第20話 胃の中のダイヤ The Blood from the Stones
脚本/Pat Charles
監督/Francois Velle
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ブラジーナ上院議員が開発予定の連邦政府の所有地内で奇妙な
遺体が発見される。付近にカメラはなくまだ更地同然の場所だ
った。
遺体は車の中に有るモノで、カムは遺体を見て組織の乾燥具合
から死亡は5~7日前だという。ブースは遺体の近くで調べて
いるブレナンを見て出番が早くないかとするが、被害者の遺体
に残っている組織は見えない部分だけでそれ以外は骨になって
いた。そんな状態の遺体は本で読んだことが有るが実際に見た
のは初めてなのだという。ブースはブレナンがヤケに目を輝か
せて捜査していることに違和感を覚える。遺体はつまり二つの
異なる気候にサラされて腐敗していること。極めて狭いエリアに
全く違う環境が出来るとこうなるのだという。ブースはポケット
を探られていてシャツが破られていることから何かを探していた
であろう事を告げる。死因は何かというがカムは現状では自然死
ではないことは確かだろうという。ブレナンも殺人以外の可能性
はごく僅かだと語る。
ブースは車のトランクを開けると、工具箱、エアゾール缶、
そしてソードオフショットガンが有るという。随分と古風な武器
だというカム。ウィンチェスターモデル12で製造番号は削られて
いるというブースは指紋を調べる様鑑識に頼む。しかしブレナン
によると被害者は二度撃たれているが、ショットガンで撃たれた
ものではないと語る。右の第5、第6肋骨が粉砕していること。ブース
は車体に銃弾がめり込みそれを取り除いた跡がある事を告げると、
ブレナンは銃弾の肋軟骨を貫通していることを考えると自殺は
あり得ないと語る。ブースはブレナンに君は正しいよと語ると、
“お天気お兄さん”を研究所に運ぼうと告げる。ジョークだぞと
語るが、ブレナンは面白く無いと呟く。
ラボでは、ホッジンズはアカアシホシカムシは低音で乾燥した
気候に生息するが胸腔にいるチーズバエは高温で多湿の気候に
生息するもので共生は初めてだという。生息環境がまるで違う
からとブレナンに語る。カムはそんなブレナンとホッジンズの
元にあるアンドリュー・ジャーシャックを連れてきて紹介する。
ホッジンズは見た事が有るとし、ドキュメンタリーの制作者で
しょと問う。戦争や危険生物を撮影する恐れ知らずな人だと。
ジャーシックは「この愛の無い世界では痛みも死も避けられない
と悟ったので恐れを抱く必要はない」と告げる。カムは彼に
研究所の資金集めの為の映像製作をしてもらうので、作業の様子
を見せる事を語る。ブレナンは無愛想に邪魔しなければ良いと
告げる。視聴者が実体験しているように見えるようにと、ジャー
シックはカメラを頭をつけて撮影していた。これは私が見て
感じた事をカメラも感じるのだという。ブレナンはそれを聞いて
馬鹿げているとし、カメラは無生物なんだから感情なんてないと
マジメに反論する。
ホッジンズは映像に映ることを知り意識する。
虫と微粒子を調べ不可思議な事件を解決する手助けをする。
カムはそんなホッジンズを仕事に就かせる為に、ブレナンの助手
が微粒子を分析する様子を見てもらうとするが、オレは助手では
なく「ラボのキングだ」と語る。
ブレナンは事件捜査している間チームを指揮するのは私の仕事なので
必然的に主人公は私になるのでしょと語るが、ジャーシャックは
それを決めるのは私だと語る。組織が乾燥している為に被害者の
顔が酷く変形していること。通常通りに組織を除去すると顔の
復元には時間がかかるという。素早く被害者の身元を見つける
のが私の仕事だとしてブレナンはカメラを意識する。
そんな中、カムは皮膚組織を取り除くとして胸を切開する。
すると胃の中にはなんとコンドームに入った何かが入って居た。
麻薬の運び屋なのか。しかしそれを開けると麻薬ではなくダイヤ
