第7話 モラルハザード Moral Hazard
脚本/David McWhirter
監督/David McWhirter
【ストーリー】
車の違法駐車を取り締まるレッカー会社”Red Zone Towing”
の防犯カメラ映像を見る重犯課。レッカー会社ではいつも
のやりとが行われて客が車を引き取りに来る。
係員(Liz Jenkins)は書類を手にして客に渡す。登録の更新が
切れているので必要事項を書いて先に車両局に行って欲しい
という。エリオット・チェイス (Jere Burns)は車内の荷物
だけでも引き取らせて欲しいというが時間外に保管所に入れる
琴は出来ないという。あなたは許可無く住宅地に車を駐めて
登録の更新もしていない。私たちの側にも方針があるのだ
という係員。するとエリオットは銃を取りだして射殺する。
・現場
ケンダルは被害者は三人とも名札と免許証の名前が一致。
死亡時刻は一時間以内だという。サイクスはすぐ戻るとして
外に行くとフリンはオレも行くよと語る。プロベンザは犯人
は何処に行ったのか?タオは犯人は保管所からすぐに戻って
いるという。手にしてきたのは大量の銃で、防犯カメラを
銃を使い全て破壊してしまう。サンチェスとタオはウージー
とショットガン、バッグにはアサルト・ライフルAR15の銃身が
見えたという。他にも何丁か入っていたと。一体何を
企んでいるのか・・そっちの方が問題だという。単に車の中の
ものを引き下ろしに来たのかとサンチェス。ヤツは車を置いて
行ったのか?それならどうやってここから外に出て行ったのか
とプロベンザ。車は全てあるが倉庫にカメラはなく人通りも
少ないというサイクス。タクシーとレンタカー会社に問い合
わせて調べる様告げる。押収保管証を渡していたので犯人の
引き取りに来た車が登録未更新の筈。
フリンは銃の詰まったバッグを乗せて走る訳にはいかない、
だから車を置いていったのだろうと語る。保管庫で更新漏れ
の車両を調べるというサンチェス。プロベンザは令状を取って
パソコンを本部を持っていくよう告げる。フリンに事務所の
オーナーにも本部に来てもらえと語る。
・LAPD本部
レッドゾーンレッカー社のトンプソン(Darien Sills-Evans)が
やってくる。ここまでする客は初めて。登録未更新の車は?
とシャロンは尋ねると37台だという。37台の所有者の顔を
確認したが犯人は居なかったという。夕べ牽引されたされた
車は?と問うと20台ある。ケネス・オズバーン所有の赤の
シボレー、カレン・チェイス(Kerry O’Malley)の白のカムリ。
テイラーはウチの科学捜査課による現場の捜査が終わるまで
事務所は閉鎖させてもらうといいう。今のウチ被害者家族に
お悔やみの電話を入れたらどうかと。カレンには前歴はなく
4年前に離婚している。元夫はエリオット・チェイス。
その写真を見ると彼だと分かる。。サイクスに警察と一緒に
行ってカレンを本部に連れて来てという。またロス市警に写真
を送ろうと。カムリが牽引された場所は?と問うシャロンに
対してイーグルロック大通り4300番だとタオ。エリオットは
私書箱の登録だけで予備の住所には元妻のミッドシティの住所
が書かれているとバズ。マスコミには公開すべきか?といす
テイラー。しかしシャロンは何か企んでいるなら彼は行動を
加速してしまうという。
カレンを本部に連れて来る。
カレンは病院勤務の為にシフトを終えたばかりで食事も取って
いないのだという。別れた元夫は何処に居るのかと問い、
携帯は?と問うが持っていないという。最後にエリオットと
会ったのは?と尋ねると1週間前に車を借りに来たという。
何か有ったのか?とカレンは尋ね、何かしでかしたのかと問う。
それについて心当たりでもあるのか?と問うと自殺したのか?
