第16話 それぞれの旅立ち Cause and Effect
脚本/Cheryl Heuton
Nicolas Falacci
監督/Nicolas Falacci
【ストーリー】
「重量850g、照準線153ミリ、引き金の重さ2.5kg、グロッグ19」
チャーリーはオットーにタイして授業を変わってもらう。
これが授業用ノートだとすると数理物理学の授業かとして何で
出来ないのかと問うと、チャーリーはアミタと共にケンブリッジ
の客員教授になるのだとし、それで結婚式を早く挙げることにな
ったのだという。今日だと。オットーはおめでとうと語ると、
ケンブリッジなんて凄いと賞賛する。
アランとドンは結婚式に出席する為に正装する。
いきなりの事なので服のサイズも有っていなかった。しかしアラン
はこうなってホッとしていることを語る。息子の結婚式、ようやく
夢が叶うと。
リズ以外のメンバーが集まってくる。レズは残念ながら電話番
をしなければならなかった。
ドンと花嫁はどうしたのかとデビッドやコルビー、ロビンや
ニッキーが尋ねると、お父さんが連れて来ることになっている
という。ニッキーは牧師は?と尋ねると居ますよとラリー。
デビッドはラリーはお坊さんだろうとするが、宇宙生活教会の
牧師でもあるという。特別資格を取ったという。
アミタはアランと共に会場に向かう中、アドバイスは無いかと
尋ねる。逃げるなら最後のチャンスだというアランにマジメな
話だという。昔結婚式をあげる前にこう思ったという。今ここで
逃げたらどうなるか。独身で一人暮らし、何のしがらみもない。
結婚した後も気ままな暮らしを想像した。一人でやりたいことだけ
やってきっと気楽だろうと。家庭を持つと面倒で苦労も多いこと。
だからこそ結婚して良かったと思ったというアラン。
そんな中アミタとアランが入場してくる。
チャーリーは既に待っていた。牧師・ラリーはチャーリーたちから
難しい話は省略してくれと言われているので略するという。
『物理学に於ける基本的な力は、「電磁力」「強い相互作用」
「弱い相互作用」「重力」の4つ。それらは宇宙を結びつける力
です。人を結びつけるのは何か。愛です。近距離で強く作用し、
時には遠くまで大きな影響を及ぼすもの。愛に時間はなく、愛し
愛されるものよりも長生きします。そして光よりも早く、光が
移動するにはには時間が必要となりますが、愛は時間を超えて
相手に達する。愛は永遠で無限です。その愛が2つの命を結びつ
けようとしている。指輪を・・永遠のシンボル、美しき元素。』
これで二人は夫と妻ですと語る。
スパークリングサイダーで乾杯する中、チャーリーたちが出発
前にパーティーをするという。明明後日にイギリス行き。あと3日
だった。
そんな中デビッドはリズからテッド・ダコスタが見つかったとの
知らせを受ける。20分前にラーチキントのレストランにいると。
ドンは2年前から追っていた容疑者だとすると行ってくるという。
デビッドとドンはテッドの様子を見る中で、投資話をしている
彼にタイして信用詐欺、コンピューター詐欺、金融詐欺で逮捕
するという。すると大男のオレンはペテン師なのか?とし、自分
は不動産投資で3万5千ドル払っているとして返せという。
オレンはテッドに襲いかかるところをドンたちが止めるが
巨漢故にドンたちも倒れ込み、銃が転んだ拍子に車の下から
向こう側へと転がる。すると何者かがその銃を奪っていくのだった。
■感想
いよいよナンバーズの最終話。全118話がついに終わりました。
2005年1月23日から始まり2010年3月12日まで放送。
7年も前のドラマなのでファンならとっくに見終わっているか
と思うし、私の場合色々平行してドラマを見ているので、7年の
ギャップをもってようやく最後まで見終わることが出来た。
7年前のドラマという事実を勘案すれば色々と古いと思うところ
も有ったりする。
ドラマでは数学だけでは割り切れない、兄弟・親子・恋人・友人
との関係なんかと葛藤したりして、数学者とFBI捜査官の兄弟、
そしてそこに仲裁するようにして入り込んでくる父親の存在なんか
も有って楽しい要素だった。
色んなところで数学が捜査に役立っているという事実はあるに
せよ、そんな理論とそれを実行する段階となるとまた別問題だ
よなというところは数知れず有ったようにも思う。
行動自体は習性的なものが有ったとしても人間の心だけはなかなか
