第9話 魂の宿る骨 The Ghost in the Machine
脚本/Hart Hanson
監督/Milan Cheylov
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ビニーハウスの温室の中、蜂が多数飛び交う。
ホッジンズはそこから発見した頭蓋骨を見つける。ブレナンは
ホッジンズに対して蜂をなんとかして欲しいと頼む。
被害者は一人、寝袋に入れて土で被して有ったものだという。
不動産業社が発見したというもの。
性別や年齢を調べないといけないが、頭蓋骨だけでは断定する
のは気が進まないというブレナン。それでもブースはオフレコ
で良いので特定してくれと語ると、ブレナンは他の科学者との
間で恥を欠きたくないとしてホッジンズがいることを牽制する。
ブースとは一緒に暮らしているので抑制の感情は働かないという
ブレナン。だから意識もせずにセックスも出来るという。
ホッジンズを遠ざけた後、ブレナンは眼窩の形は四角で、
サイズは小さいこと。頭蓋骨に於ける位置は低いし、形態
計測学的による特徴的には男性だと語る。年齢は断言出来る
とし思春期だという。
橈骨遠位端と肩峰の骨端線が閉じていないのだという。
子供なのかとすると、13歳から14歳だという。ホッジンズも
子供がいるから辛いでしょというと、ブースはブレナンに対して
クリスティンは大丈夫だと語る。ブレナンはクリスティンの
ことを抱っこしたくなったと語る。ホッジンズに対して遺体の
下から土壌サンプルを調べてと要求する。
ホッジンズはトリアデルフィア貯水池の畔の温室で見つけた
頭蓋骨をラボに持ってくると、そこにアバロンがアンジェラと
共にやってくる。ホッジンズに対して遺体に話しかけているのか?
と問う中、アバロンは誰かに呼ばれてきたことを口にし、呼ぶ声
が聞こえたという。アンジェラはアバロンに対してこの遺体は
何を望んでいるのかと問うと、彼は死ぬ前にやりかけていたこと
があると語る。5分だけで良いので頭蓋骨の遺体と話しかけさせて
というが、ブースもブレナンもカミールも霊能者の存在は認めて
いないとし、このラボでの事情を語る。降霊する場所ではないと
告げると、アンジェラはアバロンに対して今後ここでは私の手相
を見に来たと話してくれと語る。
X線の結果を尋ねるブレナンに対してカミールは”身元不明者07″
のファイルを見てと語る。ブレナンは骨折は第二頸椎部分に有る
と告げ、それが死因だという。首を骨折した時、まだ生きていた
のであれば致命傷になるとのこと。また古い骨折痕も有り、手首
と肘、膝蓋骨に尾骨も骨折していることをカミールに語る。
頭蓋骨の中に何かが有るというホッジンズは蜂の巣だと語る。
古い骨折痕を見る限り、虐待されていたのか・・。腸管骨から
見ると14歳の少年にしては小さいという。しかし筋付着部から
見て健康体だったので虐待とは違うだろうというブレナン。
アンジェラがやってくると、ブレナンは彼女がここに来た頃、
酒とセックスでストレスを発散していたことを指摘する。
この遺体は子供としてではなく、プロとして距離を置くべきこと
を告げる。
アンジェラは複顔する。
彼女はアバロンを信じる事を告げ、あなたはここにいたのよね
と声を掛ける。歯ぎしりの痕、左右対称性の頭蓋骨からイケメン
だったであろうことを告げる。
ブレナンは霊能力を信用していなかった。
魂や霊が肉体とか時間、物理的法則なんかを超越する概念とは
文化に於いて見られることで神話のようなものであり、人種を
越えた人類の変わらぬ信条とも言えるものだというと、アンジェラ
はつまり真実だと語る。しかしブレナンはそれは違うとして否定
する。ブースは証拠から靴は26cm、靴底には血痕が付着している
ことを語る。ホッジンズは蜂の巣は一年以上前のもので、脳の
腐敗を考慮すると被害者の死は2年前の秋頃だという。2年前から
の失踪者リストと照合する事を語るアンジェラ。
ブレナンは相変わらず霊の存在を否定する。