というカレン。ここの所色々有って支払いが滞納し車は回収
されたこと。2週間前にリプレッツ飲料水の倉庫で会計の仕事を
していたが失業したという。彼は元々優秀なエンジニアで手術
道具を設計したホーソーンのブリーン医療機器で働いていた
という。エリオットのお陰で収益をあげていたのに2008年に
薬剤会社に買収されてエリオットはあっさり解雇されたと
いう。銀行はローンの催促、家も失い、結婚生活も破綻した。
エリオットは塞いでいたが私が家を出たのだという。解雇の
理由は?と尋ねると、会社を嫌っていたという。特に上司の
マルコ・ゲラ(Carlos Arellano) 43歳は会社の金を持ち帰って
いたという。
■事件
レッカー会社に車を取りに来た男が職員に向かって発砲する。
3人が死亡した事件で、防犯カメラ映像を見ると男は押収
された車の中に大量の武器を積んでいてそれを取りに来た
ようだった。映像の中で見えただけでもウージーショットガン、
アサルトライフルAR15、更に複数の銃身が見えていた。
犯人が車両局に問い合わせを求められ押収保管証を渡して
いたことから犯人を割り出そうとする。白いカムリの持ち主
のカレン・チェイスの車だとされるが、その車は元夫の
エリオットに貸したとのことだった。エリオットのことを
追っていくことになる。
■感想
久しぶりにパトリスが出て来たなと思えば、プロベンザに
引退を迫るというエピソード。
パトリスの方はまだ若そうに見えるけどプロベンザは現場
で走るタイプじゃないし重犯課というくらいだから普通の
刑事よりも相当危険で嗅覚・感覚の鋭いことをするんだよね。
いつも”チュイッター”とか”ヘースブック”みたいな言葉で
語るプロベンザがいつまで最前線で働けるのかなという
感じ。
人生は仕事を終えてからも続く訳で、仕事を天職にしていた
としてもいつかは辞めなければならないし、離婚したからと
言っても次の出会いが無い訳では無い。
第二の人生を歩むためには「過去を忘れて前に進む」必要が
あるが、その過去があまりに重く、しかも不条理なまでに
不幸が重なると人間の精神も壊れてしまうところがあるんだ
ろうな。
こう言う時、犯人の頭が悪ければすぐに捕まるのだろうけど
今回はまさにのらりくらりと刑事達の行動を予期して
捕まらなかったし、何よりも仕事に於いてスキルを持って
いるものだから危険性はより高くて大きなものになる。
そういう絶望している人に銃器のようなものが手に入ってしま
うアメリカだからこそこういう事件が起きてしまうのだろう
な。
プロベンザの元妻のリズが結婚することになった。
リズが結婚する事をパトリスに知られたくない彼としては
「どうして一言先に言ってくれないんだ。人生を揺るがす
大問題だ」としていた。
プロベンザは年金が離婚したリズと半分になる為に仕事を
していることを述べていたが本当はこのチームの仲間との
別れがこないことを望んでいるみたいだ。
まるでこのエピソードだけを見ると「NCIS」のS8-19で
ギブスの元妻でトバイアスの元妻でもあるダイアンからの
結婚式の招待状が送られてきたことを思い出す。
NCIS S8E19
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=6865
ドラマの中では「ルール」「規則」という言葉が多用されて
いた印象がある。自分の中に有る信念もある意味他人の及ば
ない自分勝手な観念や概念が含まれる筈で、他人がその観念
に言及するにはやはり理解してもらう必要が有る。今回の
犯人はそういう人としての尊厳など無視され散々理解され
ない人生を送ってきたばかりに壊れてしまったようだ。
■犯人はエリオット・チェイス
エリオットを演じているのはJere Burns。
「バーン・ノーティス / Burn Notice」を見ていた人なら
その憎たらしさを感じるだろうか、アンソン・フラートン役
を演じて主人公のマイケルを操っていたことがある。
そんな彼は元々はブリーン医療機器で働き相当手術道具の
設計をして儲けさせていたようだけど買収されて解雇され
現在までリプレッソ飲料水の倉庫で会計として働いていた。
しかしそこも解雇されたことで、ローンが滞って家を失い
差し押さえを防ぐと謳っている弁護士を雇うも全く役に立た
ず、解雇された理由は上司の不正を知り告発しようとした
為にパワハラで真っ先にハズされた様だ。
まさに不条理の極みの中で正直者がバカを見る世界に居る
と復讐したくもなるのだろう。
しかしまさに今回は狙ったのかも知れないが常に犯人の
ことを”チェイス”していた重犯課と、自分に不条理なことを
して人生を壊した男を”チェイス”していたエリオットという
構図が有る。何処かで追いつくはずだけど、最少人数の
被害者で済ませることが出来るのか。
かつて何かで見たけれど「死を意識した相手ほど強いものは
ない」という。怖さ知らずで突っ込んでくる訳だからね。
・エリオットが復讐したい相手は?
