第8話 誕生 Young England
脚本/
監督/
【これまでのあらすじ】
ヴィクトリアの懐妊で宮廷は祝福ムードに包まれる。しかし出産
に危険は伴う。ヴィクトリアは摂政にアルバートを指名するが、
ウェリントンは女王が死んだらドイツ人に摂政をさせるのかと
して反対。ヴィクトリアに反対するトーリー党の牙城に乗り込む。
アルバートはピールと鉄道に対する熱い思いで意気投合する。
出産に向けて準備は整いつつ有った。
【ストーリー】
ヴィクトリアは退屈だとして乗馬も駄目でダンスも駄目、先生に
もらったトローチを舐めてママの苦労話を聞くだけだという。私
をイギリスで生む為に身重で長旅に耐えたと。アルバートは本を
読みながらヴィクトリアの話を適当に聞いていた。そんな彼に
ヴィクトリアは思いやりが感じられないという。アルバートは
君を楽しませる為に読んでいるんだよとし、「おとぎ話の捕らわ
れた姫がすぐ救出されるのは何故か?塔のテッペンに長く居ると
トウが立ってしまうから」。また「シェークスピアのとり違う物
が好きな国民は?ドイツ人・双子・・つもり双生児(ソーセージ)
が出てくるから」、これは面白いなといウアルバート。面白く
ないというヴィクトリア。そこにレーゼンがやってくるとアル
バートは馬に乗って来るという。天気も良いと。レーゼンに
楽しませてもらってというアルバート。
カンバーランド公爵はレンポルドに対して君もここの会員とはなと。
いつまでイギリスに?というとそちらと同じでしょうと。また目的
が同じ。望んでいる結果は違うようだが・・とレオポルド。
ペンジはカンバーランドが戻ったとしブロディーは今はハノーバー
の王様なのではないか?という。ペンジはオレならドイツの王より
イギリスの公爵を選ぶという。ローラインには悪いが・・と。それ
は僕も同じだというローライン。ブロディーは僕は家臣より王様
が良いとしシェークスピアの本でも公爵はみんな王になりたがった
という。だからカンバーランドが仕組んだ?スケレットはその方は
何しに?と。もし女王がお産で命を落として子供も助からなかったら
カバーランドはハノーバーだけでなく我らがイギリスの国王に
なるという。アルバート殿下はコーブルクに送り返されて俺たちは
職探しだというペンジ。ジェンキンズはいい加減にしなさいとし、
陛下は若くて健康だとするとシャーロット王女も若くて健康だった
だろうと。でもあんなことになったという。危険は常につきものだ
というペンジ。フランカテリはペンジの言う通り、考えて置いた
方が良いという。今夜のこと。スケレットに話す。
エドワード(Harry McEntire)の元に手紙が届く。
「ハノーバーから指示が有るまで何も起こすな」というものだった。
ピールはヴィクトリアの様子伺いに来ると苛ついているという
アルバート。待つのが苦手のようだとしハノーバー国王がこちらに
来ているというピール。僕はまだお目にかかっていないというと
結婚式にも来なかったからとアルバート。ハノーバーの拳法を
廃止して全権を掌握するのに忙しかったのでしょうというピール。
女王のお産の為に戻ったが獲物を狙うハゲタカだという。彼は次の
王位継承者なのでご用心をというピール。
お祝いのものなんて生まれてからで良いのに・・と。先走ると罰が
当たりそうだというヴィクトリア。早く終わって欲しいと。シャ
ーロットのこともあるし不安だというヴィクトリア。レーゼンは
心配ないとし万事上手くいく。妊娠して時期母親に・・と。アル
バートは私のことをみようとしない・・お腹がこうだからだという
ヴィクトリア。しかしレーゼンは私を見てくれるというとお仕え
が私には生き甲斐だという。
エルンストはアルバートに対して甥っ子は生まれたのか?と問う。
来てくれた理由がそれならば良いが・・という。弟を元気づける
為に気晴らしが必要だったんだよと。
ペンジはレーゼンに対して手紙だという。女王陛下宛の手紙。
しかしレーゼンは見ないで捨ててしまう。開けもしないのか?
