第8話 偽装誘拐 Hostage of Fortune
脚本/
監督/
【ストーリー】
ケビン・クラーク(Brett Justin Koppel)は誘拐されその映像が
流される。父のジョージ(James Eckhouse)と母のジャニス
(Kathleen York)に対してボクは縛られていて動けないとし金を
払ってくれないと殺されると訴える。
TV番組の”今夜の公開捜査”は2年前にロサンゼルスのカフェの前
で連れ去られたある資産家の息子の事件を取り上げる。
FBIにより300万ドルの身代金が支払われたがケビン・クラークは
戻っていない。あれから2年が経過しケビンの両親のジョージと
ジャニスは未だに息子を捜し続けているという。電話が鳴る
度にケビンかと思ってしまうというジャニス。息子が生きて居る
と信じて居るのは相応の理由が有るとし最近アップされたネット
画像にケビンに似た青年がブラジルの海岸を歩く様子が映し出さ
れたという。
ケビンは見つかるのか。納税者の血税300萬ドルと共に消えた当時
操作を指揮していたFBI特別捜査官のジェリー・シェイ(Alan Ruck)
にもインタビューのマイクが向けられる。
ケビンの両親は息子さんの事件で深く傷ついていること。噂に振り
回されてはならないと諭しているという。
フリッツや重犯課はテレビを見ている中、番組のプロデューサー
にはこの事件で最も重要な件には消して触れず放送しない様
説得したという。シャロンは”と言うと?”と尋ねる。テイラーは
4月から身代金の金がヨーロッパに出回り始めたのだとし3週間前に
合計1萬ドルがロスの銀行で回収され見つかったという。FBIは
100ドル札の新紙幣を大量に保管していて特殊な加工が施したもの
だという。事件毎に違った加工をしているのか?というタオ。
指紋同様にどの事件か特定出来るのだというフリッツ。
この事件がロス市警に戻されたからには、FBIによる操作記録を
全て洗い出す必要が有るという。シェイ個人の捜査ファイルもだ
というシェロン。FBIはシェイを信用していないとし、個人的には
ボクもそうだというフリッツ。それを念頭に入れてくれとし、
シェイも捜査に加わるという。助言役としてだというテイラー。
プロベンザは助言役だと?どうやって身代金を自分の懐に入れたか
直接聞いてみれば良いとして彼もシェイを最も疑う一人だった。
サンチェスは迷宮入りした誘拐事件の捜査をするのかと問う。
フリンはFBIは容疑者を押しつけて自分たちで捜査を進める気では
ないかという。
するとシェイがやってくる。君らと組みたいと言ったのは私だと
いう。
エレベーターでこの青年(ラスティ)とも話したが、FBIが情報の
分析に重きを置く限り、君らロス市警の様にパパっと動けない
のだという。シャロンはラスティに話をしたのか?と問う。
ラスティはバズがパソコンのカメラを直してくれたというと、
バズは机の上に置いてあるという。シェイはバスという名前を
聞いてアポロ計画のバズ・オルドリンのことを口にするが、古い
ネタだとしてシラーっとする。
ロス市警・重犯課のメンバーを紹介しようとするが、シェイは
名前を覚えるのが苦手なので言わなくて良いとし、女性2人、
男性4人、バズ一人で良いと語る。事件の情報は共有しようという
彼はケビンが行方をくらました時の情報は全て分類されてこの
USBの中に保存されているという。
こんなのもらってどうするのか?というプロベンザに「引退」だ
という。ムッとするプロベンザに対して私のジョークになれてくれ
という。君らもジョークを語っているとし、ホワイトボードに
私が容疑者のリストに入っているじゃないかと。怪しいのは
ケビンの両親だぞというシェイ。テレビのインタビューとは真逆
だというシャロン。容疑者をミスリードする必要性は百も承知だ
ろうというシェイ。サイクスはケビンの両親が怪しいとする根拠
は何なのかと尋ねる。母のジャニスは身代金の受け渡し方を細かく
説明したにも関わらず途中で使い捨て携帯を見つけてその声の
主に指示されて受け渡し場所を勝手に変えたのだという。しかも
その携帯は金と共に消えていること。フリンは事件当時夫妻は
経済的に困窮していたが今は湯水の如く使っているという。
リフォーム代に海外旅行・・40万から50万ドルだと。息子の
狂言なら息子もグルだというサンチェス。ケビンも身代金の一部を
受け取ったなら何処へ行くのかというシャロン。南米国で
サーフィンしているのでは?というシェイ。ケビンは薬物依存の
問題を抱えていたこと。そしてブラジルで撮られた写真が有る
という。プロベンザは「そんな写真は行く男の写真の方がマシだ」
と。
ケビン誘拐時の映像が18通りも保存されているとタオは驚く。
ケビンが姿を消したエリアは国防総省並に監視カメラが多いの
だという。ロスで一番誘拐の証拠映像を集めやすい公共の場所
“ランチ・カフェ”だというフリッツ。歩道のアングルから撮影
された誘拐時の映像を360度のパノラマでシンクロさせたのか?
