第3話 スパイウェア Open Line
脚本/
監督/
【ストーリー】
2015年6月21日。
パソコンのモニタ前でクリスタ・クックはメールを打つ。
飼い犬のチェラに対してメールだけ打つから待ってねと語る。
誰かがやって来たことを示すチャイムが鳴る。
「何をしに来たのか」そういう彼女に室内に入ってきた男は
クリスタのことを殴る蹴るの暴行。最後は床に頭を打ち付けて
立ち去る。クリスタはなんとか携帯で911に電話するが力尽きる。
●被害者邸
タオは現場を調べるスクリーンに亀裂が入っていて争った跡だ
という。プロベンザはまた犬が五月蠅いとし通報してきたのかと
問う。サイクスはハリウッド署が通常回線で通報を受けたのが
午前7時34分。被害者の携帯からだという。フリンは被害者は
クリスタ・クック(24歳)、バッファロー出身でロサンゼルスに
移って約6年になるという。壁の写真から察するにモデルか?とい
うプロベンザに対してスーパーモデルで雑誌やCMにも出ていたと
いうサイクス。プロベンザは犬を動物管理局に引き取ってもらえ
という。フリンは何で突然犬嫌いになったのかと問うと、
突然じゃねーというプロベンザ。バズはシャロンがラスティと
共に来たことを報告。ラスティはタクシーを拾って一人で行くよ
というが、私もホッブズ検事から呼ばれているのだという。管理局
が来るまで犬はラスティに預けてという。プロベンザはクリスタ
の家を囲んでいるマスコミを指してラスティに同業者には聞き耳
を立てろとし情報が転がって居るぞとアドバイス。
シャロンは強盗の痕跡は?と問うとフリンは無さそうだという。
タオはベッドサイドの写真が全て同じ男のものだと。
インスタント写真のタイムスタンプは2ヶ月も前だと。サイクスは
男を見た事が有るという。クリスタがレッドカーペットを歩く
ネット画像で隣にいた男性だと。借家人で登録されているのは
クリスタ名義だけ。男物の服もないというフリン。パソコンは?
というシャロンに対して令状が降りればメールを見られるという
タオ。ソーシャルメディアのアカウントも調べないと・・と。
するとプロベンザは、「ヘースブック、チュイッターやインスタ
ントグラムだけじゃなく出会い系も見ないとな」と語る。
するとバズはティンダー、ヒンジ、okキューピット、コーヒー・
ミーツ・ベーグルなどだとしボクも独身だからと語る。
クリスタの恋人の名前はフィリックス・コスター(Sean Harmon)
だというサイクス。総合格闘技の選手だと。フリンとサイクスで
コスターを探してというシャロン。バズはラスティを本部まで
運んでくれとしシャロンは遺体を搬送するという。
●モルグ
モラレスはテイラーから最優先で見ろと言われレントゲンも送ら
れて来たという。アザから見て殴られて蹴られている。少なくとも
6カ所。顔は床にたたきつけられたのだろうと。第4肋骨が折れて
それが右のハイを貫いたのが死因だという。サンチェスは会話は
出来たのかと問うと肺に血が貯まっていたので無理だろうと。だか
ら通報しても話が出来なかったと。サイクスによれば恋人はコス
ターだというと、サンチェスは総合格闘技の選手だという。
フィリックス・”ハンマーヘッド”・コスター。試合を観たが近々
高額のファイトマネーと契約金がかかった試合が行われるという。
モラレスはそんなチャンスの時にケンカで不意にするかと問うと
怒りに理性は効かないものだというサンチェス。アザを探してくれ
というモラレスは彼女もやり返した跡が有るとして拳の傷を見せる。
●格闘ジム
フリンとサイクスはリング上で激しく実践トレーニングしている
容疑者を見てアザを見分けるのは難しそうだと。サイクスは録画
して後で写真にするという。フィリックスの兄ディロン・コスター
(Matthew Florida)は立ち入り禁止だというとフリンはLA市警の
バッジを見せる。コスターに対して今朝の行動を尋ねる。
フィリックスは6時に起きて飯を食べて走って7時にここに来たと
いう。ディロンが一番のりだったこと。兄は経営者兼トレーナー
だと。クリスタの恋人だろうというと元彼女だという。駐車場の
許可証を郵便で送り返したのが不味かったのかというと、クリスタ
が素手で殴られて死んでいたのだという。誰がやったのかと問う。
コスターは大事な時なんだと兄。付き合っていた期間は?1年ちょい
だと。別れた時に新しい彼氏は?知らないよと。出来たとしても
モデルかカメラマンかなんて言わないだろうと。兄弟が一緒に居た
なんて証言は簡単に信じないという。クリスタは犬のチェラを