数字では割り切れないからね。
そしていよいよ最終話にしてそれぞれの道というのが示された。
このままの関係で居ても十分充実した人生のように思えるけど、
人は一カ所に留まっていると成長しないということも有って、
色々と離ればなれになる人も有ったりする。
それぞれの人生に関して、この6シーズンというドラマの中に
色々と葛藤を持ち込み、常に自分は今のままで良いのかどうか。
他の道を模索するべきではないか。
そんな数字的機械的な捜査の流れの中でも、人間ドラマが多く
含まれるものだった。
■事件
チャーリーとアミタはイギリス・ケンブリッジの客員教授として
渡英することが決定する中で、アミタとの結婚式をしてから
渡英しようとする。そんな結婚式も簡易的に済ませる中で、
事件の知らせが入る。FBI捜査官が2年間追って来た詐欺師の
テッド・ダコスタが現れたという知らせ。
逮捕に向かいようやく逮捕するが、テッドにダマされたと憤慨する
ものと現場でもみ合いになり、倒れた拍子にドンが手にしていた
銃が他人の手に渡ってしまう。
そしてその銃が使用され人が殺されていくことになる。
人一番責任感の強いドンとしては銃が責任を感じる中、チャーリー
や部下たちもそんなドンの心情を理解して最優先で探そうと考えて
いく。
そんな中恐れていた第一の事件が発生する。
殺害されたのはドラッグのディーラーだった。
■捜査に於ける数学の先生たち
今回はほぼネットワーク分析がベースとなって捜査するという
もの。正直何処に銃が出回っているか分からない状況で短期間
で探すとなればソーシャルネットワークとか、ネット上の情報
から得られる情報が頼りだよね。
・構造的ネットワーク関係 / 隣接行列
ネットワーク分析で銃の行方を調べることになる。
マットというFBI捜査官が調べていたけど、この辺からアミタが
引き継いでいくことになった。
アフター(ネットワークユーザー)の行動をマッピングする。
個人的に焦点を宛てたモデルを作る。彼らの行動のチャンスを
提供すると、上述した構造的ネットワーク関係が見えてくる
のだという。
そんなソーシャルネットワークモデルに人間関係の構造を分析
し、社会的、経済的、政治的なものを調べていく。
そこに隣接行列を使ってより詳しく調べていった。
・グラフ理論
上述した理論での捜査を展開する中、ノードを計算して物理的
リソースが流通するチャンネルとしての人間関係を特定する。
それをグラフ理論と称していた。
・6人の隔たり / スモールワールド問題
この原理を応用すれば何百万という社会的繋がりをフィルター
にかけられる。兄さんの銃を受け渡すという特定の目的の為に
ネットのどの情報を活用しているのが個人ず特定出来る。ロス
という巨大な社会ネットワークが小さな街になるんだと。
・ベイジアンフィルター
リンダが銃を手にしていたことがあるが被害者の会で譲って
欲しいとするシルバーレイクのバス停に置いてきたというジム
という名前だということだけ判明。
ただジムという人物はたくさんする。あまりにメジャーな名前だ。
そんな中・・
数ある情報の中からデータを篩出す方法論としてこの理論を
出した。ドンの銃の書き込みを見つけ、警察に相手にされない
被害者たちの名簿と警察の資料を付き合わせて、犯人に近いと
するハイスコアを出していくもの。
すると一度面会しているジム・マゾーラだと判明。
・位相数学の問題
リフォームの問題を話している際にオットーは位相数学の問題
を話しているのか?とするけど、ガレージのリフォームのことだ
と言われてガッカリしていた。てっきりグリフェンの電気的性質
の話かと思ったと。
■結論
結局ドラマでは被害者の会のものたちが警察が処理してくれない
加害者たちに対して、まるで反省をしていないものに限って
制裁を喰らわせているものだった。
「シカゴ・ファイア」なんか見ていると「シカゴP.D」がまるで
捜査していないような感じで、犯罪者を野放しにしている光景
が有ったりするしね。
最後に銃を手にしていたのは隣人に嫌がらせをしているマイケ
ル・ヒラーに復讐しようとしているジム・マゾーラJr.だった。
マイケルの本名はマイケル・レイ・シモンズ。
エジャートンがフロリダの刑務所から脱獄して追っていたのを
リズが指紋を検出してその事実を見つけ出した。
しかしこのマイケルっていうのはバカなのだろうか?
