第2話 ダイヤを狩る犬 Diamond Dogs
脚本/Rene Balcer、Warren Leight、Charlie Rubin
監督/Norberto Barba
——————————————————–
アンティークの時計を質屋に持っていくジョニー。
質屋のオヤジは500ドルだとするが、ジョニーは父が病院で
くれた時計だとすると、600ドルまで出すという。
一方宝石店に来ていたマヤは時計のベルトを探していた。
手間をかけてゴメンと店長・ダニエルに語るが、これを売って
家賃を支払っているんだとして語る。彼女はよく別のタイプが
ないかと問い倉庫に在庫がないかを聞く。
ビリヤード場で賭けて勝負をしていたジョニーは勝ったところ
で下りるとして出て行く。その間彼はマーキスカットの指輪
のことを店に電話で尋ねる。
ジョニーは指輪を買いに宝石店にいく。
突然ジョニーは何十分も粘ったあげく、突然父からもらった
時計を質屋に持っていったことを口に、その時計を見せる。
店主のダニエルはアンティークの時計の価値を知らないとして
語るが、ジョニーは50年代のハミルトンの時計がたったの600
ドルだと言われたとして語る。
一方旅行から帰宅したジャックとミリアム・エンゲルス夫妻
は家に強盗が入った事を知る。ジャックは銃も盗まれている
事を知ると妻は警察に任せた方が良いと語る。
ジョニーが宝石店で突然銃を取り出すと客の女性に宝石を
バッグに入れるよう指示すると、集め終わったバッグを回収
して逃げようとする。しかしドアはセキュリティの為にロック
がされていた。ジョニーはダニエルに対してドアロックを外せ
と指示する。ドアを外したと同時に彼は”遅い”と呟くと
店主を撃ち殺して逃走する。
現場にやってくるローガンとバレク刑事。
店員の一人・V.Jは当時の目撃した状況を語る。犯人は40分
ほど婚約指輪を選んでいたが突然豹変したという。
ローガンは捜査官に対して逃走手段など外で聞き込みするよう
命じる。また防犯カメラ映像の入手や盗品ダイヤの買受人の
リストも調べる様告げる。V.Jによるとダニエルは当時固まって
いて、僕が声をかけてようやくドアのロックを解除するボタン
を押した事を語る。ドアは空いていたのに犯人は遅いと言って
ダニエルに2発の銃弾を浴びせたのだという。
ローガンは45口径の大型の銃が使われた事を語る。町中の質屋
には警戒するよう勧告を出すよう伝える。
するとそんなローガンに対して「功を急がないで」とバレク刑事
は語る。バレクは現場の状況を見て、顔を隠さずカメラも壊さず
にいくなんて不可解である事を語る。
防犯カメラ映像を見る。
笑顔の悪魔なのか?と呟く刑事。手はポケットに入って居て指紋
を残していないとバレクがぶつぶつと独り言を語る為に、
ローガンは携帯電話をもってすれば独り言には見えなくなるぞ
と忠告する。私は独りでの捜査が長かったのだというバレク。
幅広の用心銃、長い銃身・・H&KのMK1-23かと告げる。
VTRで犯人が指を指して店主と会話していることが気になり
V.Jから話を聞くと、彼は自分の腕にしていたアンティークの時計
のことを話していたのだという。質屋でボラれたと語っていた
とのこと。
9月8日(木)・ジャック&ミリアム・エンゲルス家。
盗品を買い取った質屋からの写真を見せると、二人はウチから盗ま
れた時計だという。またそれ以外のものも全てウチから盗まれた
ものだと語るミリアム。やはり警察に知らせて正解だったと。
ローガンは他に何か問題でも有るのかとジャックに尋ねる。
顔色を見ながらもしかして申告していない盗難品があるのではない
かと問う。銃が消えたこと。クローゼットに置いて有ったものだ
という。旅行にいくことを知っていた者は誰かと問うと職場の同僚
とプリンストンにいる息子だけだという。新聞に関しては乗船前に
新聞社に電話して配達を止めたという。実際に配達が止まっていた
のは木曜日だった。日付は4日前になっているというバレク。
また時計が不自然な秒針を打っていることに気が付く。ミリアム
によると犯人が抜いていったようだと告げ、月曜日に再び電源を
入れた事を語ると、抜かれたのは配達が止まった木曜日と符合
するという。「留守宅は配達員に聞け」だとローガン。
この地区を担当している配達員が来るまでローガンとバレクは
車の中で張り込みをしていた。バレクは自宅で栽培している
トマトをローガンにお裾分けする。他にもキャベツを作っている
という。ピエロギの材料に使えそうだなと呟く中、ローガンは
バレクに対してお袋の味と言えば何かと問う。ウチの母は料理ベタ
だったというバレク。逆に問われると、ウチは「ラム・パンチ」だ
と語る。しかしすぐにジョークだと告げるが・・・
配達員・ボアズがやってきた為に事情を聞く。
