第24話 ルール51 Rule Fifty-One
「aka.ギブスの掟」
監督/Dennis Smith
脚本/Jesse Stern
【ストーリー】
ギブスはメキシコのマイク・フランクスの元に単身乗り込む
中でジェイソン・ポール・ディーン元中尉(Dylan Bruno)に
よって背後から銃で殴られ捕まってしまう。
中尉はギブスはパロマ・レイノーサ(Jacqueline Obradors)の
豪邸に連れて行く。私が分かるか?と問われ、レイノーサ・カル
テルのボスだろうと。ドラッグは不況に強いビジネスである
こと。それを聞いたパロマはテネシー・ウィリアムズの言葉
を引用し「人は皆、自分の体という独房に閉じ込められている」
と。更に「残忍な人間が皆自分を正直ものだという」。
父を殺した残念なあなたも正直者なのか?と問われる。
言葉には命がかかっている・・慎重になるのは良い事だという
パロマ。普段はスコッチは飲まないというギブスも一口飲む。
トニーはオフィスで絶対にあり得ないと語る。こんなことが
有って良い訳ないだろうと。どうやって潜り込んだのか?
と問うとジヴァは試験に通ったのだという。これで正式に
アメリカ合衆国市民です。トニーは反論すると、こらっと
語るジヴァ。トニーは政府を信じて居たのにがっかりだと
語る。私の政府でもあるというジヴァ。しかしまだだぞと
トニー。金曜日の宣誓式にはみんな来てよとしマクギーもと
語る。みんなで立ち会うよというが、最近見かけないギブス
も多分来るだろうと。単独任務は初めてじゃない・・メキシコ
に行くのも違う・・・僕達に黙って姿を消すのも初めてじゃ
ない。
ヴァンスがやってくるとみんなポーカーには不向きのようだ
として顔に出て居るぞと。ギブスはああいうヤツだとし今更
どうしようもないという。彼抜きで出来る仕事をするという。
そんな中局長はマクギーに来てくれと語る。
トニーは僕のことを局長ははねつけてマクギーを呼んだこと
に不満を覚える。ジヴァは「見たよ、蚊帳の外に置かれてムカ
ついているでしょ?」と。その表現、間違っていないという
トニーに対してアメリカ人だからというジヴァ。
ヴァンスは作戦室にいくとマクギーに対してアビーと
メキシコに行った際にアレハンドロ・リヴェラ(Marco Sanchez)
と親しくなったのだろう?と。ハート弁護士(Rena Sofer)を
通さずに直接メキシコとやりとりしたいのだというヴァンス。
リヴェラは捜査官を動員しベル大佐の一味を追跡する様依頼
したという。マーガレット・アリソン・ハート弁護士はベル
大佐の代理人だ。
ヴァンスはリヴェラとモニタ越しに会話する。
ベル大佐の飛行機は?飛行機は見つからないがベル本人は
見つかったとし特徴が一致する遺体が有るが体が切断されて
いるのだという。更に家の現場付近には複数の遺体が有った
という。家の所有者はアメリカ人のマイク・フランクス
(Muse Watson)。じっくり現場検証していること。
アビーのことを見習っているのだという。スキャンした指紋が
届いたとしウチ数名は軍のデータベースから身元が判明。
いずれもベル大佐の仲間だというヴァンス。それ以外はカル
テルだろうと。ヴァンスはサンディエゴ支局に君への支援を
指示していることを告げる。見つかった証拠と遺体を引き
取りたいというヴァンス。アメリカの捜査官が取りに来れば
こっちのカルテルも大人しくなるだろうと。ヴァンスは自分
に連絡が付かない時にはマクギーと話してくれとリヴェラに
伝える。現場にギブスとマイクの痕跡は有ったのか?と
マクギーは尋ねると、リヴェラはギブスはこちらに来ている
のかと逆に問われる。
パロマはギブスに対して犯罪捜査のプロでしょ?とすると完全
犯罪は成立するのかと問う。見た事はないが足の付かない
被害者ならば可能だろうと。誰も探すことはないこと。ギブス
はそのような質問をしてオレのことを探っているのか?と
