第8話 雪崩 Start to Finish
脚本/Matthew Negrete
監督/Michael E. Satrazemis
【ストーリー】
「寝床からこっそり抜けだし柳の木の陰へ、チューリップ畑を
こっそり歩こう。ヒザまでの花で僕らは迷子。にわか雨を避けて
進もう。花畑で君にキスしたら付きに免じて許してくれるかい」
そんなレコードが二階のサムの部屋から流れている中、窓には
食べ残しのクッキーに向けて蟻が群がって来ていた。
監視塔が崩れて街を仕切っていた壁も崩れる。
そこからウォーカーが多数町中に入ってくる。
スペンサーたちを助けた後壁の補強をしていたリックたちは急い
でみんなに声を掛け家の中に入るんだと語る。
タラとロジータと共にトビンを助け、ディアナにも戻る様告げる。
キャロルとモーガンも共に逃げるがキャロルは途中で転んで
足をくじく。マギーもウォーカーに囲まれるがギリギリハシゴに
に捕まり見張り台の上に行く。
ユージーンはタラたちに助けられて家の中に入る。
リックたちはみんなと合流するとジェシーからジュディスが家に
いると語る。
そんな街の光景を外からグレンとイーニッドは見ていた。東の
壁から侵入していること。俺たちは西の壁からだという。
塔が倒れたからと言ってもまだ中で人が生きて居るという。
しかしイーニッドはいつもものこと。いつだってこうなると嘆く。
まだ生きて居るよとし君の事を気遣う人もいるし妊娠中の妻も
居るんだという。
怖いから逃げて全部を忘れるのか?それなら行けば良い。だから
失うのだ。君が捨てるからだというグレン。
サムに対して音楽を止めるよう告げるジェシー。
彼女はサムに対してウォーカーが押し寄せている現実を見て
勇気を出してと語る。
キャロルとモーガンは部屋に入り込む。
モーガンはキャロルの傷を見せてくれというが、それを拒否する。
人を信じないんだなという彼に彼女は信じている人も居る・・
でもあなたは信じないという。嘘をつく人だとは思わなかったと
いうキャロル。外は奴らだらけだという。キャロルには座っていた
方が良いとし問題解決は後回しだと語る。
デニースはモーガンが縛って匿っている”ウルフ”と同部屋にいた。
ウルフは彼は戻らない事を告げ、ホントに戻ると思っているのか
と塔。外に負傷者が居るのだという。ここにいるべきじゃないと。
あなたはあんなことをして個々にいるべきなのかと問うデニース。
俺が何をしたのかという彼に人を殺した事を告げると、解放した
のだという。俺たちは残り物を頂いているだけ。何も知らず知ら
ずにモーガンにここにつれて来られたんだろうと問われる。あい
つは隠してたのだとし、殺さないまま拘束すると。彼は負傷
している体を見せてただの感染症だという。車を襲った際にに
バンパーで切ったものだと。理不尽だとは思わないか?とすると
理不尽なんてないこと。俺は死ぬかも知れないが役目は果たして
という。残りは世界が片付ける・・・それは変わらないという
ウルフ。デニースは傷を見せてくれという。生まれ付きじゃない
とし変わったのだという彼女はあなたも変われるわと語る。
ミショーンを責める気は無いがディアナは地獄の痛みだという。
足は手当てしたとし重傷なのは腹部だとして患部を見ると
ウォーカーに噛まれた痕が見られる。
熱が出て長くない。どうなるかディアナは知っているのか?と問う
と転化することは知っているみたいだという。彼女は戦ったのだ
というジェシーとリック。当面の食料はある。時機に奴らは一カ
所に集まり出す。その時に武器庫へ変動するという。照明弾を
使って門を開けて外を出すのだという。そして何処か遠くにウォ
ーカーを追い出すと。ここではない所へとリック。
ミショーンは負傷して寝ているディアナに拡張計画を見たと語る。
これは機能するものだという。あそこに書かれているラテン語
の文章は何なのか?と問うと、ディアナは何か悪い事が起きた時
にレジが言っていたのだという。私は幸運だとし家族と共に
よりよい未来を築く・・それが望みだったのだと。私の使命も
