第5話 つぐない Acts of Contrition
脚本/Rene Balcer、Warren Leight
監督/Frank Prinzi
——————————————————–
シスター・オリビアはポン引きのエンリケたちから無理矢理
娼婦にさせられている女性たちの保護をしていた。ポン引き
たちは一人千ドルで使い古いの女だけだという。
二人だけなんとか助けることになるオリビアは女子修道院に
連れて行き保護する。そこで保護されているものたちは物音が
聞こえる度にエンリケが来たのではないかとしてオドオドして
いた。「完全な愛に恐れは閉め出す」としてドアの外を見に
いくとホームレスで統合失調症のミッキーがいた。ミッキー
に対して女性たちが怖がるので出て行くよう求める。
オリビアはこれ以上は身が持たないとして出て行きたいことを
ドロシーに相談するが、それを止められる。
そんな中システムたちが集まる中、オリビアに対して地域の
委員会から呼びだしが来ていることをマニング牧師から言われ
る。他のシステムたちも当然だとして、ポン引きに怯えるのは
私たちの使命ではないという。しかし彼女たちには行くところ
がないのだとしてドロシーは訴える。オリビアはキリスト教徒
の務めだとして訴える。
ミッキーが窓を覗いていたとして女性たちから叩かれていた。
オリビアはそれを止める。ミッキーはアイツラが来るとするが
女性たちは彼はエンリケにチクるつもりだとして非難。
彼は統合失調症なので頭の人物と話しているだけなのよと説明する
とマリアと共に行ってと語る。
夜教会で懺悔室から出てきた人物にドロシーは殺害される。
マニング牧師から事情を聞くと、ドロシーは戸締まりの最中だ
ったのだという。浮浪者の排尿、落書きの問題は絶えず問題
だったとし、売春婦たちを救護している事を語る。
遺体はオリビアが発見したこと。売春婦の救護についてはその
オリビアが立案したのだという。
ゴーレンは現場の状況から懺悔室かに犯人は隠れていたのだろう
事を告げる。ロウソクのロウは白いままで血が混ざっていない
ことから血が凝固してから燭台が倒されたのだろうという。
オリビアから話を聞くと怯えていた。
エイムズは売春婦たちを助ける手順について尋ねると、男性が
群がるバンを探して車内では女の子が一晩に数十人の相手をして
いるのだという。彼女たちを寄付金で買い取っているという。
その話を聞いてゴーレンは危険な仕事である事を告げる。
最後の救護の事を尋ねると、水曜日だったことを語る。
救護された女性たちから話を聞くと、鉄格子で窓のある家に
閉じ込められていたこと。毎晩エンリケと頬に傷のある男と
マテオに連れ出されたという。その場所の中から特徴的なもの
が見えたり聞こえたりしなかったかと問うと、いつも大音量で
音楽を流されていたので分からないという。外からはスペイン語
のヒップホップ音楽が鳴っていたこと。高速道路とその上に大きな
ビルが建っているのが見えたという。エイムズは高速道路95号線
のビルなのかという。
ゴーレンは女性の一人に化粧が上手いことを指摘すると、自分
は眉が消えたので書いているのだという。フェイスクリームは
エンリケが買って来たものだとしてそれを見せる。そこには
“ブランケドーラ 美白クリーム”と書かれていた。白い肌だと高く
売れるのだという。ゴーレンはこれは水銀入りだとし、それで
眉が抜けたのだという。
販売店であるBOTANICAにいくと、あれがエンリケだと言われ、彼
を対話する。また仲間の男がやってきた所で、エイムズは足払い
をして転ばせると彼も逮捕する。
エンリケから事情を聞く。
女達はマテオの友達で彼はもう15歳だという。昨夜教会に行った
のではないかとし、木造の教会はよく燃えるだろうとして、
教会が燃えるのを見た事は有るかと問い詰める。ゴーレンは
室内に色々と燃えかすがあったこと。ゴーレンはエンリケの前
で色々とライターの火を見せたり紙袋を燃やしたりすると興奮
する。それを見て彼は放火魔だと語るが、石の床では燃え広がら
ないという。燭台は遺体の方へ3M動かされていたこと。
ロウの飛び散り方や床の上での流れ方を見ると流体力学に反している
とテーィキンスに報告する。
二人は犯行現場の教会へと足を運ぶ。
信仰を捨てた教徒の犯行なのか。
エイムズはロウの宗教的に意味は何なのかとゴーレンに尋ねると、
ロウソクはキリストの象徴で、ロウは彼の肉だという。しかし
これにはもっと現実的な意図が有るのだろうと語るゴーレン。
ゴーレンはロウの下に落書き(土星の模様)があるのを知る。
土星の模様は教会の外にも落書きとして書かれていてミッキーという