問う。私は必要なら拷問でも殺しでもやるという。ベル大佐
はあなたよりも上手で証明したがっていた。彼の一味は役立
ってくれたが私にはただの道具でしかない。狙いはあなただ
と。オレから何か手に入れるならやるだけ無駄だとし
さっさと殺した方が良いぞというギブス。私には道具が必要
だとしあなたは値打ちがあるのだという。殺しはしないが役
になってもらうというパロマ。苦しめたいのか?と問うと
殺人容疑をちらつかせて協力させる気か?と。ハッタリだろう
とし乗る気はないというギブス。証拠が欲しいのか?あなた
の部下が見つけてくれるという。父を殺したのがあなたと
明らかになる。それなら見せろとしオレが有罪だということを
・・と。オレはいつでもそうやって犯罪者をぶち込んできた
とし証拠を突きつけてだという。
法廷に着き出すつもりはない。活かして置く蹴れば近い人間
を殺しても構わないという。友達のマイク・・次は元の姑。
その跡は同僚、私が自らペンシルベニアまで行ってお父さんの
頭を撃っても良いという。おあいこになると。まずは
初めの一歩だとしてこれを運んでくれというと箱を渡される。
大事な人を死なせたくはないでしょと。
ヴァンスはパックスリー基地から輸送機で2人で行ってくれと
トニーとジヴァに告げる。アビーたちが師瀬部終わったエル
ナンデスの遺体をメキシコに返却後、新たな遺体を持ち帰る
のだという。マクギーは輸送機がいくと伝えろと。マクギーは
彼によるとマイクの所在は不明だがギブスの所在は大凡見当が
つくと言っているという。誰がギブスを探せと言ったのかと
ヴァンス。僕がリヴェラに話したが不味かったのか?とマクギ
ー。ギブスを連れて帰ります?輸送機が現地に留まるのは2時間
だとしその間にギブスを発見して連れて帰れるのか?と。
トニーはジヴァに今のヴァンスを見たかと問う。
ウィンクだよ!と。スキャンする前にまばたく振りしていた
こと。局長とギブスはいつもハッキリ言わない。意味ありげ
にウィンクしてチョチョイ。大っぴらにokを出せないことに
は自主的に動けと言うことだという。
■事件
ギブスがメキシコに行って連絡が取れない中、ヴァンス局長
は彼が居なくても仕事をする事を告げる。メキシコのマイク
フランクス邸で見つかった数々の遺体と証拠品を受け取り、
かつてアビーとマクギーがメキシコのシンポジウムの一貫
で引き取ってきたラボでの預かり調べていたペドロ・エル
ナンデスの遺体を検視報告書と共に引き渡すことになっていた。
ヴァンスはメキシコ司法省のアレハンドロ・リヴェラと
内密にハート弁護士を通さずにやりとりしており、ベル大佐
の遺体らしきものを発見したことを語る。
トニーとジヴァが軍の輸送機に搭乗してメキシコに向かう中
ヴァンスに対してギブスも連れて来るのかと尋ねる。
■感想
いよいよシーズン7の最終話。シーズン8は2018年の2月に
放送が決定している。(DLIFEでの話。)
一連の流れに於いて、今回は「アメリカ合衆国」の市民と
いうことが強調されていた。ただドラマの中ではその様な
大義的一面と共に、それぞれの持つルールや正義が必ずしも
全てが合致するものではないことがあり、法律といえども
完璧ではない。ギブスにはギブスの、弁護士には弁護士の、
カルテルにはカルテルのルールが存在している。
そもそもトニーはイタリア系だしジヴァはイスラエル系、
そして今回はメキシコ人の論理が重なり、価値観の違いが
浮き彫りにされた。
前回ギブスがベル大佐の右腕だったディーンによって捕まって
しまった。ディーンは元アメリカの兵士で演じているのは
Dylan Bruno。「ナンバーズ/Numb3rs」ではFBI捜査官のコル
ビー役としてモテナイけどイケメンという役を演じていた
けど、その後はイマイチ役に恵まれていない印象しかない。
そんな彼はアメリカ人の中でも元軍人なのにメキシコ側に