というタオ。シェイはそんなことが出来るのかと問うとタオは
“正義のバッジ”ではしょっちゅうだという。するとフリンは
またそれかと呟く。シェイは番組は観ているが8時間でDNA鑑定は
不可能だろうと指摘する。私もそういったがショービズと現実
は違うと。シャロンはタオに現実世界で18通りの映像を同時に
見られる場所は?と問うとテレビスタジオだという。シャロンは
映像チェックの間サンチェスとサイクスとオレ(プロベンザ)で
身代金の行方を調べさせて欲しいという。バズに全ての映像を
準備するのにどのくらいかかるか?と問うと9台のプロジェクター
が必要だという。スタジオで枯れられるならば・・というと、
タオにフォーマットは何かと問う。
■事件
2年前に誘拐されたケビン・クラークがインターネットを通して
ブラジルで撮影されたのが掲載されたという。当時FBIがバック
アップした上で300万ドルと引き替えにケビン救出を試みたが
失敗に終わったという。しかし当時連れ去られた時の現場の映像
が残されていて2013年6月4日(火曜日)の午後2時12分、
ランチ・カフェのテラス席で友人のジェイミー・ウェイド
(Shane Coffey)とダニー・モリス(Cody Mayo)と同席していた時
のことだった。グレーのセダン、盗難車のクライスラー300が
近づいてその車に乗ったことが判明していた。
当時の捜査に当たっていたFBIのシェイ捜査官が重犯課に協力
する形で再捜査に乗り出す。
■感想
ここ最近、事件の最後は意外と真相があっさりしていることが
多いな。
最後の最後まで追求するという形ではなく、ある程度道筋が
立つと残りは検察任せみたいな感じ。この後の事情・事件の
因果関係の方が証明するのが難しそうだなって感じだけど、
アメリカの場合、いずれにせよ同じだけの罪に問われるのか。
最近日本で放送している「僕たちがやりました」というドラマ
を何処か思い出させる内容だった。
事件内容は全く違うけど、人物関係とか安易な発想から行われる
復讐劇とか、何処となく若さ故の馬鹿な発想が、取り返しの
付かないことをしてしまうという点ではそっくりだ。
日本のドラマでは、高校生3人と卒業生の一人の4人が
不良高校に復讐する為に軽く脅すために仕掛けた爆薬がプロパン
ガスに引火して大爆発を起こしてしまうというものだったけど、
今回のこのドラマでも身代金目的の誘拐事件に関わった3人の男
とドラッグ売人のスパークスは、ケビンが両親にお小遣いを
減らされたというだけで両親に復讐を考えて仕掛けた計画的な
自作自演劇だった。
如何にも怪しいシェイ捜査官。
この人のミスリード具合が上手いこと機能していた感じだ。
親の心、子知らず的な事件だったけど、その後経済的に貧していた
この家が潤ったのはマスコミの前に出たからなのか?
プロベンザはシェイが出て来たことで気にイラネーって態度で
不機嫌だったし、フリンはタオがまた得意げな顔して”正義の
バッジ”のことを口にしていたのでやっぱり不機嫌(笑)
しかも新シリーズが始まったとか何とか言っていたしね。
しかしこのシーズンからハイテクとは言わないけれど、IT捜査
的流れが多い為に、プロベンザなんかはついて行けるのかと
いう感じでネットが関わってくる流れが実に多い事。
今の犯罪とネットは切っても切れないものがあるね。
■事件捜査
・防犯カメラ映像
当初それだけの防犯カメラが設置して有ると聞いたので、身代金
受け渡し場所に選んだのでFBIが設置したのかと思ったけど、受け
渡しの為に設置した訳では無く、元々仕掛けられているもので、
誘拐された時の映像が写っていた。
360度パノラマ的映像を流すことで見えない部分が見えてくると
いうのは皮肉だけど、それだけ事件解決する為には視点を変えろ!
