ジェシカおばさんの事件簿 Murder, She Wrote 第11話(16) 探偵はタフなやつ Tough Guys Don’t Die

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16 Apr. 1988
第11話(16) 探偵はタフなやつ Tough Guys Don’t Die

監督/Seymour Robbie 脚本/Peter S. Fischer
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マイルズ&マグロー私立探偵事務所。
ジェシカは、小説の題材にする為に25年前のダンバリー事件に
関する事件関係者のその後の調査を探偵のマイルズに依頼して
いた。マイルズは取りあえず現在までに分かったことをジェシカ
に電話で報告する。
容疑者だった医者は9年前に病死、その妻は西海岸に移って再婚
していることで、当時の話を聞こうとしたが何も話してくれな
かったという。電話中に事務所の秘書をしているアルマはデート
が有るとして帰宅する。マイルズは更に報告を続け、担当の
検視官も死亡し、入院記録を改ざんした病院の事務員は75年に
失踪、担当した警察官は6年前に退職しているという。もう25年
も前の事件なのでこれ以上は難しいとのこと。あと一つ、あの晩
に夜勤だった看護師のマーサ・クレイがバーモントの田舎町に
住んでいるので話が聞けそうだという。ジェシカはそのまま
調査の続行を頼む。
マイルズは依頼人に報告したことを詳細に記録するためにテープ
レコーダーに依頼人に報告したことを録音する。そんな録音中
に事務所に物音が聞こえた為に、マイルズはアルマが戻って来た
のかと感じてドアの方に向かうと、何者かが銃弾を撃ちマイルズ
を殺害してしまう。しかしその時の様子は録音中のレコーダー
がきっちり克明に音を拾っていた。

サンティーニ土木建築現場。
サンティーニは事務所にいると、電話が鳴る。
新聞を見たか?というもので、俺を尾行していたヤツが殺された
というものだった。これで厄介払いが出来たと告げる。

パリから帰国する雑誌社の社長・プリシア。
空港には広報担当のエリンが待っていた。プリシアは我が社の
雑誌のフランス版がデュバリエグループと提携して発刊される
ことになったと語る。エリンは凄いことだとして早速4時に記者
会見をセッティングしているという。そんな彼女の前にギャビン
が現れると二人で話したい事が有るという。一週間前に大学の方
まで私立探偵が私たちのことを探りに来て困っていたが、その
男が死んだことが記事に出ているという。これ以上かき回された
くないとして、二人は取りあえず静観していようと語る。

キャボットコーヴ。
ジェシカの自宅の外に何者かの車がずっと駐まっているのを
目にする。自転車で出かけるフリをするジェシカ。
ジェシカと入れ違うようにして車の男・ハリー・マクローが
ジェシカの家を調べ始める。ジェシカは保安官に電話した後、
家に戻ると、ハリーを問い詰める。不法に侵入したからには
ちゃんとした理由が有るのかと問う。すると彼は探偵の許可証を
提示すると自分は”マイルズ&マグロー探偵社”のハリーだと語る。
ジェシカは確かに調査を依頼したが、私が依頼したのはあなた
ではなく相棒の方だと語る。
するとアーチーは3日前に45口径で殺害された事を語る。
どうして私の依頼が彼の殺害と関係があると思うのか?と問う。
アーチーは当時3つの事件を追っており、その一つがジェシカの
依頼のものだったという。自分は1ヶ月間タルサに行っていた
というハリー。ジェシカはアーチーはダンバリー事件を調査
していてバーモントに手がかりがあることを語っていたのだという。
ハリーはアーチーのことが好きだったとして、犯人を絶対に見つけ
てやるのだと語る。

一方ハリーはサンティーニを監視しているレイ・クラヴィッツ
の元にいくと張り込みを交代する。
サンティーニが車で出かける為にハリーもその後を尾行するが
気が付くと車を囲まれてサンティーニの部下たちに殴られる。
これ以上嗅ぎ回るなという忠告だった。