というペンジ。必要はないとし差出人はチルダーズ大佐
(Andrew Scarborough)で毎週のように書いて寄越すのだという。
自分は陛下に遠縁の愛を捧げるもので、”ドイツの暴君”から
救いたいと書かれているのだという。
ハリエットとエマの前にエルンストがやってくる。
エルンストはこれは公爵夫人のハンカチですよねと。エマは
察してその場から離れる。
アルバートとヴィクトリアは以前ほどしっくりといっていない
ですねというと一年目は大変だと。お互い慣れれば割り切れる
ようになるというハリエット。それが当世風の結婚ですか?
割り切った方が良いか?もっと違う相手としたならば?居ない時
にはあなたのことを思い続ける相手と結婚したら違う結婚をされ
ていたハズだというエルンスト。そうかもねとハリエット。
寂しかったですか?と問う彼にハンカチの行方に思いを巡らせる
ことは有ったかもという。
■感想
ついに最終話。
ただこれを見たのが風邪を引いてボーっとしていた状態の中で
しかも感想を書いているのが木曜日という(笑)
録画してあるけど見返すほどのものではないかなと思い
思い返しながら書いて見る。
王女が妊娠すれば当時の知識ならばとにかく安静にというのが
常識だったんだろうね。下手すれば寝たきりの状態にされそうだ。
ヴィクトリアのフラストレーションは溜まりまくり。アルバート
は一応トーリー党で現在の首相から摂政の権利を得たので、
ヴィクトリアが亡くなっても色々と政治に介入することは出来る。
アルバートにはその気はなくてもヴィクトリアの仕事をなるべく
自分がこなして彼女には負担を軽減させたい思いも有ったのだ
ろう。
実にしぶといのがウェリントン。この男、本当にしつこい粘着性
が有る。ハイエナ扱いしていたけれど、まるでヴィクトリアと
子供が死ぬことを祈って居るかのようだ。そんな叔父さんが
この世の中にいるか?これが権力争いの恐ろしさなのか。
そもそもハノーバーでの地位を得ているのだから身の丈に有った
ことをしていれば良いのにね。
今回ヴィクトリアに起きた不幸中の幸いな出来事。
果たしてエドワードという人物は何者かに命じられてやってきた
のか。そしてチルダーズという人物は何者なのか。
■謎の人物2名
謎の人物が2名出て来ました。この二人どちらも妄想に取り憑かれ
ているのか。それとも何処かに真実が含まれているのか。
・チルダース大佐
チルダース大佐はヴィクトリアをドイツの暴君から救い出す
ということを口走る男性。
「私のものは全て陛下のものです」
暴君とは誰のことなのか。彼女が誰から虐げられていると感じて
いるのか。
・エドワード
エドワードという19歳の青年はパブで下宿し働いている。
自らをイギリス青年隊という一員であることを語っていて、
チャーティストなのかどうかを問われていたが、捜査官の警部は
大陸と関係ある組織ではないかとされた。
その彼がヴィクトリアのロンドンへのパレードに近い外出の際に
群衆に紛れて現れ、空砲の銃で攻撃してきており、アルバートは
咄嗟に彼女を庇う行動を取る。
しかし後々の捜査で徐々に彼は小説を書いていて士官候補生の
イージーという登場人物になりきっていたのではないかとされ、
ハノーバーからの指示と語っていたこともまた自分で手紙を書いて
いたようだという。
■思わせぶりな人
・ウェリントン公爵
この人は聞き耳が立つのか群衆からヴィクトリアにスミレの花
が投げられたことを知っていた。
カンバーランドにしてもレオポルドにしてもこの国がすんなり
ドイツ人を受け入れるとは思えないということも語っている。
ウェリントンは何度か出産前のヴィクトリアに会いに来ては、
不気味なことを語っていく。
「日課の外出、ロンドンには殺気だった雰囲気がある。不安な
ことになることも。スミレではなくもっと硬い何かが飛んで
来たら・・・」
■恋愛・求愛
・フランカテリとスケレット
