第6話(11) 消えた試作品 12 Hours
脚本/Steve Bailie
監督/Brad Turner
【ストーリー】
ナノテクノロジーの世の中、ルソー電子のナノチューブ3400は
完成間近で新時代を切り開く技術だという。現在空気清浄フィル
ター、骨折治療、がん治療など世界に魁けて実用化しているが、
ルソー電子はこの度カン産業と提携すると発表する。マスコミ
たちは大型の提携話に飛びつく。
フランクはディーターを助手席に乗せて新しい車の試運転をして
いた。7000回転辺りで妙な音がするというと、それはオレの悲鳴
だというディーター。完璧だというフランクはここで下りろと
告げオレには仕事が有るという。
ルソー電子ではカン社長がアルマン・ルソーの元を尋ねて予定
よりも3年遅れていると語る。言い訳は聞き飽きたとして結果を
見せろと要求する。最初のマイクロチップは既に生産は完了して
いるとしいつでも可能だという。そちらの遅れがミサイル開発
全体の流れに影響を及ぼしているのだという。その会話を聞いて
いたカーソン・バーンハートがやってくる。
カーソンは信頼する共同研究者であり彼の力のお陰だと説明する。
電気抵抗テストの段階でどうして部外者を入れるのかという。
これは私の発明だとすると、カンの援助が必要だとし、ビジネスは
私に任せて君は研究に専念するよう告げる。カーソンはアイツが
キライだとすると私も嫌いだが、金を持っているのだという。
チップをどうやって輸送するのか私の仲間が知りたがっていると
いうカンに対して電子的に中性的な容器に入れて運ぶという。
他の国も研究していてイキリスやロシアも成功間近だと語る。
横から出し抜かれることだけはゴメンだとし、金を出している
のでこれは私のものだという。
カーソンは医療での実用化なんて大嘘だとすると冷酷な人間で
心も持っていないという。
検索してカンのことを調べると彼は軍人だということを知る。
医療研究なんてしていないとし、武器や爆弾の開発が専門だと
し、お前には渡さないという。カーソンはルソーに取引は認めない
とすると、それを聞いていたカンはルソーが彼を処理してくれと
告げる。
アルマン・ルソー・・・どうしてこうなってしまったのかと問う。
カーソンは電話する。君にマイクロチップを売ったら私の希望する
分野で実用化するのかと問う。売ってくれたらカンが武器の開発
で使用するのを阻止出来ると言われ世界の運命は君にかかっている
という。
フランクはカーラから依頼人だとし、ピックアップはニースの外れ
のワイナリーだという。位置情報を送るとするとフランクはデリバ
リー先は何処かと問う。秘密になっているとし、荷物の形、依頼人
の素性など全て秘密扱いだった。綺麗にヒゲを剃ってくることが条件
よというカーラにそれは秘密だと語る。
ワイナリーにいくと黄色いランボルギーニとローバーに乗った
カーソンと3人の銃器を持ったボディガードがやってくる。
カーソンはフランクと会話する中、首もとに突然何か注射器で埋め
込む。あるカプセルをあなたの首に埋めたとし、カプセルの中に
荷物が入っているという。マイクロチップでジュネープのバイヤーと
落ち合いカプセルを取り出してもらえというカーソン。その輸送手段
ならば国境を越えるのも簡単だろうと。断るというフランクは
ルール1・契約厳守だという。しかしカーソンはカプセルには微量の
有害な毒が入っているとし、無理矢理取り出すとカプセルの毒で
死に至るという。バイヤーが解毒薬を持ってくるので12時間以内に
届けるように出来ていると語る。
■感想
ナノテクノロジーの技術をルソー電子・CEOのルソーは表向きカン電子
という同業分野の電子企業に提携と称して、技術を売ろうとしているが
それが開発者のカーソンの思惑とは違い治療分野で活用するのではなく
悪徳軍需産業の人物に売ろうとしていることが判明する。
ミサイル開発の会話をカーソンは聞いてしまうことで行動を起こして
いく。
ルソー電子の二人は当初の開発理念は同じところからスタートしたと
思うのだけど、企業が大きくなると次第に違った思惑が発生してしまう
という典型のような感じ。企業母体を維持して、更に可能性を広げる
為に経営者としての手腕を発揮しているルソーと研究者のカーソン。
ルソーとカーソンの会話を見て居ると、カーソンの方が信用に足る
人物のように思われ、ルソーは完全に韓国系と中国系が混ざった様な
(企業は韓国系だが理念は中国や北朝鮮系の人物)だと思われる
カン産業によって技術を売ろうとしている。全ては体系の維持だと
いうことだけど、正直最先端技術をそんな企業に売るだろうかと
思うところもある。
信用出来ないと感じたカーソンはトランスポーターを使い別の企業に
技術を売ろうとしていたけれど、結局このカーソンも相当ムカつく
男で、フランクに運ばせるのは良いとしても、勝手に時間制限を
設けて運ばせようとしたり、届けた先にいた人物はまるで技術にも
精通していないようなギャングの男で、ナイフでカプセルを取りだそう
としていたりするけど、クリーンルームで開発しているようなもの
を外でナイフで切り取るというアホアホな展開が用意されていて、
しかも男は毒の効果がみたいようなことまで口にしている。
カーラはどういう形で契約を取ってきているのか分からないが、
今回は、そんなルソーとカーソンのようにカーラとフランクの間でも
役割について改めて話し合う姿が印象的だった。
カーラが仕事を請け負い、精査して、フランクか運んでいくこと。
しかしカーラが持ち込んでくる仕事っていつも相当ヤバイ(笑)
前にも書いたけど、仕事を仲介してきた男を首にしたことがあったけど
彼がやっていることとさして違いはないように見えてしまう。
輸送した訳だけど、断るとしたルールに「契約の厳守」を口にして
いたけど、正当な荷物しか運べないってことなのか?