だというブレナン。
アンジェラは顔が歪んだ遺体を見て正確なスケッチが出来そうに
ないという。これは補わないといけないとすると、カムが手助け
するという。浸軟剤を薄めた液体を塗り放射熱を当てると顔の
皮膚を柔らかくできるかも知れないという。それを聞くとアンジェラ
はカムはやはり天才の仲間だとし、その中でも謙虚だし服のセンス
も良いと語る。
そんな中クラーク博士がやってくる。
理事会から出演を希望されたのだとし、カムは科学者は多くいた方が
良い事を語る。理事会によるとブレナンの無愛想な態度を和らげて
欲しいと言われたのだという。
ホッジンズはダイヤは高品質で総額20万ドル相当だと語る。
全部が指輪やネックレスの台座から取り外されたもので盗品だと
という。
そんな中カムが復顔しようとして薬品を塗っていた被害者の顔が
正常に戻り始める。急いで撮影した方が良いとしてアンジェラに
撮影させる。
キャロリン検事補はブースの元を尋ねる。
ナンバーブレートから調べた結果盗難車だと判明したとのこと。
しかしブースはアンジェラが復顔したので既に身元が割れている
とし、被害者はクエンティン・コールスであり、オスカー・シュルツ
のダイヤモンド卸売販売店で働いていた警備員だという。胃の
ダイヤは店から盗まれただろうこと。彼には犯罪歴もあるという。
しかしダイヤ店の警備に対して身元調査もせず前科者など雇う物
なのかというキャロリン。この店の客・4人が指輪の戦場を依頼
した時にダイヤをガラス玉にすり替えられたとしてオスカーのこと
を非難していることを語る。警備が盗品のダイヤを盗み、それを
オスカーが取り戻そうとしたのかと。それならば早くいって
エスカーを尋問したらどうかというキャロリンだが、コーヒーくらい
飲ませてくれというブース。
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連邦政府所有の土地の中で遺体が発見される。
遺体の状態は乾燥して肉だけが取れて皮膚だけが残っている
という異常な状況。
二発の銃弾によって殺された男性は胃の中にダイヤが隠されて
おり、前科の有る宝石店の警備員のクエンティン・コールスだ
と判明する。ラボでは研究所への資金集めのために、ドキュメン
タリーを製作する有名なアンドリュー・ジャーシックを招聘して
VTR撮影を依頼。調査過程を見学してもらうことで、そのVTR撮影
に役立ててもらうことに。
警備員が勤めていた宝石店とコンタクトを取るとなんと、被害者
はおとり捜査をしているDC警察のルーベン・マーティン刑事だと
判明する。直属の上司のジョー・ディンコ警視正から話を聞くと
町中のATMを襲う二人組の強盗の捜査をしていて、ATMの金は市場に
出るとすぐに特定される為に、犯人は宝石に変えて資金洗浄
しようとしていたことが判明する。
今回はクラーク博士が担当のエピソードだった。
連邦政府所有の土地だということも有りFBIが担当した格好で、
キャロリン検事補もまた一連の件に関わってくる。
キャロリンが出てくると少し大きな事件に発展していく可能性
も有るのかなという雰囲気も有るのでちょっと心配して見ていた
んだけどね。
DC警察などが関係してきて、おとり捜査の過程で、警察官が不祥事
を働いている可能性にまで言及されるものも有ったけど、結果から
すると犯人は妻だった。
テーマは臭いだったのかな。
最終的に犯人にたどり着いたのは香水の匂いだったけど、
それまでの過程でブレナンは色んな臭いをかぎ分けていく。
ドラマでよく分からなかったのは遺体が二種類の環境にさらされ
ていたという部分なのかな。
ブレナンも二種類の環境にさらされていたであろう遺体の状況に
対して興味深く思っていた様だけど、これって結局なんだったの
だろうか。
二種類の銃によって撃たれていたことも有り、被害者は二度死ぬ
的展開を感じさせたのか。
それとも人の二面性というものを示唆する意図が有ったのか。
単なるグロい遺体を見せる為のものだったのか。