ハリーは事務所に戻るとアルマは顔の傷を心配する。
アルマはハリーを尋ねて客が来ているという。その客とはジェシカ
だった。ジェシカはダンバリー事件に関する資料を持って来た
という。しかしハリーはこの件は25年も前のことなのでマイルズ
殺害に関係しているとは思えないという。ダンバリー事件では
被告の医者はやり手弁護士のランバートによって無罪に導かれ、
結局犯人は分からず終いの事件だった。医者は9年前に死んでいる
しその他の関係者も殆ど他界しているという。ジェシカは
マイルズの死が私の調査依頼が原因ではないと分かればこの件
からは手を引くと語る。

ハリーはマイルズが調査していたという3つの事件について
ジェシカに説明する。

1つ目はジェシカからの依頼によるダンバリー事件。
2つ目はサンティーニが一ヶ月以上家にも帰らずにふらついている
ことを受けて妻が浮気を疑って居る為のものだという。
3つ目はプリシア・ダニエルズという女性の身辺調査で、”女性”
という雑誌を出している社長だという。ジェシカは以前仕事の
話を受けた事があるので知っているという。
ジェシカは2つ目の件でサンティーニにハリーが襲われたことを
指摘する中、彼がマイルズを殺害しているのであれば、貴方も
殺害されていたハズだと語り、サンティーニは犯人ではないの
ではないかと語る。

ジェシカはボストン市警のスターキー警部から当時マイルズが
録音していたデータを聞かせてもらう。しかしジェシカは
事件捜査記録がテープとファイルだけしかないことに違和感を
覚えるのだった。
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ジェシカは執筆のために25年前の事件の関係者の身辺調査を
探偵のマイルズに依頼していたが、そのマイルズが突然殺害
される。ボストン市警でも信望が厚く、元警部をしていた
マイルズの殺害を知りジェシカは自分の依頼のせいで殺された
のではないかとして調査を開始。一方で、マイルズと探偵社を
共同で開設していたハリーもまた相棒の死に憤り、自分が犯人を
見つけるという。ジェシカは何故ボストン市警が捜査に積極的
ではないのかと違和感を覚えるが・・・

ジェシカファンの中では完成度が高いとされているエピソードの一つ。
今回登場する探偵ハリーとジェシカの連携が冴えを見せていて、
今後探偵コンビの可能性を示唆するものが有ったけど、
この探偵ハリーが抽出されたスピンオフドラマ
「The Law and Harry McGraw」などが撮影されたことでも原作者
Peter S. Fischerの思い入れが強いことが分かる。
いわゆる「Law & Order」の原点みたいなドラマだけど、
ハリー役のJerry Orbachはその後「Law & Order」では
レニー・ブリスコー刑事として長年活躍した。
この辺はCSのスーパードラマさんのページの「Law & Order」の
コラムページにも書かれている。
http://www.superdramatv.com/line/lawandorder/features/otherfeatures/a

ctor-column.html

ハリーは「ジェシカおばさんの事件簿」の中でも6つのエピソードに出演
している。(S1-15、S2-17、S3-16、S5-19、S7-16、S7-22)
因みに今回登場したプリシア・ダニエルズ演じたBarbara Babcockが
スピンオフドラマ「The Law and Harry McGraw」では弁護士エリー
役としてハリーとコンビを組んでいる。

さて今回はマイルズを殺害した犯人を捜しつつ、彼が受け持って
いた3つの案件のウチのどれかが殺害に至る原因になったのか。
そして何よりもジェシカが追っていた25年前のダンバリー殺害事件
に関する真相もまた同時に暴いていってしまうというのだから
ある意味では欲張りなエピソードである。

25年前の事件に於いても有能な弁護士によって容疑者が無罪にされた
と思い込んでいる刑事たちは、ハリーの様なある意味無鉄砲な
探偵に犯人捜査だけでなく、その処分も科してもらうというのだから
凄いものがある。