彼は軽い自閉症っぽい人物だった。色々と金属バッヂを誇りのよう
にして制服につけていた彼は18年間この仕事をしているという。
エンゲルス家にも配達したかと問うと先週は留守だという。
そのことを誰かに聞かれることはなかったかと問うと、これをくれた
人から話を聞かれたとして、日本のアニメのバッヂだという。
黒髪で帽子を被った人物だという。
その供述から似顔絵を作成。
V.Jに再び署に来てもらい似顔絵を見てもらうと、その女性は
店に来て時計のバンドをしつこく探していた女性だという。
もっと唇が厚かったというV.J。
ディーキンスはローガンたちの元にやってくると事件の報告を
受ける。女性が事前に宝石店に下見に来ていること。しかし
その時の防犯カメラ映像は消去されているという。指紋も
宝石もまだ見つからないという。ディーキンスは3日前の事件
でまだ似顔絵と凶器の特定だけなのかと告げると、全力を尽くす
と告げるバレク。
そんな中再び宝石店強盗が入る。
店主のルーカスが撃たれて妻はジョニーによって銃を突きつけ
られていた。しかしジョニーは女性を撃たずに立ち去っていく。
ローガンたちがやってくると妻は当時の状況を語る。
殺されることを覚悟したこと。彼は急に出て行ったこと。彼は
急に変わったようだとし「恋に恋をしている」として、楽しそう
に指輪を見ていたのに突然豹変したのだという。22年連れ添った
夫を殺害されたと嘆く中、ローガンは彼女の服に付いている
インクのようなシミを見つける。
9月10日(土)・フォートランズバー
9月12日(月)・メタドンクリニック
9月14日(水)・第9奉仕活動帯
9月17日(土)・キノサベカジノ
——————————————————–
宝石強盗事件が発生する。
目撃した店員の話によると強盗事件を起こしたのは婚約指輪を
購入しに来た若者で、40分くらい指輪を選んだりして店で
不審な行動を取り、そして父親からもらったというアンティーク
の時計を質屋に売ったらぼったくられたという話をしていたと
いう。新しく配属されたマイク・ローガンとキャロリン・バレク
刑事はその事件捜査に当たっていく。
ゴーレン&エイムズではなく、シーズン5から導入されるローガン
&バレクの相棒刑事が事件の解決に当たるという初のエピソード。
ニューヨークの一管轄と言えども事件は一つだけでなく同時に
色んなところで発生しているので、ゴーレン&エイムズだけに拘る
必要はないけど、新しいコンビが定着するのかどうか。
ちょっぴりネタバレになるけど、バレク刑事はシーズン5だけの
キャラクター。ローガンに至ってはシーズン5・6・7のキャラクター。
本家「LAW & ORDER」シリーズなどを見た事がある人ならば分かるけ
ど、人事の異動によってある程度捜査の特色が変わっていき、その
辺の流れを通してマンネリ化の回避なり、新たなテーマ性・キャラク
ターの棲み分けを行っていくので、そういうフォーマットを少し
スピンオフでも導入した格好となったようだ。
「LAW & ORDER」シリーズの中でもこのドラマは、精神疾患を患って
いるものだったり、幼少期のトラウマなどから発生する事件の流れが
有ることが多いので、そのロジックが複雑になりがちで、犯罪者たち
の精神世界をどれだけ理解出来るのかということにも繋がるので、
そういう繊細さを上手くすくい取ることが出来るのか。
コンビの初回ということも有ったので、多少自己紹介色も強かった
感じはする。
ローガンの相棒役のAnnabella Sciorraは映画畑の人で、90年代
の映画が好きな人ならば、目に触れたことが有る人も多いハズだ。
「キャデラック・マン」「インターナル・アフェア/背徳の囁き」
「マイ・フレンド・フォーエバー」「ゆりかごを揺らす手」など・・
マイケル・J・フォックスが出演した「ハードウェイ」では相棒
となったジェームズ・ウッズ役の刑事が恋愛しようとしていた
女性役として出演していたけど、子役だった頃の娘役クリスティーナ
リッチが母親がそんな刑事とデートさせまいとして地味に邪魔される
という役目だったり、大物が多数出演した「コップランド」では
ピーター・バーグ演じる刑事の妻役としての登場で、スターローン役
の刑事に若い頃自動車事故で助けられると共に密かに思いを寄せられ
るという役割を果たしていた。
また刑事ドラマ/バディものとしては今では定番となりつつある
骨太の男性刑事と共にラテン系の血の入った女性という構図が
そこには有る。バレクはスペイン、イディッシュ、イタリア、
ポーランド、ロシア語、そして中華街で覚えたという広東語を
話せるという。ローガンは「警察だ」「君の星座は?」という言葉
を15カ国で話せるというやりとりのワンシーンから見ても、二人の
刑事の性格付けが行われているような感じだったね。