ラボの様子を撮影するということも有って、カメラを意識する
面々の姿はそれなりに面白く写ったし、みんなカメラ目線で
セリフを棒読みするかの如く、ハッキリとした言葉で伝えようと
するものが有る。ブレナンがカメラの存在を否定しながらも、自分が
捜査指揮の主役なのだから、自分の視線から撮影した方がリアリティ
があると感じて、対抗してカメラをつける辺りは笑えた。
クラーク博士がブレナンの発言を和らげようとしていたけど、
寧ろブレナンらしい方が興味を引けそうな感じもする。
「剣を頼りに生きるものは剣を持たぬものに撃たれるだろう」。
そんなクラークの発言にジャーシックは名言だとしていたけど、
ブレナンは不機嫌そうに諺ですらないとしていたり、
ジャーシックからお嬢さん呼ばわりされて、怒ったようにして
「私はお嬢さんじゃない」としてプンプンしているブレナンの姿
が何処か憎めなかった。
そんなジャーシックはキャロリンと突然恋愛話に発展しそうな
雰囲気になる。クレオール語を使ってキャロリンに話しかけて
いた。キャロリンとは「幸福の歌」という意味が有るという。
ハリケーンが起きた後に暫くニューオーリンズに滞在していた
ということだけど、なんでそんな言語にやりとりしたのかも
謎。カムは相変わらずばつの悪い場所に居合わせたと感じて
ササッと逃げていくところが面白いね。
そんなカミールに対してブレナンは、「エディソンは私よりも
好かれるのか?」と尋ねる姿が有り、好かれるかどうかは個人の
主観だとしながら、ブレナンは間違い無くこの国一番の
法人類学者で、私はあなたのことが大好きだと語る姿が有った。
普段研究者同士あんまりそういうことを言い合うことは無さそう
だけど、アンジェラもまた今回カミールに対して、服のセンスが
良くてやっぱりプロの科学者だみたいなことを発言するシーンが
有ったよね。
興味深いのはブースのスーツの香水の匂いに反応したブレナン。
香水だけでなく人間の腐敗した臭いにも敏感に反応し、
足を失ったポーラの家の外でそんな嗅覚の鋭さを示した。
ブレナンの方から遺族に対して優しさを発揮したブースにキスする
姿が有ったけど、結局その遺族のローレンの泣きは演技だったので
微妙だ(笑)人は涙でごまかせるけど、香りはごまかせないと
いうところなのか。
宝石店でのやりとりの中でブレナンとブースに対して店主が
夫婦なのかとか恋人なのかとか色々と詮索してくる中で
答えに困っているブースの姿が有った。赤ちゃんが出来た時点で
既に結婚していたのかと思っていたのだけど、今の状況でも何の
問題もないということで、正式に籍は入れていないことにした
のだっけか。プロポーズはブレナンの方からするとブースは
思っているらしいとしていたけど、ブロポーズすることなどは
有るのだろうか。
さて事件では現場特定の為に、遺体に付着していた微細証拠を調べる。
コンクリートの破片、乾燥した藻、ハヤブサの糞。
藻はアオノリの一種で浅瀬に生息する海草類。ハヤブサは希少種
だということで、ワシントンDCのベンジャミンバネカーメモリアル
ブリッジだと判明。
そこで足が発見された。
骨にはスティップリングという火薬の焦げ目が付着。
更にその中の微粒子からは火薬と革の微粒子、ジャスミンの混じった
少量のアルコールが検出。
結果として妻がバッグの中から銃を撃って夫を殺したもの。
夫は妻の為に色々として、妻は離婚を盾に色々と脅していた様だ。
彼は欲しいものを与えた。でもルーベンは要らないという妻の
非情なセリフ。そして二人の有望なサイバー犯罪の学生が犯罪に
手を染めてしまうという切ない物語だったけど、色々と生まれた
恋や絆も有るので良かったのかな。
ハヤブサの生態とかまるで知らないけど、今回の犯人
家族関係なんかをその生態の象徴して描いたりしていたのだろうか。
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— (Matt Lara) FBI Tech