飼っていたというフィリックス。
●重犯課オフィス
タオは2人は別れてから電話もメールもネットのやりとりの形跡は
ないという。アリバイもある。見た目も小柄だったというフリン。
サンチェスにそういう意味ではないというと、彼は総合格闘技に
デカさは関係無いし階級もあるという。出会い系にも登録してい
ないとバズ。夕べ会っていた形跡は?ヘースブックやインスタン
トグラムか何かに乗っけてないのかというプロベンザ。タオは
惜しいなとしてフェイスブックとインスタグラムだと訂正する。
被害者は夕べは家に居てパソコンをいじっていたこと。午後8時20
分から午前24時34分まで。4通のメールと書き込み量は凄いという。
フェースブックと”ちゅいったー”への書き込みだとタオ。
●シャロンのオフィス
ホッブス検事がやってくると2人への召喚状だという。
カリフォルニア州対グレッグ・スライダー・ラゼニック。
アリス事件に関わってないだろうというラスティに対して先週
面会に行ったでしょと。弁護人は私がラスティを使ってスライ
ダーに供述を盗ったと思っているのねとシャロン。
●重犯課オフィス
タオは突然「大変だ、アンドゥできない、アンドゥできない」と
叫ぶ。LD市警のパソコンを全てシャットダウンするんだという。
みんなもパソコンの電源を切ってくれとしクリスタのパソコン
にスパイウェアが入っていてタオのパソコンに写ったのだという。
■事件
人気のスーパーモデル、クリスタ・クック(24歳)が自宅で素手で
殴打されて殺害される。クリスタとの繋がりを調べる為に被害者
のパソコンを調べているとそのパソコンからタオのパソコンに
スパイウェアが侵入し、どれ程の被害が及んでいるのか分からない
為にLA市警のネットワークを遮断する。
一方ラスティが個人ブログでジャーナリストへの道を模索し
行方不明者の捜索を始める過程でアリス殺害犯の容疑者・スライ
ダーと面会したことが問題となってしまう。
■感想
スパイウェア送信などによるサイバー犯罪が絡んでくるエピソ
ード。スパイ防止法とか猥褻的犯罪に抵触する部分はあれど、
殺意に関しては故意によるものなのかどうかを扱っていく。
ラスティの件でも同様に単純なミスだけど意外と裁判では大きく
影響していきそうな内容で、司法妨害とまではいかないものの
それに抵触するかどうかの判断に揺れる案件だった。
ネタとしては寧ろプロベンザの昔ながらの犯罪捜査、犯罪
事件傾向と、今時の犯罪の性格性の違いを抽出した感じで、
こういう内容をみるとやはり真っ先に思い浮かぶのは「NCIS」の
ギブスとマクギーのやりとりって感じ。
昔のようにアナログ的な事件と比べてデジタルの世界だと犯罪
が容易でその犯罪規模にも圧倒される。
プロベンザが現代のネット用語を言い間違えて覚えている所は
微笑ましいところ。タオが間違いを指摘してしまった時に
みんながガッカリしていたように見えたのは気のせいか。
ずっとそのまま間違ったまま語らせてネタにするっていうのも
有りかと思ったけどね。
プロベンザは容易にスパイウェアを仕込んで盗撮出来る現状に
対して
「窓から覗き見してた時代が懐かしいな」と語る光景が有る。
更にバズが現在予備警察学校に通っているようで、ネットを
使えない捜査に対して、「電話と靴がある。今も昔も警察にとっ
ては最高の道具だろう」と語る光景が有った。
そんな講釈をしている際にサンチェスが微笑むっていうパターン
が久しぶりに見て取れた。
サンチェスが未だに前線で活躍せずモルグに居るっていう所も
違和感は有る。前回のエピでフリンとは仲直りしてデスクの位置
も取り戻せたけどまだ捜査は許されていないのか。
■事件の真相
素手で人を殺したというくらいだからやはりそれなりに力があり
怒った時の分別に関して見境が無くなってしまうくらいに
力をぶつける人物が犯人像だ。
サンチェスが怒りに際して経験談から理性が効かなくなるものだ
と語っていたくらいだけど、その状況の中で理性が戻るまでに
殺せてしまう人物というのはある程度限られてくる気がする。
弟ではなく兄が殺したパターンかと思って見て居たんだけど・・
■デジタルは証拠として残る
今回のエピソードで一番の解決のヒントになったのは、容疑者が
判明した後に何を元にして怒りを覚える着火点になったのかという
こと。
弟はクリスタからメールが送られてきたとしていたけど、通話
記録を調べると何処にもそんな形跡はない。プリペイドカードを
調べるとカメラマンの男・マルコム・リッチ(Jamie Bamber)だと