フランカテリがこれまでスケレットに近づこうとしていた意図は
見て取れた。時には不気味に思えたし、不純な感じにも見えた
けれど、その裏では愛するがあまり行き過ぎた行動にも思える。
特に疫病が流行った時に命がけでスケレットの従姉妹だとされる
イライザが住む貧民街のセブンダイヤルズまで助けに行ったり、
献身的に食料を渡したりしている。
今回フランカテリは”ホワイツクラブ”の支配人から自分の店を
出さないかというオファーが有ったとして、引き受けるかどうか
はスケレットの答え次第だという。
スケレットも満更でもない感じだったけどイライザからは
今は体の良い言葉で擦り寄ってくるが男を信じてどうするのか
とし、妊娠して捨てられたら誰の面倒も見られないのだという。
「折角自由を手にしたのに男の為に手放しては駄目よ」
ということで、愛情にもブレーキがかかってしまった。
フランカテリの愛情の強さは逆の方向に働くと怖いことになる。
そうならないと良いんだけど・・
・エルンストとハリエット
エルンストが何かを起こしそうで怖いな。
一番信頼出来る人が一番ヤバかったりするのがドラマだったりも
するからね。
ハリエットに対して体の良い言葉を並べ立てて、ハンカチを
巡る攻防に於いても優しい素振りのやりとりで互いに気が有ること
を静かに暗示し合っていた。
ただエルンストっていうのは根っからの遊び人でしょう。
急に人が変わるとは思えないんだよな。
更にエルンストは弟の影に隠れて少々影が薄い。このことに不満
は無いのだろうか?
■イギリス王族の慣習を破る?
大抵乳母が面倒をみることになっているが、ヴィクトリアは
母親からそのことを指摘されて、反発心から自分で育てることを
口にする。
そのような状況の中、ヴィクトリアに危険が迫りつつある中、
使用人のペンジとレーゼンの間で言い争いが有った。
「ロンドン中のいかがわしい女ばかりを寄せ集めたか。陛下の
安全を何処まで疎かにするのか」
「ここは乳母候補が集まっただけ。誰も暗殺は企てていない。
陛下を15年見守ってきたその私が陛下に危険が及ぶようなことを
してなんて酷い言いがかりだ」
ヴィクトリアは母親の手前自分で育てるとしたが、心の底では
「私は牛ではない」
ようなことを口にしていたね。
■その他
・出産の不安を和らげるスケレット
「私の友人もこの頃は辛かったと。子を手に抱くなり辛かった
ことは全部帳消しになった」と。
・気がつくと信頼関係
ジェンキンズとレーゼン。冒頭ではレーゼンと対立関係に有った
ジェンキンズだが、今では彼女が探してきた乳母を信用している
としてレーゼンは任せる姿が有った。
■使用された曲
・
■出演者
アレクサンドリーナ・ヴィクトリア …… ハノーバー朝の第6代女王
アルバート王 …… レオポルトの息子、弟
ルイーゼ・レーゼン …… 家庭教師から
ケント公妃 …… ヴィクトリアの母、ドイツ人
LADY エマ・ポートマン …… 顔が広い夫人
ハリエット …… サザーランド公爵夫人
…… 宮内長官
ウェリントン公爵 …… トーリー党員、ハノーバーの王様
Sirロバート・ピール …… トーリー党員
ローライン …… 王子の従者
カンバーランド公爵 …… ジョージ国王の弟
レオポルド王 …… ベルギーの王様
エルンスト王子 …… 長男
Mrs.ジェンキンズ …… 使用人、手袋横流し
ペンジ …… 王宮の使用人長
フランカテリ …… 宮廷シェフ
スケレット(ナンシー) …… 王宮の衣装係
アーチボルド・ブロディ …… 王宮の使用人
Lord アルフレッド・ペゲット …… 馬車でヴィクトリアに
エドワード・オックスフォード …… 暗殺者、精神異常
チルダース …… 大佐、ドイツの暴君から救うと。
アビゲイル・オーウェン …… 乳母候補
イライザ …… スケレットの従姉妹?
Sirジェームズ・クラーク …… 医者
…… ポートランド公爵
…… 警部