浮浪者が書いたものだと知る。
ミッキーから話を聞く。
土星は純真な者を守るのだとし、だから女の子たちは無傷だという。
女性たちをスパイしていたのかと問い、ドロシーの遺体のソバに
この絵が書かれていたことを語る。しかしこれは土星ではないとい
うミッキーは、土星の輪は5本だがここに書かれているのは7本だ
という。形が変わるロウでは何も守れないというゴーレンは、
彼が持っていた20ドル札の切れ端の半分はどうしたのかと問う。
自分で破ったものなのか。何かの報酬なのか。
ドロシーの事務所の場所を調べろと言われたのだとし、手付け金と
して半分を受け取っていたという。白いシャツの黒人だったとのこと。
彼の頭の周りにもわっかが回っていたという。ゴーレンは彼の
言う通り彼のどの土星とも合致しないとして、誰かがハメたのだろう
と語る。
第一発見者のオリビアに話を聞く。
あなたがミッキーを庇ったのではないかと問うと、彼は統合失調症
で大変なんだという。ドロシーの意思を尊重して隠した落書きを
隠したことを認める。ドロシーは自己偽性の人だったという。
事務所を調べる。
牧師に木曜日の教会について尋ねると、鍵は開けっ放しになっていた
とのこと。彼女はカーボン紙を使う程ハイテクには無縁だったという。
ゴーレンは引き出しがこじ開けられた跡が有る事を知る。
エイムズは中を見ると住所録のDとMが抜き取られている事を知る。
また女子修道院長から2週間前に手紙が届いていることが分かる。
エドウィナが預かった手紙を送りますと書かれていたが、その
手紙が何処にも見あたらなかった。
9月29日(木)・ブルーム郡の女子修道院
10月5日(水)・エディ・ロバーツのアパート
10月11日(火)・ジミー・ジョーンズのアパート
10月19日(水)・ドミニク・フラッティの家
——————————————————–
シスター・ドロシーが木曜日の夜に教会内で殺害される。
この教区の教会ではシスター・オリビアの提案でポン引きから
娼婦を守ることを行っていたが、地域委員会は我々の使命とは
違うとして多少なりとも反発の声が上がっていた。何よりも
危険な作業で有ったこと。しかしそんなオリビアも限界だと
感じて出て行こうとするが、相談役のドロシーに留まるよう説得
されていた。
ゴーレンたちは話を聞いて回ると、ミッキーという浮浪者の男性
がドロシーの事務所を調べる様頼まれていたことを聞き、事務所
内から女子修道院長からの手紙を受け取っていること。
女子修道院に行きエドウィナから話を聞くと、昔ドロシーから世話
になったのでお礼がしたいという黒人男性が来ていたことを語る。
エディという黒人でグレーの車に乗っていたことや、注射器と血圧
を図る器具、ゴム栓のついたボトルを持っていたということから
血液採取用のもので、恐らく血液専門医だろうことを探っていく。
人種差別から発生した過去の事件を巡り、当時の目撃者を捜してい
たエディが新たな事件を発生させてしまうというもの。
その当時の事件の概要を当時捜査を担当していた刑事から話を聞く
と、証言する前に目撃者が居なくなったことで未解決事件になって
いるという。
なんと言ってもドラマは人種差別が取り上げられたことかな。
現在タイムリーで白人警官と黒人の市民との間で、アメリカ国内
が揺れているところが有るけど、こういう争いもオバマさんが
大統領であることを利用して上手く終息させていけないのだろう
かというところも有るね。
ドラマでは黒人に対して色んな表現を使っていたり、色んな視線で
接している人物が出てくる。途中で出てきたシスターのエドウィナ
も、外見で人を判断しないようにしていることを口にしていたり、
最終的にはシスター本人が88年の事件の際に、目の前で瀕死の状態
にいる黒人のジミーに対して”ニガー”扱いしているところなど
が有った。
ドラマなどではよく黒人は糖尿病になりやすい体質だということが
証明されていたりするけど、このドラマの中でも目撃者だとされる
人物は地中海貧血と呼ばれるサラセミアというものにかかって
いることが発覚していた。”血”というものを意識しているところを
考えればやはりルーツの問題なり、人種という問題にたどり着く。
冒頭の殺人現場で見つかったこの土星を描くホームレスのミッキー
は、黒いシャツの白人だと最初に語り、次の瞬間には逆の証言を
していくところなど、人種的な明確な意図を持ってシナリオが
描かれていることを象徴しているし、血の流れが流体力学に反して
いるとか、土星の例を引き合いに出したりする辺りを通して、
シスターによる殺人教唆や復讐殺人ということを暗に示唆するものが
