第4話 悪魔のパズル The Sense in the Sacrifice
脚本/Jonathan Collier
監督/Kate Woods
【ストーリー】
スイーツはハッカーの名前はペラントだという。ブースはアルド
の元に行くとペラントのことを相談する。そいつは何人殺した
のか?と問われると8人だという。ヤツは今までで最も凶悪。
ブレナンと結婚したら無差別に5人殺すと言っているとし、
結婚を阻止しただけでなく理由も話すことが出来ないのだという。
マリーゴールドの花が遺体に置かれていた。「痛みと悲しみ」
の花言葉。フリンは逮捕するものの何も証拠がないとして
釈放させなければならなかった。フリンはペラントによって撃
たれて、ブースは3ヶ月探しているが手がかりがないという。
ペラントと殺しを結びつけないといけないというカム。次の動
きを待つしかないというブース
【ストーリー】
ホッジンズはアンジェラについて回っていた。このラボには
シールドとしてマイクロ波で電波妨害しているのでペラント
でも侵入できない事を語る。スイーツは休職中にもかかわらず
キャロリンと共にブースたちの元にやってくる。スイーツは
自分が考え出したペラントをタイホする案を語る。ヤツは賢い
つもりでも私たち全員が束になれば勝てるというキャロリン。
ドナルド・ヘストネスという30大後半で歯の状態が良好な人物
が冠動脈閉塞で死亡し、献体を希望してくれたのだという。
スイーツの案ではこの遺体を偽造することだった。キャロリン
は法的には問題はないが今回の作戦はゾッとするかという。
ペラントは人格構造的に精神病質者で自己陶酔型。注目を浴びる
ことを求めているという。彼は注目を横取りされると我慢でき
ずに現れるとスイーツは語る。模倣犯ならば遺体をどうするか
とアンジェラに尋ねると、いつもペラントはパロックをモチーフ
にしていたこと。サルヴァトールローザの絵、「プロメテウス
の刑罰」ねというブレナン。岩に縛られて肝臓を巨大な鷲に
啄まれるのだという。この程度の遺体ではウチに連絡は来ない
のではないかというカム。そこでアンジェラがアレンジするのだ
という。そのシミュレーション画像を見るととてもグロイ遺体
だった。
みんなで遺体をいじっていく。
ブレナンはそんな遺体をいじった姿を見て完璧だという。酷いが
確かに素晴らしいとホッジンズも認める。
ブースはフリンに協力を求め、これをジャクソン植物園へ運んで
欲しいと語る。朝の5時頃ならば警備も居ないという。なんと
か突破口が必要だが、どうしても見つからないのだという。
フリンはヤツのせいでオレは一生デスクワークだとし、この
チャンスをくれて感謝していると語る。ブレナンは面白い作業
だったとし、人骨を焼くのは初めてだという。遺体はシダ館
の入り口に運んでと告げると、神話ではプロメテウスの刑罰は
日の出と共に始まるのだという。頭部を東に向けて少しでもズレ
ればペラントに罠だとバレるのだという。
フリンはブレナンに対して
「一本の歯とルーペだけで事件を解決する女性には逆らえない」
と語る。ブースはフリンにこの恩は忘れないとすると寧ろこち
らがお礼をしたいというフリン。三ヶ月前に殺しておけばと
いうブースに対して生け捕りの方が良いという。
ブースとブレナンは自宅でベッドに入りながら遺体発見の
知らせが来るのを待っていた。ブレナンはセックスするか?
