第13話 リアリティ番組の表と裏 Reality Check
脚本/
監督/
【ストーリー】
10組の離婚寸前のカップルがリアリティ番組の「アメリカン・
スカベンジャー・ハント」で優勝目指し、夫婦で努力して課題
をこなしていく。司会者/番組プロデューサーのネイト・
オーリン (Johnathan McClain)は、残っている2組のカップルを
紹介する。チャンピオンの座をかけてガチで戦い100万ドルを
手にするのはどちらのカップルか。レス(Michael McMillian)
とコリーン(Brittany Ishibashi)のディッカーフーフ夫妻と、
視聴者が受けが悪く吐き気がするが目が離せないという
チップ(Bryce Johnson)とドナ(Marnette Patterson)のコクラン
夫妻。今週水曜日夜いよいよ蹴りが付くという。
●グリフィスパーク
そんな中被害者はドナ・コクランだとしてサイクスは語る。
二人の乗った車はカーブで車道からそれて崖から落ちたのである。
夫のチップは車から投げ出されて一命を取り留め病院へと搬送
されたこと。タオはハンドルが2つもあることを指摘すると、
サンチェスはリアリティ番組で使うレース用の特別仕様だと
いう。各車ドライバー2人が運転するのだという。サイクスは
倦怠期の夫婦が100万ドルをかけてゲームを競う番組だということ。
車から落ちたのかというタオ。90m上のカーブからだというバズ。
夫は坂の途中で見つかったという。別の夫婦の車はカーブの約
50m先を走り、撮影隊は50m後方で転落の瞬間を目撃されていない
こと。撮影隊は夫の救急車と共に病院に行ったというサイクス。
何か引っかかるなとタオ。バズは小型カメラが複数個車内に
設置してあるのでガレージラボで取り外して調べるという。
プロベンザはサンチェスに電話して今何処に居るんだという。
サンチェスはグリフィスパークですよと語る。マウントハリウッ
ドの・・というと、オレは今そこにいて何でマスコミに囲まれて
いるのかという。そこは展覧した崖の上だとし俺たちが居るのは
落下した崖下だという。マスコミに対して50m下がらせろという
プロベンザ。またフリンの野郎にはタオをこさせてくれという。
フリンからプロベンザに電話が鳴ると、あなた今ニュースに
出て居るぞと語る。前から見るより後ろから見た方が男前だと
からかわれるプロベンザ。シャロンはサンチェスに病院に行かせ
るよう告げる。フリンは手伝わせてくれとシャロンに言うが、
ラスティに対して出かけるからパトリスが来てから出かけて
フリンを見守るよう頼む。ラスティはここにスライダーの弁護士
を呼んだから平気だという。フリンに何か有ったら救急車を呼んで
から電話する決まりだろうとしてラスティはシャロンに告げる。
プロベンザはタオに事故なのかと問う。そうは思えないとして
タイヤのスリップ痕、夫は途中から逃げ出されているがシート
ベルトをしていなかったのでエアバッグが開いていないこと。
夫の側のドアは外れて飛ばされている。妻は車内にいたこと。
崖上にはバンダナが落ちていたが、妻は車内でこれと同じバンダナ
をしていたという。何故一つだけが落ちているのか。
夫は投げ出されたか、ギリギリで自ら飛び降りたのかとシャロン。
サンチェスは後者ではないかという。または夫が崖まで誘導し、
落ちる前に逃げたかも。事故にみえると踏んだのではないかと。
テレビ局に来た捜査官に対して、アシスタント(Christopher
Avila)は撮影中だとして止める。レスはこんな悲劇が
起こるなんて哀しいが大事なのは命だ」と言う。オーリンは
最高だと彼に伝える。コリーンにコクラン夫妻のことを聞くと、
はめられたのか?と問う。私たち二人は彼らを怪物のように見て
いたように思われるが本当のチップとドナの二人は人間だった
という。
そこにネイト・オーリンがやってくる。番組の司会者兼プロデュ
ーサー兼、クリエーターだという。事情を聞くのは辞めてくれ
という彼に邪魔すれば逮捕しますという。
シャロンは事故について話を聞く。
チップは今は誰とも話したくないという。今はロス市警の都合が
優先されるとして話を聞く。これはあなたのバンダナなのか?と
問うと、ウチのイカレた妻は妻はどうしたのか?近くに居るとし
事故の時の状況を聞かせてというシャロン。俺たちは言い争って
来た。僕が女と寝たと言いがかりをつけてきていつもの癇癪だと
思ったという。それがドナの売りでもあるし・・。ドナが急に
崖の方にハンドルを切って走り出したとし正気じゃないと思った
という。三流には分からないがバンダナが崖の手前に落ちていた
がドナが心中を図ろうとしてると思い車から飛び降りたのだという。
そこにチップの姉のミッチー(Christina Jeffs)がやってくる。
妻を亡くして死にかけた弟を追いつめるのかとしてミッチーは
ツイッターに情報をあげるという。チップはドナは死んだのか?