望みも果たせたとディアナ。ミショーンの望みは何なのか?と
問う。街を機能させることだという。それはあなたにとってどん
な意味があるのか?あなた個人/自身の望みは何なのかと問われる
とミショーンは分からないとし考えておくという。
カールはロンを見かけると大丈夫かと声を掛ける。
■感想
取りあえずシーズン6の前半が終了。
私はリアルタイムで見ている訳では無いので(既に2017年3月
現在シーズン7の後半期が放送中)、その感覚は全く無いのです
が、このエピソードから2ヶ月間は中断に入り、後半は翌年の
2月14日のバレンタインデーに放送が再開。
時間が有るときにこのドラマを見ているので不定期な状態なの
だけどさほど複雑なドラマではないので繋がりを見出すのも
そう難しくはないかな。
街の人とリックら新しい人物との間で軋轢が生じている。
リックら外から来た人たちはウォーカーの世界、そして人間の
本来の怖さを知っているけどこの街の人たちは壁一枚隔てた外
のことにまるで無頓着。そんな彼らがようやく現実に目覚め初め
そうな時になった頃に、またしても不幸とも言える監視塔が派手
に倒れてウォーカーがアレクサンドリアの街に大量に流れて
くるというものでした。
前回はモーガンが因果関係に苦しむ姿が有り、人を殺すことが
本当に良いのかを問うものが有った。
現実的に考えれば「死刑制度」の是非について問いかけている
かのよう。どんなに酷いことをしても人が人を捌いて命を奪って
もいい物なのか。
死刑制度容認派の多い日本人の感覚で言えば、限度を超えた犯罪
にはやはりそれは適用されるしかないと思う訳で、モーガンの
主張はまさに野暮ったさしか感じない。
先日のグレンが助けた男も最後になってグレンの足を引っ張るよ
うな行動を起こしているし、なかなか人は変われるということを
粘り強く待っているような状況ではないという世界だ。
■世代交代・今後の望みは何か
今回はディアナの最後の回だった。このドラマからすると色んな
ターニングポイントで役割を終えたものたちを殺してしまう所が
あるよね。
ディアナは自分の役割は果たし、そして一定の人生の意義や充足
感を持って散っていったのではないか。
ミショーンに対して「望み」について尋ねるシーンが有り、彼女
は即答できなかったけど、やはりディアナの計画に賛同していた
感じだし、役割を引き継いでいくのだろうか。
取りあえずスペンサーとマギーにメモを託され、そして息子を
同じように見てあげてほしいと語っていた。
そしてラテン語の意味も語っていた。
「いつかこの痛みは有益となるだろう」という意味だとディアナ
は語っていた。
そもそもこのアレクサンドリアを捨てることなく立て直しを図る
為にウォーカー追い出し作戦PART2が待っているのかどうか。
■モーガンとキャロル
一番近くに居たので逃げる際にもどうしても一つ屋根の下に
居るのは仕方が無い。しかしモーガンのせいで罪のないデニース
が拉致されてしまった現実は無視出来ないところだ。
モーガンはそれを見てどう感じるのだろうか。
そもそもウルフ軍団を地下室に閉じ込めておいたけれど、
ウォーカーの行動が示唆しているように人もゾンビも基本、
縛っておくことは出来ないことになっている。
人の気持ちもそうだろうし、自由とは人によって解釈が様々で
同じ倫理観の元でその自由が訪れるというのは間違いだ。
ただウルフ軍団の例は極論なんだけど、ディアナの主張による
と「他者を受け入れ仲間にせよ」というのは「正しい答え」だ
としているように基本的には何人でも受け入れて欲しい思いは
有るのだろう。
ディアナは最後にリックに対して・・
「あなたが好きだから助けたのではなく、善人だからでも
良い父親だからでもない。助けたのは仲間だから」
カギをピッキングしたらタラたちはこのモーガンたちの流れに
合流することになった。ユージーンにピッキング能力があると
はね。
似非神父のゲイブリエルはリックに対してそれでも諦めないと
していることからもモーガンと立場的には似てる。
