を浴びようとしたのが一連の流れだとされている。
ナディアはそのテロリストを構成するメンバーの特定が任務であり
それを突き止めた時点で任務から解かれても良さそうな感じがする。
それは銀行を襲う前に大方判明していたことだろう。
何故なら銀行を襲ったのは僅か4人であり、彼らの信念に対する
過度なまでに忠誠心を持つものなど殆どいなかったからだと
想像され、襲撃するターゲットが判明した時点で抜けることも
出来たハズ。
深追いし過ぎてナディアが銀行で人を殺害した事実は明らかだった
し、銀行で人を撃つ前に意図して捕まってもよかったのでは
ないか。
凶器が見つかっていない。
マルコがその銃を持っているのならば、まだしもマルコとの繋がりは
何だったのだろう。
「嫉妬以上のものが有った」
としているが、マルコにそこまでカリスマ性を感じるものだったか。
ナディアに正常な心があるのであれば、その信念は罪悪感へと
向うはずで、その流れはマルコが捕まった事ではなく、銀行で
殺害した男の命とその家族に焦点が当たりそうなものだ。
各所じっくり見て回るとやはり雑な要素が目立つし。逆に
その粗さが先の展開を曇らせている感じもする。
刑務所に入っていようが病院に入院していようが、とにかく
警備が手薄で機能していない。セラピストのオフィスにも容易に
入り込めて、壁という壁がまるでない。
当時の捜査官が加わることになる。
初めて会議の場で彼が発言する情報には嘘が混ざっており、当然その
時点で分かるものではないが、次の瞬間セラピストのオフィスで
ブルームとバッティングし発覚してしまう。
彼はナディアの正体は把握しているが、彼女の心を理解できるものが
居ないことが彼女自身を混乱に貶めたのだろう。
・時の流れ
28年経過したことにより色あせたものが有れば、このドラマで
すっぱく言及される「信念」を貫く心みたいなものは存在する。
四人の銀行強盗のその後を見ていると、
今でも刑務所に居るもの。
刑務所で亡くなったもの。
郊外で医師としての新しいキャリアを始めたもの。
郊外で家庭を持ち家も車も子供も持つ主婦となったもの。
その違いは段違いである。
犯罪者にしても捜査側にしてもそれなりに年齢を感じさせるもの
がある。
サッカーは28年前に警部補としてある程度捜査の指揮を主導していた
人物だが、現在はどの程度の刑事としてのスキル・能力、そして体力が
あるのか分からない。彼は執念をもって捜査に挑むとしていたが、
その執念は犯人の逮捕にあらず、嫉妬心に支配されている。
またナディアは潜入捜査をする過程でミイラ取りがミイラとなって
しまうというかの如くマルコとの関係を貫く。
話によれば当時のサッカーのマルコへの尋問は拷問であり、
国家権力に嫌気を感じるような流れがある。
一人の女性を巡り三者三様の視線を持ちつつ、それぞれの
立場から彼女を愛していたことが伺える。
ドラマのテーマはアイデンティティだが、二つの時代を
通して見る「嫉妬心」が今回のメインだった。
何よりも一番象徴的なシーンは、マルコとナディアが逃走する
流れの中、瀕死のマルコが見たと夢が何だったのかという
ところに尽きる。同志が再会した時には
「郊外での生活なんて退屈だろう」
みたいな発言をするも、僅か一時で有れナディアの家族と触れた
マルコにとってはその夢がナディアとの郊外で暮らす生活だった
に違いない。
また現在潜入捜査中のブルームと比較する流れとしての
エピソードとして見るとナディア/ミリアムの面通しは
興味深いものが有った。
・消化不良
28年に起こした事件がいまいち消化しきれていない。
凶器が見つかる流れ。
ステラホテルが出てきた意味。
“同志”と呼ばれるものたちへの連絡の取り方。
また最後までマルコに拘ったナディアの心情は何だった
のだろうか。彼女の生い立ちへの掘り下げ方やナディア
という名前が付けられていたことにはどんな意味が有った
のか。
・マフィアの件 / ブルームの潜入捜査
何処かに消えたと思っていたアティーフの遺体は今回ブルーム
の家の銀色の冷蔵庫の中に入れてある事が判明する。
アメリカならば遺体は納屋の氷が詰まったケースの中に入れら
れているのが相場だけど、とりあえず遺体の場所が判明し
管理下に置けるという意味ではブルームには幸いか。
しかしその後の処理には困るし、これを運んだのって一体誰なん
だろうか?