というと体が緊張しているとし解せば眠れるという。私は
現実的なだけだとし、私も何度かオーガズムに達すると眠れる
からという。ブースは彼女に挑発しているのかとすると、キス
をする。するとそれを邪魔するようにしてメールが鳴る。
遺体が発見されたというものだった。
カムは駆けつけたブースたちに犬を散歩していた女性が
一時間前に見つけた事を語る。周りには既にマスコミが集まって
いた。クロバエから見て10時間前に殺されたというホッジンズ。
内臓を摘出状態と岩に貼り付けになっている殺し方からして
これはプロメテウスがモデルだという。遺体の傍には花が
有った。これはトリカブトだとし、花言葉は「敵は近くに」
だというホッジンズ。これはヤツのメッセージだという。
ブレナンはこれは”あの遺体ではない”とし、左の第3・4肋骨
に骨修復が有り鎖骨にも見られること。私たちの遺体にはそれ
はなかったとし、多分1年以上前に撃たれたものだという。これは
フリンの遺体だとすると、ブースもオレをかばって撃たれた傷
である事を告げる。下顎の歯並び、頬骨の角度、更に銃撃による
傷の骨修復から判断するとブースは正しいとしこれはフリンだ
というブレナン。
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■今回の事件
今回は長年ラボのメンバーを悩ます精神病質者・ペラントの
検挙に向けて、ラボのメンツが集結して、彼の性格を逆手に
とっておびき出す心理的作戦を展開しようとする。
発案者はスイーツで、死体/献体者の協力の元、ラボのメンツが
ペラントの模倣犯のようになり、彼の注目を浴びたいとする
虚栄心なり自己陶酔さを刺激して、「自分の犯行ではない」と
否定して出てきたところを捕まえようとした様だ。
それにはペラントの手口や趣味趣向を知る必要が有るけれど、
これまで散々振り回されているラボのメンツならば誰よりも
ペラントのことは分かっているよね。
アンジェラが彼は人を殺すのであればサルヴァトールローザの
「プロメテウスの刑罰」に拘るだろうとして、プロメテウス
が罰したような遺体を作り上げる。
いわゆる自作自演を行い、自分たちが作った遺体に対して、
捜査するフリして、驚くフリして世間も全て欺こうとしていた
けれど、ここでもまたペラントの方が上手だった。
■ペラント出演回、そしてフリンが生きて居た
以下ペラントがクレジットされているエピソード。
そしてフリンが出演したエピソードを(*)で表記すると
S7-6
*S7-13
*S8-1
*S8-12
S8-24
*S9-4 <- 今回ココ
S9-12
S10-10
S10-22
自分たちが作った遺体ではなくフリンが遺体として発見されて
しまうという恐ろしい展開になった。当初は何を言っているの
か分からなかったけど、遺体は自分たちが用意したものでは
なくフリンが殺されて、ブレナンたちが必死になって作った
ものを模するだけでなく、ブレナンやラボたちに向けたメッセ
ージ性が多く含まれているものだった。それに伴い、フリン
に対する一つの疑惑が浮かび上がってくるもの。フリンも実は
協力者だったのではないか。
■ズバリ、テーマは信頼関係だ
今回のテーマは実にわかりやすかった。
シーズン9の当初よりブースとブレナンの結婚に対するブース
の結婚式の延期発言に対してその信頼関係が揺らぐところが
有ったけど、今回だけのエピソードを見てもそのテーマが色濃く
描かれていることが分かる。
その1)
まずは今回フリンが内通者なのではないかとして疑われた。
一連の作戦が外部に漏れることなどあり得ないということで、
フリンが荷担していたか、ブースと同様に脅されていた可能性
があるのではないかとする疑惑が出てくる。
ブースはフリンの事を絶対的に信用していたがキャロリンは
「証拠の優越」の方が勝るとして、フリンの嫌疑は晴れなかった。
しかも調べるごとにペラントの影がフリンの周りにつきまとう。
手術の件でもペラントが寄付金を出していたこと。フリンの自宅
を捜査すれば偽造パスや巨額の逃亡資金が出てくる。
フリンに対してブースだけは最後まで自分を救ってくれた人だ
ということで揺るぎない信頼を寄せる。
その2)
ブレナンは自分が診断した時には11カ所の骨折が有り、「私は
間違えない」としていたけれど、フリンに試験的手術を行った
外科医・イツコヴィッツは骨折の箇所は10カ所だったとして
互いに意見が割れる。ブースはブレナンのことを無条件に信用
した。
その3)
ペラントによってフリンははめられたのよとブレナンはブース
の意見に対して”あなたを信じる”と語る。理性的ではないと
するブースに対してブレナンは
「私が骨折した数を間違えないと断言したのは何故?」と問い
返すと「今まで君が間違えたことはないから」だと語る。
「同じ根拠であなたを信じる。完全に理性的だ」とするやりとり
が有った。
■ペラントを信頼するのか?