という点を示唆しているんだろう。
こんな凄い場所があると知って真っ先に検索したのはラスティだ
った。彼は誰とも知れないグスタフという不審人物とアリスの件で
会わなければいけない。その為に安全な場所を探していた訳だけ
ど、この場所こそ最適だと思ったのだろうね。
・2年前の事件 / 紙幣
2年もすると犯人も警戒心がゆるむのか。
まぁこんな犯罪をする人たちだから相当バカっぽいところがある
んだろうなと思っていたけど、彼らが紙幣をヨーロッパ中で使用
していたのはまだしも、売人で誘拐計画犯の一人・スパークスが
サルトリー・ドールズという空港近くのストリップクラブで多額
の金を使用したことで事件は絞られていく。
■終盤
・テイラーにも汚名返上を・・
先日のエピソードでテイラーが情報を流したことで不都合に
なった流れが有った。今回はやたらとFBI捜査官のシェイが
マスコミの前に立って雄弁に語り、ジャイアニズムの如く、
「ロス市警の手柄はオレのもの。オレのものはオレのもの」
を貫いて何でも自分の手柄のようにして語る。
結果的に両親は計画には関わっていなかったけど、物証とされ
た特殊なベルギー製の銃器のFN Five-seveN
(ファブリックナショナルハースタル)が使用され、その
銃が殺害現場で使われて居ることからその銃を所持して
いた父親が疑われるのも然りという感じだったけど、カルバー
シティの空きビルで発見されたスパークスの遺体でも同じ銃が
使われて居たことで、徐々に事実が明らかにされていく。
それを知りつつ暫くシェイにはマスコミ対応させて、テイラーが
訂正のために出て行ったのかな。
テイラーはシャロンやフリンと共にそのシェイのマヌケな会見を
見たがっていたような感じだけど、そこで意外な話が出て来た。
・気になること幾つか
両親は薄々ケビンが自作自演をしていることに気がついていた。
身代金が盗まれて、同時に銃も無くなっていることを知っていた
から。
しかしそれを報告すれば捜査自体が無くなる可能性を示唆して
いたけれど、そもそも300万ドルを盗んでいるのに、捜査打ち切り
なんて無いでしょう。
・気になること幾つか2
シェイ捜査官はこの事件を何処まで真相を掴んでいたのかな。
この人はそもそもこの事件を書籍化することを計画していて、
既に売り込みも済ませている。
今回はショービズ界に足を突っ込んでいるタオとは多少気が合う
ところも有ったけどね。
事実が事実として伝わらないところはこういう世界に生きるもの
にとっては当たり前だと思ってはいないか。
モルグで採取した銃弾を勝手に持っていってしまった時には
そんなことをして許されるものなのか謎だったけどね。
突然ジョン・ファローズ連邦判事が司法省対トゥーソン市警の
裁判で逆の見解を示していることを語っては持っていってしま
った。
この人は物語の最後、どういうオチにすべきか悩んでいたので、
シェイ捜査官の大勘違いスペシャルなオチで結ばれたのではないか。
捜査を再開させた流れの写真に関しても、意外とこの人がブラジル
に居たと偽装してないか?
■アリスの件/グスタボ(ガス)の件
今回はいよいよアリスの正体、そして彼女に接触したがっていた
グスタボの件が明らかにされた。
15歳の時に父親が亡くなり、その後に母親が付き合った男が最低
で虐待していたこと。ガスは18歳になった時に入隊という形で
逃げることは出来たけれど、アリス・ヘレラことマリアナ・ウォ
レスは逃げることは出来なかった。そして兄にも行かないでと
懇願していたところがある。
虐待された痕跡がアリスに有ったけど、その痕跡はガスにも有った。
話の裏付けをする為にラスティは慎重に話を進めていた。
捜査に協力してくれていたTJがいきなり4日間も連絡をくれない
ラスティに怒っていたね。でも目の前で起きている事件の両親は
2年間待っているからね。
■アンディとシャロン
テイラーには一応付き合っていることを話していた。
プロベンザなんかは知っていたので公然のものかと思っていた
けど、まぁテイラーはちょっと立場的に違うところにいるかな。
■使用されている曲
・Major Crimes End Credits Theme
Written by James S. Levine
■出演者
シャロン・レイダー …… FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ …… ベテラン
アンディ・フリン …… プロペンザの相棒
マイク・タオ …… 分析力
フリオ・サンチェス …… ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン …… カメラ
エイミー・サイクス …… 特捜班から異動
ラスティ・ベック …… 母親が失踪中
Dr.フェルナンド・モラレス …… 鑑識
ラッセル・テイラー …… 副本部長
ケンダル …… 検視官
フリッツ・ハワード …… 特殊作戦部本部長補佐
TJショー …… ゲイ、ラスティのネット友人
ジェリー・シェイ …… FBI捜査官
ジョージ・クラーク …… ケビンの父
ジャニス・クラーク …… ケビンの母
ケビン・クラーク …… 元ドラッグ中毒・誘拐
ジェイミー・ウェイド …… ケビンの友人、DJのアシスタント
ダニー・モリス …… ケビンの友人・弁護士見習い
グスタボ・”ガス”・ウォレス …… アリスの兄、元軍人
アシュリー …… “正義のバッジ”のスタッフ
マイケル・スパークス …… 麻薬の売人
マリアナ・ウォレス …… アリス・ヘレラ
ジョン …… “正義のバッジ”の出演者
パロマ