あるように思える。教会の中に秘密が多いのは、当然懺悔に来る
人が多いので自然とそうなることは自明の理である。
面白いやりとりが有ったのはやはり加害者の男が、自分のことを
自分の名前で呼び「エディ・ロバーツは独身生活を楽しんでいる」
と語った際に「アレックス・エイムズは彼が怪しいと思う」と
する突っ込み処は笑えたし、カーバーがいつものように証拠が不十分
だという際に「多少の矛盾」という表現を使ったのを見て、エイムズ
がエディの家で捜索した際にこの言葉尻を引用して「多少の矛盾」
という皮肉を語っていた。
最後に説得出来たのもやはりカーバーが黒人だったというところも
有るのだろう。
ドラマの中では色々と気づかされることも多かった。
誰が見ても加害者の一人だったオリヴィアは後悔の念からその後の
人生を奉仕に捧げていたことは分かるのだけど
白人のゴーレンが「何年も自分を犠牲にして借りは返している」と
語るのに対して、カーバーは「それは君の考えではないか。真実
を不都合と解釈するのか?」と問われる流れが有った。
そしてそういうやりとりの中に被害者の家族であるエディが語る
ように「40年前に教会を爆破して黒人を殺した白人は、その後40年間
連中は家族と共に食事をし、自分のベッドで寝てきた。余命も僅かに
なった今頃やっとムショ送りだ」としていたし、オリヴィアが懺悔
で奉仕しても、被害者への償いには何もなっていないところで行動
を起こしていることに何の意味もないとばかりの主張をしている
ことかも。
最後はみんなが告白することで、「正義の為にはどれだけの真実が
必要なんだ」という問いかけるに応えている格好だったし、
本当の意味で罪から解放される為のチャンスだとして、告白の
機会を与えたけど、若かりし頃に犯した罪というのは本当に危うい
ものが有るね。
・シスターオリヴィア役のSusan Misner
「Person of Interest」でジェシカ・アーント役で出演。
主人公のリースの妻だった人物だ。ミュージカルなんかもされて
いる方なのか「ナッシュビル」というミュージカルドラマで
ステイシー役で出演している。
■検索用キーワード
・RhマイナスO型 甲状腺 肝炎 サラセミア
・地中海貧血 アフリカ アジアに多い
・ドロシーはアイルランド系だ
・多少の矛盾 <-エイムズの嫌み調
・88年グレーブゼンド事件 人種差別の暴力事件 目撃者は一人
・白人地区の野球場で起きた事件 容疑者 アル・ニール トニー・ザバリア
・何を見ているんだニガー (Oli)
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
キャロリン・バレク (Annabella Sciorra) ローガンの相棒刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
オリヴィア (Susan Misner) シスター、アンジー・デル・マルコ(D M)
マニング (Marc Aden Gray) 神父
ドロシー (Amy Wright) シスター、オリヴィアの指導員、被害者
ミッキー (Bill Camp) ホームレス
— (Sandra Daley) James’ Caretaker
ドミニク・フラッティ (George Loros) オリビアの母の再婚相手
エディ・ロバーツ (Lawrence Gilliard Jr.) 血液専門家
— (Barbara Andres) Mother Superior
エンリケ (Felix Delgado) ポン引き
アメリア (Marion McCorry) シスター
ダニー・ダグハーティ (Bill Cwikowski) 捜査官・88年の事件を追う
テレサ (Susanne Marley) シスター
ライト (Sal Mistretta)
レックサート (Sandor Tecsy) エディのアパートの管理人
エドウィナ (Julie Caitlin Brown) シスター、ブルーム郡の女子修道院
デシリー (Cheryse Nicol Pickens) Desiree
エスペランザ (Juani Feliz) 娼婦
マリア (Nancy Rodriguez) シスター
Mr.ニボン (George R. Sheffey) エディの上司
マッテロ (Justin Aponte)
ティシャヤ (Brittany Bacote)
トニー・ザバリア (Keith Patterson) ジミーに対する傷害
ジミー・ジョーンズ () エディの兄
アル・ニール () ジミーに対する傷害、アンジーが好きな男