■人は悪い方に考える
ロジータはエイブルハムが本当に好きね。
「彼は死んだ・・そう感じる。」とはロジータ談。
なんか嫌なフラッグを立てないでって感じだけど・・
マギーは諦めずのグレンの生を信じていたからこそ生きて居た
のだけど、マギーのことを目にしたグレンとは余所にマギー
はグレンのことに気がついたのだろうか。当然風船が上がった
ことについては目にしている訳だけどね。
そしてロンもまた「イーニッドは死んだ」として絶望感を語り
そしていつか牙をむくだろうと思っていたカールに対して銃を
向けようとした。カールが咄嗟にそれを止めようとしてもみ合いに
なりそこで最悪の状況を生むことになる。
上手いのはやはりこの流れは一応ロンとカールとの間だけで起きた
ようにさせたこと。ガレージ内でのことはブラックボックス化
させた。まぁそれでも物音には気がついていたみたいだけどね。
■次の行動・・そして新たな敵
取りあえずリックたちはウォーカーの内臓を体に塗りたくり
「空気!」になってウォーカーに溶け込み、そして武器庫を目指
す。不透明なのはサムが何度もママ、ママ言って恐怖を感じて
いること。あとお腹の中に隠したけれどジュディスがいつ泣く
とも限らない。まさに生きる天使は時に爆弾にもなる。
そして何よりも外回りしているダリルたちの前にこの世の中の
ものは全て「ニーガンのもの」とするバイカー集団が現れた。
ダリルたちはあのまんまトラックでバイカーたちを強引に
轢いていくのかと思ったけど、残念ながら投降。ニーガンとは
一体何なのか。組織なのか・・それとも個人なのか。
■使用された曲
・Walking Dead Main Title Theme
Performed by Bear McCreary
・Tip Toe Thru the Tulips by Nick Lucas
■出演者
リック・グリムズ (Andrew Lincoln) 保安官
ダリル・ディクソン (Norman Reedus) メルルの弟
グレン・リー (Steven Yeun) 市街地組、アジア系
マギー・グリーン (Lauren Cohan) ハーシェルの次女
カール・グリムズ (Chandler Riggs) リックの息子
ミショーン (Danai Gurira) 剣を持つ女性
キャロル・ペレティア (Melissa Suzanne McBride) 妻
エイブラハム・フォード (Michael Cudlitz) 軍曹
サシャ・ウィリアムズ (Sonequa Martin-Green) タイリースの妹
Dr.ユージーン・ポーター (Josh McDermitt) 博士、原因を知る?
ロジータ・エスピノーサ (Christian Serratos) フォードを好き?
タラ・チャンブラー (Alanna Masterson) 総督と行動を共にしていた
ゲイブリエル・ストークス (Seth Gilliam) 神父
ジェシー・アンダーソン (Alexandra Breckenridge) スタイリスト
ロン・アンダーソン (Austin Abrams) 息子
サム・アンダーソン (Major Dodson) 息子
ディアナ・モンロー (Tovah Feldshuh) 元オハイオ議員
スペンサー・モンロー (Austin Nichols) 息子
アーロン (Ross Marquand) リックに接近
Dr.デニース・クロイド (Merritt Wever) 精神科医
トビン (Jason Douglas) 警備監督
ヒース (Corey Hawkins)
バーバラ (Mandi Christine Kerr) 女性住民
イーニッド (Katelyn Nacon) 子供
ケント (David Silverman) ブルースに似てる
— (Benedict Samuel) Alpha Wolf
— (Christopher Berry) Negan’s Scout
— (Michael Ananicz) Alexandrian Walker