第4話 交渉人キャッスル Number One Fan
脚本/
監督/
【ストーリー】
エマ・リッグス(Alicia Lagano)は目覚めるとNYPDがドアにやっ
てくる。エマは逃げる用意をし、ベッドの下から銃を取ると
非常口から逃走する。室内には男性の遺体が転がっていた。
二人のNY市警は応援を要請。容疑者は白人女性、髪の毛は茶色
で非常階段から逃げたと。自転車で来たNY市警は追いかける。
エマは歯科医に入り込む。受付のスー・ウィリアムズ(Amy Tolsky)
は何なのかとして驚く。動くなとして銃を突きつける。
ケイトはリックとベッドの中で彼に相談しようとする。
どうすれば良いのか・・これからの人生をどうすれば良いか分か
らないというケイト。15歳の頃からずっと働いてきたのだとし
司法省が首にするなんて・・警察本部長が人件費を削減するから
市警にも戻れないという。モールで警備員でもするしかないか。
リックは君はセグウェイが似合いそうだからという。ゆっくりと
考えれば良いというと、ケイトはそんなのは嫌だとし、毎朝遅く
まで寝ていて電話が鳴るまでずっとゴロゴロするなんて人として
終わっている、どんな人間よ!!というケイトに、”オレだ”と。
“ゴメン”とケイト。オレが居るんだから君は働かなくても良い
というと、あなたは私のパトロンかというケイト。今のは失言
だったという。
そんな中寝室にパイ(Myko Olivier)がやってくる。
リックのことを相変わらずMr.Cと呼ぶ彼は、未来のMrs.Cかと
としてケイトに語る。アレクシスは脚を剃るのに使っている
剃刀を使うと怒るから借りに来たという。彼は何でまだいるのよ
というケイト。マーサもまたおはようとしてやってくる。私は
何を見たって驚かないからというと、稽古場は壁の塗り替えをして
いるので今日のレッスン/立ち回りはリビングでさせてもらうと
いう。15分後だと。更にアレクシスがやってくるとゲイツ部長
から電話だとのこと。ケイトは自分にかかってきたのかとして
喜ぶが電話はリックに変わってと言っていた事を語る。。
・現場へ
ゲイツの元にリックとケイトが訪れる。
来てくれて助かったというゲイツ。ケイトには仕事に復帰出来ず
残念だという。
被害者はアンジェロ・ヴァスケス(Eric Salazar)。恋人のアパート
で刺されて死んだという。これが彼の写真だと。リックはそこで
オレの推理で解決して欲しいというのかと告げると、容疑者は
既に居るのだという。それは恋人のエマ。現場から逃げて人質
を取って歯科医院に立てこもっていること。交渉人がエマを説得
しようとしたがリックとしか話さないと言っているとのこと。
知り合いなのかと問うと、知らないというリック。情報は少なく
エマは31歳のウェートレスで前歴はないこと。人質交渉班の
ローマン巡査部長(Peter Mackenzie)を紹介される。
ローマンはエマと電話を話してくれという。中は良いとは言えない
こと。窓が何かに覆われていて出入り口は一つだけ。壁が厚いので
カメラを通して中を確認出来ない状況だという。しかも人質は5人
いること。歯医者のエイブ・コーガン(Tim Snay)、受付の
スー・ウィリアムズ、患者のミッキー・ゲアハルト
(Billy Miller)、そして患者で9歳のスーキ・チャン(Kayla Wong)
とその母親のリサ・チャン(Adrienne Zi)が居る。
エマと話して人質の様子、彼女の様子、そして要求を聞いて欲しい
という。作戦はそれから練るとのこと。
エマに電話するリック。
彼女は本物かどうか証明してみせてとして今から質問をすると
いう。
A)「ニッキー・ヒート」シリーズで彼女とルックの好きなワイン
は?・・・”サンセール”
B)「死のヒート」でダグラス・サンドマンのニックネームは?
・・・”なんきん虫”
C)「ストームの始まり」でピエール・デュボワの最後の言葉は何?
