July 12, 2012
第4話 宿敵の反撃 Discovery
監督/Kevin Bray 脚本/Daniel Arkin
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ダニエルのオフィスにいくルイス。
ダニエルは別の仕事をしていてルイスの相手をしてくれない
為に写真を覗くとトーマス判事だという。用件は一体何なのか
と問うダニエルにルイスはフォスター保険での顧問契約獲得
に対しておめでとうと語り、書類を作らせてもらったという。
手伝わせて欲しいとするルイスに対して「君では役不足だ」
というダニエル。しかしダニエルはルイスが何か言いたげに
していることを知り話を聞くと、事務所内は最近変わってきて
いると告げ、以前までの情勢とは違う事。自分は誠実に働かせ
て欲しいというルイスにダニエルは頼みがあると告げ、マイク
を貸して欲しいという。しかしルイスは彼は現在リキッドウォ
ーター社の訴訟準備をしているので外せない事を語る。
ルイスはハーヴィーの元にいくとマイクを二週間ほど貸して
欲しいと頼む。プライス姉妹の件で賭けをした際に私が勝った
だろうとし、このままだと「ハーヴィーは約束を守らないヤツ」
だと事務所中で言いふらすぞと脅す。しかしハーヴィーは君が
マイクを借りる権利を捨てたんだと告げ、大声でオレがニュー
ヨーク一のクローザーだと言えば貸すという。ドナに対してだ
ぞと言われ、それは出来ないとして下がっていく。
ハーヴィーのオフィスにはマイクがいてレコードを触っていた。
10時に出勤とは遅いのではないかというマイクに一仕事して来た
んだというハーヴィー。
そんなハーヴィーの元にドナから封書を手渡される。
ハーヴィーはその内容を見ると、4年前に有った自動車メーカー
コースタルモータース社(以後CM社)の訴訟で原告側が再審を
求めているものだった。オレが勝たせた訴訟だという。
マイクはそれを聞いてCM社の車に乗っていた運転手が事故を起こ
したが車のボンネットの欠陥が疑われた案件でしょ?という。
新たな証拠が出たようだというと、マイクはそれでも製造者責任
はもう時効になっているハズだという。これは脅迫だと。
そんな中マイクはハーヴィーレコードコレクションの中から
スタナーズというバンドのことでハーヴィーをバカにする。
今でいうところのジョナスブラザースとかハンソンとかインシンク
とかセレーナ・ゴメスみたいなものなのか?と問う。ハーヴィー
はそんなマイクに遭わせたい人がいると告げると、それって
ジャスティン・ビーバーなの?と悪のりするマイク。
ハーヴィーはマイクをルイスのオフィスに連れて行くと、マイク
を貸すと告げる。ただし一件分だとし、「労働法を守れ」と言うと
「捕虜の人権は守る」というルイス。
ハーヴィーはトラヴィス・タナー弁護士と面会する。
南米産チェリー材の高級テーブルを傷つけるなというタナーに
対して、以前叩きのめした際にに俺の街から出ていけと言った
だろう(S1-10より)と告げる。
オレはスミス・ディヴェイン社に務めているので無理だと告げる
中、ハーヴィーはタナーに対してここではボストン式の脅迫
なんて通用しないと語る。再審となればCM社は勝てないぞ
というタナー。事故死したライダルの薬物乱用の過去が有り
遺族はCM社の車の責任にしたが欠陥車ではなかったことは
明らかにされたと語る。しかし矛盾した証拠が出たのだとして
これは脅迫ではなく確信だという。それは社内メモのことだった。
欠陥があるということを会社側は知っていたのだという。
ハーヴィーはそんなものは初めて見たというが、タナーは隠蔽
ならば時効は成立しないのだと語る。賠償責任として4600万ドル
を要求するという。更に君と君の事務所を不正行為で訴える
つもりだという。私はニューヨークに寿司を食べに来た訳では
ないと告げると、ハーヴィーはツーストライクじゃ格好悪いぞ
と語る。しかしタナーは怯むことなくアッパーイーストサイドに
住まいを探していると告げる。
ハーヴィーはオフィスに戻るとジェシカにこの件を報告する。
このメモが本当ならば裁判が覆る可能性はあるというもの。
しかもメモは名前も日付も塗りつぶされていて如何にも隠蔽工作
されているかのように見えるものだった。状況はハーヴィーに
不利だと告げ、不正行為で訴えられたのをダニエルが知れば
私の監督責任が問われるというジェシカ。しかしハーヴィーは
ここで隠してもダニエルはCM社と親しいのでバレるのは時間の
問題だと語る。そうなる前に解決するようハーヴィーに告げる。
ルイスはマイクに対して、リキッドウォーター社の件で棄却申し
立てや開示申し立て、削除の申し立て書が必要だという。