いうことが判明する。
マルコムはそれ以前にスパイウェアを使って42名の部屋をライブ
カメラを操作して覗いていた人物だ。
その数を知って司法取引することには、みんな違和感が有った
ハズ。何処かで司法取引をかいくぐるようなネタが出てくるのか
が見物。
■格闘家を捕まえるのは難易度が高い
アメリカ人って身体がゴツイ人が多いので、本気で暴れられたら
困るよな。ただ最近はそういう場合大抵はテーザー銃のような
ものを使ってビリビリさせて捕まえるということが有るのでは
ないのかな。ただ格闘家ならそのくらいの電流は吸収してしまう
ものなのかも。
隙を突いて逮捕しようとしたが、相手が暴れて銃を奪おうとした
為にタオが珍しく発砲し射殺した。一番銃には縁遠いところに
ありそうなタオが発砲するとはね。
■司法取引は無効
確かに今回の一件では彼がスパイウェアを仕込んだことを認めて
取引する際に、殺人を否定した証拠として動画を撮影している
事を告げていた。ただ動画撮影自体は幾らでも自動的な録画出来る
のでアリバイにはなり得ないよな。
ただ会話の中で殺された時のことを詳細に語り、そして更には
タオが「アンドゥできない」と語っていたことを話している。
全員の名前を書くよう言われたが、スパイウェアの性格からする
と感染性のものがある場合、それを開いた人物はタオ本人で
スパイウェア自体は既にマルコムの手からは離れた所で発生して
しまっている案件故に何処まで罪に問えるのかなと思った。
前振り感も多いけど、ラスティがスライダーのインタビュー映像
を撮影した際に警察官によって誘導されたようなことを訴えて
いたように、今回は明らかに「懲罰が足りない」と思っている
捜査官たちが前提にいて、刑期を加算させようとする意図も
見え隠れする。
弁護士を演じたのは台湾系Michelle Krusiec。役名の英語名が
Victoria Ngなんですよ。Ngはいつも困らせてくれるもので、
「ハート・オブ・ディクシー」に出て来たシェリーもまた
Shelley Ngという役名。この時確かドラマではインと呼んだの
だけど、ムンとされる時もあるし難しいです。
■その他
・プロベンザ先生の教え
ラスティにはジャーナリストのテクニックを教えた感じだし、
バズには刑事とはなんたるかを示したところも有る。
しかし今回のプロベンザはフリンとの冒頭のやりとりで犬を
嫌っていたけど、本人は否定していたけど、プロベンザって
前から犬が嫌いなんだっけ?
若い恋人と何か有ったりしたのかな。
・アイデンティティ
ラスティが行っている動画ブログの名前みたいだ。
グローブ判事も興味深そうに見守っているところがあるけれど、
一番の問題はラスティのことを何時までも心配し過ぎて重犯課
に関わらせる振りして守ろうとしているシャロンにあるのでは
ないかとされるところが有った。
ただ本当にもうラスティを狙う狡猾なあの男は出てこないのか。
シャロンはもうアリスの正体を知っているのではないかという
と「被害者です」としか言わなかった。本当は知っていて、
それでも傍で見守るためにLA市警に関わらせる理由を作っている
のか。
■出演者
シャロン・レイダー …… FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ …… ベテラン
アンディ・フリン …… プロペンザの相棒
マイク・タオ …… 分析力
フリオ・サンチェス …… ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン …… カメラ
エイミー・サイクス …… 特捜班から異動
ラスティ・ベック …… 母親が失踪中
Dr.フェルナンド・モラレス …… 鑑識
ラッセル・テイラー …… 副本部長
ケンダル …… 検視官
アンドレア・ホッブス …… 検事
マルコム・リッチ …… モデルのカメラマン
グローヴ …… 判事
グレッグ”スライダー”ラゼニック …… アリス殺し容疑者
ディロン・コスター …… フィリックスの兄、トレーナー
フィリックス・コスター …… 総合格闘家
ヴィクトリア・イン …… 弁護士
メリッサ・ザラ …… モデルエージェンシー
クリスタ・クック …… 24歳、スーパーモデル
ヘザー …… マルコムのアシスタント
ブライド …… モデル
プランシー …… モデル
アシュリー …… モデル
ロザリオ・ムーア …… マルコムの元恋人
アリス・ヘレラ …… 行方不明のジェーン・ドゥ、妹が居る、鳥の絵