・・・”それは引っかけだな。ピエールは修道士で沈黙の誓いを
立てたから話さない”
どんな質問も自分の本だから負けないというリック。それなら
今度はオレの方から質問だというと、エマは直接会ってからで
ないと駄目だとし電話だと警察に聞かれるという。警察は信用
出来ないこと。話すから直接会って話さなければ駄目だという。
行くからスーキと母のリサを解放しろというリックにエマは
了承する。何でそんな約束をしたのかと問われると、まさかok
するとは思わなかったのだという。オレのファンなら傷つけない
と。危険は分かるが親子は解放されるというリック。そして
説得も出来るので言っても良いだろうと。
WRITERと書かれたいつもの防弾チョッキに身を包んで中に入る
準備をする。ローマンたちは無事に帰るのが最優先だとし、
犯人の「要求」を聞いて人質の「状況」を見て突入する時の為
に全員の「位置」を覚えてきてくれという。助けが必要な
時の暗号は君の好きな食べ物だと言われ、ケイトが”チーズバー
ガーね”と語る。ケイトはリックに私はあなたとの将来を楽しみにし
ているのでバカなことはしないでと。今日の分のバカはし尽く
しているというリック。
エマの元にいくリック。
エマに対して冷静に話そうとし君の要求は何かと問う。金、車、
飛行機なのかと問うと、そういうのが欲しい訳では無くて
あなたが欲しいのだという。恋人が死んだので私が疑われるのは
分かって居た。でも殺していないのだという。あなたはいつも
難しい事件を解決したでしょと。私の要求は”私の無実の証明”だ
と言われる。
■事件
エマ・リッグス(31歳)のアパート内で恋人のアンジェロ・ヴァス
ケスが殺害される。腹部をナイフで刺されて殺されたというもの。
警察は容疑者としてエマを逮捕しようとするが、逃走した挙げ句
人質を取って歯科医に立てこもる。
エマは交渉人としてリチャード(リック)・キャッスルを要求
する。警察は信用出来ないから・・だと。ゲイツや人質交渉班の
ローマンに指示を受けて全て手順についての説明を受ける。
エマが要求してきたのはなんと自分の無実を証明して欲しいという
ことだった。
■感想
21時からDlifeで「キャッスル」、22時から「スコーピオン」が
放送しているのだけど、いずれもドラマでは(Alicia Lagano)さん
が犯人、又は容疑者として疑われる事件だった。キャッスル見た
後、即Alicia Laganoが別の役でスコーピオンの4話の中で
登場してきたのでちょっと驚いた。
ドラマとしての興味は勿論事件そのものにあるのだけど、ケイト
がFBIを首にされたことによって、NYPDにあっさり戻れるのかと
思いきやそう簡単にはいかない。そのポジションには既に人員
補充としてサリーが入っている訳だしね。
キャッスル家の恐ろしいところは寝室に娘でも客人でも母親
でもズカズカっと入ってくるところじゃないか。
母親はともかく、娘の彼氏が入って来たら速攻でそんなヤツは
追いだしていきそうだ。でもリックは娘の手前なのか妙に寛大な
姿を見せているし、なんだこれ?って状態(笑)
リックとケイトは基本的には結婚は進む方向で良いんですかね。
ケイトがリックが人質交渉のためにリスクを押していく際に、
ケイトからは、
「あなたとの将来を楽しみにしている。バカなことはしないで」
と語る光景が有った。
リックとケイトは今回のケースでは取りあえず特別に捜査に参加
させたけれど、これがある意味ではケイトにとってはセカンド
チャンスだったのね。そんなセカンドチャンスというものを
今回はテーマとして取り扱っていったのか。
しかしまぁ3度包丁で腹部を刺したというのであれば少なからず
彼女の服にも血が付いていそうだけどね。
■捜査
全ての証拠はエマが犯人だというところに繋がっていく。
彼女に取っての不利な状況は至るところで散見し、彼女には
隠されている「過去」があること。
また警察を憎んでいることから見ても、彼女は前歴はないこと
になっているが、実際には被害者のアンジェロにもエマにとって
も少年・少女時代には何らかの過去の傷を背負っている感じ
だった。
この流れは、「スコーピオン」では、ウォルターがAlicia Lagano
演じるルネ役の女性と似ていて、ウォルターが至るところで
不利な状況を背負いつつ事件を解決していく流れと似ている。
ただしスコーピオンでは自分たちで解決していくけれど、
ここではエマがリックを経由してNYPDの仲間に捜査させるという
流れが有る。
■捜査する為に必要なもの
何よりも容疑者として疑われたものにとっては正直に話すことが
解決への近道のように思える。下手に嘘に嘘を重ねると、
捜査側もロジックが複雑になって面倒な捜査になるし、何よりも
一つの嘘が発覚すると信用されなくなる恐れがある。
・エマが疑われる
何よりもエマが供述した流れに於いて不利な状況になったのは、
・帰宅した後にスコッチを飲んでいたこと。
・エマはクロナゼパム(抗不安作用)とアリピプラゾール(抗精神
病薬)を服用していること。当然ながら酒と飲むことは禁止だ。
歯科医のコーガンも大量に酒を飲むとブラックアウト現象を
御濃いと語る。脳に記憶が定着しなくなるとのこと。
・立てこもっている状況の彼女の気性の荒さも不利に働く。
・メールを被害者に送っていて、浮気を疑っているような跡が
有ったこと。
