March 17, 1985
第13話(19) 道づれは恐い人 Murder Takes the Bus
監督/Walter Grauman 脚本/Michael Scheff
Mary Ann Kasica
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ボストン行きのバスがやってくると、ジェシカとエイモス保安
官は切符を買って二人で乗る。
ジェシカはいつものバス運転手が居ないことに違和感を覚える
アンディはどうしたのかを尋ねると、風邪を引いたので変わった
のだという。次の停車駅はニューキャッスルだという運転手の
ベン・ギボンズ。
ジェシカはエイモスと共にポートランドに行こうとしていた。
メイン州保安官協会主催の晩餐会でジェシカには一席お喋り
をして欲しいと依頼が来たのである。エイモスは最後に行われる
くじ引きで大型テレビが当たるのを期待しての出席だった。
本来エイモスの車で行くはずがエンコしたことも有り、バスで
行く事になる。
外は雨が降り、外は暗くなっていた。
途中で州刑務所前にある停留所に駐まると、一人の男性を乗せる。
9ドル60セントを払いポーランドまでいくことを語る。
ジェシカは本を手にしていることを目にする。
途中の道では道路の通行規制をしていた。
送電線が切れたことで、現在は取りあえず通れるけれど、
慎重にいくべきことを言われる。
バス内でジェシカに声をかける女性・ミリアムの姿が有った。
貴方の本を愛読しているものだとし、貴方の本は図書館で一番
よく盗まれるのだという。自分は図書館で司書をしていたのだ
と聞かされ納得する。
前方を走っていた白い車がスリップ事故を起こして停まっていた。
バスを駐めてなんとか乗せてもらう、男はケリー・ドレイス。
バスが通ってくれて助かったと語る。しかしスーツの男は、
上着を脱ぐ際、服の中に銃を所持しているのをジェシカは見逃さな
かった。
雨が激しくなると、バスの運転手はコージーコーナー・キッチン
で一時停止する。エンジンが不調なので調べる間に客には一休み
していて欲しいのだという。ジェシカもコーヒーを飲むため
外に出る中、運転手の名前がベン・ギボンズだということを
確認していく。
店の店主のラルフは橋が壊れて道路が封鎖されているのによく
来る事が出来たねと冷えを欠ける。まるで72年に起きたアグネス
台風並みの雨だというサイラス。
取りあえず席に座る中、ジェシカは外のバスの中で、スティーブ
と刑務所前停留所で乗り込んで来た男性・ギルバート・ストナーと
言い争う姿を目にする。
エイモスはこの調子だと出発するのも時間がかかるかも知れない
としてメニューを手にして腹ごしらえをしておいた方が良いと
語る。
スティーブは外にある電話に電話をかけにいく。
ジェシカは取りあえず時間潰しに本を読もうとするがバスの中に
忘れてきたことに気が付く。雨の中バスの中に取りに行くと、
男がドライバーによって肩口に刺されて死亡しているのを目に
する。ジェシカはすぐにエイモスを呼びに行くと遺体を調べる
ことになる。
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ジェシカはエイモス保安官と共にメイン州保安官協会主催の晩餐
会の為にポーランドに行くバスの中で殺人事件が発生する。
外は大雨が降り、いつ通行規制が起きてもおかしくないほどの
嵐が吹き荒れる中、バスのエンジンが不調だということで、
途中のダイナーに停まる間に運転手が整備をするという。
店の中で休んでいる際、ジェシカが一度下りたバスの中に戻って
荷物を取りに行った際に、ギルバートがドライバーによって刺さ
れて死亡しているのを発見する。彼が搭乗したのは刑務所前の
バス停であり、彼が犯した罪が15年前の銀行強盗にある事が
分かる。客の中にも当時の事件を覚えて居るものが多く、
ダンバーズのオーガスタの銀行に3人組の強盗が入り、一人だけが
逮捕された事件だとして語り合う。ギルバートが持っていた
スーツケースが無くなっていること。そして彼は本を所持して
いたことをジェシカは指摘する中、一人ずつ店に居る人同士、
自己紹介して犯人捜しをしていくことになる。
このエピソードを見ると古畑任三郎の第二シーズンの10話
の「ニューヨークでの出来事」を思い出させるな。
バスに乗り合わせたものたちがどれも訳ありっぽくて、
会話していくウチに、少しずつこの中の多くが15年前の事件に