・マルコ・ゲラ 43歳
ブリーン医療機器で不正に金を得ていた人物。
イーグルロック43番街に住んでいる人物。車が牽引された場所
のすぐ近く。
・ダウニー・パーカー
彼はダウニー・パーカー・ウェーブ法律事務所の弁護士。
差し押さえを防ぎます。嘘は付きません。
このような宣伝文句にすがっていたが結局家は差し押さえら
れた。
■数々の証拠
このドラマ、風邪は簡単にはうつらないとしていたけれど
結局マルコが咳き込んでいた中で室内には風邪の咳止め薬
が沢山置かれていた。死因は失血死で午後23時から25時が
事件発生時間だったけど、レッカー会社に訪れる前に殺して
いた事が分かる。
時系列を見なくても冒頭の映像を見るだけで十分のような
気もするんだけどね。
犯人が誰を狙い何をしたいのか。
当然ながら自分を破産に追い込んだ人を殺すのが目的だろう
がそれとは関係無い人物も巻き込んでいることを考えると
あまり同情するところもない。
■クローザー
最後はグレイソンホテルの中庭でレセプションを行うことに
なっていた。主催は南カリフォルニアの不動産投資ブローカー
組合。
常に重犯課が追う前に人が殺されていたけど最後に追いついた
かと思えば元々彼は助かるつもりなどない。
お札をばらまいてそして自分から飛び降りてしまった。
■その他
・風邪はそんなに簡単に移るか?
パトリスはプロベンザの為に本当に健康を気にしている様だ。
今回もビーツ、ヤギのチーズ、パスタのサラダを持って来たし
風邪を引いているとしていた際には亜鉛サプリ、ビタミンC、
と免疫機能を高める錠剤を渡していた。
・Japanese Pub “IZAKAYA”
ダウニーは常連客なのか。拉致される前に彼はこの店のウェ
イトレスに声を掛けられていた。
パブなのか居酒屋なのか分からないけど、建物の横に大きく
“居酒屋”と漢字で書いてあるのが笑える。で、働いている人は
日本人ではないと。
・ラスティとガスとバズ
ラスティの行動が徐々にうざったらしくなってきたな。
忙しい時に現れていつもバズバズ言っている姿が有るし、
バズの気持ちを考えて行動しているのか分からない。
ただバズも同じ気持ちならばラスティの行動は頼もしいだろう
けど今度は忙しく働いているガスとの関係が疎遠になってしま
う。今回は「スタートレック」を見に行こうとしていたみたい
だけどやっぱりバズバズ言っていた。
・ロス市警の規則
12カ所の指紋が検出されないと容疑者として捜査ができない
決まりになっているという。名前さえ分かればそのきっかけに
なる。そこでラスティは参考人として呼ぶ為に照合して
見るのはどうなのかとして対案を出していた。
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから特捜班へ
ルイス・プロベンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ、特捜班
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
Dr.フェルナンド・モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 副本部長
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
エリオット・チェイス (Jere Burns) リプレッソ飲料水・従業員
ガス・ウォレス (Rene Rosado) ラスティのパートナー
パトリス・ペリー (Dawnn Lewis) プロベンザの妻
Mr.トンプソン (Darien Sills-Evans) レッカー会社の職員
ベニー (Reiley McClendon) “グレイソンホテル”ベルボーイ
カレン・チェイス (Kerry O’Malley) エリオットの妻、看護師
リチャード・ダウニー (Nathan Dana Aldrich) 差し押さえ人
モニカ (Ellie Bensinger) “グレイソンホテル”受付
(Liz Jenkins) レッカー会社”レッドゾーン”
マルコ・ゲラ (Carlos Arellano) 43歳、グリーン医療機器
(Shannon Dang) 日本式パブ”IZAKAYA” ホステス。
(Marcus Johns) ボーイ
(Sophie Brabenec) “グレイソンホテル”受付
コメント
Major crimesはNYPDではなくLAPDが舞台ですね。
書き込みありがとう御座います。まさにロスですね。当時一緒に見ていたドラマの
影響なのかたまに地名をミスる事が有るので指摘して頂ければ直させて頂きます。
ありがとうございます。