付いている。
問題となってくるのは以前にも書いた様にギブスが復讐の
為に人を殺したことに関して、最前線に居るトニーやジヴァ
たちはある程度理解して行くのだろうけど、ラボにいて純粋
なアビーとしては正義が司法の及ばぬ所に有っては、違和感
を覚えて、ギブス不審にならないかと思わず心配せずには
居られないところがある。でも今回はシラーっとした流れで、
ギブスとのやりとりはそんなに違和感なく行っていた感じも
する。
そして何よりも今回は復讐の連鎖の構図が有り、パロマが
エルナンデスの遺体をアビーに託したのは、彼女は純粋に
科学的視線で自分の仕事をすると思ったから。
ギブスが意図してアビーの捜査情報を止めているような人間
なのかを試すようなリヴェラとパロマ、そしてディーンに
よるメキシコ内での偽装捜査の一幕があり、ギブスがアビー
の出した検査結果を改ざんしない人物かどうかを確かめる
ようなトリックをして見せた。
「サプラーズ」とテンション低めで語るディーンの憎らし
さ(笑)
メキシコの警察がカルテルからの賄賂で溢れて都合の良い
捜査しかしないというのは現実にもあることのようなので
驚きはない。
しかしまさかリヴェラがエルマノと呼ばれるパロマとは兄弟
の関係であったことが一番のサプラーズではないのか?
■捜査
何と言っても今回はギブスの安否だけでなくマイク・フラン
クスの安否も気になるところだった。
またドラマとしては過去のエルナンデスの事件を意図して
掘り起こそうとしている人物がいること。それが誰なのかと
いう面で実はヴァンスがそれに該当する可能性というのも
無い訳では無かった。
ただ知っている人には知っているが、今後も彼らが出演して
いるところを見れば違うということは明らかなのだろうこと
は想像に難くない。もう10年以上前のドラマだしその辺は
仕方が無いな。
マイクの自宅で殺されているのはマイク自身かに思われたが
彼には気がついていたのか。前回の最後に「ルール44」を
発信しているからね。
マイクはこの暗号のようなルール44が伝わって逃げることが
出来たのか。残念ながら指を銃で撃たれて人差し指が採れて
しまっていた。それでも元気そうにしている光景は有った。
■パロマとギブスの駆け引き
パロマはギブスを脅して色々と都合良く利用しようとして
いた。パロマとギブスのやりとりに於ける危険性というのが
シーズンファイナルエピソードらしくピリピリっとしていた。
「言葉を選ぶのは良い事・・・言葉に命がかかっているのだ
から」
そんなことを言われるギブスは珍しくなぞなぞを語るシーン
が有った。
・なぞなぞ
「部屋で芝込められている。ドアも窓もない。周りに立てた
のだという。部屋の中に有るのは銃とテーブルだけ。どう
やって出るか?」
・答え
イマイチその答えを導きまでは分からなかったけど、
ディーンによると、「銃を見た」「見たはソー」「ソーは
ノコギリ」「テーブルを真っ二つに切って合わせると全部、
つまりホール」「ホールは穴、その穴から出るんだよ」
英語にして考えると分かりやすいのか。
■ギブスの弱点
ギブスにとっての弱点は自分がターゲットになること自体は
問題が無いが、周りのものを巻き込まれるとどうしようも
無くなる。捜査官たちはともかく家族が知られている限りは
結局それを防ぐ手立てがあるのか。
ギブスの父親がペンシルベニアにいるけれど、そこまで守り
に行くのが難しいよね。
ただギブスにとって朗報は、パロマは非情な一面を持って
いるが、証拠無しでは取りあえず手を出さない。リヴェラは
人を殺した経験がないのでギブス相手に銃を突きつけても
撃つことはなかった。
■アリソン弁護士
既にアリソン弁護士は検視報告書を受け取っている。
これを出せば当然ギブスが犯人であることが書かれている
ものである。最初に妻子を殺しておいて、その殺した相手を
ギブスに殺されると復讐だと騒ぎ出す。本当に復讐の連鎖