さて事件は母親が麻薬の為の金欲しさに息子を操作し強盗を繰り返して
いたというもの。母親が求めるのは金で息子が求めるのは愛情とか
家庭だということで、互いに共存すべき要素はあるけど、子供は
色々と愛情につけ込まれては愛情という名の虐待を強いられていると
いうものが有る。
刑事ドラマでは同様の犯罪を繰り返す親子の物語なり兄弟の物語
を見た事が有るけど、どうしても二人の刑事が目の前の事実以上
になかなか想像しい一面を発揮して人物像を探っていくという構図
が物足りなかった感じがする。「激しい怒り」とか「幸せな家族」
を嫌っているみたいなことは誰にでも想像出来ると思うものだ
ったし、「父親よりも母親を集中して攻撃している」という割に
女性ばかりを殺している訳でもないという一面が有り、イマイチ
その辺の分析がどの程度正しいのかが分からない。
共犯者が誰なのか。
捜査は後手に回り、似顔絵に於ける人物を捜し出そうとする流れ
が有る。目撃証言がなかなか信憑性を帯びるものがなくカーバー
からはドラッグの売人からの情報なので信憑性を疑われるも
「売人の話を読み違うようならば警察を辞める」
というローガンの主張も有り、
「オレは義理のローガン」
「オレはキレると市会議員も殴る」
として本家「LAW & ORDER」ネタも織り交ぜつつ、ローガンという
キャラクターを描いた感じだった。
事件は多少強引な流れが有った。
途中の段取りはそれなりに上手く出来ていたとは思うけど、
解決部の流れに於いて、これまでのシリーズのフォーマット
を踏襲しようとした為なのか、母親と息子の絆を断ち切るのかとする
取調室での流れが有る。
取り調べ室に於けるクローザーとしての役割ではやはりゴーレン以上
のキャラはいないという感じとして見てしまうけど、途中の流れに
於ける容疑者とのやりとりではローガンらしさは見せられたかな。
逮捕することで結果的に母親を助けることになるという皮肉な
展開では有るのだけど、そんな息子の心を母親知らずと言った感じ
で、問題は実行を起こしている息子ではなく、やはり母親に有るな
と思わせるものが有った。
ジョニーとマヤはマヤの息子・ロイの病院施設で知り合った仲なの
だろうか。その時には幸せな家庭を築けていたけど、突然マヤ
がジャンキー化したのは母親の登場にあるという流れが有るよう
だけど、何故母親は突然息子の前に現れたのか。
息子が我慢していた理由に関してもイマイチ理解が出来ない部分も
有るし、その辺は見直していかないとなかなか理解出来ない部分
なのか。
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
キャロリン・バレク (Annabella Sciorra) ローガンの相棒刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
ディディ・マッキャン (Rebecca Wisocky) 麻薬中毒
ジョニー・フェイスト (Peter Scanavino) ディディの息子
マヤ・サンプソン (Zoe Lister Jones) ジャンキー
Mrs.クライス (Lee Brock)
ケロッグ (Adrian Martinez) 麻薬の売人
V.J (Sanjit De Silva) 宝石店
ミリアム・エングルス (Blanche Baker) 妻
ジャック・エングルス (Adam Heller) 夫、旅行中に強盗
ボアズ (Larry Fessenden) 新聞配達員
ケフ・ガストフ (Philip Levy)
— (Bo Rucker) Buster
ルーカス・ダマソ (Mateo Gomez) 宝石店、2件目、撃たれる
Mrs.ダマソ (Tamara Torres) 宝石店
デーブ・プルマン (David Rodgers)
モリー (Michael Barry Greer)
ノーマ・サッツ (Polly Adams)
エイミー (Anna Berger)
ガスタフ (Frank Senger)
ギャレット (Josh Lewis)
オセピ (Kevin Alexander) 捜査官
マルティノ (Nick Freni)
グレッグ (Jack Luceno) 宝石の買受人
Dr.サンジェイ (Nick Choksi)
エルサ (Kendra Leigh Landon) ランドリー店
アラン (Dan Remmes)
ロイ・サンプソン (Matthew Simon) マヤの弟・知的障害
ゾンゾン (Yanick Thomassaint) カジノ店・店主
ロネール (Tiffany Thompson)
ジェイ (Peter Vouras)
ハマル (Rajesh Bose)
マイク (Jonathon Gentry) 保護観察官