今回はブレナンに接近するペラントの姿が有る。
しかもジェファソニアンの証拠保管室にまで侵入してきた。
ことのきっかけは撃たれた日に病院で撮影されたX線画像と
ジェファソニアンのラボで撮影したX線画像を比べた結果、
ジェファソニアンの方の映像は、一カ所だけエッジングツールで
骨折線を意図的に描いたものだと判明。デジタルリトグラフで
骨修復像も再現していたということで、ブレナンやアンジェラ
は思わずその職人芸に感心していたけれど、その骨折は
ブレナンが9年前に手がけた殺人事件の骨折と同じだとして
それを見抜く。
資料室にいたブレナンに接近してきたのがペラント。
彼は手榴弾を置いてブレナンと会話する時を待っていた。
クロエ・キャンベルを殺害したのは自分ではないと言い出す。
そして突然資料番号だと思われる数字を語り出した。
1870 3606 4005 7932 9224。これは同一人物の仕業で、女性だ
と断定できるものだという。
手榴弾を仕掛けてブレナンを動けなくした上でペラントは逃走
したけれど、ブースがその事実を知り手榴弾を見た際には、
これはオモチャだとしてあっさりと排除してしまった。
そこにも信頼関係は存在していたように思う。
■ドラマとしては呆気ない
散々引っ張った挙げ句にこの殺し方は無いだろうって感じ
なのでまだ生きて居るのかなと思うけど、いつも思うのだが
被疑者の死亡の確認もせず、その場で抱き合う光景が有ったり
するし、プロらしくない。
一番このエピソードの中で失望させたのは、ペラントの力には
遠く及ばなかったラボの面々の姿が有ったこと。
もっと気の利いた形でペラントのことを出し抜いた作戦で最後
は仕留めて欲しかった。このままだとまさに「私よりも頭の良い
人は居ない」と豪語しているブレナンの主張さえも揺らぐ事態
だし、何の爽快感も感じない。
■いよいよ結婚出来るのか?
プロポーズする流れを遠隔のカメラ映像で見て居た一行。
その直前にドラマの台詞の中で、工場内にはカメラが設置して
いないみたいなことを言っていた気もするんだけどね。
ブースとブレナンのそんな光景を見て居ると、かつてもラボで
カメラを使って見て居るチームメンバーのシーンが描かれた
気がするけど、何かの潜入捜査の時でしたっけ?
■アルドが信用出来ない(笑)
どうもこのシーズンから出てきたキャラクターなので信用出来
ないところがあるんだよな。ブースに取っては色々と指南役
になっているみたいだけどね。相談役としての登場だけならば
それはそれで良いんだけど。
■ペラントはブレナンを愛していた
異性として愛していたのかどうかは分からないけど、愛されたい
と感じていたのは事実の様で、スイーツが書いたブースと
ブレナンに関する論文をもって最初はブレナンという人物は
周りの人を信用せず、寧ろ嫌っているところから始まっていた
関係を今では信頼を寄せる関係にまで昇華させている。
それを見てペラントは自分もブレナンに愛されることが出来る
のではないかという心理が有ったようですね。
■ペラントの言っていた事は本当なのか
ペラントでないと見つけられないような女性殺人鬼がいること
を語っていた。それが本当のことなのかどうか。
それよりもペラントは勝手に証拠品保管庫の骨を入れ替えて
しまったことで、相当信憑性のない証拠品になってしまった
気がするのはきのせいか?
■ブレナンの成長
アルドやカムの元に相談に行ったブレナン。
ブースがこのままだとペラントを殺してしまうのではないかと
する恐怖と疑惑が有ったからだった。
BONESのS10なんかのDVDレンタルの広告を見ると囚人服の
ブースなんかの姿もあるし、何処かでやってしまうところがある
のかどうかも気になる。
カムはペラントが可愛そうだという逆の言葉を発して一同を
驚かせたかと
ブースにあるという二つの性格。
世界を救いたい思いと、愛する人たちを守りたいと思うアイツ。
2つがぶつかることで魂は苦悩するとしていた際に、ブレナンは
「魂なんてない」という相変わらずの現実的な人類学者の
光景が有ったけど、ブースが大切にしている魂を犠牲にしても
ペラントを殺すのは君の為だとする言葉に心揺るがされるもの
が有ったのか。
また彼女はブースが教えてくれたものとして、
「自分を疑うことをブースから学んだ」ことを語る。
これはブレナンに気づかない事件の繋がりをペラントが気づく
と思うのかとしたカムからの質問に対する答えだった。
■使用された曲
・Night Song by Family Band
・Feel me by Mecca Kalani
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
キャロライン・ジュリアン (Patricia Belcher) 地方検事
クリストファー・ペラント (Andrew Leeds) 犯罪者
アルド・クレメンス (Mather Zickel) 元ブースの仲間
Dr.ノア・イツコヴィッツ (Robert Curtis Brown) フリンを手術
ハイエス・フリン (Reed Diamond) FBI特別捜査官
ロン・ビッカートン (Brooks Darnell)
ウォルター・オークリー (Scott Bourquin) 遺体