今回のエピソードの中では遺体を何度かチラ見せした程度で
この件の進展はほぼ無かった。しかしようやくブルームを監視
するアンソニーの出番が回ってくるというものではないか。
(特捜班が同僚を見張るっていうのは不自然だけどね)
■ドラマの興味深い点
人物像の掘り下げ方はやはり中途半端な印象だ。
マルコのこれまで生活はともかく、寧ろミリアム家がどのように
してこの28年間を過ごして来たのか、特捜班ならばもっと深く、
そして真っ先に調べても良さそうなもの。
子供が大学進学を目指しているとのことなので18歳前後だとする
と子供は母親のこれまでの事を知らない可能性だってある。
まるで彼女の私生活を暴こうとせずに進んでいくことにいら立ち
を覚える。そもそも彼女に付けられた「ナディア」とは何を
意味しているのか。
・マルコとミリアム
互いに警察からのマークを抜け出して会う。
マルコの方はミリアムが信念から外れたかと思っていた様で、
彼女が未だに変わらぬ意識を持つことに安心感を得る。
彼女が持って来た拳銃を目にする際には、寧ろマルコ以上に
彼らを突き動かす原動力がミリアムの方にあるような感じが
してなんとも言えない。
「ありがとう、我が同士よ」
獄中での生活を経験したのはマルコだけだ。
(いやナディア以外は実際には服役している)
ミリアムもそのことは気にしているようでマルコに問う。
「戦士にリスクは付き物。君が自由でいる限り戦いは続く」
しかし難しい問いかけをしてくるのはマルコの方だ。
「郊外の生活はクソだ。家族なんて退屈だよな」
■捜査に参加する警視正・サッカー
「犠牲者の遺族に約束した」という事で28年前の銀行強盗の
事件捜査をしていたサッカーが加わる。
あきらめたくないという信念は善と悪側の人間として通じる
ところはある。
「面倒な人が来た」
「有能な人だ」
「そこが問題。自由に動けなくなる」
・サッカーからの情報
ナディアは偽名で本名や出身地など詳細は一切不明。
仲間との出会いはある不法占拠事件。
以降大使館や議員宅を爆破。
銀行を襲ったのは彼らの訴えが大衆の支持を得られなかったから。
ジョン・クレイ (Justin Pearson)が撃ち殺される。
しかし凶器は発見できず。
ナディアは熱心な革命家。
・ブローリン家での話
マーサから警視正よりも早くミリアムを見つけろと言われた
ブルームは彼女の実家を訪ねる。郊外で何不自由なく生活
している幸せコミュニティ。
夫のジェイコブと娘のヴィッキーは、ミリアムは強引に連れ去ら
れたと思っている。しかし警察官を襲った行動はどう説明を
付けるのか。
夫婦の寝室が別。ただし体の関係は有った。
旦那もまた妻が何者なのかと困惑している様子。
・娘のビッキーからミリアムの情報
母親は綺麗好き。
ブルームが母親が嘘をついていると言っても信じない。
「ずっと正体を隠して生きてきたんだ」
「想像できるか? 愛する人を裏切り続けたんだぞ」