「幽霊が存在するって証拠はない。幽霊も霊魂も人の魂も同じ
で、私たちの肉体は死んでも意識が残るという証拠は発見されて
いない」と語る。
そんな中、被害者はコリン・ギブソンだと判明する。
アバロンもコリンだと言っていたというアンジェラだが、
ホッジンズはコリンではなくコーリングと言っていたのでは
ないかという。科学者らしく事実、数字、論理だけを信じるよう
語る。そんな中遺体が判明したことで頭蓋骨を目にしてブレナン
が涙をする。とても悲しいことだと・・。
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貯水池近くの温室で少年の遺体を発見する。
頭蓋骨から推定して14歳の男児だとする中、ラボには何かによ
って導かれて来たとする霊能者のアバロンがアンジェラと共に
やってくる。ラボでは真実を追究する科学者集団で有り、現実
主義者が多いことからアバロンが唱える魂や霊魂の存在を否定
し、判明した証拠のみを頼りに捜査をしようとするが、ラボの
中では少なからずアバロンが発した言葉に耳を傾ける人たちが
多かった。そこに置かれた頭蓋骨には魂が宿り、みんなのこと
を見ているとし、話しかけることが大切であることを語る。
成仏させる為には犯人を見つけること以外にも必要なものが有る
とされるが・・
S5-1に続いて二度目の登場の霊能者アバロン。
ドラマとしてはマンネリ化を防ぐ為なのか、それともブレナンの
価値感を広げる為に相反する価値感のあるものたちをぶつけて
来たのか分からないけれど、定点カメラからの映像のような形で
頭蓋骨にカメラが仕込まれていて、ラボのスタッフたちの働く
姿を描いたものだった。そこには当然アバロンが語る様に死者
の魂は生きていて、それを見ているということを示唆するもの
が有る。
「グッドラック・チャーリー」に見るテディがチャーリーに
向けて発するメッセージと同じアングル。最近では、韓国発の
アイテムとして一時期”自撮り棒”なるものがマストアイテムと
して取り上げられたけれど、確かに便利だけど見ていると
かなり恥ずかしい光景なんだよね。
なんと言っても終始頭蓋骨からの映像なので、頭蓋骨を不自然に
持ち歩かないと捜査の様子は見られない為に、何かと理由を
つけては持ち歩いていたけど、周りからすれば相当異様な雰囲気
が有ったハズ。そもそもブレナンがそんな骨を持ち歩くだろうか
という感じもするし、涙するというのもちょっと行きすぎた演出
のようで、人はともかく何体もの遺体に触れてきた人が、そんな
にも他人の遺体に肩入れするものだろうかという感じがしない
でもない。
両親が骨を見に訪れた際には、「何で骨なんて見たがるのか?素人
に見分けなど付かない」と語っていたブレナン。私たちに言われれば
そう見えるものだとして、カミールも説得していた。
完全否定する立場のカミールもステンレス製の冷たい上に遺体
を置くのではなく、布の上に置いたことに対して、ブレナンに言い訳
するように語っていたり、ブレナンも”スイーツに言われた”とは
言っていたけど、「息子さんは脊椎損傷で即死した」として、苦しまず
に亡くなったことを語り、せめてもの気持ちというものを語って
いたようだった。
徐々に誰もが頭蓋骨に語りかけるようになっていく。
カミールが語ったのが面白かった。
「そっちの世界で母を見つけたら元気だと伝えて。87%幸せに暮らして
いる。母のことを愛している」と語っていた。
ホッジンズは蜂の習性を調べる過程で当初はスフェクスペンシルバニ
クスだとしていたが、ベスプラスクアモサという種の蜂で、
地中に穴を掘る習性はないことから、蜂の巣が出来た時には
まだ地上に遺体が有ったこと。
問題は骨に付着していた数々の骨折痕。
虐待の線も疑われたが、コーレス骨折は高速度で前に倒れたことを
意味するとし、アンジェラがアンジェラトロンを使って衝突時の
再現をしていた。
また骨には青白く変色した所があること。
