第15話 母との再会 The Shot in the Dark
脚本/Dave Thomas
監督/Francois Velle
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カムは遺体をラボに運んでくると、この人はニュー川渓谷橋下
の谷の上で見つかったという。ブレナンは早速見立てをする。
傾斜した側頭骨とこの突出した鼻棘、それに頭蓋縫合の閉鎖
から見て被害者は男性、30代後半から40代前半だという。
すっかりハンプティダンプティみたいになってしまったという
カム。ブレナンはスカイダイビングでパラシュートを開かず
にこうなった人がいた事を語る。ホッジンズはニュー川渓谷
の高さは267m有るので自殺かもしれないという。虫はウジャウジャ
しているので死後は5日から6日だという。カムは軟部組織を
DNAと薬物検査に回すという。心筋に新しい損傷があるという
カム。軟部組織を調べて骨を綺麗にするまでにはまだ時間が
有りそうなので、私はクリスティンを寝かしつけにいくと語る
ブレナン。
帰宅するとブースはブレナンに来月オレと君とクリスティンで
パーマー川へ行って釣りでもしないかという。山小屋を借りれば
良いという。しかしこの子はまだ14ヶ月だというブレナンは
山小屋よりも家でゆっくりする方が良いということは研究で
実証されているという。小児科医、認知科学が大勢言及している
こと。ブースは家族で出かけるのは一緒に過ごせるのだという。
ブレナンは非実用的だというと、ブースはたまにはただ楽しむ
というのも良いという。しかし生後14ヶ月で記憶を持続的に
知覚するのは無理だという。ブースはどうして突っかかるのかと
問うと何かをしようとするといつもこれだという。やっていいか
どうかいつも何処かの科学者にお伺いを受けるという。ブレナンは
この子の前でケンカはしたくないと語ると、何故だというブース
は記憶は続かないのだろうとして皮肉る。何で心のまま行動する
のを怖がるのかと問い、娘にもそうなって欲しいのかと問う。
それって私はそんなに酷い母だということかと問うと、
理性的に振る舞うのに悪い母ってことはないと語る。ブレナンは
ブースにクリスティンを任せて自分はラボに戻っていく。
ブレナンは被害者の骨を並べながら一人でレコーダーに向けて
発言しながら骨を調査する。
「文明は理性的思考に基づくのよ。証拠無しでは確実性はあり得
ない。実証的分析を愚かな感情で否定するなんて間違っている。」
そんなことを口にしていると、ラボの警備員をしているハルが
声を掛けてくる。誰かと会話しているのかと思ったというハルは
遺体について尋ねてくる。ブレナンは遺体は最初橋から飛び降りた
かと思われたが、その前に心臓発作を起こしているし、背中から
着地したならここにある右の眼窩上縁の損傷の説明が・・・と
語るとハルは自分には何を言っているのか分からないとして目を
丸くする。ブレナンはつまり誰かに殺された後に橋から落とされた
と語る。
ブレナンは再び骨を調べ始める。ブースから電話が鳴るが、
電話の電源を切ってしまう。被害者の骨の状態は良好、損傷
は落下のみ。そんな中、骨に異物が付着していることを発見し、
ブレナンは採取していると、突然侵入者が目の前に現れる。
ブレナンはヘッドルーペをしているので誰が来たのか分からぬ
まま突然腹部に向けて発砲される。
ブースはクリスティンと共にラボにやってくると、先ほどケンカ
したことに関して謝罪にやってくる。しかしブレナンが撃たれて
倒れて居る事を知り、すぐに止血すると、救急車を呼び、ラボ
に居る人たちに緊急事態であることを叫ぶ。
— 天国 —
ブレナンの前に女性が現れる。「こんにちはテンピー」と
語りかけてくる女性はブレナンの母・ルースだった。
— 現実 —
その頃ブレナンは緊急カートで救命室に運ばれる。付きそうブース
は必死にブレナンに語りかける。
— 天国 —
これは幻覚ねとブレナンはそこでも冷静に判断する。
普通の人は「ここは天国って思うもの」というルース。天国
なんて無いし、親だ母と会話しているのは現実的ではないという。
この家は私が覚えて居る通りの内装だとし、父のリクライニング
チェアに趣味の悪い花柄のソファーだという。この花柄はあなた
