第1話 バラの贈り主 A Rose Is a Rose
脚本/
監督/
【ストーリー】
フリン(Tony Denison)は現場近くで犬を追いかける。
サイクス(Kearran Giovanni)はプロベンザ警部補(G.W. Bailey)
がやってくると声を掛ける。プロベンザは何で俺たち重犯課が
呼ばれたのかという。近隣で毎週の様に起きている押し込み強盗
がエスカレートしたのかも知れないからだというサイクス。
そうでなきゃハリウッド署に任せて帰れるというプロベンザは
フリンがモドル前にオデルノ(Brandon Barash)に荷物をまとめて
させて席を空けさせたいという。フリンは被害者の犬・ナチョ
をようやく捕まえたとしてやってくる。
通報が有ったのは9時20分。通話者リン・リード(Roberta Bassin)
は気の傍に立っている女性とのこと。ナチョが家の周りを走り
回っていたので捕まえようとした際に窓を覗くと中で人が倒れて
いるのを発見。被害者はゲイリー・デビッド・アーウィン(71歳)。
一人暮らしの元会計士で退職したばかり。来月月曜からイタリア
旅行の予定だったという。出発が一週間遅かったなというプロベ
ンザ。やっとリタイアして旅行を楽しもうと思っていたのにイカ
れ野郎に押し入れらて背中を一発だというフリン。するとケンダル
(Ransford Doherty)は3発だとし9mm弾だという。他の押し込み
強盗で撃たれたものは居ないというタオ(Michael Paul Chan)。
タオは気になることを語る。
今回バラの花がないこと。他の事件では犯人は花屋に成りすまし
て20本のバラを届ける。そして気になる2つ目は被害者の宝石、
パソコン、札束の入ったサイフが盗まれていないこと。そして3つ
目はドアを開けた途端これまでの事件ではバラで両手を塞いだ
後にテーザー銃を利用しているが、アーウィンはテーザー銃も
猿ぐつわも無いという。プロベンザは俺たちはここまでだとし、
一連の強盗と無関係なら重犯課の仕事ではない。フリオの出勤前に
戻ろうという。
そんな中向かいの家のアシュリーが悲鳴をあげ、誰か助けてと
声を上げる。ママが怪我していること。みんな銃を片手に家を
調べに行く。タオが率先しオデルノも室内を探していく。
誰もいないかに思われたが、金庫のあるクローゼットで被害者
が倒れているのを目撃。第二の被害者だという。
リサ・ルイス(48歳)、2人の子の母親で電気ショックを喰らい
実弾で頭に一発喰らっているというプロペンザ。発見してから
死後2時間が経過。アシュリーがサマースクールから戻って見つ
けたというフリン。彼女は学校では大学レベルの英語コースに通う
秀才だったという。
シャロン(Mary McDonnell)は、ストローの件を尋ねるがキプロス島
で目撃された情報だけだという。バズ(Phillip P. Keene)は周辺
を調べたが防犯カメラ映像は無かったという。アシュリーの父親
は2年前にガンで亡くなっていること。アシュリーの兄・ピーター
(Skyler Maxon)は、ジム”NETFIT”のスタッフとして働き、祖母も
存命だが現在ヨーロッパでリバークルーズ中だという。
最初に向かいの老人が殺害された件しか伝えていないというフリ
ン。オデルノはこの事件に関わっているしフリオを戻すのは
考え直したらどうかというフリン。シャロンもオデルノには最後
まで参加で良いわと。タオは薬莢の分析が終わり、二人を撃った
銃弾は同じだったこと。強盗の一人をロス市警の特捜班が監視
していたのだという。テイラー副本部長(Robert Gossett)に
事情を聞きたいというシャロン。そこにラスティ
(Graham Patrick Martin)がやってきてシャロンと話がしたいとい
うが立て込んでいたので後回しになる。
■事件
近年ハリウッド署管内で特徴的な手口の押し込み強盗が毎週の
様に発生していた。それが繰り返し行われた後、ついにその管内
で銃を使った犯行が起きる。
この日はフリオがいよいよ重犯課に戻ることが許された為に
プロベンザとしては押し込み強盗との関連性が無いのであれば
ハリウッド署に任せて歓迎の用意をしたいと考えているが・・
襲われたアーウィン家では類似性は感じなかったものの、向かい
の家のルイス家もまた襲われた形跡が有り、そこでは類似性を
臭わす事件だとして重犯課が捜査することになる。
しかし特捜班が強盗容疑者の一人・ジム・ノートン (Regan Burns)
を監視していたが、動きは無かったとして不自然さを臭わせる
事件へと発展していく。
■感想
いよいよシーズン4のスタート。日本でもシーズン5が放送して
いたので、最新シーズンからもそう遠くは無いでしょう。
急げば落ち着けないことも無いですが自分にはDlifeペースが
有っているのでこの調子のスタンスで行きます。
シーズン3はフリオがぶち切れて終わったこと。
そしてこれまで散々引っ張ってきた受刑者のストローが逃亡し
てしまった為に再びシャロンとストローの件で証言したラスティ
は命の危険に晒され、シャロンとしては頭を抱える思いでしょう
が、今回の事件を見る限りでは、親が子供への過度の干渉が憎しみ
へと繋がりとんでもない事態を引き起こしてしまうということも
有って、シャロン自身に示唆するところは大きかったようです。
ラスティは大学校内で誰かに尾行していることに気がついて
自撮りするフリして撮影してきましたが、その人物はシャロンが
特捜班のクーパーに頼んで警護させていた捜査官だったという
ところは何とも言えないところです。このケース、普通の状況
ではないからね。
今回の事件は結局被害者の母親だと思っていた人物は子供たちに
過度の干渉をした為に加害者の子供に育ててしまったという最悪