・ミリアムの主治医、ニナ・ギアリング (Kate Maravan)
彼女は精神的な問題を抱えていた。
守秘義務を盾にして情報を出すのを渋る。
彼女の場合、殺人を犯したと言ってもそれがただの妄想かも知れない
し、嘘や挑発の可能性もある。
「犯罪の証拠にはならない」
ただ診療時には録音しているみたいだ。
ブルームは捜査会議でこの事実を話した後、隙を見て診療所に侵入
する。しかし既に先客有。マスクをした男。
追いかけて少しボコってマスクを剥ぐとサッカーだった。
彼女の正体は警察官だということをサッカーの口から聞く。
・終盤
マルコが撃たれた後、彼女が立ち寄ったのはブローリン家だった。
旦那に消毒薬と鎮痛剤を用意してもらうも、警察に連絡すべき
ことを言われる。旦那は彼女の暴走を止めたいが無理だと突き放さ
れる。
・犯罪者の一人・マックス・ヒーリー
地方で診療所を営む。昔の過ちを恥じていた。
マルコに対して警戒心を持っている。
ミルズ殺しの犯人はマルコだと思っている。
「同志の死に涙を見せなかった」
・チームの捜査結果
ミリアムが事故が起きた日は娘の大学の入学願書を書いて
高額な学費を一括で支払っていた。
(姿を消すつもりだったのか)
カードの使用履歴、出入国の情報は何一つなし。
彼女がセラピーに通っていた。
彼女の中で葛藤が起きている。
改めてミリアムの名前がサンドラ・コンウェイだったことが
分かると、チームでこの顛末の幕引きをどうするかを考える。
1977年 警察学校を主席で卒業。
順調に出世。しかし反テロ活動に出会い、サッカーの部下に
なる。その後ナディアとしてテロ組織に潜入。
貴重な情報を入手し1981年のメンバー逮捕に貢献。
優秀・有能な捜査官があの事件でキャリアを失った。
・複数の名前を持つ人
有能な警察官、テロリスト、郊外に住む子供の居る家庭の母。
彼女の名前はサンドラ・コンウェイ。サッカーの部下。
ナディアとして組織に送り込み連中を検挙。
彼女は裁判で証言するのは難しい状態。精神状態が滅茶苦茶
でテロリストになりきっていた。新しい生活を与えて新たな
アイデンティティの確立をもくろむ。その結果ミリアム
として家庭を築いた。
しかしこれらの事実を公表すれば、マルコも何をするか分から
ない。彼女は再びナディアを選ぶ。闇から抜け出せない。
・ステラホテル
ヒーリーがホテルを訪れる。同志に会う為なのか。
本人が語っていた事と違う。呼び出されたのだろう。
「マックス、元気かい」
1987年に刑務所で別れて以来だ。
サッカーが欲しがっている銃が入った箱をマックスに見せる。
・捜査官がホテルへ。
マックスは囮だった。
「やぁ、サンドラ」「もう疲れたろ」
「分かるの?」
ブルームが背後からマルコに殴られ、他の捜査官に囲まれ
マルコを体を張って守ろうとするナディアの姿が有る。
マルコを撃とうとするサッカーだが難しい位置関係となる。
サッカーとナディアの間で特別な合図が有ったのだろうか?