が選んだのというルース。それを聞いてブレナンは私は変わった
のだと語る。ルースはブレナンの近況を教えてくれと語ると、
ブレナンはこれは空想の投影に過ぎないとし、私の事は何でも
知っているハズだと言う。それでもブレナンの口から聞きたい
ということで話す。男性と暮らしていること。娘がいること。
名前はクリスティーン。それを聞いて彼女は光栄だと語る。
ブレナンは二人の元に戻らなければならないと語ると、貴方には
決められないことなのよという。それでもドアをこじ開けて
戻ろうとするブレナンに、とても頑固だとし、神も呆れるわ
と語る。私は神なんて信じないというブレナン。
— 現実 —
救命医のデポールとマクレガーは急いで手術を行う。
そこには同行してやってきたカミールも手術室にいた。
上腸間膜動脈が一部損傷しているというと、カムは昇圧剤の投与
をと語る。マクレガーは弾丸が見つかれば助かるのだが、
X線にも写らないのだという。射出口もないというとカムは
あり得ないという。心室頻拍が起こると、除細動器を使う。
— 天国 —
ブレナンは着ている服が代わり、自分の気に入らない服だと語る。
そんな娘に対してルースはあなたにはここでの事は決められない
事を語る。その服はあなたがお気に入りだったセーターだと
すると、ブレナンは母さんが消えた日に着ていた服だと語る。
父さんは元気かと問う。ブレナンは二人の元に戻りたいとすると、
気持ちは分かる、娘を残して去ったことは死ぬ程辛いことだと
いう母。私や兄の為に出て行ったのでしょというブレナン。
そんな娘に対して母は貴方の欠点は理解出来ないことも全て理解
出来ると思っていることだという。だからこういう時にたじろぐ
のだと語る。
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ブレナンたちはニュー川渓谷の橋の下の岩の上で発見された
遺体を調べていたところ、自殺した遺体かと思われたが、死ぬ
前に付着したとされる傷跡が見られて慎重に捜査を続ける。
しかし骨を精査している際に、ブレナンは深夜侵入によって、
腹部を撃たれた状態で発見される。
その日はブースとブレナンとの間で、休暇の過ごし方を巡り
ケンカしていたことも有って、ブレナンは家を飛び出し、
夜にジェファソニアンで骨を調べていた時だった。
ブースがジェファソニアンにやってきたのも謝る為にやってきた
ものだったが、彼が来るのが5分遅れていれば助からないところ
だった。ブレナンはそこである臨死体験を行う。
いよいよ、「ゴースト 天国からのささやき」とのコラボレート
キタァァァって感じでしょうか。光の先に導くのが私の仕事と
ばかりにメリンダさんが出てくるかと思わせるネタ(笑)
ドラマを見ていると深夜の警備員・マイカとの会話を通して
不思議な交流の有った話(S6-9)によく似ているので、今回の
警備員ハルとのこういうエピソードも有りだなと思わせたけど、
まさか彼が犯人の一人となっていようとは思わなかった。
http://itawind.web.fc2.com/kaigai/bones/bones609.htm
ブレナンに数奇の体験をさせて、彼女の中のその価値感を揺るがせ
ようとするものが有るのだけど、ブレナンは今のままのブレナン
だからこそいい味を出しているにもかかわらず、そんなにも更生させる
ようにする必要が有るのだろうかと疑問を感じる。
夫婦になる限りは互いにすり寄る必要はあると思うけど、14ヶ月の
子を連れて山小屋に行くというブースの主張もまたなんか現実的では
ないような感じはする。
手術を受けているブレナンは凄い状態で、開腹して内臓が見えて
いる状態だった。「Dr.HOUSE」のハウスならば自分の開腹手術を
局所的麻酔でしている際に、どういう処置をしろと指示しそうな
感じがするけど、そんなブレナンもまた、マックスと有った際には
「中脳の青斑核からノルアドレナリンが放出されているから知覚
が影響を受けただけ」だとして冷静に分析していた。
何度か訪れる「天国への扉」。そこに現れる母親からは、今の
ブレナン的性格に至る原因を告げられ、当時のブレナンは
母親がアドバイスした時のまま、時間の流れが止まっている様
