第7話 波乱の予感 Engine of Change
脚本/
監督/
【これまでのあらすじ】
幸せな結婚生活が始まったように見えたがアルバートは不満を
募らせる。ヴィクトリアはアルバートの為に秘策を練るが、
しかし彼は自分の力で居場所を得たいと考える。そこでアルバ
ートは反奴隷会議で壇上に立つことを決意する。
【ストーリー】
宮廷内で演奏会が開かれる。ヘンデル作曲のブーレの曲を
ヴィクトリアはアルバートと並んで聞き招待されたものやスタ
ッフたちも耳を傾けていた。
ローライン(Basil Eidenbenz)はゲオルク・フレードリヒ・
ヘンデル、ドイツ人だと語る。ヴィクトリアは突然立ち上がる
と、みんな一斉に礼儀として立ち上がる。ヴィクトリアは気分が
よくないとして退室するとアルバートは大丈夫かという。
吐き気がするという彼女。
ウェリントン(Peter Bowles)は陛下には驚かされるなと隣に居る
宮内長官(Simon Paisley Day)に語ると彼は女は気まぐれな生き物
だからという。アルバートは何の話かと問うとロバート・ピール
(Nigel Lindsay)は音楽の話ですよと誤魔化す。
ヴィクトリアは再び席に戻ると演奏会が始まる。
ヴィクトリアはアルバートに対して気分が悪くてたまらなかった
事を告げそれよりももっとおぞましいのはピールが汗をかきながら
必死で良い人ぶっていたことだという。アルバートはピールには
共感するところがあるという。率直な所が似ているわねと。彼も
「鉄道」に心酔しているところも・・。ヴィクトリアは鉄道は辞
めてとし、ハコの半分は線路の敷居に反対する陳述書だという。
しかしアルバートは間違っているとし化学による近代化革命の時代
を迎えていることを受け入れなきゃいけないと語る。新しい
工業地域を視察しようというアルバート。ヴィクトリアはそんな
話はウンザリよと。ボクは逆に胸が躍るというアルバート。
君は新しい時代の擁護者になるべきだという。押しつけがましい
というヴィクトリア。そんな彼女に疲れているねとし医者に診て
もらおうと語るが・・
ローランドは女王は病気だと語る。ブロディーはその言葉を聞くと
「ご病気」か「ご不例」と言った方が良いという。すると女王
はご不例の為にお戻し遊ばせたかと語っていく。
スケレットはフランカテリに何を作っているのかと問う。
ご婦人の体調不良の万能薬と言えばショコラだろうと。
スケレットはウエハースがあればつけて食べられるというと既に
用意して有った。スケレットは直接お持ちするわと語る。
そのやりとりを聞いていたジェンキンズはチョコで治るものでは
ないと語る。
医者がやってくる。
ヴィクトリアはアルバートに病気ではなかった事を告げると、
彼は妊娠か?と告げそれは凄い事だと興奮する。しかしそれとは
反対にヴィクトリアは不安だらけだという。公表しても大丈夫か?