確かにマルコに被弾したような感じだった。
彼らは用意していた車オペル・ベクトラ 2世代目(Vectra-B)で
逃走。
・マックスを聴取
マルコから会いたいとの電話が有った。
彼女の銃を弁護士に渡すよう頼まれた。
“殺人の凶器だから調べろ”
マルコが殺人罪の判決を覆そうとしている事を意味していた。
当時のサッカーの尋問は拷問に近い。
マルコは当時顔が潰される程殴られていた。
何故か彼が集中してサッカーに殴られる。
嫉妬心なのか。愛情以上のものが有る。
彼女はマルコを崇拝していた。それをサッカーも知っていた。
・真相
殺人を犯したのはナディア。銃はサッカーが渡したもの。
ナディアを黙らせてマルコに罪を着せた。
サッカーはナディアに銃を渡せと迫る。
変わりにマルコを逃がして欲しいという。
しかしマルコは虫の息だった。
■その他
・CAA HOUSE / Covent Garden, London
かつてSpace Houseと呼ばれた場所。冒頭のシーンでブルームが居る
場所で上空から映る映像が出るが面白い形をしている。
特捜班はこのビルの中がオフィスなのかな。
・アンソニーがブルームを家まで送る。
マーサの命令で彼の部屋を軽く探るアンソニー。
ブルームが咄嗟に冷蔵庫の前に立ち遺体が発覚するのを防いだけど
誰が見ても怪しい。
アンソニーはずっとブルームのことを監視していた。
・カウンセリング日記
セラピストの家に有った録音データを聞くブルーム。
「胸にしまったまま生きていけると思った。でも私はそんなに
強くない」
「ビッキーには母親が必要よ」
「もう大人、あの子なら耐えられる」
「何故自分を責める?」
「彼は無実の罪で刑務所に・・私のせい」
「私が人の命を奪ったから」
・奇妙な組み合わせ
深夜にマルコとビッキーの間で会話がある。
「幸せだった。11歳の時に歯が抜けた私を見てママは笑っていた」
「叔母から趣味の悪いドレスをもらったが黙っていた」
「コーンウォールで初恋の子に会った時。いつか再会して結婚する」
写真に自分と母親が映るのを見せて如何に幸せだったかを訴える。
それを壊そうとするマルコにとっての拷問。
ビッキーは警察に電話するが、マルコが娘の喉元にナイフを突き立て
る。
・なかなか死なないのが君の欠点だ
マルコが重傷でナディアと共にヒーリーの医師を尋ねる途中に
サッカーがマルコに発した言葉。
(I’m surprised he’s still breathing. He always was a tough bastard.)
・M&V BANK
設定ではイギリスのSouth Shieldsにあるとされる銀行。
イギリスの中央やや北東部にある場所。
■使用された曲
・Prologue (Identity) by Alan Silvestri
・What Have You Done?
・Settling In
・Lou Is Dead
・Suicide Jumper
・It Was an Accident
・Bodies Disappear
・May 10th
・Rhode’s Secret
・Showdown
・Orange Grove
・No Second Chance
・Identity End Credits
■出演者
DI ジョン・ブルーム (Aidan Gillen) 警部補 元潜入捜査
DSI マーサ・ローソン (Keeley Hawes) 副警監 女
テッサ・ステイン (Holly Aird) コンピュータ捜査
DC ホセ・ロドリゲス (Elyes Gabel) 赤いシャツ、パーマ
DS アンソニー・ウェアリング (Shaun Parkes) 巡査部長 黒人
AC ヒュー・ウェインライト (Patrick Baladi) 警察の偉い人
アディル・カーメル (Agni Scott) ハリトの妻
ハリト・カーメル (Ken Bones) アディルの父親
アティーフ (Aleksandar Mikic) ブルームを”ブレンダン”と呼ぶ人
ナザール・カーメル (Tamer Hassan) アディルの兄、囚人
ミリアム・ブローリン (Miriam Brolin) 母親 “ナディア”、M&V銀行を襲撃犯
ビッキー・ブローリン (Laura Greenwood) 娘、大学進学
ジェイコブ・ブローリン (Simon Chandler) 夫
マルコ・ロブソン (Clive Russell) M&V銀行を襲撃犯
DCS ロバート・サッカー (Tom Mannion) 警視正、M&V銀行を襲撃を追い続ける
マックス・ヒーリー (Anthony Calf) M&V銀行を襲撃犯、地方で診療所
Dr.ニナ・ギアリング (Kate Maravan) ミリアムの主治医・セラピスト
Mrs.ブロードフット (Sally Faulkner) 自動車整備のオーナー?
(Lucy le Messurier) WPC
(Jimmy Roussounis) メカニック
(Steven Cree) 若い頃のサッカー
(Jamie Langlands) 若い頃のマックス
ジョン・クレイ (Justin Pearson) 銀行で殺害される
(Glenn Salvage) 若い頃のマーカス・ロブソン