しかしマイクは協力しようにもこの件での情報が足りないと
して何が起きているのか説明を求める。
「知識の水」と歌った水のことだと言うと、マイクはリキッド
ウォーター社のキャッチコピーだろうと語る。そのコピーが
詐欺だとしてダーハム食品から訴えられたのだという。ダーハム食品
も水を売っているがまるで腐った池みたいな味がするという。
弁護方針として誇大広告でいくというルイス。そのキャッチ
が真実だと受け取る人はいないので虚偽ではないと主張するもの
だった。マイクは楽勝ならば申し立ての必要などは要らないのでは
ないかと問うとルイスは「兵士が上官に口答えするな、私が村
を焼き払えと言ったら焼き払うのだ」と語る。
ルイスはマイクに対して、この案件の仕事をしているウチには
別の案件の仕事をするなと告げ、朝7時から夜10時まで働き、
セックスは禁止だと語る。「絶対にヤルなよ!」と念を押す。
ドナとハーヴィーはCM社の件で話合っていた。
マズイわねというドナに対してそのメモに見覚えはあるのかと
問うと、何百万ドルもの賠償を決定づける証拠になるから私が
隠したのよと告げ、私はウォーターゲート事件もみ消しのテープだ
って持っていると皮肉る。当然隠蔽だなんて疑われるのは心外
だと告げメモなんて見たことはないと語る。誰かが見落としたのか。
ハーヴィーは当時の訴訟時のファイルを調べてこのメモがないか
内密に探って欲しいと語る。
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ダニエルが復帰する中、ルイスは共同設立者であるジェシカと
ダニエルとの間で揺れることになる。
ルイスはダニエルに取り入り彼が最近獲得したフィスター保険
会社の案件で自分も一枚関わらせてもらおうとするが、あっさり
役不足だとして足蹴にされるも彼がマイクをアシスタントとして
利用したがっている事を知る。
一方ハーヴィーの元には4年前に解決したハズの自動車会社CM社
の訴訟の原告が再審を求めていることを知る。運転手である
ランダルが車の事故で亡くなった際、ボンネットの強度の欠陥が
問題が有るのではないかとする裁判で、ハーヴィーは車に問題が
有るのではなく、過去のドライバーの薬物乱用の過去を引き合いに
出して勝訴していたのだった。しかしその原告の再審の弁護士を
担当するのは、かつてボストンの弁護士でシニアパートナー
として活動していたトラヴィス・タナーであり、彼は新たに
マンハッタンの弁護士事務所・スミス・ディヴェイン社で働いて
いることを告げ、ハーヴィーに対する宣戦布告を告げる。
どのエピソードの流れも興味深いものが有ったし、相変わらず
信頼関係に於ける綱引きが色んな所で行われている。
メインはハーヴィーとタナーの争いだったのだろうけど、
テーマとして描かれているのは、事務所内の「上下関係」に有り
そして「信頼関係」である。
上下関係に於いては、ハロルドとレイチェル、ルイスとダニエル、
ルイスとマイクなどの関係を通して描かれるものが有ったし、
信頼関係に於いても同様である。
ラストにハーヴィーが語る台詞が全てを物語っていたような感じ。
「一度疑われたらまた疑われる」と。
シナリオとして上手く描かれていると感じるのは、ルイスが例える
「戦争」「兵士の論法」「上官と部下の関係」になぞられて描かれている
ことだった。ハーヴィーにとってはルイスのそんな「村焼き討ち」論
や「ポニーに焼き印」論は、いつもの戯言のような感じで伝わって
くるのだろうけど、今回そんなルイスの信念がシナリオの至るところ
で響いてくるところを見ると、今回の影の主役はルイスのように思える。
ドラマを見ているとどう見ても裏で手を引いているのはダニエル
なんだろうなという視線でしか見ていないので、どの流れもダニエル
のことが頭に入る。特にハーヴィーにとって不利な情報の全ての
情報源はダニエルだと思っているので、タナーの件でもメモの流出
した原因も、このダニエルが復帰する際に全ての案件を調査させて
いた過程で出てきたもので、ハーヴィーに対する弱点を意図して流出
させたのだろうなと思うし、目の前の敵がタナーではなくダニエルだ
と思う。
ダニエルを疑うに余りあるところは、タナーがハーヴィーとの争いの
中で、検察官時代のハーヴィーの黒い噂の件を持ち出して来たところ
に有る。確かにシーズン1の最終話辺りでハーヴィーの検察官時代の
怪しい噂というものに言及されていたし、法曹界ではその辺のきな臭い
噂は出回っているのかも知れないけど、ボストンでシニアパートナー
をしていたタナーが、そこを辞めてまでマンハッタンにまで来たのも
ダニエルがけしかけたんじゃないかなと。
裏切り者は誰だ!