というのは断ち切るのが難しいね。
アリソンはベル大佐の弁護士で有って、カルテルの弁護士
ではないよな。ベルが殺されたとなると渡す必要はないけれど
持っていると分かれば狙われてしまうのではないかと。
■その他
・ギブスルール
40以降は滅多に使われることはないと言っていた。
前回メッセージを送っていたのはルール44だ。マイクに対し
て一緒にいた女性と逃げろと示唆するものだったのかな。
・ルール13 「法律家を関わらせるな」
・ルール27 「追跡方法は2つ。」
・ルール44 「何かの時は真っ先に女と子供を逃がす事」
・ルール45 「ヘマの後始末をする」
・ルール40 「裏が有ると感じたらある」
・ルール51 「時には間違うこともある」
これらのルールの基礎的な部分は全て亡くなった妻のシャノン
が使っていたのね。
・マイク・フランクスは生きて居た
上述しているが指は撃たれたが何とか逃げて闘おうとしてい
る。親指さえあれば大丈夫だとしていたけれど、マイクを
襲ったのはベルなのだろうか?
・ギブスとヴァンス
この二人の関係もよく分からないな。以心伝心しているところ
も有るのかな。
今のヴァンスは「NCSI:LA」支局を軌道に乗せる為に何度も
往復している状況であることを述べていてOSPのヘティの
友達が映画会社に勤めていて映画スタジオを案内してくれた
ことを語っていた。その際に映画「カサブランカ」を例えに
出していた。ギブスとヴァンスは「カサブランカ」のリック
とルイみたいなものだという。ギブスは自分がリックの方だ
とし、ヴァンスはルイの方だったがもうそのような状態では
居たくないことを述べる。カサブランカはあらゆるドラマで
引用されるので感想をアップしておくか。
リック = ハンフリー・ボガート = ギブス
ルイ = クロード・レインズ = ヴァンス。
カサブランカの映画のセリフにあるように
「ルイ、これが美しい友情の始まりだな」という感じなのか。
ヴァンスはカサブランカの撮影に対するトリビアも披露して
いたぞ(笑)
以心伝心と言えばトニーはヴァンスがウインクしたことを
指摘し、あのサインは表面的にはokではないが、実行せよと
するgoサインだと考えて居る。本当にそうなのか?
・ジヴァさんアメリカ人へ
モサドで働いていた人物がアメリカ人になれるのかな。
まぁ協力に後押ししてくれそうな人は大勢居そうだけどね。
トニーがジヴァのアメリカ人になることへの反対する
行動がまた可愛らしい。ジヴァさんはアメリカ人によること
によって言葉の言い間違いは直ってしまうのだろうか?
・シーズン8へ続く
ペンシルベニアのギブスの父親・ジャクソンの自宅に
パロマが直接尋ねていた。ジャクソンは一度シーズン7で
ギブスの元に逢いに来た事が有り、その時強盗を射殺した
とかなんとかいうエピが有った気がするけど、現在非常事態
になっていることでジャクソンが殺されてしまうのか。
それともまた店で発砲することになるのか気になるところだ。
■使用された曲
・
■出演者
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) 元モサド、NCIS
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”分析・解析
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの助手、検視
レオン・ヴァンス (Rocky Carroll) NCIS局長
マイク・フランクス …… 元海軍
アレハンドロ・リヴェラ …… メキシコ司法省役人
マーガレット・アリソン・ハート …… 弁護士
パロマ・レイノーサ …… レイノーサカルテル、リヴェラの姉
ジェイソン・ポール・ディーン …… ベルの右腕
シャノン・ギブス …… ジェスロの故・妻
ジャクソン・ギブス …… ジェスロの父