というアルバート。
公表することになる。
宮内長官は任務は心得ていることをピールに語るとよろしくと
いう彼。ペンジもまたあの殿下は隅に置けないなと語る。
ケント公妃は娘にクリーム入りブランデーを飲ませる。
これで吐き気が押さえるのだというと、アルバートは医学的
根拠はあるのかと問う。ケント公妃はつわりの経験者に聞いて
とあしらう。看護師は処女だし夫は男、医者も当てにはならない
というと母は昼食の後はすぐにベッドで休んで仰向けになり
夕食までじっとしていること。夕食はしっかり臓物料理を食べる
のだとして脳、肝臓、肺などを引き合いに出す。ヴィクトリア
はやることが沢山有るのだとするが母はこれがあなたの公務
なのよと。それ以外はアルバートに任せなさいと告げる。シャー
ロットはお産で亡くなった。それであなたが女王になったのよ
とケント公妃。しかしヴィクトリアは仕事をするという。
フランカテリが料理を作るのをレーゼンが監視してウロウロ。
そう見張られているとリズムが崩れるという。女王に臓物スープ
を作る乃は分かったとし責任を持って作るからまずマヨネーズ
を作らせくれというが・・。
ペンジは見られていただけで失敗かと告げる。
■感想
いよいよシーズン1はラス前のエピソード。
このドラマを見た後に6本くらい別のドラマ見たので内容を
忘れているところも多し・・
少しずつ国王としてアルバートが自主的にもイギリス人から
の信頼を得ていく中で、逆にヴィクトリアはアルバートが一人
歩きしてしまっていくことにちょっぴり違和感と寂しさを覚えて
いるような印象も受ける。
毎度のようにしてイギリス人はドイツ人をソーセージとして揶揄
することは忘れていないし、ヴィクトリアの身長の低さを
指摘するシーンが有る。
ドイツと言えば精巧な技術力を誇示している国ですよ。
医療分野、工業分野、そして芸術の分野に於いてもこの時代から
その力を保持し世界にも影響力を与えている。
今回はその一旦を感じるところに繋がっていてアルバートの良さ
が国の得意分野を引き出したのではないかな。
もちろんそれだけではなくイギリスらしさというものも感じる
流れは有る。
色々と変わったなと感じるのは、これまでヴィクトリア自身が
礼節を守る為に勉強していたところが有ったし、型破りに
無視していったことがあった。今ではヴィクトリアがアルバート
を諭すというシーンが多くなっている。
■ドイツ vs イギリス
・医療の分野
ヴィクトリアが妊娠が発覚。
頑張って10回ジャンプしたのに効果が無かった。
イギリスでは妊婦のつわりに対してクリーム入りのブランデーを
飲ませたり、チョコを食べさせようとしている。
チョコはともかくブランデーとかどうなんだろう。
更に臓物料理を食べさせる為に脳、肝臓、肺を使った料理を
作らせる。
アルバートは医学的根拠があるのか?と問うが、つわりの経験者
に聞いてという返信だけが戻って来た。
つわり本人は楽になるかも知れないがお腹の子への影響は考えな
いのか?と。
・芸術の分野
冒頭での演奏会で流れていたのは
Handel, Georg Friedrich作曲のブーレだった。
ドイツ人が作曲したもの。気がつくと宮廷内はドイツ色に
染まっているのか。
・工業の分野
鉄道自体は昔は物資の運搬のために利用されていたものだけど
蒸気機関車を使って乗客を乗せて走るものをもたらしたのは
イギリスだろう。
しかし興味を持っていたのはドイツ人のアルバートだった。
トーリー党のピールは早くからこの産業革命の原動力となる
機関車には賛成の立場で、アルバートとは気が有った。
貴族のものたちは領地の景観のことばかりを気にしてその景観
が壊されることを快く思っていない。
■イギリスの得意分野
・礼節
やはり見ていて一番目立つのは、女王が席を立った瞬間に礼儀
としてみんなが一斉に席を立つ。
これは「ダウントンアビー」の中でも使用人の中で、カーソン
が使用人部屋に来るだけでもみんなが席を立って指示を待つ
姿があったし、当然ロバートなどが来ればみんなが瞬時に席を
立つ姿が有ってそれが徹底されていた。
今回はつわりで席を立つヴィクトリアの姿に演奏中にも関わらず
みんながきちんと席を立つ。
また食事や出かける時、パーティー時にはそれぞれに服が決まっ