と問う。騙して尋問しただろうとすると、ミッチーは家族だけにし
てと言うとシャロンとサンチェスを病室から追い出す。
退院が決まり次第弟さんには本部に来てもらうというサンチェス。
■事件
リアリティ番組(American Scavenger Hunt)の収録中に100万ドル
の決勝戦を競っていたディッカーフーフ夫妻とコクラン夫妻の
ウチ、コクラン家の車がグリフィスパークのマウントハリウッド
の崖から転落して妻のドナが亡くなる。チップが生き残った為に
事情を聞く。
しかし怪我を理由に話を拒んだ挙げ句退院する時には姉の車で
そそくさと逃げ帰ってしまう為に怪しむNYPDの重犯課の面々。
しかしチップは逃走した訳では無く、実はマリオ・ロペスの生放
送番組に出演して話をしていることが分かる。
その対談での会話はミッチーが書いていたことが判明。
後に話を聞くとチップは自分が殺す訳が無いとし、妻と二人で
スピンオフが出ることになっていた事を告げる。
■感想
驚くべきことに前日放送の「キャッスル」S6-3と冒頭部が同じ
だった。要するに生放送に写っているものとテレビで見ている
もの。両者が同じ立場の人間で、一方は現場で捜査しているのに
一方はテレビの画面を通して事件を知るという状況。
これこそまさにリアリティだなって感じ。
キャッスルの中ではリックがテレビに写っているエスポに電話
しているが明らかに電話を無視する光景が有り、それはそれで
問題が有るのではないかと思わせるところだったる
人の手が介することになると、どんなことでもフィルターなり
制作する側の都合の良い思考が入ることになる。
上手く作られているのは、この事件の流れがサンチェスの過去
と結びついている部分と、ラスティが現在調べているスライダー
事件にも同時に何処かで示唆する一面が有って、上手いこと
繋がっているところが有る。
サンチェスが怒っていたのは、自動車事故で妻を亡くしている
事情が有ったこと。そんな事故を起こした犯人を決して許さない
というサンチェスの暴走オーラが漂っていた。
そんなサンチェスも怒りの一面ばかりでなく、事件の合間の会話
の中でプロベンザのネタになるとクスクスっと微笑むシーンが
有る。ここ暫くそのシーンが封印されていたけれど、今回は久し
ぶりにプロベンザネタでサンチェスが笑っているシーンが妙に
嬉しかった。
「オレのシビックは(ハッキングは)大丈夫か? 99年型」(Provenza)
「ハッキング(の可能性)はゼロ!」(Tao)
■事件捜査
今回は自動車が崖から落下。
その落下を仲が悪く、視聴者からはコクランに引っかけて
コックローチ(ゴキブリ)だと言われている夫婦の一人が被害者と
なる。
撮影途中での事故なので、撮影していて解明するのは簡単そうに
見えたけれど、意外と周り道するような話になったな。
見ていると推察だけど、7割方犯人は想定する人物だなと思って
いたプロデューサーのオーリンが犯人だった。
ただこの人だけではハッキングするスキルが無いので、そこで
誰が手を貸しているのかというところが問題として疑問に残る
ところだった。
最近車がハッキングされるというネタをやたらとドラマの中で
見るんだけど、どの程度可能なことなんだろうね。
少し前に警察が協力してドッキリを仕掛けた海外の番組内で、
車のコントロールが利かずにドアも開けられないという状況を
作っていたことが有ったよな。
・不確定要素のマスコミの動き
見ているとマスコミがまたどう報道するかで肝を冷やす展開に
なるかと思った。刑事ドラマならばマスコミの先走る報道が
司法妨害のような形で捜査を邪魔することに繋がることがある。
この傾向は近年では寧ろtwitterやFacebookによる情報発信に
成り代わって捜査しづらい状況になる可能性は秘めていた。
サンチェスが怒り狂う様子に、ヒヤヒヤするところは有ったしね。
■中盤
みんながみんなリアリティ番組を観ている訳では無い。
特に時間がかかるのでドラマを見ることを嫌う人は多い。
キャッスルの中でも昔のシットコムに関して見ている人かどうか
で色々と言い争いになっていたけど、結局多くの人がみて居た
よな。
このドラマでも部分的に見ている人は居ても全てを通して見る人
は居ない。そこで外での捜査が封じられているフリンが自宅で
看病されている中で作品を観ることになる。随分とハマっていた
感じだけどね。
・契約・契約・縛り・縛り・隔離・隔離
まぁそれぞれの言葉の意味は違っても、使いようによっては似た
様な言葉として利用される。