そんな目立つ行動を取れば自分が逃亡犯だということを知らせる
ようなものではないのか?そもそも逃亡犯がなんで住宅を
所持しているのか謎だ。
■その他
・万物は常に変化する
ヘラクレイドスの言葉でチャーリーがラリーとの会話で引用した。
ラリーもまた宇宙のあらゆる元素は常に変化してそして何かに
なろうとしている事を語る。
一つのところに留まると進歩はないと。
・デビッドはワシントンに栄転
ドンからの推薦でワシントンの栄転することになった。
コンビを組んでいたコルビーに許可をもらうところが何だか
切ない。そろそろ(ホモ)パートナーに見られていたし、良いん
じゃないかとして別れを容認。
コルビーは早速ニッキーにパートナーを頼んでいた。
リズは自分があぶれるとしていた為に三人で行こうという提案
をする。
ハイタッチは無しよと言っていたけど、早速ハイタッチ。
・エジャートン
チャーリーの結婚式に呼ばれずご立腹。
チャーリーと言えばエジャートンじゃないですか!!
みんなエジャートン犯人説の時もチャーリーは信用していた
訳だし、なんで呼ばないかな。
・説得
今回ジムJr.が銃を手にして彼に対してドンが説得していた。
一方ドンは自分の銃で3人の悪人が死んでいることに関しても
ショック。そんなドンにデビッドが説得して励ましていた。
・それぞれの道
一応分かっている人だけ・・・
・ドンは支局長補佐の座を受け入れると共にロビンと結婚を再度
申し込んでokを受けた。
・チャーリーとアミタは、予定通り渡英。客員ってことはどの
期間行くのだろうね。
50hzの電気が流れている国に居るなんて信じられないと語る。
日本では関西は60hzで東京は50hzの発電機/交流電流を使って
いる。昔からよく言われているので有名な事だけど、東京では
ドイツ製、大阪ではアメリカ製の発電機を導入した為に
不自然な形で電源周波数の違う電線が2つ流れることになって
しまっている。上述するようにアメリカは60hzなので欧州各国
ではドイツ製を導入していてイギリスでは50hzになっている。
・デビッドはワシントンに栄転しチームを任される立場になる。
・アランはマンションを探して出て行こうとしていたが、
古いガレージをリフォームしてチャーリーの家に住むことになる。
ゲストハウスにして豪華にするみたいだ。
・コルビー、リズ、ニッキーは現状維持
■使用された曲
・Twilight Serenade By Moonlight by Donna Byrne
■出演者
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官、主任
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 理科大教授
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父、設計技師、都市計画
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官、主任
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 理科大教授
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
ニッキー・ベタンコート (Sophina Brown) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 理科大教授
リズ・ワーナー (Aya Sumika) FBI
イアン・エジャートン (Lou Diamond Phillips) 捜査官
ロビン・ブルックス (Michelle Nolden) 検事補
オットー・バーホフ (John Cariani) プラズマ物理学”アウトバーン”
マット・リー (Matthew Yang King) FBI捜査官・技術班
マイケル・ヒラー (Vyto Ruginis) マゾーラ家の隣人、脱獄
ジム・マゾーラ (David Burke) 銃を持っているのではないかと
ジム・マゾーラJr. (Bridger Zadina) 銃を最終的に持つ
ベッキー・マゾーラ (Alicia Wollerton) ジムの妻
ジャック・ケイツ (Dan Martin) 捜査官
リンダ・サミュエルソン (Stephanie Erb) 自警団、夫のDV
テッド・ダコスタ (Luke Rosen) 詐欺師
ジム・ニューウェル (Mark Ankeny) 娘がレイプ被害
ラルフ・モリス (Stan Egi) 自警団
Mrs.ミッチェル (Jenifer Cononico)
— (Derek Jameson) Crime Victim
ジェームズ・シェーン (Gino Montesinos) スタンに殴られた
— (R.C. Ormond) ドラッグディーラー