ている。これは「ダウントンアビー」では何度も目にした光景
だろう。
・スイーツ
またイギリスというとブランチの文化が有ったことも有って
紅茶に合わせるようなスイーツが豊富である。
イギリスがインドを植民地にしていた時代にダージリンが盛んに
開発・栽培されていることも有る。
今回はチョコとウエハース、ショコと言ったスイーツがフランカ
テリとスケレットによって作られていた。
■”地方”視察
アルバートは色々とイギリスのことを勉強しているのか、
カンバーランドの州都のカーライルは織物業で有名、
その隣のノーサンバランド州は石炭採掘業が盛んだとしていた。
そしてスタッフォードシャーにはSirピアーズ・ギフォードの領地。
そしてその隣のドレートンはSirロバート・ピールの地元だ。
アルバートは地方視察をしたいことを告げるが、ヴィクトリアは
鉄道には反対の立場だった。
■アルバートは空気が読めないのか
大抵は招いてくれた主/ホストの計画通りにイベントをしてい
かなければ当然失礼に当たる。
しかしその邸宅で働いているハナムという執事は何かと意地悪を
言ってはヴィクトリアに恥をかかせようとする光景がある。
ドイツ人では礼節は知らないだろうと考えて色々と意地悪していた。
アルバートはピールの計画している鉄道のことを見てみたいが
ギフォードは狩りに行こうとして計画を立てていた。
しかし妻が身重だとして射撃なら鳥打ちをしようという。
勢子たちが鳥を追い立てて木から飛び出す鳥を撃つ。
空気の読めないアルバートは接待ではなくガチで凄い命中精度
で鳥を撃って恥をかかせてしまった。
「ソーセージめ負けてたまるか」
しかしアルバートは独特の撃ち方をしていたね。
■その他
・ロバートを見ると今も思い出す。大きなカエルのヌイグルミだ
アルバートとロバートが気が有っているのを嫉妬した感じで
ロバートに対する愚痴を語った格好だった。
・トーリー党
ロバートは有力だが、今回の一件で国王と仲良くしている彼を
見てギフォードは、二人がここに来たのはお前を味方につけて
摂政になれるようにすることだ。そんなことをしたら取り返しの
付かないことになると警告。ウェリントンは年だが党は仕切れる
としてロバートに圧力を掛けていた。
・議会での承認
トーリー党のロバートは「陛下の指名した摂政を全面的に支持
する」としてアルバートを受け入れる。
一緒に「プラネット号」に乗った仲。
ヴィクトリアもそれに乗って気分が良さそうだったけど、まだ
妊婦の初期の段階のようだったので大丈夫か心配だったな。
・使用人たちは大人しいものだ
フランカテリが熱心にスケレットにアプローチしている。
当初は嫌な感じにも見えたけど少しずつ良い感じの二人に見えて
来ているのではないかと。
・スコットランドのおかしな言い回し
「慌てず騒がずお猿を抱っこ」
■使用された曲
・
■出演者
アレクサンドリーナ・ヴィクトリア (Jenna Coleman) ハノーバー朝の第6代女王
アルバート王子 (Tom Hughes) レオポルトの息子、弟
ルイーゼ・レーゼン (Daniela Holtz) 家庭教師から
ケント公妃 (Catherine Flemming) ヴィクトリアの母、ドイツ人
LADY エマ・ポートマン (Anna Wilson-Jones) 顔が広い夫人
ハリエット (Margaret Clunie) サザーランド公爵夫人
(Simon Paisley Day) 宮内長官
ウェリントン公爵 (Peter Bowles) トーリー党員
Sirロバート・ピール (Nigel Lindsay) トーリー党員
ローライン (Basil Eidenbenz) 王子の従者
Mrs.ジェンキンズ (Eve Myles) 使用人、手袋横流し
ペンジ (Adrian Schiller) 王宮の使用人長
フランカテリ (Ferdinand Kingsley) 宮廷シェフ
スケレット(ナンシー) (Nell Hudson) 王宮の衣装係
Sirジェームズ・クラーク (Robin Soans)
ハナム (Bruce Mackinnon) ギフォードの執事
Sirピアズ・ギファード (James Wilby) スタッフォードシャー
LADYベアトリス・ギファード (Annabel Mullion) チリントン・ホール