ということで、事務所とハーヴィーが訴えられている件でジェシカと
ハーヴィーの足並みがずれているという辺りがまた面白く描かれている。
あのタイミングでダニエルが訴えられていることを知って、ジェシカ
とハーヴィーに手を差し出してくるところを見ると、如何にもルイス
が裏切ってダニエル側についたと思わせるけど、実際には前振り
していたように、ダニエルとCM社は親しいので別ルートで知られており、
ルイスの流れは思わせぶりな感じがする。
しかしルイスのあの「口述レコーダー」がもの凄い勢いで威力を発揮
しているところは笑えるね。
「私のスパイダーが疼く」というルイスの態度は憎め無さがあるな。
その響きにハーヴィーが気色悪いとしていたけど、確かに気色悪い。
これまでの態度から見ればルイスが出世の為にダニエル側に付く事は
考えられるし、オフィスでのハーヴィーとマイクの会話をダニエルに
流出させている可能性は否定出来ないけど、ハーヴィーにしてもルイス
にしても、ケンカする中でも一定のルールの下で働いている感じがする
ので、多分違うのだろうな。
問題はドナが見落としていたという「例のCM社のメモ」の流れの
落としどころをどのようにつけていくのかというところに有るのかも。
この流れもダニエルが仕込んだもののように思っているけど、
この段階からダニエルを敵視し過ぎる、シーズンが始まったばかり
なので最後までダニエルがこの事務所に居続ける理由が無くなって
しまう気がするので、ドナのミスということになるのかな。
書類のサインには「ドナ・ポールセン、受領、2008年4月9日」とな
っていた。
既にハーヴィーとしては勝利の方程式の公算が成り立っているのか、
最後は「フルボッコにしてやる」と不適な笑みを浮かべていたので
倍返しに期待しよう。
ルイスが今回マイクと共に担当した飲料水のキャッチコピーの流れは
如何にも上述したダニエル絡みの流れのミスディレクションを誘う
為のエピソードに思える。
ダーハム食品・勤続22年のケヴィンに対してルイスが語る台詞は
当然今のルイス自身に当てはまる言葉でも有り、「私には分かる。
毎日一生懸命働いているのに何度も昇進を見送られている痛み。」
と語っていたが、少なからず同じスタートラインに立つものたちが
出世している中で、後塵を拝しているものたちが抱く思いなのかも知れ
ない。
CM社の案件で社長を演じていたのは「コールドケース」に於ける
ボス・スティルマン役を演じるJohn Finnだった。スティルマンの
印象が強いので、この人が悪い事をしているとは思えない中で、
メモの件では本当に彼の及ばないところで起きていたような感じだ
ったね。ただハーヴィーの首の切り方が悪かった。この人もダニエル
によって利用されてしまったのだろうか。
ネタとしてはハロルドを使って面白い流れが有った。
レイチェルを誘う人の多い事。ホチキスの分だけアプローチされた
という流れが有るのか。
ドナとマイクが資料室に居る中で、備品を取りに来たハロルドに
対して「乱れ髪姿」を演出して”ドアノックがか弱い女の子”ハロルド
を追い払う辺りが笑えたけど、ドナとレイチェルの関係を思うと
マイクと関係を持って居るという噂が立てば、ちょっと気まずい感じ
はする。まぁドナはマイクがレイチェルとつきあえない理由も知りつつ
彼女の相談に乗っている訳で、今更感は有るけどね。
映画ネタでは、「勝てなきゃ走る意味はない」(映画「炎のランナー」)。
「元気そうですね」「上々だビリーレイ」(映画「大逆転」)を引用
していた。
・Greenback Boogie by Ima Robot
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Rubberband Man by The Spinners
・Got To Have Rock And Roll by Heartless Bastards
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソンハードマン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) 弁護士
イーディス・ロス (Rebecca Schull) マイクの祖母
ハロルド・ジャコウスキー (Max Topplin) 弁護士
ダニエル・ハードマン (David Costabile) “ピアソンハードマン”経営者
ローレンス・ケンプ (John Finn) CM社社長
サラ・レイトン (Erika Alexander) CM社、欠陥報告
トラヴィス・タナー (Eric Close) 弁護士事務所スミス・ディヴェイン社
マット・ラスカー (Kevin Jubinville) CM社、法務
— (Michael Rubenfeld) Durham Foods Attorney
ケビン・ケスラー (Murray Furrow) ダーハム社