一方ディーターの流れはエンジニアとしての討論に於いて、ギャング
のようなジャイルズという男に啖呵を切るけど、いざ本当に実際に
店に来て会話するということになると途端に腰が引ける。
スピードに対するやりとりに置いて、F1のレギュレーションに於ける
ターボエンジンの件などが引き合いに出されて、更にそこで引き合い
に出されるのはアイルトン・セナ。ターボエンジンが搭載されていた
87年の頃のレースは、搭載の有無だけで、まるで違うレースになって
いたところが有ったよな。中嶋悟さんが運転していた頃のロータスは
ターボエンジンが乗っていたので早かったのだけど、廃止されてしまい
その後は電子制御システムやらエンジンの燃料開発やらで色々とハイ
テク化されていった。マクラーレンMP4/5の頃のF1のプラモデルは何台か
作った記憶があるな。真っ赤な頃のフェラーリF188とか好きだったな。
スイス関税ではフランクは引っかかる。
肉の持ち込みがどうとか言われていたけど、このネタはスイスに隣接
する国ではジョークとしてよく使われるのかな。
また急いでニースに戻らねばならなくなったフランクがジュネーブ
空港に車を置いていくとした際にディーターが「ドイツ製の車をスイス
に置いていくな」としてそれは常識みたいなことを言っていたけど、
盗まれる確率が高いのか、過去の歴史問題とか自動車産業が関係
しているのか・・。
ルソーがカーソンを殺害し、カーソンは車で逃走。
黄色いランボルギーニだったので相当目立つものが有ったけど、
ご丁寧にも逃げる際に解毒薬を持っているし、フランクのことを
カプセルと共に葬ろうとしていたけど、その意味もよく分からず、
チップ自体よりも研究データ自体を壊せばそれで済むことじゃないの
かな。
この二人がまた峠でのカーチェイスが凄かったけど、カーソンは
単なる研究者だしそんなにドライブテクがあるとは思えないんだ
けどね。
心持ちカーラの衣装がエロかった。
国境でオッパイ出す露出狂の女性がいたけど衣装を着ているカーラ
の方が余程チラリズム的エロさがあったぞ(笑)
■使用された曲
・Working Man
Arrangements by Jamie Forsyth
・
フランク・マーティン (Chris Vance) 運び人
カーラ・ヴァレリ (Andrea Osvart) フランクに指示する
タルコニ (Francois Berleand) 警部、フランクの仲良し
ジュリエット・デュボア (Delphine Channac) フランクを追う女
ディーター・ハウスマン (Charly Hubner) 車のメカニック
カーソン・バーンハード (Greg Bryk) ルノー電子・共同研究者
アンドレ・ブレイドバード (Ennis Esmer) カーラの知人、天才
アルマン・ルソー (Marc Aubin) ルノー電子・CEO
イー・カン (Oscar Hsu) 韓国系・カン産業
ジャイルズ ギルス (Josh Blacker) セナファンをこき下ろし
カール (Erik Tomas) ラジオDJ
オギルヴィ (Noah Cappe) ジュネーブのバイヤー
— (Marlaina Andre) Bernhardt’s Secretary
— (Sonia Laplante) Rousseau’s Secretary
— (Philippe Buckland) Swiss Border Guard
— (Terrence Balazo) Geneva Thug
— (Steven Pigozzo) Security Guard
— (Alex Hatz) Scientist
— (Tim Ajro) Mobster
— (Kurt Kelly) Signature Voice
— (Alex Ozerov) Punk