何ら関係しているのではないかとの事実が発覚していくもの。
アリバイの作り方とか、殺害に於けるタイミングや人物配置には
相当違和感が有り、誰にも気づかれずに犯行を犯すのは無理だろう
とか、途中で突然宝石商(実際には保健調査員)を襲う人物が出る
もニンジャレベルの俊敏さで犯行に及んでいるし、不自然は多々
有った。
ドラマとしては犯人が居るというだけでも気味の悪いシチュエーション
なのに、途中で銃が盗まれることでより緊迫感を増すというところ
が面白く出来ている。更に豪雨が降っていることも有って、
容易には外にいけないとする当たりの実質的な密室空間である
ところもまたそれを助長している。
エイモス保安官がもう少し使える捜査官ならば良いのだけど、
のんびりしたキャボット・コーヴの保安官で、どちらかというと
おっとりした印象もあるので使えそうもない気がしてくる。
被害者のストナーが持っていた写真からスティーブにそっくりの人物
が写っていることが分かり、スティーブの父が銀行強盗の一人だ
ったことが判明。スティーブは苦労して育ったことも有り、途中で
殺害された父親の変わりに自分が分け前をもらおうとしていたこと
が分かるが、いざ犯人の姿を見てあまりに哀れに思えてきて、
自分はそうはなりたくないと感じたらしい。言い争いするも殺害まで
には行かなかった。
彼が持っていた新聞の切り抜きから、当時ジュリー・ギボンズという
16歳の高校生とエバレット・パスカル(スティーブの父)が射殺された
ということが書かれており、運転手がベン・ギボンズということも
有って復讐殺人ではないかとの推察をしていく。
バスのエンジンが停まったのは故障ではなく、緊急制動装置をオン
にいたことによるもので、一度スイッチを押せば、手動でエンジン
を入れ直さないといけないということで、ベンが意図してバスを
駐めて殺害したのではないかとされるが、殺害されたのはドライバー
ではなく、絞殺である事を知る。死後のうっ血、下半身に血が溜まり
ドライバーを刺した時には血が飛び散らなかったこと。
首に皮下出血の跡が有り、その事からも刺殺ではないことが分かる
という。
結果として、本は司書をしている女性が盗んだもので、彼の持つ
に価値が有ったこと。
銀行の保険調査員が無線で連絡しようとしていた時に襲ったのは
船長だというダウニングだと見抜いていく。ジェシカが断定づけた
のは結び方によるものだったけど殺意は否定。
銃の発砲自体は調査員が銃を抜こうとした際に暴発したもので、
ダウニングは当時の銀行強盗の一人であり、ギルバートから金を
盗もうとしていたことが判明する。スーツケースは彼が盗んだもの
だった。
結果としては上述した様にジュリーという娘を殺害された父・ベン
が殺害したものだった。まるで反省していない姿をみて思わずカッ
となって殺害したものだった。
ダウニングが犯人だと知って彼に容疑を着せようとしていたもの。
ダウニングが銃をエイモスの服に隠したように、犯行を隠す為に
ベンが最初にドライバーで刺したことを自供するという作戦は
上手く行っていたね。最後は結局手についたグリースが被害者の
襟元についていたことで犯行の決定打となった。
そういえばゲームセンターにいたという証言が有ったけど、
あのゲームってエイモスが得意なゲームだっけ。以前にジェシカ
と競っていた気がする。
ジェシカ・フレッチャー (Angela Lansbury) 小説家
ジェーン・パスカル (Linda Blair) スティーブの妻、妊婦
エイモス・タッパー (Tom Bosley) 保安官
ベン・ギボンズ (Michael Constantine) バス運転手、ジュリーの父
スティーブ・パスカル (Terence Knox) コンピュータ技師
ケント・ラドフォード (Larry Linville) ユースシス大・教授
ミリアム・ラドフォード (Rue McClanahan) ユースシス大・助教授、司書
ジョー・ダウニング (Albert Salmi) トロール船・船長
ケリー・ドレイス (Don Stroud) 宝石セールス・実は銀行の保険屋
ラルフ・リアリー (Mills Watson) コージーコーナーキッチン店主
サイラス・レフィングウェル (David Wayne) ロードアイランドの郵便屋
ギルバート・ストナー (John Davis Chandler) 15年前の銀行強盗犯
— (Charles Bazaldua) Man