だった。「頭を使え、理性を持て、心のままに動くな。よく考えろ」
と。当時は正しい判断だが、今はもう解き放つべきであり、
生き延びる心配はしなくて良いと語る。
幻覚だけではなかったということを臭わすために、母親は現実的な
メッセージを残して行く。「父さんから初めてもらったプレゼント
は盗んだものだと知っていた」とのこと。
事件はブレナンの事件が起きたことで冒頭の事件での被害者
ヨハネス・グルートの事件が忘れ去られてしまうのかと思わせつつ、
実際にはテイザー銃を使った形跡がハルの遺体からもグルートの
遺体からも発見されたので同一事件だろうということになり、
頭を殴られた際に傷跡に含まれていた微粒子は、金の塗料と木片
だったこと。木片はクレタ島に生えているオリーブの木。
炭素年代測定によると2世紀のもので金色に塗られたものだという。
ジェファソニアンにある「大天使ガブリエルのクレタの聖画像」が
あるということで、古代遺物部門に紛失していないか調べていく。
古代遺物部門に有るクレタの作品は、絵筆の毛が付着。質量分析
ではアメリカアカリスの毛が使われていた。
リスの写真が出た時のリスのかわいらしさ(笑)
正直、字幕で見ていると、当時当直だったラボの職員の事情聴取
の際に、バトゥアンだけが名前が表示されるので、すぐに分かって
しまうところも有るんだよね。
問題はどのようにしてブレナンやハルのことを殺害したのかどうか。
銃弾の様で銃弾ではないもの。
凶器は氷などの弾丸であり、溶けてしまったことで証拠が消えたと
いう推理は、古くから推理小説を見ている人ならばすぐにピンと
くる物が有る程の古典的なものだけど、現実的に見ると、ホッジンズ
が語る様に、
1) 氷の弾は火薬の熱で銃身から発射される前に溶ける
2) 氷の密度は鉛の1/3であり、人体を貫くには鉛の弾の3倍の速度
が必要だという。
遠心分離器で濃縮した赤血球を液体窒素で凍らせて作った弾が
使われたみたいだけど、普通殺害などに自分の血を使いますかね(笑)
以上のことを全て解き明かして調べ挙げたのは、ホッジンズだった
ということを考えると、殺人事件にはホッジンズの力が一番重要だ
ということになりそうだ。「ラボのキング」は伊達じゃないってこと
ですね。
そしてブレナンが撃たれたことで本来ならば親友のアンジェラが
もっとブレナンの件に関わっても良さそうだったけど、登場が
少なかったな。まぁブレナンにも家族がいるので仕方はないの
だろうけど。
■検索用キーワード
・オリビア捜査官役のDanielle Panabaker
シーズン8-3に続いて二度目の登場。
スイーツがデイジーと別れていた時に一度デートして、Hな関係
にまで至るも、スイーツは当時彼女との関係に悩んでいたことも
有って、ベッドでの相性はよくなかったみたいだ。
2話だけの登場。スイーツとの関係は発展しないのかな。
■使用された曲
・
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
マックス・キーナン (Ryan O’Neal) テンピーの父
Dr.クラーク・エディソン (Eugene Byrd) テンピーの変わりに捜査
デビッド・バドゥアン (Harry Van Gorkum) 修復チーフ
Dr.アート・マクレガー (Don Franklin) ERの医者
クエンティン・メイヒュー (Paul Schackman)
ルース・ブレナン (Brooke Langton) テンピーの母
オリビア・スパーリング (Danielle Panabaker) FBI捜査官
ハル (Richard Augustine) Security Guard
Dr.ジェニファー・デポール (Paris Tanaka) ERの医者
— (Estella Gabriel) EMT
サム・イーガン (David Kagen)
レオナルド・フット (Jonathan Runyon)
リタ・リスコ (Emily Chang)
クリスティン・アンジェラ・ブース (Ali Louise Hartman)
クリスティン・アンジェラ・ブース (Susanne Allan Hartman)
— (Dean Wayne) FBI Agent / Driver
ヨハネス・グルート