の結末でした。
■守る人、守られる人
今回の事件は悲しい事件でしたね。
父親がガンで亡くなって以降、母親のリサが精神的に過干渉と
なってしまい、結果として兄は大学を辞めざるを得なく、そして
娘もまた彼氏との関係もろくに満喫できないような環境に置かれて
しまった。
ただ大事な人が亡くなると人は大なり小なり精神的に傷を背負う。
その一つは私が経験しているパニック障害。
発症する確率は多くもないが少なくもないけれど、どうしても
精神的に依存している部分が有るほどに離れる怖さみたいなものを
感じるところは有る。
ただこのリサの場合はこれとは性格は違う様だけど、少なくとも
兄妹は異変を感じた時点で母親を心療内科的措置を執るべきだった
のではないかという気がする。
守られる方としては守られているという感覚がある人には心強い
存在だけど、それを感じない程にその相手は邪魔な存在として
認識し、寧ろ脚を引っ張るだけの相手にしか感じない。
今回はシャロンが息子のラスティに対する過干渉的意識と、
フリンがフリオを遠ざけようとする意図の中にシーズン3から
臭わせてきたシャロンとの恋愛関係が存在しているという流れ
が有った。
また意外では有るけどプロベンザがフリオが戻るのを歓迎する
だけでなく、最初は「気に入らねー」とばかりに邪険にしていた
サイクスのことを気遣う姿が有り、ブロベンザ警部補の優しさ
にも触れる内容だった。
■事件の真相
ドラマとしてはよく有る感じの連続強盗事件に真似て起こした
事件だった。
ただ完全犯罪が如何に難しいものなのかということを感じる流れ
では有ったかな。
押し込み強盗事件は、結果として見ると
ジム・ノートン、クローディア・リヴァス、アール・デイビス
の三人が起こしたことだった。
そして二つの殺人事件を起こした流れは、兄妹と妹の彼氏である
ラウル・ディアスが起こしたものへとスライドされていく。
当初二つの事件は全てジム・ノートンたちが行った事件かと思わ
れた。最初は手口は違うとされていたけど、リサ殺害に関しては
類似する点が出て来たこともある。
しかしノートンはこれまでの強盗事件は認めるもその違いに目を
つけた。バラを使うものだがバラの種類や花瓶の種類が違うこと。
またクレジットカードの使用履歴から見て兄のピーターはテー
ザー銃を購入している。
■千両役者たち
弁護士をつけるタイミング、そして事実を告知するタイミングが
微妙に難しい。タイミング次第で口を割らせるのが難しくなる。
大学新聞の採用試験に対するラスティが取材を許可されたのは
被害者遺族に限定されるものだということで、今回ラスティが
プロベンザに相談したことがある。その際にプロベンザは刑事は
必要なら嘘をつくものだとしていたように、今回は口を割らせる
為に上手いこと嘘をついた。
その嘘をついたのはサンチェスであり、その嘘の内容はビーン
バッグ弾を使ってラウルを気絶させただけだが生きて居る事実
を死んだものとして扱ったことだった。絶妙なのはその嘘を
つく取り調べではない雑談的事実の流れの中でのやりとりの
パートナーとしてサンチェスと共に彼を遠ざけようとしていた
フリンを組ませたことか。
死人に口はない。ラウルに全ての責任を押しつけようとした兄妹。
ラウルもまた妹アシュリーを愛して居る為に全ての罪を自分が
引き受けようとしていた様だが、アシュリーは無実になれば
新しい家庭を築く。
アシュリーがこの事件に関わっていることの証拠としてバラの花
を購入していること。ピーターはテーザー銃を購入している。
兄妹ならば守秘義務によって互いの犯行を語る事はないので
弁護士をつけてもラウルが有利になることはない。
上手いのは何と言っても妹は兄さえも利用し、恋人も利用して
母親を殺害しようとしていた。父親の死の影響なのか、それとも
彼女には社会性の病質的気質を備えていたのか。単純に邪魔だから
ということだったのか・・・
■その他
・自称アリス
ゴミ箱で見つかったジェーンドゥ的アリス(仮名)は、果たして
彼女の身元が判明するのか。
常にホワイトボードの片隅に貼られている事件だけど、今回
ラスティが解き明かしていくという要素も存在していくのか。
・優しいプロベンザ
「NCIS」ではアビーがこういうことやるタイプなんだけど、
戻ってくるサンチェスの為に風船を用意していたりして可愛いおやじさんだ。
■出演者
著作権の関係で俳優リストは書けなくなりました。
文章中になるべく書き込みましたのでそちらを参照して下さい。
シャロン・レイダー …… FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ …… ベテラン
アンディ・フリン …… プロペンザの相棒
マイク・タオ …… 分析力
フリオ・サンチェス …… ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン …… カメラ
エイミー・サイクス …… 特捜班から異動
ラスティ・ベック …… 母親が失踪中
モラレス …… 鑑識
ラッセル・テイラー …… 副本部長
ケンダル …… 検視官
アンドレア・ホッブス …… 検事
チャック・クーパー …… 特捜班
ロビン・オデルノ …… 重犯課・捜査官
ピーター・ルイス …… 長男、ジム”NETFIT”
アシュリー・ルイス …… 長女16歳、高校生
ラウル・ディオス …… アシュリーの元彼、強盗
ジム・ノートン …… 押し込み強盗、警備会社
クローディア・リヴァス …… 押し込み強盗
アール・デービス …… 押し込み強盗
リン・リード …… 第一発見者
ゲイリー・デビッド・アーウィン () 71歳、第1の被害者
リサ・ルイス () 48歳、第2の被害者
アリス・ヘレーラ