今回の事件は結局契約に縛られているが故に助けられるものも
居れば、息苦しさを覚えるところも有る。
ミッチーは途中で携帯を取り上げられて
「私を世界から隔離する気か?」(Mitzy)
「世界の為にね」(Sanchez)
容疑者は当然拘置されている訳だし、フリンは自宅に隔離されて
捜査に加われないかと思ったけれど、役に立つシーンが有った。
・コリーン
コリーンを演じたBrittany Ishibashiさん。たまに見かける方
で、先日までDlifeで放送していた「メンタリスト」s3-22
でアリエル役で出演していた。
シャロンは可愛い人ねと語る姿が有るが、バズは腹は真っ黒だとし
旦那連中に取り入って互いにつぶし合うように仕向けていたと
いう。ダンナが居る前でレジーとチップを誘惑しては潰し合いを
行わせる。毒婦コリーンだと入れていたが100万ドルがかかって
いる訳だからね。
取調室でのプロペンザもその毒婦の罠に・・
「おじさん分かってくれた。ただのロマンスグレーの人じゃない」
そんなコリーンの発言に終始ニコニコしているプロベンザの光景
が有る・・・
・ハンドル名:”害虫駆除屋”
結果としてこの名前でSNSで投稿し脅迫していたのはレジーだった。
バズからプロベンザへの仕返しなのか
「インスタントグラムにチュイッターにニューチューブで調べて
見ます」
と語る光景が・・
■結末
結局犯人はプロデューサーのオーリンだった。
一番近くに居てストレス感じたのかな。
それとも自分は局に縛られているのに彼らは番組で優勝すれば
大金が入り、自由に行動出来る。
そして元々の脚本が台無しにされて、僕の番組を「悪魔のいけ
にえ」のようなホラー番組に変えてしまったとして激怒。
局は彼が色々とシナリオを提出したのに、それを無視した。
イェール大、南カリフォルニア大の映画芸術学部を出ているのに。
「THIS IS US 36歳、これから」でケヴィンがキレてしまった
シットコムの流れを思い出すな。
■その他
・ラスティの流れ
色々とスライダーと会ったり、またその弁護士のボビーと会う。
ボビーはやたらと死刑案件のクライアントを受け持っている
こと。死刑制度についてジャーナリストの視点で反論することに
なるとしてラスティは早くもボビーに宣戦布告。
ボビーは自白の証拠排除を3度、4度と毎度提出している事実が
あるが、問題なのは、クライアントが文字を読めないことがあり
なんだかこの弁護士が意図して彼を犯人に仕立てている様な
印象もあるね。
・サンチェスに告知させる
サンチェスが何故怒っているのかみんな知らずにいたけれど、
フリンはシャロンに彼の妻が車の事故で亡くなり最後は痙攣を
起こしていたことを語る。
どうせ亡くなってしまうならば余計な延命よりも即死の方が
幸せだというサンチェス。死刑制度との繋がりをそのような
死生観が結んでいくのかな。
■使用されている曲
・Major Crimes End Credits Theme
Written by James S. Levine
■出演者
シャロン・レイダー …… FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ …… ベテラン
アンディ・フリン …… プロペンザの相棒
マイク・タオ …… 分析力
フリオ・サンチェス …… ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン …… カメラ
エイミー・サイクス …… 特捜班から異動
ラスティ・ベック …… シャロンが母親に・・
Dr.フェルナンド・モラレス …… 鑑識
ラッセル・テイラー …… 副本部長
ケンダル …… 検視官
アンドレア・ホッブス …… 地方検事
ボビー・G.モンロー …… スライダーの弁護士
グレッグ・スライダー・ラゼニック …… マリアナ殺害犯
チップ・コクラン …… スタントマン、悪役
ミッチー・コクラン …… チップの姉、広告代理店
ドナ・コクラン …… 車が崖から落ちて死亡、妻
ネイト・オーリン …… “アメリカン・スカベンジャー・ハント”プロデューサー
コリーン・ディッカーフーフ …… アジア系妻
レス・ディッカーフーフ …… コリーンの夫
バイロン・グラスマン …… レジーの弁護士
本人出演 …… テレビ番組司会者
Dr.レジー・フルーク …… コリーンに誘惑され
ミニー・フルーク …… レジーの妻
…… 保安官代理/ラスティがスライダーに面会
…… Production Assistant
…… ニュース・リポーター