・被害者の殺害された方法が、彼女が里子として里親の元に
預けられた時に発生した事件が不透明なこと。
・被害者には過去不法侵入で検挙されている過去が有ること。
・過去携帯電話で被害者の浮気を疑っていること。当日に酔った
とされる状況の中で彼氏を自宅に呼ぶメールを出していること。
・また後々疑われる要素が強くなるが、16歳の彼女が里子の
ビリー・コスを殺害した時と手口が同じものだという。
■捜査2
幾つかの謎も存在する
・被害者が持っていたメモ
「ソウ・ミル・リバー・パークウェイのSH (SMRパークウェイSH)」
と書かれているのは何なのか。
・エマの警察嫌いの理由
ケイトがこの件に気がついて、前歴がないのに何故警察を嫌って
いるのかを疑いの目として捜査が開始されていた。
・愛して居るの文字
メールでエマがアンジェロに送ったメールの文体。
この辺に気がつくのは流石は作家という感じかな。
「愛して居る」とメールで送る時にはどのようにして送るのか。
エマのメールを見るとこれまでは彼に対して「I<3U」と綴って
いる。<3は縦に見るとハートマークに見えるらしい。
要するに「I ハート u」で彼女も横向きのハートにアルファベット
のuにしていると語っていた。しかし夕べに限ってI LOVE YOUと
普通の文体になっていた。
■結末
容疑者は色々と居たので最後まで絞るのは難しかったか。
その後は色々と複雑だった。まずは何故彼がソウ・ミル・リバー・
パークウェイに通っていたのかというところを解明しなければ
ならなかったこと。そしてその彼が居た場所が見つかるも彼は
偶然か必然かピッキングなど侵入する道具が彼の車の中に入って
いたこと。
家庭を壊したくない不動産王も容疑者だったしね。
エマが心を開いてリックに幼少期のことを話したことで判明する
ところが大きかった。
聖ヘレナ子供ホームが助けてくれたというエマ。そのホームは
ソウ・ミル・リバー・パークウェイの近くにある。
エマが父親のことを知りたがる・・会いたがっていたということを
受けてアンジェロが調べていたことが判明。
非公開の少年犯罪の記録は普通は見られないものだが、閲覧して
しまえば誰がそれを見たのかは意外と明らかになっていく段取り
もスムーズなものとなっていた。
弁護士からクライアントのことが明らかになり、守秘義務が逆に
仇となっていくところが有ったのではないかな。
結局弁護士のレイモンド・ヴァンスが犯人だった。彼の妻は
不動産王・アーロン・ストークスの娘。既に信託財産を半分分け
ることに同意していて、そのわけ前が減るのが許せなかった様だ。
最後の方になってスコッチには薬はないとしていたが抱水クロラ
ール入りのスコッチのビンが犯人の自宅に捨ててあったという
ことで容疑が固まった。
■その他
・ケイトは上司ではない
エスポとライアンにケイトは何時もの調子で指示していたけれど
今のケイトは既にNYPDではない。エスポは上司じゃないだろうと
していたけど、結局ケイトが上司の方が引き締まるのではないか
と。
・映画ネタ
・一番危険なのは「ダイ・ハード」を見過ぎたような人質が
ヒーロー気取りで解決しようとしていること。
・サリーは作家のリックが精神不安のエマの元にいったことで
「ミザリー」のキャシー・ベイツみたいな病的なファンに
脚を折られずに済んでよかったと語る光景が有る。
・ちょっとエロイシーン
ケイトとリックの冒頭のベッドシーン。
ケイトが寝返りをする際に胸が寄せてあげてみたいな状況になる。
部屋着なので薄いのでなんとなく具が出そうでヒヤヒヤした(笑)
■使用された曲
・Castle Theme
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル …… 作家
キャサリン(ケイト)・ベケット …… NY市警12分署殺人
マーサ・ロジャーズ …… キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル …… キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート …… ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン …… ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ …… 検視官
ヴィクトリア・ゲイツ …… 主任・警部
パイ …… アレクシスの彼
グラント・”サリー”・サリヴァン …… NYPD新メンバー
エマ・リッグス …… 31歳、殺人容疑者に・・
アーロン・ストークス …… 不動産王
Sgt.ローマン …… 人質交渉班・巡査部長
レイモンド・ヴァンス …… カークパトトリック法律事務所弁護士
ミッキー・ゲアハルト …… 歯科医・患者
ジュリアン・カーター …… 非公開少年犯罪情報を漏洩
…… 警官
Dr.エイブ・コーガン …… 歯科医
スー・ウィリアムズ …… 歯科医の受付
スーキ・チャン …… 9歳の少女・歯科医・患者
リサ・チャン …… スーキの母・歯科医
アンジェロ・ヴァスケス …… 被害者
エマ・ジョーンズ …… エマの元々の名前
ビリー・コス …… エマと同じで里子、双子だった
ウォーレン・コス …… エマと同じで里子、双子だった
ステイシー・ムーア …… エマの母