ホッジンズは洗浄時に塗料の欠片を発見したこと。
それが走査電子顕微鏡で調べた結果、塗料は87年型シボレーのエルカ
ミーノだとし、該当者の中には父親の車が存在していた。
ネットに掲載されていた家族写真。
コリン制作のサイトには家族に対する愛情・尊敬の念で溢れるものが
有った。友人だったミランダやショーンなどから話を聞いたりする
中で、ミックステープの曲が有ることを語っていたけど、
今でもテープという表現を使うものなのかな。
自分も今でもレンタルビデオという表現を使ってしまうことが有る
のだけど・・。
ホッジンズは蜂の巣の素材を調べて、材料は紙に木の繊維にセルロー
スだという。この地域に生息する植物でベチュラウベルという、
ラウンドリーフバーチという木とのこと。蜂は一日に4回食料を
探しに巣から出て3.2km四方を飛ぶということから、遺体が遺棄
されていた場所を特定する。こういう時に虫博士、ホッジンズは
本当に役に立つね。
骨の変色具合から、三筋の光が毎日何時間も当たる場所に放置され
ていたとのこと。ブースは「南向きの坂」だとあっさり語っていた
けど、そういう地理的・気象学的見地に於ける知識をブースは
備えている。これも兵士だった時に培ったものなのか。
場所はポンプ小屋だと判明。そこに若者たちが集まる場所が存在
していたこと。コリンの父の車の飾りが落ちていたことも判明する。
結果としてこれは事件というよりも事故だったこと。
車のボンネットの上に立たせて走行した際に落ちて死なせてしまった
と友人は語り、ショーンはコリンがよく目の前に現れて寒いという
ことを口にしていた為に、遺体を温室に運んだことを語っていた。
教会でコリンの両親を見た時に、罪の意識から一人で移動させた
というが、その事はカールも知っていたようだ。
最後はまだ成仏していないということで原因は何かということになる。
ブレナンは自分の仕事は終わったとするが、捜査の中で不可解な
のはミックステープの中にノイズが走るところが有ったという。
動画ファイルか何かで、ミランダに捧げたメッセージが込められて
いた。
ロマンチックな演出。ブレナンはブースに対して私はミックステープ
をあなたからもらったことがないとしていたけど、ブレナンは
そういうロマンチックなことが嫌いかと思ったとして今まで控えて
いたが、最後にプレゼントしていた。「Hot Blooded」を流して
いたけど、日本語吹き替え版だとちゃんと曲名とか出るのが便利
だね。FOXで録画しておいた字幕版も寝る前に早送りで見ていた
のだけど、細かい翻訳のニュアンスの違いとか見るのは楽しいよね。
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■使用された曲
・Think Deep by Coleman Hawkins
・This Generation’s On Vacation by Shock
・Two of Us by Cast
・Hot Blooded by Foreigner
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
アバロン・ハーモニア (Cyndi Lauper) 霊能者
ミランダ・スペディング (Rachel DiPillo) コリンの友人
トレバー・ギブソン (Gerald McCullouch) コリンの父
ルイーズ・ギブソン (Kathryn Winslow) コリンの母
コリン・ギブソン (Cameron DeFaria) 当時14歳
ショーン・ウォレン (Justin James Hughes) コリンの友人
カール (James Austin Kerr) コリンの友人
— (Yvonne Huff) Lab Tech
— (Blaine Holtkamp) Lab Tech
クリスティン・ブース (Ali Louise Hartman)
クリスティン・ブース (Susanne Allan Hartman)