冒頭からマイルズの死を知ったものたちが、次々とその死を気にする
姿が有ったので既にその時点で、ある意味では殺害犯から除外される
べきものがあるのではないかとする流れも有るんだけど、どの
流れが直結しているのかは最後まで分からず、なかなか面白く構成
されていた。

プリシアが社長を務めている出版社の雑誌が”女性”というもので、
なんだか名前自体が面白いけど、よく考えると日本でも”女性自身”
とかそういう名前の雑誌は有るからね。
興味深いのは、なんといっても彼女が登場する際、コンコルド機
に乗って帰国するというもの。今ではコンコルド機は上空を
旋回するものも無くなってしまったので、貴重な映像ではある。
今見ると確かにスピードは出そうだけど、機体が細くて心細い
ものが有るなぁと。

25年前の事件に関しては当時の弁護士が生きていたのでその
真相が判明する。
外科用のメスが使用されていたことから犯人は医者ではないか
とされていたようだが、犯人はトム・カーギルという男性だった。
娘のレオラは健在で、当時の事件関係者・マーサ・クレイとの
関係性についてどのようになっているのかを調べていくも、
判事はジェシカがそこまでたどり着いてしまったことで、全てを
話す気になったようだ。当時トムは恋人だったマーサと逢いに
病院に通っていた際に、被害者を殺害した一年前に妹のレイプ
で失い、その犯人が病院に入院していたのをたまたま見つけて
しまったということで、殺害に及んだのだという。

マイルズのファイルに有ったプリシアの依頼人であるEPFの意味
を探りあてる辺りはかなり強引だった気もするけど
(E=編集者、P=出版社、F=女性という意味だったらしい)、
殺害された当時の録音テープが残っていて、その中で聞こえる音を
元に犯人を特定していくという流れは良かったと思う。

自分自身を調べさせていたというプリシラの存在も実に意味深げな
ものがあったし、可能性としては、不倫の末に生まれた子が殺害
に及んでいるのではないかとする流れも有ったけど、結果としては
彼女は大学院生時代に不倫した上に子供を身ごもり、中絶していた
過去が判明する。探偵社がそれを見つけ出すことが出来なければ
上院選出馬も考えていたらしいけど、マイルズはそのことを掴んで
いたということで結果としては、政治家生命はその時点で諦めなけ
ればならなかったようだ。

ラストでハリーは犯人を殺害しようとするも、それを止めるジェシカ。
ハリーはジェシカだって、25年前の事件で復讐殺害した犯人を
容認していることを指摘していたけど、既に犯人は他界している
ので法の及ぶところではないとし、ハリーを説得する姿が有った。
こういう細かいところを見ても確かによく出来たシナリオかなと
思う。

ジェシカ・フレッチャー (Angela Lansbury) 小説家

プリシア・ダニエルズ (Barbara Babcock) 雑誌社”女性”の社長
ギャビン・ダニエルズ (John McMartin) 大学教授、プリシアの恋人
ラリー・キング (John Furey)
エリン・ケリー (Nancy Lee Grahn) 雑誌社・広報担当
ハリー・マグロー (Jerry Orbach) 探偵
レイ・クラヴィッツ (Gerald S. O’Loughlin) 探偵
アーニー・サンティーニ (Alex Rocco) 建設会社
カーター・ランバート (Fritz Weaver) 判事
Lt.スターキー (Paul Winfield) ボストン市警・警部
アーチー・マルイズ (Floyd Levine) 探偵、45口径で殺される
コニー・マイルズ (Rosanna Huffman) アーチーの妻
アルマ・レナード (Margery Nelson) 探偵事務所・秘書
— (Conrad Bachmann) Office Manager
レオラ・カーギル (Tina Lifford) 保険会社勤務、トムの娘
— (Jana Brown) Receptionist
— (Steven Ameche) Musician

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